山階鳥類学雑誌
Online ISSN : 1882-0999
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ISSN-L : 1348-5032
47 巻 , 2 号
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総説
  • 川田 伸一郎
    2016 年 47 巻 2 号 p. 59-93
    発行日: 2016/03/20
    公開日: 2018/12/12
    ジャーナル フリー

    アラン・オーストンは明治期の日本においてもっとも著名なナチュラリストの一人として自然史分野に知られる人物である。彼の貢献は過去の文献に紹介されているが,いずれも詳しい人物像などについては概略的情報しか示されていなかった。本総説では自然史分野のみならず技術史的な側面についても学術論文,学会記事,新聞記事などをもとに彼の業績を取りまとめ,特に当時の各方面研究者との交流関係や,彼が横浜に開いたオーストン商会で雇用した人物などにも焦点を当てて詳述した。これらの基礎資料が明治期日本の技術史や自然史研究における発展の解明に向けた一助となることを期待する。

原著論文
  • 由井 正敏, 江頭 優
    2016 年 47 巻 2 号 p. 95-121
    発行日: 2016/03/20
    公開日: 2018/12/12
    ジャーナル フリー

    由井・島田(2013)は風車への鳥の衝突数推定のために,Band et al. (2007)モデルを改良した球体モデルを報告した。しかし,風力発電計画地内の鳥の飛行密度は一様分布ではないので,区画法を用いて風力発電計画地内の小区画ごとの衝突数を推定する方法を新たに開発した。正方形区画と円形区画の平均通過距離を理論的に求め,鳥ごとに一定期間内の区画通過回数を乗ずることにより,各区画の飛行距離が計算できる。推定飛行距離を95%信頼限界で±20%の誤差範囲に抑えるには抽出率20%程度の調査が必要で,小区画当たり正方形区で14本以上,円形区で6本以上の観察数が必要になる。各区画の飛行距離が求まれば,球体モデルにより区画ごとに鳥種ごとの衝突数が推定できる。球体モデルは鳥が風車の衝突危険域内を直線飛行することを前提にしているが,今回の解析で旋回飛行や曲線飛行の場合にも球体モデル及び区画法が適用できることを明らかにした。旋回飛行や曲線飛行の場合,旋回半径20 m以下を除いて直線飛行の場合と比べて衝突数の差は少なかった。小型猛禽類で旋回半径20 mの場合,衝突数は直線飛行に比べて1.3倍多くなった。旋回飛行時の飛行速度が遅くなる場合,衝突数は速度低下に反比例して多くなる。

短報
  • 富田 直樹, 佐藤 文男, 岩見 恭子
    2016 年 47 巻 2 号 p. 123-129
    発行日: 2016/03/20
    公開日: 2018/12/12
    ジャーナル フリー

    We have monitored the status of Black-tailed Gulls Larus crassirostris breeding on Tobishima Island since 2004. On Yurijima Islet, we estimated 2,034 nests in 1 June 2014 and observed a single cat Felis catus in the breeding colony and the carcasses of 14 adult Black-tailed gulls that probably were killed by a cat. We also found feathers of adult Black-tailed Gulls in a single cat feces collected on the mainland of Tobishima. Approximately 1,500 nests were estimated on Tateiwa Islet in 2009, but no nests were found in May 2014. To conserve the breeding sites of Black-tailed Gulls at Tobishima, immediate control management of the feral cat population is essential.

  • 村松 康太, 山本 潤, 阿部 拓三, 西澤 文吾, 星 直樹, 大和田 真紀, 綿貫 豊, 桜井 泰憲
    2016 年 47 巻 2 号 p. 130-135
    発行日: 2016/03/20
    公開日: 2018/12/12
    ジャーナル フリー

    海鳥がイカを捕食することは胃内容物調査等から広く知られてきたが,生きたイカをどのように捕えるかは不明な点が多かった.本研究では,北西太平洋にてアカアシカツオドリSula sulaが飛行するイカを捕食する一連の行動を撮影することに成功したので報告する.船に同行していたカツオドリが水面から飛び出したイカの群れを発見すると直ちに水面近くまで急降下した.このカツオドリは,イカの飛行方向後方から接近して群れの中の一個体を捕え上昇しながら飲み込むと再び急降下して海中へと飛び込み(plunge-dive),飛行を終えて入水した直後の別の個体を捕食した.別のイカの群れが水面から飛び出した際もplunge-diveによってイカを捕食した.本研究からアカアシカツオドリがイカの飛行行動を利用してイカを捕えることが初めて示され,他の海鳥でも同様な方法でイカを捕食している可能性が考えられた.

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