人工知能学会全国大会論文集
Online ISSN : 2758-7347
第32回 (2018)
選択された号の論文の753件中51~100を表示しています
  • 鳥海 不二夫, 吉田 光男
    セッションID: 1E3-05
    発行日: 2018年
    公開日: 2018/07/30
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    ネット選挙が解禁されて依頼,日本においても選挙時にTwitterやFacebookといったソーシャルメディアを利用することは,支持者への情報発信や,新たな支援者の獲得に欠かせないものとなっている. 本研究では2017年衆議院選挙時の各政党公式アカウントのフォロワーについて,その特徴を明らかにすることを目指し分析を行う.本稿では,公式アカウントのツイートをリツイートするユーザの中には,政治的関心が高いユーザと一般的なユーザが存在すると仮定し,各政党のツイートがどのようなユーザによってリツイートされていたのかを分析する.

  • ~解釈可能な人工知能を目指して~
    川村 隆浩, 江上 周作, 長野 伸一, 大向 一輝, 森田 武史, 山本 泰智, 古崎 晃司
    セッションID: 1F1-01
    発行日: 2018年
    公開日: 2018/07/30
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    本論では,2018年に国内で初開催するナレッジグラフを対象とした推論チャレンジについて述べる.近年,深層学習をきっかけに人工知能(AI)技術への関心が高まっている.今後,AI技術は幅広く普及し,さまざまな社会システムに埋め込まれるようになるだろう.しかし,安全・安心に社会の中でAIを活用していくためには,AIによるシステムの動作を正しく解釈,検証し,品質を保証する技術が必要となる.そこで,本会セマンティクWebとオントロジー(SWO)研究会では,解釈可能性なAIに関する最先端技術の共有と研究開発の促進を図るため,推論に関するチャレンジを開催する.具体的には,広く知られたシャーロックの推理小説をナレッジグラフ化し,そこから犯人を推理(推論)する技術を広く一般から募集する.本チャレンジは2018年度人工知能学会全国大会開催当日より約半年間の日程でスタートする.是非,チャレンジへの参加をご検討されたい.

  • Maxime CLEMENT, Ryutaro ICHISE
    セッションID: 1F1-02
    発行日: 2018年
    公開日: 2018/07/30
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    Ontology reasoning is an important but complex problem allowing the discovery of new knowledge and the query and maintenance of complex data. For decision making in real-time systems, faster approach such as decision tables are often used. In this paper, we propose a technique to perform efficient ontology reasoning with decision tables. Our experiments show a significant improvement of the reasoning time compared to a naive approach.

  • 池田 和史, 帆足 啓一郎
    セッションID: 1F1-03
    発行日: 2018年
    公開日: 2018/07/30
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    本稿では、クラウドソーシングを利用して対話システム用のシナリオコーパスを 効率的に収集する手法を提案する。従来手法では、2名のワーカペアに チャットを行わせることで、対話データを収集する手法が提案されてい る。しかし、この手法ではチャット相手と同期して作業を行う必要があるため、時間 的な拘束による負担が大きい点や、相手の入力を待つ時間が無駄になる という課題があった。この課題を解決するため、複数のワーカに非同期 的にチャットを行わせるインターフェースを提案した。提案手法によって、 ワーカは単独で作業を実施することが可能となる。比較評価実験の結果、 提案方式は従来方式と比較してワーカの入力に要する時間を68%削減することが 確認された。

  • 桝屋 啓志, 古崎 晃司, 溝口 理一郎
    セッションID: 1F1-04
    発行日: 2018年
    公開日: 2018/07/30
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    近年、情報のオープン化,ビッグデータ化が進んだことで、多種多様な情報へのアクセスを改善するための技術ニーズが高まっている。特に、異なる視点で作成されたデータを統合することができれば,知識の相互利用をさらに進めることができると期待される。本研究では、ロール概念によりコンテキストや視点依存性が記述できるオントロジー構築環境「法造」を基盤として、データの大規模編集をサポートするソフトウェアツールを作成した。表計算ソフトのような操作感で、クラスレベルの修正と洗練化と,インスタンス作成を行き来しながら、大規模データを作成できる。本研究は高度に構造化されたへヴイウェイトオントロジーに基づくオープンデータの大規模作成やメンテナンスに貢献すると考えている。

