最近16年間に発行された, 食の専門誌から採録した野菜料理を対象として, ビブリオメトリックス分析を行った.野菜料理に選択された食材の種類, 頻度数から選択利用状況の多様性に関し検討を行った結果は, 次のように要約される.
1) 食材種類として最も多かったのは主材料である野菜および加工品であり, 年間平均で104種類であった.年次傾向はみられず, 16年間の変化は大きくないものと推定される.
2) 食材出現頻度の最も高かったのは調味を目的として用いられた食材であり, 野菜料理には調味料のウエイトが高いことが確認できた. 年次傾向はみられず, 16年間の変化は大きくはないものと推定される.
3) 1野菜料理を構成する食材数は, 平均8.2であった. この値は, 1979年から1991年に向けて少しずつ小さくなっていた.
4) 多様化度は, 1976年にやや低下したことを除き, 年次傾向はみられず, 16年間の変化は大きくないものと推定される.
5) 野菜の選択利用に用いられる食材の多様化度と食材の出現頻度の度数分布上位5品目の累積度の間に高い相関がみられた.
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