土木学会論文集B3(海洋開発)
Online ISSN : 2185-4688
ISSN-L : 2185-4688
69 巻, 1 号
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和文論文
  • 辻尾 大樹, 間瀬 肇, 森 信人
    2013 年 69 巻 1 号 p. 1-11
    発行日: 2013年
    公開日: 2013/01/18
    ジャーナル フリー
     本研究では,地球温暖化に伴って変化すると予測される設計供用期間内の外力変化を考慮した防波堤の滑動量解析を行い,沿岸外力特性の変化が防波堤の滑動安定性に及ぼす影響を検討した.地球温暖化に伴う海面上昇や高潮偏差の増大,ならびに来襲波浪の増大を考慮した防波堤の滑動量解析を実施した結果,対象とした3つの沿岸外力のうちで波浪増大の影響が最も大きいことがわかった.また,本研究の設定条件では,地球温暖化を考慮すると期待滑動量が0.2m~1.8m増加し,温暖化を考慮しない場合と比べて60~200%増加した.したがって,今後の防波堤設計において,設計供用期間中の地球温暖化に伴う沿岸外力変化を考慮する必要があること示した.
  • 比江島 慎二, 岡 圭人, 林 健一, 井上 浩男
    2013 年 69 巻 1 号 p. 12-21
    発行日: 2013年
    公開日: 2013/02/20
    ジャーナル フリー
     倒立振り子の流力振動を用いた新しい海流・潮流発電の開発のため,回流水槽による流力振動実験を行った.倒立振り子は空気を満たした中空円柱から成り,水中において浮力が復元力として作用する.この浮力によって倒立振り子の流力振動が維持され,振動を持続するのにバネ構造を必要としない.実験の結果,倒立振り子の流力振動によって,流れに対する振り子投影面に流入する水流の持つ運動エネルギーの76%を獲得することができた.この高いエネルギー取得効率は,細長い倒立振り子の回転振動で得られる巨大なトルクによってもたらされることが判明した.
和文報告
  • 高橋 俊彦, 福山 貴子, 新保 裕美, 秋山 義信, 田中 昌宏, 池谷 毅
    2013 年 69 巻 1 号 p. 22-32
    発行日: 2013年
    公開日: 2013/03/19
    ジャーナル フリー
     発電所を始めとする臨海部のプラント施設においては,津波が沿岸部に来襲した場合,強固な防潮堤によって陸域への海水の流入を防止できたとしても,取放水路,排水路等を介して,開口部から海水が溢れる氾濫によって浸水被害が発生する可能性がある.プラント施設構内には,様々な重要構造物が配置されており,氾濫によるそれらへの影響を的確に把握しておく必要がある.
     それを実現するために,ここでは鹿島・中部大学で共同開発した「都市型水害予測解析システム」に,取放水路,排水路等を介して,海水が構内の開口部から溢水するモデルを組み込んだ.本津波氾濫シミュレーションの妥当性を検証するため,発電所構内を想定した水理模型実験を実施し,その再現計算結果と比較したところ,構内の浸水状況に関して良好な一致が確認された.
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