西日本畜産学会報
Online ISSN : 1884-6394
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32 巻
選択された号の論文の17件中1~17を表示しています
  • 有馬 俊六郎
    1989 年 32 巻 p. 1-7
    発行日: 1989/07/20
    公開日: 2010/08/25
    ジャーナル フリー
  • 野口 孝
    1989 年 32 巻 p. 8-17
    発行日: 1989/07/20
    公開日: 2010/08/25
    ジャーナル フリー
  • 廣松 重弘
    1989 年 32 巻 p. 18-29
    発行日: 1989/07/20
    公開日: 2010/08/25
    ジャーナル フリー
  • 及川 卓郎, 池田 秀敏, 新城 明久
    1989 年 32 巻 p. 30-34
    発行日: 1989/07/20
    公開日: 2010/08/25
    ジャーナル フリー
    材料牛集団は, 1969-1982年の間に出生し, 1987年3月までに廃用となった沖縄県伊江村の繁殖雌牛319頭である。分散分析に取りあげた要因は種雄牛, 飼養農家, 雌牛の出生時期, 出生季節, 審査時日齢に対する1次回帰係数, 近交係数に対する1次または2次回帰係数である。分析対象形質は, 初産日齢, 分娩回数, 最終分娩時日齢, 審査得点, 体高, 胸囲, 胸深, 尻長, 腰角幅および腕幅である。分散分析の結果得られた回帰式は, 分娩回数に対してy=4.305-0.080x, 胸囲に対してy=177.8-2.601x+0.100x2, 胸深に対してy=63.9-0.782x+0.028x2である。以上の結果から分娩回数に近交退化の起こることが示唆されたが, 胸囲および胸深に対しては, 妊娠牛の影響が大きいと考えられるため, 明確な結論は得られなかった。
  • 及川 卓郎, 喜屋武 幸紀, 新城 明久
    1989 年 32 巻 p. 35-40
    発行日: 1989/07/20
    公開日: 2010/08/25
    ジャーナル フリー
    本研究では, 沖縄のフィールド記録に最適な種雄牛評価モデルを明らかにすることを目的として分析を行った。同群比較法, BLUP―Iモデル (単形質, 血縁考慮せず) , BLUP―HAモデル (単形質, 簡便法で血縁を考慮) , BLUP―EXモデル (単形質, 正確な血縁を考慮) およびMT―BLUPモデル (複数形質) の5モデルについて比較検討した。同群比較法は計算コストから最も有利であったが, 単形質BLUP諸モデルに比べ予測値の正確度はかなり劣っていた。各BLUPモデル間では, BLUP―I, BLUP―HAおよびBLUP―EXモデルによるEPD値間に大きな差異は無かった。したがって, 単質BLUPモデルの中で, 最も計算コストの少ないBLUP―Iモデルを種雄牛評価に用いても実用上問題ないと考えられる。一方, 複数形質BLUPモデルによる評価値は, 単形質BLUPモデルによる評価値とかなり異なるため, 現在のところ, その適用は妥当ではないと考えられる。
  • 及川 卓郎, 新城 明久
    1989 年 32 巻 p. 41-45
    発行日: 1989/07/20
    公開日: 2010/08/25
    ジャーナル フリー
    沖縄県食肉セソターで格付された黒毛和種去勢牛の屠肉形質について, カテゴリデータのスコア化を検討した。分散成分の推定および種雄牛の遺伝的評価を行った結果, 原スコアはSHELLの客観的スコア法 (OSP) に比較して精度においてなんら劣るところがみられず, 実際の分析上問題のないことが明らかとなった。難産性 (ease of calving) とは異なり, OSP法において有効性が示されなかった理由は, 格付成績ではカテゴリデータのクラス数が4と多いことおよび分布が対称型に近く, 正規分布で近似できたことによると考えられる。
  • 栗原 光規, 高橋 繁男, 久米 新一, 相井 孝允
    1989 年 32 巻 p. 46-54
    発行日: 1989/07/20
    公開日: 2010/08/25
    ジャーナル フリー
