日本金屬學會誌
Online ISSN : 2433-7501
Print ISSN : 0369-4186
ISSN-L : 0369-4186
8 巻, 9 号
選択された号の論文の15件中1~15を表示しています
  • 小野 健二
    1944 年 8 巻 9 号 p. 427-429
    発行日: 1944/09/20
    公開日: 2008/11/13
    ジャーナル フリー
    熔融Mg及びAlを含有するMg合金に對するFeの溶解度を化學分析及び顯微鏡試驗に依つて決定した.その結果熔融純Mgに對するFeの溶解度は, 650°0.028, 660°0.043, 670°0.053, 700°O.071, 800°0.127及び900°0.303%を得た.この結果はE. F. hrenhorst氏等の測定値と略〓一致する. Alの添加は鐡の溶解度を減少する.
  • 橋口 隆吉
    1944 年 8 巻 9 号 p. 429-432
    発行日: 1944/09/20
    公開日: 2008/11/13
    ジャーナル フリー
    第2報に於て提出せる再結晶に閥する著者の二つの式ΔH=ΔIIo•e-kt及びK=C•e-E/RTより,理論的に所謂再結晶温度曲線を道き出すことが出來る.純銅の如く典型的な再結晶過程を示すものに於ては,理論的に求めた曲線の形は實驗的に得た曲線の形と極めてよく一致する.アルミニウムの如く,再結晶前に著しい回復を示すものの回復區域は理論曲線に現れない.それはこの種の回復なる現象が再結贔と本質的に異なるからである.又或る種の固溶體合金に現れる低温加熱による硬化も勿論理論曲線には現れない.
  • 西村 秀雄, 豊原 富弘
    1944 年 8 巻 9 号 p. 432-438
    発行日: 1944/09/20
    公開日: 2008/11/13
    ジャーナル フリー
    金属の熔解前の結晶状態が再熔解して凝固後の粒度に關係することが考へられる.アルミニウム及びその合金の鑄塊組織に關聯してこれを研究することにした.アルミニウムに就いて異なる結晶状態のものを同一實験條件のもとに再熔解して凝固せし後の粒度を調べた結果,或る加熟温度に於て明瞭に差違のあることが明白になつた.一般に熔湯の加熟温度が高くなるにつれ凝固した場合の粒度は粗大となるかに考へられるが,併し著者等の實驗に依つては或る加熟温度迄は細か,くなるが,更に加熱温度が高くなるときは急に非常に荒くなる如き不連續性があり,この不連續點迄は熔解前の結晶状態の影響がある.加熱温度か更に高くなると熔解前の結晶粒の影響は無くなることが認められた。比重は粒度と密接な關係があると考へ測定することにしたが比重も熔解前の結晶粒の影響のあることを知ることも出來た.叉熔湯を攪拌して影響を調べたが著者等の實驗程度では殆ど無かつた.併し凝固中に振動を與へると影響は大であつた.
  • 森永 卓一, 長澤 秀雄
    1944 年 8 巻 9 号 p. 438-442
    発行日: 1944/09/20
    公開日: 2008/11/13
    ジャーナル フリー
    寫眞用印書紙を中性,アルカリ性叉は酸性溶液に浸した後,アルミニウム塊或は製品の脱脂した平滑面に適當な時聞密着せしめると,密着面に介在してゐる鐵及び珪素等の不純物の介在個所から水素瓦斯を發生して印晝紙面の銀鹽を還元する.この印書紙を現像すると水素瓦斯を發生した諸點は黒點となつて現れて來る.而してこの黒點の存在位置及び量から次の如き檢出を行ふことが可能である;黒點の量はアルミニウムの品位に比例的關係があつて,品位が低下する程黒點は増加するから定性的の比較は勿論,フオットメーターに依り黒點の量を定量して純度の決定も可能である.黒點の量はアルミニウム中の含有瓦斯量とも關聯性をもつてゐるから,含有瓦斯量の多い程黒鮎の量は増して含有瓦斯量の程度を示す一つの指針となり,一方黒點の存在置に依り不良個所が知られる.その他アルマイト製品に應用すると酸化被膜の不良個所に黒點が現れるからアルマイトの良否の判別もなし得る.以上の如き檢出が簡單に行へることを述べてゐる.
