近年, 多くの分野で空間データ (地理的な位置情報を有するデータ) を用いた解析が行われており, 中でも空間疫学の分野では盛んに研究が行われている. 本研究では, 疾病の罹患や死亡の危険度を表すリスクの指標を計算するとともに, それらの結果を地図上に可視化できるソフトウェアをRのshinyパッケージを用いて開発した. これにより, 対話的な操作を行いながら, リスク指標の分布の様子を空間的に捉えることが可能となった. さらに本ソフトウェアでは, リスクの高い地域が, ある特定の地域に集積しているか否かを評価するために, 空間集積性の検定を行う機能も実装している. 本論文では, 死亡のリスク指標, 空間集積性の検出について述べるとともに, これらの解析を統合的に行うことのできる我々の開発したソフトウェアについて紹介する.
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