    夏期高温環境下 (平均気温27℃以上) における乳牛の乳量および乳成分率に及ぼす濃厚飼料の給与量 (乳量の30%および50%) とその給与回数 (2回および5回) の影響を検討した。その結果, 次のような知見を得た。1) 日平均気温27℃以上では体温および呼吸数はそれぞれ39.5℃および75回/分以上であったが, 体温および呼吸数には濃厚飼料の給与量とその給与回数による差は認められなかった。2) 乾物摂取量には濃厚飼料の給与量とその給与回数による明らかな差はなかったが, 飼料摂取量と日本標準飼料成分表の消化率より求めた推定TDN摂取量は, 濃厚飼料多給時に増加する傾向を示した。3) 高温による乳量の減少割合は, 濃厚飼料多給により抑制される傾向にあった。しかし, その給与回数を増加させても乳量に変化は認められなかった。4) 乳脂率は, 濃厚飼料多給により低下したが, その給与回数を2回から5回にすると0.2%程度増加し, 4%脂肪補正乳量も増加する傾向を示した。5) 蛋白質率およびSNF率は, 濃厚飼料の給与量およびその給与回数により影響されなかった。6) 以上の結果から, 高温環境下では濃厚飼料多給により乳牛のエネルギー摂取量の減少を抑制し, さらにその給与回数を増加させ乳脂率の低下を抑制することにより, 4%脂肪補正乳量の減少を抑制できる可能性が示唆された。
  • 高橋 繁男, 相井 孝允, 久米 新一, 栗原 光規
    1989 年 32 巻 p. 55-58
    発行日: 1989/07/20
    公開日: 2010/12/08
    ジャーナル フリー
    牛の第一胃で分解を免れた飼料粗蛋白質の, 小腸での消化性を評価するために, ルーメンバッグ法により未分解粗蛋白質を用意した。第一胃での飼料の滞留時間とその間に分解されなかった粗蛋白質の消化性の関係を調べるために, ルーメンバッグの投入時間を2, 6, 12および24時間とした。このようにして得た第一胃内未分解粗蛋白質を, ベプシン・豚小腸液によるin vitro法で処理し, 消化率を測定した。
    皮付き圧べん大麦, ひき割り玄米, ひき割りトウモロコシおよび圧ぺん大豆粕は第一胃投入時間にかかわらず, その間に分解を免れた蛋白質の消化率は高い値であった。一方, アマニ粕, 米ヌカ, フスマおよび魚粉は第一胃投入時間が長くなるに伴い, 未分解粗蛋白質の消化率は低下した。
  • 高橋 繁男, 相井 孝允, 久米 新一, 栗原 光規
    1989 年 32 巻 p. 59-62
    発行日: 1989/07/20
    公開日: 2010/08/25
    ジャーナル フリー
    飼料自体に含まれている酸不溶性灰分 (AIA) を用いて, 牛に給与した飼料の乾物消化率およびTDN濃度の推定を行った。7日間の消化試験では, AIAの回収率は100%とみなせた。直腸から糞を採取する方法 (グラブ法) により, 1日5回の糞採取を7日間行い, そのAIA濃度と→投成分とから乾物消化率と乾物中TDN濃度を算出した場合に, 全糞法による値との差は, 5%の危険率で, ±1.8%と, ±2.0%と推定された。このことから, AIA法は, 採食された飼料のAIA濃度によっては (本試験では2.2~2.6%) 充分応用に耐えると考えられた。
  • 石橋 隆史, 岩倉 哲雄, 御手洗 善郎, 首藤 邦彦, 久々宮 仁三
    1989 年 32 巻 p. 63-70
    発行日: 1989/07/20
    公開日: 2010/08/25
    ジャーナル フリー
    昭和56年から63年までの間に, 大分県産素牛から肥育された黒毛和種去勢牛について, 肉量及び肉質に関する形質, ならびに経済性指標を解析した。全国各地の枝肉市場から集めた8, 968頭のデータを最小自乗分散分析及びBLUP (最良線形不偏予測量) 分析プログラムで解析した。その結果は次のとおりであった。
    1.最小自乗分散分析において, 本研究で用いた分析対象形質は, いずれも有意性を示した。
    2.出荷年次別の効果は大分県産牛に特有の傾向を示さず, すべての分析対象形質において, 主要な市場全体の枝肉の傾向とよく一致していた。
    3.肥育終了日齢を延長すると枝肉単価は高くなったが, 肥育期間DG, 日齢増加額及び肥育期間日粗収益はいずれも低下した。肥育終了日齢の延長には十分な注意を要する。
    4.分析対象形質の遺伝率は0.154~0.271の範囲にあった。肉量に関する形質と肉質に関する形質の遺伝相関は-0.267~-0.135となり, いずれも負の値を示したが, その値は小さかった。
