昨今のInternetの普及は極めて加速度的であり,多くの商用プロバイダの輩出,パソコン通信との乗り入れとも相まって,参加形態やユーザ層にも大きな変化が生じている.また,World Wide Web (WWW)の普及により,従来は文字ベースであった電子情報の授受は,図表,画像などを併用したいわゆる「マルチメディア」形態に変化しつつある.本学会も現在,学会として正式にインターネットに参加,現在は和文誌編集委員会を中心として,WWW Serverによる情報提供を試験的に始めている. しかし,昨今のInternetに関する書籍は,主として個人単位での接続方法や利用方法に関するものが多く,大学や会社,学会など組織単位での参加のためのプロセス,その背景などに関して解説されたものは少ない. そこで本稿では,執筆時点におけるInternetの現状を紹介しつつ,さまざまな側面から,今後,特に組織単位で新たにInternetに参加する際,留意すべき点などに関する概説を試みたい.具体的には,本学会がjscs. or. jpという組織名でInternetに参加するまでの手順にそって,新たな組織が参加する場合の事例を述べることになる.
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