浮泥が堆積する海域で音響測深を実施すると,船舶が航行可能な水深よりも,鉛直方向に浅い位置が観測海底面として観測される場合がある.ICT浚渫工(港湾)の導入に伴い,従来よりも周波数の高いマルチビームの活用により上記問題はこれまで以上に顕在化することが懸念される.密度計による測定を行えば,船舶航行を許容するとされる底泥密度を計測可能となるが作業コストや手間が増大する.そこで,本研究では,マルチビーム等による水深計測と,浮泥堆積特性を把握するための底泥密度分布計測などの現地観測を通じてこれらの対応関係を評価し,上記密度が出現する水深を簡便に推計する手法を提案した.具体的にはマルチビームとレッドによる測深結果から,上記密度として多くの港湾で採用されている底泥密度1,200kg/m3位置を推定できることを示した.
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