    5.後代牛20頭以上が得られた種雄牛30頭について, 期待後代差 (EPD) を計算した。福梅は日齢増加額で, 第6福久は肥育期間日粗収益で, 美桜は枝肉単価で, 第2賢晴は枝肉重量, 日齢枝肉量, 肥育期間DGで, 30頭の中で第一位のEPD値を示した。
    6.広域 (県内全域) の種雄牛の評価値を各市町村域内で2頭以上の後代牛が得られた雌牛の評価値に取り込む方法を用いて, 雌牛の予測伝達能力 (ETA) を計算し, いずれかの形質において上位10頭に入ったものを示した。雌牛の中には育種価の相当高いものが存在することが明らかになった。
  • 岡本 智伸, 椛田 聖孝, 菊地 正武
    1989 年 32 巻 p. 71-74
    発行日: 1989/07/20
    公開日: 2010/08/25
    ジャーナル フリー
    急傾斜地を野草地のまま利用し, 丘頂部や緩傾斜地のみを牧草地化した形態の草地を1つの牧区として放牧利用した場合の草地生産特性を明らかにするため, 特に可食草量や採食量の季節的変動に関して検討した。
    野草と牧草との生育特性の差異により, 野草地と牧草地の可食草量は季節的に互いに補足しあうような状態を呈していた。また採食量においても同様に, 季節的な相補的関係にあった。本草地形態のように1牧区内に野草地と牧草地を混有することにより, 牧区全体として季節的に平衡的な乾物生産あるいは放牧採食利用が可能になることが示唆された。
  • 西尾 祐介, 福田 憲和, 井上 尊尋
    1989 年 32 巻 p. 75-77
    発行日: 1989/07/20
    公開日: 2010/08/25
    ジャーナル フリー
    鶏精液の凍結保存における+5~-40℃の範囲の温度降下プログラムについて, 1℃/分の降下速度による凍結手法 (一定勾配凍結法) と, 潜熱発生点まで1℃/分で降下し, 潜熱発生と同時に10℃/分の降下速度に切り換える手法 (ステップ凍結法) の2通りを実施し, 融解後受精率を調査した。
    その結果, 一定勾配凍結法による受精率は2.4~3.7%の範囲であったが, ステップ凍結法の場合受精率は39.5~59.5%に向上した。凍結実施時の精液温度チャートを検討したところ, ステップ凍結法においては潜熱発生後の精液温度がスムーズに下降していたのに対し, 一定勾配凍結法では潜熱発生直後にプログラムフリーザーの追随性の不足に起因すると思われる温度の上下動が見られ, 受精率低下の原因となっている可能性が考えられた。
  • 工藤 竜大, 家入 誠二, 村上 忠勝
    1989 年 32 巻 p. 78-80
    発行日: 1989/07/20
    公開日: 2010/08/25
    ジャーナル フリー
    豚の防暑対策の一環として, 種雄豚を用いて暑熱期の精液性状に対する庇陰の効果を調査した。種雄豚のパドックを遮光率の異なる寒冷紗で庇陰し, 無庇陰の対照区と比較したところ, 豚房内の気温, 湿度にはほとんど差は認められなかったが, パドック部の庇陰直下において, 実効熱副射温度の低下およびカタ冷却力の増加が大きく, 豚房内でもこの効果が認められた。精液性状についてみると, 精子数, 精子活力および奇形率ともに暑熱期の悪影響が緩和され, 秋口における回復も早まる傾向にあった。また遮光率が高いほど庇陰効果も高くなる傾向が認められた。
  • 永住 浩治, 橋口 峰雄, 津曲 博之
    1989 年 32 巻 p. 81-82
    発行日: 1989/07/20
    公開日: 2010/08/25
    ジャーナル フリー
    ホルスタイン種雌牛に対して, 分娩予定日の14日前から分娩日まで, 飼料を夜間給与 (20時から8時30分までの間給与) または, 不断給与し, 分娩時刻に及ぼす影響について調査した。その結果, 6時から21時までの分娩率は, 飼料を夜間に給与した場合が81.5%であり, 飼料を不断給与した場合の50.0%に比較して高かった。また, 粗飼料を1日中自由に採食させ濃厚飼料の給与時刻を変えたところ, 6時から21時までの分娩率は, 濃厚飼料を夜間給与 (20時) した場合が61.5%であり, 8時30分と16時の2回給与した場合の45.5%に比較して高かった。
  • 奥山 正孝, 興梠 典光, 蓑毛 良幸, 鈴木 祥夫
