計算機統計学
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31 巻, 1 号
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論文
  • 阿部 興, 鎌倉 稔成
    2018 年 31 巻 1 号 p. 1-15
    発行日: 2018年
    公開日: 2019/02/27
    ジャーナル フリー
     再発事象のモデリングという観点から, 交代再生過程は多くの応用がある. 交代再生過程は 2 つの状態 0 と 1 が交互に表れる, 再生過程の一般化である. Rootzén & Zholud (2016) では交代再生過程の状態 0 の長さの分布のパラメータを推定する方法を提案した. 阿部・鎌倉 (2016) でも同様に, 交代再生過程が限定された「窓」から観測された場合の尤度関数を導出しパラメータ推定を可能にした. Rootzén & Zholud (2016) では, 窓の幅が小さいときは, 状態 0 の長さの分布と状態 1 の長さの分布を同時に推定したほうが良いと述べているが, 数値的な比較や理論的な考察はなされていない. そこで, 再生間隔がワイブル分布に従う場合と指数分布に従う場合について, これらの推定量の性質をシミュレーションを用いて明らかにする. また指数分布の場合については, 推定量の漸近分散を解析的に求める. 状態 0 の長さの分布と状態 1 の長さの分布が独立であっても, 両者を同時に推定するアプローチが, バイアス, 標準誤差で評価して, 優れた性質を持つことを明らかにする.
総合報告
  • 大谷 隆浩, 菅澤 翔之助, 野間 久史
    2018 年 31 巻 1 号 p. 17-33
    発行日: 2018年
    公開日: 2019/02/27
    ジャーナル フリー
     過去十数年の間に世界中で行われたゲノムワイド関連解析 (genome-wide association study; GWAS) の成果により, 様々な形質に関連する数千の一塩基多型 (single nucleotide polymorphism; SNP) が同定されている. これまでのGWASでは, 集団内におけるマイナーアレル頻度がある程度高いSNPを対象として研究が行われてきたが, 近年のDNAシークエンシング技術の飛躍的な発展に伴い, 頻度が極めて低い希少変異 (rare variant) に注目した研究が行われるようになっている. 統計学的な観点からも, 希少変異の関連解析は頻度が高いSNPの解析に比べてより困難となることから, GWASで一般的に採用されている単一のSNPによる単変量の関連解析ではなく, 注目する遺伝子やDNA領域内にある複数の変異の情報を集約した上で, 表現型との関連を検定する手法が提案されている. 本稿では, 近年の様々な方法論的研究で提案されている, 希少変異を対象とした関連解析手法のレビューを行う.
  • 山本 由和
    2018 年 31 巻 1 号 p. 35-36
    発行日: 2018年
    公開日: 2019/02/27
    ジャーナル フリー
  • 阿部 興, 高橋 祐一郎, 荒井 英貴, 菅野 大志, 北澤 健斗, 小松原 翔, 曽根 圭博, 泉谷 聡史, 吉田 敦, 永井 利昌, 秋 ...
    2018 年 31 巻 1 号 p. 37-47
    発行日: 2018年
    公開日: 2019/02/27
    ジャーナル フリー
     値引きは小売店, EC サイトで広く行われる施策である. 本研究では混合分布を用いて, セール品の購買しやすさという観点から顧客を分類する新しいモデルを提案する. 順序の構造のある混合分布に対しては, 比例ハザードモデルを自然に用いることができた. パラメータ推定には EM アルゴリズムを用いる. 推定量の性質については, ブートストラップ法を用いて評価した. 提案モデルの有用性は EC サイトの購買履歴データの分析を行うことで示す. セール品への反応という観点から顧客を分類することで, 興味深い知見が得られる. RFM 指標で評価した結果, 従来バーゲンハンターとして忌避されがちな, セール品を購入する確率の高いクラスタが, 相対的に優良な顧客となることが示唆された.
  • 藤野 友和, 櫻井 綾乃, 服部 さくら, 藤本 彩
    2018 年 31 巻 1 号 p. 49-57
    発行日: 2018年
    公開日: 2019/02/27
    ジャーナル フリー
     本稿では, 経営科学系研究部会連合協議会主催の平成28年度データ解析コンペティションにおいて, ファッション系ECサイトより提供されたデータを分析した結果について紹介する. ここでは, 販売促進ツールとして, オンラインでの「ファッション診断」ツールを作成した. ツールを作成するために, 一部のユーザーに対して実施されたアンケート調査結果に対してアンケート項目を個体と見なしたクラスター分析を適用して, 診断項目の絞込みを行った. また, 診断結果を表示する際に, 商品やショップの提案を行うために, 同時購買に関する集計を行った.
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