  • ― CNCIを応用した新指標による定量的な探索 ―
    田中 和哉, 荒川 陸, 亀岡 恭昂, 森 純一郎, 坂田 一郎
    セッションID: 1F1-05
    発行日: 2018年
    公開日: 2018/07/30
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    科学技術技術政策・科学技術マネジメントの領域で、学際性研究の重要性が高まっている。先行研究では、分野によって引用など研究の特徴が異なることが指摘されており、分野間の引用パターン標準化を行うことを難しいとされているものの、学際性研究の今後の発展を考えるに分野の標準化の研究を行う価値はますます増大している。本研究では、論文単位での分野の影響を標準化する指標としてCNCIを援用し、引用を用いずに論文の質の高さを保障するデータセットとして、Times Higher Educationのトップ50校の大学に所属する研究者が生産した論文集団を用いた場合の指標を提案する。分野による違いを標準化した指標を用いた解析の結果、複数の分野がラベリングされている論文の引用インパクトは低下する傾向にあった。また、同じ分野が含まれる論文であっても、ペアとなっている他の分野の差異によって引用インパクトが異なっていた。分析の結果、学際研究一般についてCNCIでの解析が定量的に挑戦的な課題ではあることを把握した一方で、一定の傾向性を理解することができたといえる。

  • 大野 元己, 根本 紘志, 田中 和哉, 鈴木 寛
    セッションID: 1F2-OS-5a-01
    発行日: 2018年
    公開日: 2018/07/30
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    人工知能の発展は社会や人々の生き方を規定すると言われるが,同時に人々がより好ましい未来を作るための努力の必要性も指摘されている.本稿では未来を担う大学生が人工知能技術の発展とそれが今後もたらす社会をどう考えるかを調査した.未来について考える自主ゼミを開講し,多様な視点から技術と社会について議論する機会を設け,それらを経験した学生に「技術と社会の変化にどう向き合うか」についてのエッセイの提出を求めた.エッセイの内容から,学生自身の専攻・進路への展望によって科学技術に対する姿勢が異なること,また科学技術を考えることの意味づけも多様であることが示唆された.

  • 三宅 智仁, 河合 祐司, 朴 志勲, 島谷 二郎, 高橋 英之, 浅田 稔
    セッションID: 1F2-OS-5a-02
    発行日: 2018年
    公開日: 2018/07/30
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    ロボットと共同作業をし,それが失敗したとき,人間はその失敗を自分とロボット,どちらの責任だと感じるのだろうか.本研究では,共同で行ったゲームが失敗した際の相手エージェントの責任と心の知覚を評価することで,その関係を明らかにすることを目的とする.さらに,相手エージェントとして,人,ロボット,コンピュータの三種類について比較することで,人の場合と人工物の場合で,責任帰属に変化があるかを調査する.実験の結果,課題を成功させるために重要な心の知覚が高いほど,失敗に対する責任は小さくなることがわかった.「相手は課題の成功のために行動している」という印象が責任を低減させたと考えられる.また,課題による相手エージェントの心の知覚の減少量と責任の大きさに関係があることがわかった.このことから,課題前に相手に対して抱いていた期待が課題中に裏切られることが,相手への責任帰属につながる可能性がある.これは,人条件で顕著である一方で,人工物に対してはほとんど見られなかった.人に比べると,人工物が心を持っていることを期待していないことがこの原因であると考えられる.

  • 赤坂 亮太
    セッションID: 1F2-OS-5a-03
    発行日: 2018年
    公開日: 2018/07/30
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    自律的なAIの発展にともない、AIが原因となる何らかの問題が生じた際に関係する個人に結果について予見可能性を観念することが困難になってきており、またその行動のアルゴリズムが人間には理解できずブラックボックス化している。そのような状況において、今日の法制度では関係する個人に責任を観念することが難しく、被害者が救済されないなどの問題がある。その解決策の一つとして、AIに法的責任を観念できる法的主体性をもたせて、直接責任を負わせようという考え方がある。 本報告においては、我が国の不法行為法と不法行為責任に焦点を絞り、上記のアイデアが不法行為法の目的や機能を満足させることができるか検討した。検討の結果、十分に満足させることは難しく、むしろ既存の無過失責任制度や無過失補償制度を応用することが問題解決としては適しているとの考えに至った。

