計量国語学
Online ISSN : 2433-0302
Print ISSN : 0453-4611
29 巻, 1 号
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ノート
  • ―'80年代前期の松任谷由実作品を素材テクストとして―
    伊藤 雅光
    原稿種別: ノート
    2013 年 29 巻 1 号 p. 1-33
    発行日: 2013/06/25
    公開日: 2024/05/01
    ジャーナル オープンアクセス
    小稿の目的は,第三次近似(3-gram)の自動作詞実験のためのテクスト生成語彙表を公開することにある.第三次近似と第二次近似の作詞実験の計量的性格については,すでに伊藤(2006,2007)で報告しているので,今回はごく簡単に触れるにとどめる.同様のテクスト生成語彙表はこれまで樺島(1970)と伊藤(2002)で公表されているが,これらはどちらも第二次近似実験用の語彙表であった.今回のテクスト生成語彙表は第三次近似実験用である点に独自性がある.  テクスト生成語彙表を公表する意義はひとえに教育にある.つまり,日本語・日本文学科の学生にシャノンの情報理論を講義だけで理解させるのは不可能なので,具体的な歌詞の合成作業の体験を通して,その原理を理解させることに主眼がある.
  • チックとティック
    荻野 綱男
    原稿種別: ノート
    2013 年 29 巻 1 号 p. 34-39
    発行日: 2013/06/25
    公開日: 2024/05/01
    ジャーナル オープンアクセス
     日本語の「ゆれ」の一つに,英語の「-tic」を外来語として受け入れる際に「-チック」とするか「-ティック」とするかということがある.検索エンジンを使ってWWWを検索すると,ヒット件数がそれぞれの語形の出現頻度に近くなり,手軽に使用状況が把握できる.調査結果からは,「-tic」のゆれが3段階の過程を経ていることがうかがえた.第1段階は「-チック」で受け入れた古い段階,第2段階は「-ティック」で受け入れた新しい段階,そして第3段階は,日本語の中で「-チック」が接尾辞として確立し,英語起源でない語にまで使われるようになった段階である.
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