  • 石黒 政一, 原間井 豊
    1944 年 8 巻 9 号 p. 443-444
    発行日: 1944/09/20
    公開日: 2008/11/13
    ジャーナル フリー
    クロム鍍金液に超音波の場を作りその中で銅,鐵にクロム鍍金を行つた.その結果を要約すれば鍍金クロム層の結晶構造には影響がなく,叉結晶粒の配列即ち繊維組織にも影響を認めなかつた.顯微鏡組織では表面の模様に大差はないが斷面にかなりの差異を認めた.音場の存在する場合は鍍金面に平行な縞模様が生じ鍍金層の破目も少い(針孔は存在する)從つて多孔性試驗に於ても優れてゐる.硬度は音場のあるものの方が幾分硬いやらである.
  • 田所 芳秋, 須賀 音吉
    1944 年 8 巻 9 号 p. 444-446
    発行日: 1944/09/20
    公開日: 2008/11/13
    ジャーナル フリー
    鋼材の壓延に際して鋼片の温度とロール機の壓力との關係は明かでない.本研究はA及びD印綱に就いて實驗室的に静的荷重を加へてその軟化現象から考察し壓延の開始温度と終了温度を求めたものである.實際の場合には大體鋼片の温度は一定と見るべきであるから實驗的に決定した曲線から壓延の開始される荷重と終了する荷重とを求めて見た.これ等から見ると荷重一定の場合に鋼片の温度に一定の壓延範圍ある如く,温度一定の場合には一定の荷重範圍があることが判る.この結果は静的荷重の場合から推考したものであるが敢へて各位の参考に供したものである.
  • 今井 勇之進
    1944 年 8 巻 9 号 p. 447-451
    発行日: 1944/09/20
    公開日: 2008/11/13
    ジャーナル フリー
    鍋の恒温變態速度曲線に及ぼす珪素の影響を見るためC 0.4~1.0%, Si 2~4%の珪素鋼のS-曲線を求めた.何れもC鋼と同様な單純なるS-字形曲線である.珪素は恒温變態速度を遅延せしめるが.その影響はCrやMn比較して僅少である.
  • 柿田 八千代
    1944 年 8 巻 9 号 p. 451-455
    発行日: 1944/09/20
    公開日: 2008/11/13
    ジャーナル フリー
    鐡鋼及び鐡鑛石中の砒素の簡易な定量分析を行ふ目的にて, HCl酸性溶液中でCuを觸媒としてNaH2PO2を用ひて砒素を金馬屬砒素として沈澱分離し,沈澱をアスベストにて濾過し,これを直ちに過剰のI2溶液に溶解し, Na2S2O3溶液にて過剰のI2を滴定し,砒素を定量することを試み,その結果を報告する.
  • 柿田 八千代
    1944 年 8 巻 9 号 p. 456-458
    発行日: 1944/09/20
    公開日: 2008/11/13
    ジャーナル フリー
    ヂフェニールアミンを内部指示藥として使用するZnの黄血鹽による滴定を檢討し適當な條件を示し,叉NaOHに依る眞鍮からのZnの分離を試み,これにより眞鍮中のZnの簡單な分析方法を考案した.
  • 佐藤 瑞穗
    1944 年 8 巻 9 号 p. 459-490
    発行日: 1944/09/20
    公開日: 2008/11/13
    ジャーナル フリー
    本研究はヂュラルミン系輕合金の硬度及び電氣抵抗並に振動の對數減衰率を測定して,復元現象の機構を究明せんとするもので,一方に於て同現象に對する本多博士と佳友元夫氏との理論的見解を實驗的に檢證すると共に,他方に於て同現象に及ぼす再溶解の影響を考究するを目的とする.從つて實驗は復元處理に基づく上記諸量の變化を測定するに重きを置き,復元條件及び復元状況を能ふる限り詳細に吟味せんと力めた.
    本論文は便宣上これを3章に分かち,第I章に於ては時効硬化の本性に基づいて從來の復元理論を批判檢討し,第II章に於ては實驗方法と測定結果とを述べ,第III章に於ては實驗結果を詳細に吟味檢討して復元現象の眞因を明瞭ならしめんとした.