  • 塚原 裕史, 日垣 博考, 大前 学, 大田原 菜々, 稲子 明里, 小林 一郎
    セッションID: 1F2-OS-5a-04
    発行日: 2018年
    公開日: 2018/07/30
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    自動運転車の同乗者が音声対話によってシステムへ運転操作の意図を伝達し、自動運転の制御に介入し、自動運転車を同乗者の意図にしたがって制御できる実験車両を開発し、その有効性や課題について評価した結果について報告する。

  • Rafal RZEPKA, Da LI, Kenji ARAKI
    セッションID: 1F2-OS-5a-05
    発行日: 2018年
    公開日: 2018/07/30
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    In this paper we present our initial trials with extending knowledge for moral decision capability for artificial agents. We briefly present our approach to machine ethics and discuss possibility of acquiring universal ethical rules to be used by AGI. To test the idea we started extending our system which worked only with Japanese to other languages. After describing results of our preliminary tests with English and Chinese, we conclude the paper with an invitation for the Japanese AGI community to a discussion about the values like tolerance, which the human-level machine intelligence most likely should adopt.

  • 山川 宏
    セッションID: 1F3-OS-5b-01
    発行日: 2018年
    公開日: 2018/07/30
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    現在は、技術進展が加速してゆく中で人や組織間の関係性の複雑化が進んでいる。こうした中で社会の安定を保つためには、今までより迅速に社会的ルールを制御する必要がある。その制御のためには、人間や組織がすばやく社会的決定を行う必要があるが、社会的決定に用いうるリソースや速度には限界がある。よってある範囲内においては社会的ルールの決定権をAIに移譲する必要が生じる。この役割を担うAIにおいては、決定対象となる事案における複数の選択肢に対する評価関数の設計が重要である。

  • 技術・産業・行政を統合した社会構造モデルの提案
    大澤 正彦, 齋藤 和紀, 三宅 陽一郎, 今井 倫太
    セッションID: 1F3-OS-5b-02
    発行日: 2018年
    公開日: 2018/07/30
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    シンギュラリティに関する議論は,曖昧になったり,単一の視点からポジショントーク的に行われる場合が多いように見受けられる.シンギュラリティを客観的で包括的に考察していくためには,より多くの視点から議論を深めて行く必要がある。著者らは,2018年1月13日に「多様な視点で見つめるシンギュラリティ」というイベントを開催した.本稿では,イベントでの議論を踏まえて,技術,産業,行政の3つの視点に着目して,社会構造モデルを提案する.提案した社会構造モデルは,主に技術,産業,行政で扱われる概念群を2軸状にマッピングすると同時に,概念間に階層関係を付与している.2軸平面上の概念の位置は,概念の分解,個別発展と再解釈,波及,統合によって変化していくことが想定されており,概念の位置の変化を社会の変化として解釈することで,高速な変化を遂げる社会の把握に寄与できる可能性を検討している.さらに概念の指数関数的な発展を前提として提案モデルをもとに考察することで,今後は我々人間が扱う概念が一般的なものから専門的なものまで多様性を生む一方で,局所的な概念から大域的な概念へのシフトが起こっていくという仮説を提唱する.

  • 高橋 恒一
    セッションID: 1F3-OS-5b-03
    発行日: 2018年
    公開日: 2018/07/30
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    長期的な機械知性の行き着く先が、その能力レベルの発展の上限により上限シナリオ、生態系シナリオ、多極シナリオ、シングルトンシナリオの順に分岐してゆく可能性を議論する。また、能力レベルの上限を制約する重要な要因として、高度な自律性を持つ認知アーキテクチャーの実現や自己構造改良能力などのアーキテクチャーレベルの問題のほかに、マルチエージェント状況における相対的優位性確立の難しさ、また計算の熱力学的効率や光速の上限などの物理的制約などがあることを議論する。

