新地理
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13 巻, 3 号
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  • 伊勢崎市の場合
    大島 秀幸
    1965 年 13 巻 3 号 p. 1-11
    発行日: 1965/12/25
    公開日: 2010/02/26
    ジャーナル フリー
    本研究は伊勢崎市を例にとり, 地方都市における周辺農村の変質化について, 研究を試みたものである。 その結果次のごとき事実を知りえた。
    (1) 兼業化の傾向や種類からみて, 機業と関連して, 早くから兼業農家の多かった豊受・茂呂・名和の3地区, 戦後, 特に伊勢崎の都市化に伴って, 第2種兼業農家が著しく増加した旧伊勢崎町地区, 従来農村地帯であったが, 最近, 第1種兼業農家が激増した三郷・宮郷・殖蓮3地区の, 異質な3地域に分けられる。
    (2) 兼業の構成要素を調査した結果, 「兼業農家度」 の高いのは豊受・茂呂・名和・旧伊勢崎町の4地区で, 世帯主や世帯主と長男の両方が, 他産業に従事する兼業農家が多い。 三郷・宮郷・殖蓮の3地区は, 一般に 「兼業農家度」 が低く, 兼業の構成要素は, 各種各様で傾向が明らかでない。 ただしそのうち, 市街地や主要道路に接した部落は, 「兼業農家度」 が高く, 長男が他産業に従事する兼業農家が目だっている。
    (3) 兼業化の要因を3地域について調査した。
    古くから1戸当たりの平均耕地面積が少なかった豊受・茂呂・名和の3地区は, 伊勢崎機業と関連して, 以前から兼業農家の多い地域を構成していた。 昭和26年頃から, 機業がしだいに不振となると, 従来機屋や下職を業としていたものや, 余剰労力となった農家の子弟が, その頃から市街地やその付近に多くなった工場に通勤するようになり, 兼業農家がますます増加した。 このため, 第2種兼業農家が多く, 一般に農業経営に熱意がみられない。
    なお, 3地区とも, 最近, くしの歯が抜けるごとく, 離農農家がふえている。
    旧伊勢崎町地区は, 戦前においては, 兼農業家は余り多くなかった。 戦後は都市化に伴う農地潰減によって, まず第1種兼農業家の増加, 次いで, 第2種兼農業家の激増となった。 第2種兼農業家が多いため, 豊受・茂呂・名和の3地区と同様, 余り農業経営に熱意がみられない。 専農業家も都市化に対する不安から, 農業経営に意欲がみられない。
    なお, 兼業内容は, 市内の工場に通勤するものが最も多い。
    農家1戸当たりの平均耕地面積が大きかった三郷・宮郷・殖蓮の3地区は, 従来, 専農業家が多く, 純農村地帯であったが, 最近, 第1種兼農業家が急増し, 他の4地区ほどではないが, 第2種兼農業家も多くなってきた。 その理由は, 農・工商間の所得格差の増大, 消費生活の高度化による, 現金収入欲求の増大などから, 農家の子弟で農業以外の仕事に従事したいと考える者が多くなったからである。 なお, 市街地の周辺や主要道路に面した部落は, 農地潰減が盛んであること, 近い将来一層都市化するのではないかという不安などから, 兼業農家が多くなっている。 専業農家はもちろんのこと, 兼業農家も第1種兼業が多いため, 農業経営には意欲的で, 一般に多角経営を行なっている。
    (4) 除毛・寿・西太田の3部落を選定し, これから就職する長男の, 就職希望を調査した。 その結果, 部落に関係なく祖父か父親が兼業している兼業農家では, 長男の全部が他産業就職を希望。 それ以外の農家でも, 除毛・寿では, 耕地面積の大小に拘らず, 長男の他産業就職を希望するものが多い。 ただし, 専業農家の多い西太田では, 長男は農業をつぐ希望をもっている。
    (5) 地方都市では, その都市の存立基盤となっている産業が, 周辺農村兼業化の時代や遅速に影響を及ぼしていることがある。 本文が扱った伊勢崎市の場合では, 機業圏の盛衰と兼業農家との関係が, 一般的な都市化と兼業農家との関係より, 広範囲な影響をもったようである。
  • 八色原扇状地開発の歴史と現状
    土田 邦彦
    1965 年 13 巻 3 号 p. 12-27
    発行日: 1965/12/25
    公開日: 2010/02/26
    ジャーナル フリー
  • 中島 義一
    1965 年 13 巻 3 号 p. 28-38
    発行日: 1965/12/25
    公開日: 2010/02/26
    ジャーナル フリー
  • 小野 昌和
    1965 年 13 巻 3 号 p. 39-46
    発行日: 1965/12/25
    公開日: 2010/02/26
    ジャーナル フリー
  • 鳥海 公
    1965 年 13 巻 3 号 p. 47-59
    発行日: 1965/12/25
    公開日: 2010/02/26
    ジャーナル フリー
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