e-コマースにおける顧客の行動履歴(アクセスログ)は,対象Webサイトに訪れた不特定多数の顧客行動を記録するという特性から,非常に大規模なデータである.そして,そこから顧客行動の傾向を把握することは,企業にとって非常に重要な問題である.本研究では,顧客行動のなかでも,商品の購入者・非購入者の行動傾向の違いに着目し,解析を行う.具体的には,商品の購入・非購入者の行動傾向に基づいたWebサイトの分類を動的に行い,顧客行動を予測することを目的とする.最初に,対象サイトのWebページを分類し,購入者・非購入者の行動傾向についてグラフモデルを用いて解析を行い,両者の違いについて議論を行う.次に,グラフモデルでの解析結果をもとに分類を再構成し,隠れマルコフモデルを用いて,顧客行動から商品購入予測が可能かどうかについて解析を行う.商品購入予測にあたっては,分類法やモデルの違いによってどのように予測精度が変わるかについて議論を行い,そこから得られる知見について考察を行う.
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