  • 村井 大海, 辻内 伸好, 伊藤 彰人, 北野 敬祐, 村上 健太, 岡田 征剛, 井上 剛, 遠藤 維, 今村 由芽子, 小澤 順
    セッションID: 1G3-01
    発行日: 2018年
    公開日: 2018/07/30
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    アシストスーツは歩行効果の向上や,身体への負担を軽減させるという目的に伴って開発が進められている.その一つとして近年では,ワイヤ型アシストスーツ(以下ワイヤ型)が開発されている.一般的に,ワイヤ型は,ワイヤでユーザの体の一部を引くことにより,運動の支援を行うため,ヒトの動きに対応したアシストが行え,軽量で長時間の装着が可能である.  本研究では人体シミュレーションソフトウェアを用いて,ワイヤ型を装着してトレッドミルを所定時間歩行したヒトの各関節に対してワイヤ型が与える力学的な値を計算機上で解析することにより,ワイヤ型が下肢関節に与える影響を評価することを目的とする.本稿では,ワイヤの最大張力及びアシスト終了タイミングを変化させた計測データを用いて,ヒトの下肢関節角度,股関節トルクおよび歩幅を算出した.  その結果,アシストによって下肢関節角度はそれぞれ特定の方向に増加し,歩幅が増加する傾向が見られた.0-7%では歩行負荷が軽減し,10-60%および歩行周期全体では増加することが分かった.

  • 岡田 征剛, 村上 健太, 井上 剛, 遠藤 維, 今村 由芽子, 小澤 順
    セッションID: 1G3-02
    発行日: 2018年
    公開日: 2018/07/30
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    近年, ヒトの歩行を支援するための様々なアシストスーツが研究されている.我々は,股関節6自由度のアシストが可能なワイヤ型アシストスーツを開発してきた.これまで,通常の歩行に対して支援効果を評価し,部分的ではあるが一定の効果が認められている.一方で, 通常歩行だけでなく, 荷物持ち歩行のように, 負荷をかけた状態での動作支援も重要であり, 工場や農業における運搬作業等の荷物持ち歩行を支援するアシストスーツを開発が出来れば, 労働者の身体への負荷を軽減することが出来る. そこで, 本研究では,先行研究により効果の認められたアシストパターンを荷物持ち歩行に適用し,ユーザへの歩容変化や関節トルク変化について評価を行った.本稿では,ワイヤ型アシストスーツのワイヤ動作をモデル化・可視化し,逆動力学シミュレーションにより, アシスト張力制御によるヒト股関節トルクへの影響を評価した結果について述べる.また,荷物持ち歩行に対する支援についての運動学的知見を得るため,荷物持ち歩行及びアシストスーツが歩行に及ぼす運動学的影響の評価を行った.

  • Shingo KITAGAWA, Kentaro WADA, Kei OKADA, Masayuki INABA
    セッションID: 1G3-03
    発行日: 2018年
    公開日: 2018/07/30
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    We propose a learning-based system of selective dual-arm grasping and use Convolutional Neural Networks (CNN) for grasping point prediction and semantic segmentation. First, the network learns grasping points with the automatic annotation. and the grasping points are automatically calculated based on the shape of an object and annotated for both single-arm and dual-arm grasping. The robot then samples various grasping points with both grasping ways and learns optimal grasping points and grasping way. As a result of multi-stage learning, the robot learns to select and execute optimal grasping way depending on the object status. In the experiments with the real robot, we demonstrated that our system worked well in warehouse picking task.

  • 宮澤 和貴, 青木 達哉, 堀井 隆斗, 日永田 智絵, 中村 友昭, 長井 隆行
    セッションID: 1G3-04
    発行日: 2018年
    公開日: 2018/07/30
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    人間がどのように行動を学習し,計画・決定しているのかは,非常に興味深い問題である.またそうした行動計画・決定や言語理解,思考などの高次機能の獲得は,ロボット工学においても依然として未解決の問題である.本稿では,こうした点を解明する一助として,概念・行動・言語・プランニングを同時に学習する枠組みを提案する.これを多層マルチモーダルLDA (mMLDA) を中心に様々なモジュールを統合することにより実現する.mMLDAと強化学習の統合により,理解に基づく行動を可能にする.また,mMLDAとベイジアン隠れマルコフモデルの統合により,文法学習を行い,ロボットが自分の行動を言葉で表現し,ユーザーの発話を理解することを可能にする.さらに,mMLDAと隠れマルコフモデルの統合により,長期的なプランニングが可能になる.実データを用いたシミュレーション環境で実験を行い,提案するモデルの有効性を検証する.

