Al-Si系合金に鬢して微量添加劑の鑄集に對する影響に就いてはこれまで幾多の發表があつた.然し著者はこれとほ異つた見地より「アルカリ」金屬元素或はその鹽化物が組織及び機械的徃質に及ぼす影響及び機械的振動の組織並に硬度との關係等を調査し, Siの擧動と磯械的性質との關係に就いての考察をなし, Modificationの定義に對し種々檢討し併せてMg, Na, Cl等の作用に對する所感を述べる. Bentnite Fluxの影響は膠瓶的作用により組織等の變化は認められても,それよりも他の成分元素の影響の爲機械的性質は却つて低下す.單なる膠状作用は微弱にして, Na, K等のアルカリ金屬元素或はその監化物による脱酸的活溌なる反應を有する三元系偏晶反應によりSiを微細化した時に改良效果が認められ, Siが球状的に近づく程その效果が顯箸にして,單なる三元系による説明,或は三元系にあらずと云ふ説明,或ほ單なる脱酸劑の反懸,膠状反應の如き,熔湯に對する機械的な反應のみにては改良效果は不充分な結果となつた.郎ち改良效果とは脱酸的活溌な反應を有するNa, K等のアレカリ金屬元素或はその監化物により三元系的にAl-Siに作用しSiを微細化した場合なりと考察せられたものである.
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