    1989 年 32 巻 p. 83-86
    発行日: 1989/07/20
    公開日: 2010/08/25
    ジャーナル フリー
    ブロイラー肉の食味性に影響するといわれる脂肪酸組成を検討するため, コーンと大豆粕を主体とした基礎飼料にカポック粕とコーン油をそれぞれ0, 1.8, 3.6%の3水準で組合わせて添加した9種類の飼料給与区と市販飼料給与区を設定した。これらの飼料給与区のブロイラー肉の脂肪酸組成及び食味性について検討した。その結果, リノール酸は飼料中含有率と肉中含有率の間に有意 (P<0.01) の相関が認められた。さらにカポック粕を添加した場合, 肉中ステアリン酸はその添加割合に比例して増加したが, 逆にコーン油を添加するとその添加割合の増加につれて肉中ステアリン酸は減少した。またオレイン酸はステアリン酸とは逆の関係を示した。肉の食味性は肉中ステアリン酸含有率が高いほどおいしいという結果が得られた。これらのことから肉の食味性に脂肪酸組成が関与していることが示唆された。
  • 柴 信仁, 宮城 紀士, 比嘉 朝秀, 米田 清生, 松本 光喜, 広岡 俊行, 吉臭 努, 石田 隆志, 下平 乙夫
    1989 年 32 巻 p. 87-90
    発行日: 1989/07/20
    公開日: 2010/08/25
    ジャーナル フリー
    体外受精により9~11日目に得られた胚盤胞を用いて凍結融解を行い, 段階希釈法とワンステップ法により耐凍剤を除去し, 両法の比較検討を行った。Glycerol平衡は10%Glycerolと20%子牛血清 (CS) を加えた修正PBSに直接投入して, 10分間行った。この時点で, 脱水により収縮したまま復元しなかったものは凍結から除外した。凍結は室温からSeeding-Point (-5.5℃) までを1.0℃/minの速度で冷却しSeeding-pointで10分間保持した後, 0.3℃/minの速度でLN2投下温度 (-30℃) まで冷却, 10分間保持し, LN2中へ浸漬した。数日間の保存ののち融解し, ワンステップ法 (10%Sucroseによるストロー内除去) と段階希釈法 (3段階除去) により耐凍剤を除去した後, 20%CS加修正PBSで洗浄して, 20%CS加Ham's F10のドロップ内 (100μl) で24時間培養して, 胚盤胞の発生日齢毎の生存率を調べた。
    その結果, 発生日齢の間に有意差は認められなかったものの, 9日齢の胚においてワンステップ法, 段階希釈法ともに生存率が最も高かった。また凍結融解法間での比較でも有意差は認められなかったが, Totalの生存率を見るとワンステップ法で44.9%, 段階希釈法で43.0%と良好な成績が得られ, 体外受精卵の凍結保存の可能性が示唆された。
  • 松岡 尚二, 古市 信夫, 久木元 忠延, 川井 田博
    1989 年 32 巻 p. 91-94
    発行日: 1989/07/20
    公開日: 2010/08/25
    ジャーナル フリー
    薩摩鶏交雑ブロイラー肉の特質を明らかにするために, 薩摩鶏二元交雑 (SA×WR, 二元交雑) および薩摩鶏三元交雑ブロイラー〔SA× (BP×WR) , 三元交雑〕とブロイラー専用種 (WC×WR, 専用種) を用いて, 大腿二頭筋および浅胸筋の理化学的特性を比較検討し, 次の結果を得た。
    1.水分含量, 保水力および脂肪融点ともに鶏種間で差を認められなかった。しかし, 性間では脂肪融点に有意差が認められた。
    2.肉色は大腿二頭筋では鶏種間の差が認められなかったが, 浅胸筋では三元交雑が他の鶏種よりも赤および黄の度合が有意に強いことが観察された。
    3.テクスチャー特性 (硬さ, 凝集性, ガム性) は, 両筋肉とも三元交雑の値が他の鶏種より高い傾向にあった。
    4.筋線維の数は大腿二頭筋では, 三元交雑>二元交雑>専用種の順で多く, 浅胸筋では, 二元交雑と専用種の間には差がなかったが, 前二者より三元交雑で有意に多かった。筋線維の太さは両筋肉ともに三元交雑が小さい傾向にあった。
    5.以上の結果より, 薩摩鶏交雑ブロイラーの肉はブロイラー専用種の肉に比べて色が赤く, 適度に硬く, くずれにくく, ドリップロスが少ないものと推察された。
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