    本研究に用ひたる試料は住友金屬工業株式會社製の普通ヂュラルミンD2,超ヂュラルミンSD,超々ヂュラルミンESD及び當研究室製のヂュラルミン系輕合金等であるが,これ等の合金は何れもそれぞれの實驗目的に應じて燒入状態と時効状態とを一定に保ち,復元温度を種々に變化してこれを復元せしめ,その際認めらるる復元状況より推して復元處理の物理的意義を明らかにした.即ち復元温度を高むるに從つて復元は顯著に生じ,更にその温度を上昇せしむれば燒鈍状態に近似する事實を指摘し,復元處理とは時効によつて粒界附近に移動し局部的に集合せる溶質原子をして分散せしめ,これを大體燒入直後の元の位置に復歸せしむる操作に外ならざることを確證し,本多博士と住友氏との理論的見解を實驗的に檢證した.而して粒界附近に存在せる一部の比較的不安定の原子は,復元處理の際復元せずして粒界より直ちに析出することを實證した.
    本實驗に於ては復元温度を更に高むれば,前に析出せる溶質原子の一部も再溶解して電氣抵抗の増加として現はるることを指摘し,通常復元原子と稱ふるものの中にはかかる再溶解の原子も亦多少混在すべき事實を示した.この事實を詳細に吟味せんが爲に,上記の實驗の外に尚試料に反覆復元處理及び階段復元處理を施して,その際生ずる硬度と電氣抵抗との變化を比較檢討したが,更に試料を等速加熱せるとき現はるる復元状況を研究して,比熱曲線の意義をも考察した.
    本研究に於ては以上の外に尚試料に特殊の方法で減衰振動をなさしめてその對數減衰率を求め,これが復元處理によつて如何に變化すべきを吟味檢討し,硬度及び電氣抵抗の變化と比較對照して,復元現象とは合金の状態が燒入直後の元の状態に近づくべき現象なることを確證した.又軟鋼及び銅合金の復元を實證し,復元現象は單にヂュラルミン系合金等の輕合金に於てのみ現はるるものに非らずして,他の時効性合金にも生ずべき現象なることの一例を示し,本多博士と住友氏との理論的見解の愈〓確實なることを檢證した.
    以上は本研究の主體をなすものであるが,この外に尚時効停止現象に言及して同現象の復元現象と本質的に異なる所を明らかにした.又熱處理に基づく試料の振動數の變化を測定して彈性率の變化を計算し,ヂュラルミン系合金のヤング率は試料の燒入によつて減少するとの結果を得て,低温加工によりヤング率の減少する事實と能く符合することを示した.
  • 岩瀬 慶三, 竹内 榮
    1944 年 8 巻 9 号 p. 490-511
    発行日: 1944/09/20
    公開日: 2008/11/13
    ジャーナル フリー
    炭素鋼の燒入機構並に燒戻機構を過冷却状態に於げる相變化と云ふ觀點から理論的に實驗的に詳細に研究した. A1變態の熟力學的構成から急冷に際して何故マルテンサイトの如き中間状態が出現しなければならぬかを明らかにし,マルテンサイトはγ相とα固溶膿との準安定二相共存範圍の下部限界を越える時に起るγからαへの結晶格子の變態によりて生じたものであり,從つて過飽和のα固溶體に外ならず,その出現の温度は濃度によりて一定してゐることを結論し,マルテンサイトの熱力學的意義を明らかにした.叉一般にγ相よりの燒入に際してはマルテンサイトの外に冷却の途中析出によりて生ぜる過飽和のα固溶體及びこれが原因のーつとなつて生ぜる残留オーステナイトの三つの状態がもち來たされることが豫想される.從つて燒戻に際してはこれ等の三つの状態に對應する變化が觀測されるべきであり,實驗的にこの點を詳細に檢討した.
    最後に上述の理論を一般化して一般に共析變態を有する合金の燒入理論を提出し,炭素鋼の外にCu-Al, Cu-Sn等の合金は燒入れによりて何故中間状熊を生じ又じく共析變態を有するAl-Zn, Cu-Be, Cu-In等に於ては何故中間状態を生じないかを朋らかにした.
  • 太郎 良績
    1944 年 8 巻 9 号 p. 511-512
    発行日: 1944/09/20
    公開日: 2008/11/13
    ジャーナル フリー
  • 1944 年 8 巻 9 号 p. A212
    発行日: 1944年
    公開日: 2008/11/13
    ジャーナル フリー
  • 山本 美喜雄
    1944 年 8 巻 9 号 p. A199-A206
    発行日: 1944/09/20
    公開日: 2008/11/13
    ジャーナル フリー
  • 中谷 洋太
    1944 年 8 巻 9 号 p. A207-A212
    発行日: 1944/09/20
    公開日: 2008/11/13
    ジャーナル フリー
feedback
Top