冠元顆粒の 2 型糖尿病モデルを用い, 高血糖による合併症に対する影響を検討した。
db/dbマウスに冠元顆粒100または200 mg/kg 体重を18週間連日経口投与後, 血液と腎組織を採取した。 冠元顆粒投与群では
db/db コントロール群に比べ, 血清中のグルコース, レプチン, 活性酸素種, チオバルビツール酸反応物質, クレアチニン, 尿素窒素が有意に低下していた。 組織学的検討の結果,
db/db マウスで観察された糸球体肥大は, 冠元顆粒投与群で減少し, 腎組織中の活性酸素種やチオバルビツール酸反応物質, グルタチオンの酸化還元比の改善作用が認められた。 また, Western blot 解析によって, 冠元顆粒投与群のp22
phoxや NF-κB, COX-2, iNOS, Bax, cytochrome c の発現が抑制していた。 このことから, 冠元顆粒は 2 型糖尿病における酸化ストレスや炎症反応を抑制して, 腎組織を保護していることが, 実験的に明らかとなった。
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