Journal of Traditional Medicines
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21 巻, 6 号
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Review
  • -Phylogenetic analysis, molecular authentication and quality evaluation-
    Katsuko KOMATSU, Shu ZHU, Yohei SASAKI
    2004 年21 巻6 号 p. 251-270
    発行日: 2004年
    公開日: 2007/12/28
    ジャーナル フリー
    Panax 属植物及び Curcuma 属植物に由来する人参類生薬及び鬱金類生薬に関する研究を例にして, 分子生物学全盛期の現代における生薬学的研究を提唱した。 研究は, 核 18S rRNA 遺伝子及び葉緑体 trnK 遺伝子の塩基配列に基づく植物の分子系統学的解析, 遺伝子多型に基づく生薬の同定, 薬理活性成分または薬理活性に基づく生薬の品質評価から構成される。 2 遺伝子の塩基配列に基づいて構築した系統樹から Panax 属植物の系統関係が明確に整理され, 一方各分類群に固有な塩基配列からすべての同属由来の生薬が同定された。 重要な 5 種類の生薬を簡便に同定する方法として MARMS 法を開発した。 Panax 属 12 分類群に由来する生薬について, 11 サポニン成分の定量分析を行った結果, 分類群固有の含有パターンが見出された。 したがって, 遺伝子の塩基配列を決定すれば, 生薬の同定のみならず, 各種活性を有する成分の組成をも推定できることが示唆された。 同様に中国及び日本産 Curcuma 属植物の遺伝子解析を行い, 鬱金類生薬の正確な同定を可能にした。 5 種類の生薬の駆瘀血作用を比較する目的で, 血管リング標本を用いて血管作動性を検討した結果, 全生薬のメタノールエキスに強い NO 非依存性の血管弛緩作用, 熱水エキスにそれより弱い弛緩作用が認められた。 これは, 熱水エキスにはメタノール可溶性画分に起因する血管弛緩作用の他, 多糖類に起因する血管収縮作用が認められることによるものである。 この弛緩作用は基源種により異なり, また日本産ガジュツのみ他種と同様の NO 非依存性の血管弛緩作用に加えて, NO 依存性の血管弛緩作用が認められた。 ここで概説した一連の研究は, 生薬の標準化とそれらの効率的な利用の点から重要になるものと考えられる。
Regular Article
  • Nobuyasu SEKIYA, Hirozo GOTO, Kazufumi KOUTA, Tadato TANI, Yutaka SHIM ...
    2004 年21 巻6 号 p. 287-293
    発行日: 2004年
    公開日: 2007/12/28
    ジャーナル フリー
    The present study was performed to evaluate Toyama original brand formulation A and B about the scavenging activity for superoxide anion and hydroxyl radical by using electron spin resonance method and protective activity against nitric oxide (NO) donor-induced neuronal death in cultured cerebellar granule cells. As a result, both formulation A and B showed strong radical scavenging effects. It appeared that Corydalis turtschaninovii Besser forma yanhuso Y.H.CHOU et C.C.HSU and Magnolia obovata THUNBERG which were not contained in prescription B, had strong scavenging activities for superoxide anion and hydroxyl radical with the analysis for constituents of the formulations. Furthermore, both formulation A and B had protective effects against NO donor-induced neuronal death in cultured cerebeller granule cells. The protective effect of formulation A was somewhat stronger than that of formulation B. Corydalis turtschaninovii and Magnolia obovata also had protective activities against NO-mediated neuronal death. From these findings, Toyama original brand formulation A may be more useful than formulation B for maintaining and improving health.
  • Naoki FUJITSUKA, Hirofumi MARUYAMA, Yoshio KASE, Shuichi TAKEDA, Masak ...
