計算機統計学
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29 巻, 2 号
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論文
  • 野崎 俊貴, 木村 拓海, 川野 秀一
    2016 年 29 巻 2 号 p. 117-131
    発行日: 2016年
    公開日: 2017/05/01
    ジャーナル フリー
     オンライン学習とは, 近年機械学習の分野において注目を集めている学習法であり, その利点は, 逐次的にデータを学習しモデルを構成することにある. 本稿では, 適応正則化学習 (Adaptive Regularization of Weight Vectors; AROW) と呼ばれるオンライン学習モデルの特徴選択を可能にするために, スパース推定に基づく方法を提案する. 推定アルゴリズムには, 座標降下法 (coordinate descent method) を用い, これにより高速化も実現する. 提案手法は, いくつかのチューニングパラメータに依存しているため, これらの値を交差検証法を用いて客観的に選択する. ベンチマークデータに基づく数値実験を通して, 提案手法の有効性を検証する.
  • 阿部 興, 鎌倉 稔成
    2016 年 29 巻 2 号 p. 133-146
    発行日: 2016年
    公開日: 2017/05/01
    ジャーナル フリー
     2つの状態が交互に表れ, 再発を繰り返すプロセスは多くの分野で関心が持たれている. イベントが繰り返し生起し, その間隔が独立に同分布に従う場合, その確率過程を再生過程と呼ぶ. 本研究では部分的に観測された交代再生過程のパラメータ推定を論じる. 信頼性工学の分野では, 稼働と休止の2状態を繰り返すシステムは交代再生過程を用いて記述される. このようなシステムの稼働率の指標はアベイラビリティと呼ばれる. 我々はアベイラビリティ推定の新しい枠組みを提案する. 長期間に渡るプロセスを観測する場合, 制限された窓の範囲でしか観測が得られないことがしばしば起こる. この窓による打ち切りのメカニズムに対応した尤度関数を導出し, 極限アベイラビリティという量を推定する例を通じて, 本手法を評価した.
総合報告
  • 山本 義郎
    2016 年 29 巻 2 号 p. 147-148
    発行日: 2016年
    公開日: 2017/05/01
    ジャーナル フリー
  • 藤野 友和, 江頭 志歩, 横尾 愛
    2016 年 29 巻 2 号 p. 149-157
    発行日: 2016年
    公開日: 2017/05/01
    ジャーナル フリー
     本稿では経営科学系研究部会連合協議会主催の平成26年度データ解析コンペティションにおいて, 株式会社良品計画より提供された無印良品の販売データを分析した結果について紹介する. 基礎集計の過程で, 女性が主な顧客であろうと思われたカテゴリの商品が男性にも多く購入されていることが確認された. このことから, 「女子力男子」と呼べるような顧客層の存在を仮定した. 実際に, 顧客の部門別購入個数のデータに対して階層的クラスター分析を適用して顧客の分類を行い, クラスターごとの特徴を考察したところ, 「女子力男子」と呼べるクラスターを見出すことができた. これと同時に, 無印良品の公式Twitterのつぶやきと商品売り上げの関連性の分析を行なった. 以上の検討に基づき, クラスター分析で見出された「女子力男子」クラスターへの効果的な販促方法を提案した.
  • 山田 実俊, 船山 貴光, 河野 克哉, 服部 敦, 山本 義郎
    2016 年 29 巻 2 号 p. 159-167
    発行日: 2016年
    公開日: 2017/05/01
    ジャーナル フリー
     同じ業者の店舗であっても, 各店舗によって扱う品目や重点とする品目はさまざまである. しかし, 同じ傾向の店舗も少なからずあり, それらの店舗をグループとして考えることで, 他の店舗との違いを見つけやすくなる. そこで, 本論文では, 店舗をグループに分類する方法と可視化を提案した. また, 同じグループの店舗について, 傾向の違いが見られたときは, それらの店舗の売り上げ向上のヒントになりえる. そこで, 各店舗の特徴を見ることができる可視化を行い, 同じグループの店舗の違いについて分析した.
  • 山本 由和, 高野 慎也, 中田 誠人, 松田 真実
    2016 年 29 巻 2 号 p. 169-179
    発行日: 2016年
    公開日: 2017/05/01
    ジャーナル フリー
     本論文では, 購買情報の時間変化をアニメーションを利用して可視化するソフトウェアを提案し, そのソフトウェアによって表示される購買傾向について述べる. 分析したデータは, 経営科学系研究部会連合協議会が主催する, 平成26年度データ解析コンペティションにおいて提供された購買履歴である. このソフトウェアでは, グループ分けしたデータにおいて, 購買時刻に注目した集計を行い, ヒストグラムと平行座標プロットで表示する. これらの図をアニメーションによって, 表示する時間を切り替えることで, 時間変化を表す. アニメーションによる表示は, 表示している時間の変化は分かりやすいが, 全期間内での変化が分かりにくい. そこで, 全期間での変化や静止画でも変化が分かるような表示も行った. このようなソフトウェアをJava言語とMySQLを利用して実装した.
  • 亀岡 瑶, 宗像 昌平, 八木 圭太, 山本 義郎
    2016 年 29 巻 2 号 p. 181-188
    発行日: 2016年
    公開日: 2017/05/01
    ジャーナル フリー
     顧客の購買記録から何らかの基準で顧客を分類する意義のひとつに, 分類されたそれぞれの顧客群に対する各々の購入の特徴を見出すことで, 別個のレコメンドが考えられるという点がある. 自己組織化マップ (SOM) を用いることで, あらかじめクラスター数について議論する必要なく, 類似する観測データをまとめることができる. 本研究では, 会員制度を導入しているスーパーマーケットのPOSデータに対して, SOMに関するアルゴリズムを適用させ, 顧客の分類を行う. また, SOMによるマッピングの可視化を用いた顧客や店舗の特徴分析を行った.
  • 中田 誠人, 山本 由和
    2016 年 29 巻 2 号 p. 189-195
    発行日: 2016年
    公開日: 2017/05/01
    ジャーナル フリー
     本論文では, 購買履歴の傾向を可視化することを目的として作成したソフトウェアとそのソフトウェアによって表示される購買傾向にについて述べる. このソフトウェアでは, 4変数の値を3次元空間に表示する. この中の3変数によって, データのグループ分けを行い, 立方体で表示する. そして, それぞれのグループに対して, 残りの変数の集計値を計算し, 立方体の色によって表す. 注目するグループについては, 立方体の集合から面を取り出して比較することができる. このようなソフトウェアをJava言語とMySQLを利用して作成した.
     このソフトウェアを利用して, 経営科学系研究部会連合協議会が主催する平成 26 年度データ解析コンペディションで提供された全日食チェーンと無印良品のデータの可視化を行った. この結果として, いくつかの購買履歴の傾向を示す.
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