土木学会論文集
Online ISSN : 2436-6021
特集号: 土木学会論文集
79 巻, 25 号
特集号(環境工学)
選択された号の論文の53件中51~53を表示しています
特集号(環境工学)論文
  • 松橋 学, 遠山 明, 松本 智樹, 名雪 克佳, 齊藤 浩, 青木 護, 石井 淑大, 重村 浩之
    2023 年 79 巻 25 号 論文ID: 23-25053
    発行日: 2023年
    公開日: 2024/03/15
    ジャーナル フリー

     本研究では、災害時に活用可能かつ移設可能なユニット型下水処理システムの実用化を検討するため、実規模スケールの施設について運搬、設置、立上げ、長期運転、撤去、移送の実証実験を実施した。検討の結果、ユニット型下水処理システムの運搬、設置、装置の立上げを特殊な重機を用いることなく短期間で行うことができることを確認した。また、建設費、維持管理費について算出するとともに、OD法を15年使用する場合とユニット型下水処理システムを比較し、30%程度安価に導入可能であることを示した。加えて、ユニット型下水処理システムから発生するGHGについて試算した結果、従来技術とほぼ同程度であることを確認した。

  • 度会 真実, 風間 しのぶ, 滝沢 智
    2023 年 79 巻 25 号 論文ID: 23-25054
    発行日: 2023年
    公開日: 2024/03/15
    ジャーナル フリー

     日本の下水道事業は,人口減少による使用料収入の低減に直面する一方で,施設の老朽化に伴う維持管理費や改築更新費の増大が見込まれる.さらに,地球温暖化問題への関心の高まりから下水道事業においても温室効果ガス排出量の削減が求められている.これらの問題に対処するため,国や地方公共法人日本下水道事業団は,民間企業による新技術の開発を支援しているが,これまでのところ,中小規模の下水道を対象とした下水処理技術は広く普及していない.そこで本研究は,下水道新技術普及の阻害要因を明らかにし,その普及方策を示すことを目的として,複数の指標を用いて革新的下水処理技術を評価するとともに,普及を妨げる要因を解析した.その結果,いずれの新技術も高い経費削減率と温室効果ガス排出量の削減率を達成できることが示された.一方で,中小規模下水道は普及して間もなく,施設更新時期に至っていないことが,新技術の導入を先送りする要因となっている.さらに,下水道事業を取り巻く課題が多様化し,国,自治体,企業および住民などのステークホルダー間で,現状認識やニーズ,技術開発目標が異なってきたことが,新技術の導入を妨げる構造的な問題となっていることが示された.そのため,新技術を普及させるためには,国の政策目標と住民や自治体のニーズが同時に達成できるような技術開発や導入支援を行い,住民や自治体に対して新技術の導入効果をわかりやすく伝えることが重要である.

  • 清水 丞, 大住 英俊, 森永 晃司, 吉井 啓貴, 平山 奈央子, 大村 達夫, 河野 達仁, 佐野 大輔
    2023 年 79 巻 25 号 論文ID: 23-25055
    発行日: 2023年
    公開日: 2024/03/15
    ジャーナル フリー

     新型コロナウイルス感染症の発生以降、感染症制御に活用することが提案されてきた下水中のウイルス濃度や遺伝子配列情報などの下水ウイルス情報に対する市民の支払い意思額を推計することを試みた。下水ウイルス情報発信サイトが運営され、その情報がメールやテレビ報道等で発信されている仙台市においてWEBアンケートを行ったところ、6種類の下水ウイルス情報のうち、「市内における下水中ウイルスの検出情報」に対する支払い意思額が306円/人で最も高く、「市内における収束判定」が227円/人で最も低かった。下水ウイルス情報を得るための費用(cost:C)は互いに独立であるとの仮定の下に便益(benefit:B)との比(B/C)を試算したところ、6種類の下水ウイルス情報に関し、1.3から4.9のB/C試算値が得られた。

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