    2004 年21 巻6 号 p. 271-274
    発行日: 2004年
    公開日: 2007/12/28
    ジャーナル フリー
    柴苓湯は臨床上の様々な浮腫に用いられており, その効果は本剤の利尿作用によるところが少なくないと考えられている。 しかし, 柴苓湯の利尿作用機序には未だ不明な点が多い。 今回, 抗利尿ホルモン (vasopressin) の刺激に対する柴苓湯の作用について検討した。 雄性 Wistar ラットに柴苓湯 (0.5~1.5 g/kg) を投与し, 30 分後に採取した腎皮質切片を[Arg8]-vasopressin (AVP:1, 10 mI.U./mL) と 2 分間反応させ, 組織中 cAMP 量を ELISA 法にて定量した。 その結果, AVP による cAMP の増加は柴苓湯投与群から得た腎皮質において用量依存的に抑制された。 さらに柴苓湯の cAMP 産生抑制作用は一酸化窒素合成酵素阻害薬である L-NAME (6 mg/kg, i.p.) の前処置によって消失した。 柴苓湯は一酸化窒素の産生を増加させることで AVP V2 受容体が刺激された以降の細胞内情報伝達を遮断する可能性が示唆された。 これらの結果から, 柴苓湯の利尿作用の一部には AVP が関与しているかもしれない。
  • Toshihiro MIURA, Yasushi ITOH, Torao ISHIDA
    2004 年21 巻6 号 p. 275-277
    発行日: 2004年
    公開日: 2007/12/28
    ジャーナル フリー
    ヤーコンの遺伝的2型糖尿動物 (KK-Ay マウス) に対する効果を 6 週間連続投与を行い, その後糖負荷試験, インスリン負荷試験で検討した。 ヤーコン水抽出物は投与 6 週間後に KK-Ay マウスの血糖値およびコレステロール値を低下させた。 しかし, 正常マウスの血糖値には影響しなかった。 ヤーコンはまた KK-Ay マウスの糖負荷後の血糖値の上昇を抑制した。 これらの結果からヤーコンは 2 型糖尿病の高血糖および高コレステロール血症に有効であることが分かった。
Short Communication
  • Hwa-Jin CHUNG, Seiko SHIRASAKI, Tadato TANI
    2004 年21 巻6 号 p. 278-280
    発行日: 2004年
    公開日: 2007/12/28
    ジャーナル フリー
    富山県の産 (富山県薬業連合会) 官 (富山県) 学 (富山医科薬科大学) の研究グループが飽食時代に適した新たな滋養強壮薬 (富山オリジナルブランド配置薬) の開発を進めた。 新処方の配剤生薬は従来の滋養強壮薬の効能に生活習慣病の血管病変の予防作用を付与する視点から選ばれた。 文献調査や市場調査および薬理と製剤化の実験を経て11種類の生薬配合剤が創案された。 新製剤 (丸剤) は主薬の薬用人参の基原植物名 (Panax ginseng) と王様 (Wang) に因んで Pana Wang と命名された。
    本研究では10日間経口投与された PanaWang がラット頸動脈をカテーテルで擦過した後の内膜肥厚を抑制することが明らかにされた。 この内皮細胞傷害病態は加速された動脈硬化症モデルといわれている。 PanaWang の作用機序は血管平滑筋細胞の増殖抑制にあることが免疫組織化学的に検証された。 PanaWang の作用には配剤された 11 生薬の血小板凝集抑制作用 (薬用人参, 延胡索, 牛黄など) や活性酸素種の消去作用 (厚朴, 桂皮, 芍薬など) が関与していることが文献考証に基づいて推論された。
  • Hiroshi IWATA, Yasuhiro TEZUKA, Shigetoshi KADOTA, Akira HIRATSUKA, Ta ...
    2004 年21 巻6 号 p. 281-286
    発行日: 2004年
    公開日: 2007/12/28
    ジャーナル フリー
    26 種の生薬のシトクロム P450 3A4 (CYP3A4) 及び 2D6 (CYP2D6) に対する阻害作用を調べた。 生薬エキス粉末から調製されたメタノール可溶性画分を NADPH 生成系存在下, ヒト肝ミクロソームとプレインキュベーションした後の CYP3A4 の残存活性 (erythromycin N-demethylation 活性) と CYP2D6 の残存活性 (dextromethorphan O-demethylation 活性) を測定した。 その結果, 16 種の生薬がCYP3A4 活性をプレインキュベーション時間依存的に低下させた。 中でも, 呉茱萸による CYP3A4 活性の低下作用が最も顕著であった (30 分間プレインキュベーションした後の活性の残存率は 22.3%)。 次いで, 蘇木, 羌活, 五味子, 牛蒡子, 白, 大黄が顕著な低下を示した (30 分間プレインキュベーションした後の活性の残存率は, それぞれ 40.6, 41.2, 53.4, 47.1, 53.4, 59.2%)。 これら 7 種生薬による CYP3A4 活性低下作用は, CYP3A4 に対する不可逆的阻害剤である troleandomycin による残存率 (49.4%) に匹敵した。 CYP2D6 活性に対してプレインキュベーション時間依存的な活性の低下を示した生薬は, 5 種であった。 最も CYP2D6 活性の低下作用が大きかった生薬は, 羌活であり, 30 分間プレインキュベーションした後の活性の残存率は 61.9%であった。 以上の結果から, 呉茱萸, 蘇木, 羌活, 五味子, 牛蒡子, 白芷, 大黄等の複数の生薬エキス中に, CYP3A4 に対する metabolism-dependent inhibitor が含まれていることが示唆された。
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