Journal of Traditional Medicines
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27 巻, 5+6 号
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Regular Article
  • Yasuyoshi Fujiuchi, Akihiko Watanabe, Hideki Fuse
    2010 年 27 巻 5+6 号 p. 187-191
    発行日: 2010年
    公開日: 2010/12/22
    ジャーナル フリー
    前立腺肥大症に伴う下部尿路症状, 特に蓄尿症状に対してα-1 ブロッカーや, 抗コリン剤が主に用いられている。 しかしながら, それらの薬剤に反応しない症例も存在する。 われわれはそのような前立腺肥大症を伴う患者30例に対して牛車腎気丸の効果について検討した。 牛車腎気丸の投与により, 昼間および夜間排尿回数は有意に減少した。 また, 尿流測定, 残尿量, IPSS, QOL スコアなどのパラメーターも改善した。 頻尿, 夜間頻尿に対する効果では実証, 虚証の間に有意な差は認められなかった。
    牛車腎気丸の頻尿を改善するメカニズムについては, 基礎的研究により脊髄のκオピオイドレセプターや C 線維が関連していることが明らかになっている。
  • Chan Hum Park, Jeong Sook Noh, Noriko Yamabe, Takuya Okamoto, Ki Sung ...
    2010 年 27 巻 5+6 号 p. 192-203
    発行日: 2010年
    公開日: 2010/12/22
    ジャーナル フリー
    冠元顆粒の 2 型糖尿病モデルを用い, 高血糖による合併症に対する影響を検討した。 db/dbマウスに冠元顆粒100または200 mg/kg 体重を18週間連日経口投与後, 血液と腎組織を採取した。 冠元顆粒投与群では db/db コントロール群に比べ, 血清中のグルコース, レプチン, 活性酸素種, チオバルビツール酸反応物質, クレアチニン, 尿素窒素が有意に低下していた。 組織学的検討の結果, db/db マウスで観察された糸球体肥大は, 冠元顆粒投与群で減少し, 腎組織中の活性酸素種やチオバルビツール酸反応物質, グルタチオンの酸化還元比の改善作用が認められた。 また, Western blot 解析によって, 冠元顆粒投与群のp22phoxや NF-κB, COX-2, iNOS, Bax, cytochrome c の発現が抑制していた。 このことから, 冠元顆粒は 2 型糖尿病における酸化ストレスや炎症反応を抑制して, 腎組織を保護していることが, 実験的に明らかとなった。
  • Mi-Jeong Ahn, Ji Young Bae, Masayuki Mikage, Jong Hee Park
    2010 年 27 巻 5+6 号 p. 204-209
    発行日: 2010年
    公開日: 2010/12/22
    ジャーナル フリー
    韓国民間薬 「Da-Rae-Jul-Ki」 は, 排尿障害, 脳卒中, 胃腸カタル, 急性胃炎, 胃癌などに使用される。 その基源は一般にマタタビ科マタタビ属植物の小枝であるとされるが, これまで確証がなかった。 そこで, 韓国や日本に生育する本属植物, Actinidia arguta (サルナン), A. arguta var. rufinervis, A. kolomikta (ミヤママタタビ), A. polygama (マタタビ), および A. rufa (ナシカズラ) の枝を比較組織学的に検討した。 その結果, 検討した 5 分類群はコルク層の細胞層数, コルク細胞の大きさ, 一次皮層の幅に対する二次皮層の幅の比, 纖維束間の石細胞の有無, およびその大きさ, 分泌道の形, 導管や髄柔細胞の大きさなどの違いにより区別され, Da-Rae-Jul-Ki は A. arguta の小枝であることを確証した。
  • Ken Tanaka, Atsutoshi Ina, Kosuke Hayashi, Katsuko Komatsu
    2010 年 27 巻 5+6 号 p. 210-216
    発行日: 2010年
    公開日: 2010/12/22
    ジャーナル フリー
    中国及びモンゴル産の33種類の甘草についてエキスの LC-MS 分析を行い, 多変量解析による品質評価について検討した。 同定された17化合物のうち, 分散の大きい10化合物 (liquiritin apioside, liquiritin, glycyrrhizin, licoricesaponin A3, B2, E2, G2, H2, licorice glycoside E, isomer of glycyrrhizin) について含有量のデータ行列を主成分分析により解析したところ, 中国野生品, 栽培品及びモンゴル産で分類することが可能であった。 さらに, モンゴル東部産の甘草は, 成分含有パターンが中国野生品に近く, その代替品として使用可能であることが示された。
Symposium in the 27th Annual Meeting of Medical and Pharmaceutical Society for WAKAN-YAKU
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