重回帰分析のための支援システムRASS2は,利用者に重回帰分析を知的に支援する環境を提供するだけでなく,その構成や内容を柔軟に変更できるような環境も提供することを目的として設計・開発された.これを実現するために,オブジェクト指向のオブジェクトを,局所的な重みをもつルールをもつように拡張し,そのルールに基づいて自発的に振舞うモジュールを基本構成要素とした.システムに存在する複数の拡張されたオブジェクトは,重回帰分析に必要な手続きや知識を1つのまとまりとして実装することができ,各オブジェクトが持つルールと解析の状況に基づいて,解析手順や様々な情報を自発的に利用者に提示することができる.本論文では,この拡張したオブジェクトをどのように実装したのか,また,RASS2におけるそれらの役割と構成について述べる.
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