手関節の力の大きさと方向を計測、表示、記録する装置を開発した。方向は、右、上、左、下をそれぞれ0° (360°) 、90°、180°、270°とした。2つの荷重変換器 (SG-1, 2) の計灘を蠍製シリンダー (直径140mm) の右 (SG-1) と下部 (SG-2) に取り付け、基部を支持台に固定した。0.5、1.0、2.0、4.0、8.0、16.0kgの重錘を用いて、シリンダーを0゜から30°毎12方向に牽引し、SG-1とSG-2に発する電圧V
1 (mV) とV
2を記録した。V
1、V
2、牽引方向、重錘の重さから、力の方向θ (゜) と大きさF (kg) を算出する以下の式を作製した。
tanθ= (-0.9V
2/V
1-0.62) / (0.44V
2/V
1+1.08)
F
1V
1/57.8cos (θ-26゜) F
2V
2/71.8sin (θ-150゜)
再度、シリンダーを牽引し変換式の正当性を確認した後、パソコンとSG-1、2を接続し、V
1とV
2からFとθを計算し (F
1を315°-45°と135°-225°、F
2を45゜-135゜と225゜-315゜の範囲で使用) 、二次元リサジュープログラムによりモニター画面の二次元座標グラフに、Fが (0, 0) 点からの距離、θが水平軸との間の角度として表示できるようにし鳥同装置を用いて、健常者を対象に手関節の力の測定を試紘手を長方形枠 (55×120mm) に固定し、前騨回内、燗、回離となるようにして、この枠をシリンダー内に固定し計測した。その結果、前腕各肢位で最大の背屈を3回計測したところ、3名全てで再現性の高い測定値の得られることが示された。さらに、画面を見ながら行わせると、指示通りの方向と大きさの力が出せるようになることも示された同装置の研究や臨床への応用について検討した。
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