計量国語学
Online ISSN : 2433-0302
Print ISSN : 0453-4611
30 巻, 5 号
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論文A
  • 形態論情報付きコーパスを用いて
    間淵 洋子
    原稿種別: 論文A
    2016 年 30 巻 5 号 p. 257-274
    発行日: 2016/06/20
    公開日: 2024/05/01
    ジャーナル オープンアクセス
     近代における漢語表記の多様性と,現代にかけての表記の淘汰・統一の様相を明らかにすることを目的として,形態論情報付き近代語・現代語コーパスを用い,漢語の異表記の実態調査・分析を行った.近現代両用の約2,000語について,異表記の数や個々の表記の使用率等を調査し,以下3点を明らかにした.1)一語が有する表記数は,近代より現代で少ない.2)現代で消失・衰退した表記が,近代では高頻度で使用されていた事例が多く見られる.これは,近代において一般的だった表記が衰退し淘汰されたことや,語の標準的な表記が変化・交替したことを表している.3)表記の淘汰や交替は,近代で既に生じている語とそうでない語がある.近代に生じた表記の統一化は,近代学校制度の確立や活版印刷による出版文化の興隆などを背景とした,言語使用の実用性・合理性重視が起因していると考える.一方,昭和以降に生じたと思われる表記の淘汰・交替は,当用漢字等の国語政策の影響が大きいものと推測される.
研究資料
  • 堀 恵子, 李 在鎬, 長谷部 陽一郎
    原稿種別: 研究資料
    2016 年 30 巻 5 号 p. 275-285
    発行日: 2016/06/20
    公開日: 2024/05/01
    ジャーナル オープンアクセス
     筆者らは,日本語教師,特に海外の非母語話者日本語教師の支援と,中上級以上の学習者の支援を目指して,日本語機能語用例文データベース「はごろも」を開発した.検索システムでは,日本語教育に必須な機能語と,話し言葉と書き言葉のコーパスから抽出した真正な用例を検索することができる.現在,web 上の検索エンジンと,Excel表形式のダウンロードの2つの方法で利用できる.見出し語は,旧JLPTの『出題基準』など5つの資料から選んだ1,848語である.用例は,名大コーパスなど4種類の話し言葉コーパスと,CASTEL/Jを含む4種類の書き言葉コーパスから抽出した.項目の難易度は,10年以上の日本語教育経験のある5名の日本語教師による主観判定によって決定された.
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