  • 布川 遼太郎, 宮澤 和貴, 中村 友昭, 長井 隆行, 金子 正秀
    セッションID: 1G3-05
    発行日: 2018年
    公開日: 2018/07/30
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    人間は概念を用いることで最小限の認知的処理で様々な情報を取得し,未知の事象に柔軟に対応している.すなわち,ロボットも概念を用いることで,可観測情報から未観測情報を予測し,未知の事象への対応が可能となると考えられる.我々は,概念を「知覚情報をクラスタリングすることによって形成されるカテゴリ」と定義する.本稿では,複数の知覚情報の共起に基づいて時系列マルチモーダル情報を分節し,そのカテゴリを教師なしで推定する手法を提案する.実際にロボットが物体を操作することで取得した物体画像とロボットの関節角を提案手法により分節・分類することで,物体と動作の共起関係を表す概念を形成可能であることを示す.

  • 稲葉 通将, 狩野 芳伸, 大澤 博隆, 大槻 恭士, 片上 大輔, 鳥海 不二夫
    セッションID: 1H1-OS-13a-01
    発行日: 2018年
    公開日: 2018/07/30
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    本論文では,我々が構築した人狼BBSアノテーションコーパスについて述べる.本コーパスは「自分の役職の表明」,および「特殊能力を行使した結果の報告」に関する発話に対してアノテーションを行ったものである.本コーパスは,人狼ゲームにおける発話意味理解,発話生成のための言語資源とすることができるほか,人間のプレイヤーの戦略分析などへの応用が考えられる.アノテータはクラウドソーシングで募集し,現在までに300ゲームのアノテーションを行った.コーパスはGitHubで公開している.

  • 堂黒 浩明, 松原 仁
    セッションID: 1H1-OS-13a-02
    発行日: 2018年
    公開日: 2018/07/30
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    機械学習の技術はゲームAIを強くするためによく使われる.人狼ゲームにおいても,機械学習を利用することで性能が上がることが先行研究によって示されている.その1つに15人人狼に機械学習技術の1つであるニューラルネットワークを用いて性能向上を図ったものがある.しかし,その研究では学習前からどれだけ性能が向上されているか示されていなかった.そこで本研究では,ニューラルネットワークを用いて,15人人狼のルールにおいて人狼知能の性能が学習前と比較してどれだけ向上するかを確かめた.エージェントの学習には過去の人狼知能大会のログデータを使用し,対戦には過去の人狼知能大会に登録していたエージェントを使用した.性能の差異を確かめるために,ランダムで投票するエージェントとニューラルネットワークを用いたエージェントでそれぞれ人狼への投票率を比較した.その結果,ニューラルネットワークを用いたエージェントの方が,ランダムで投票したエージェントよりも人狼への投票率が有意に高くなることがわかった.

  • 木村 勇太, 伊藤 毅志
    セッションID: 1H1-OS-13a-03
    発行日: 2018年
    公開日: 2018/07/30
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    従来の人狼AIでは、役職の推定は製作者によりヒューリスティックに決められてきた.本研究では既存エージェントの推定部分に機械学習の一つであるSVR(Support Vector Regression)を導入しその有効性を検証した.その結果,中盤以降で従来の手法を上回る推定率を実現することが出来た.また,序盤では従来の手法,中盤以降では提案手法を用いるエージェントを構築することで,従来のエージェントを有意に上回る勝率を実現することが出来た.

  • 家原 瞭, 廣田 敦士, 田中 一晶, 荒木 雅弘, 岡 夏樹
    セッションID: 1H1-OS-13a-04
    発行日: 2018年
    公開日: 2018/07/30
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    人狼ゲームは不完全情報ゲームで、人工知能にプレイさせることは新たな挑戦である。人狼ゲームをプレイするAIは人狼知能と呼ばれ、大会等も開催されている。現在、既存の人狼知能の多くはルールベースや統計をもとに行動しており、行動のすべてを機械学習によって選択するものはない。囲碁や将棋などでは機械学習によるブレイクスルーを果たしたことを考えれば、人狼ゲームでも学習によって発展する期待が持てる。そこで、我々はDifferentiable Neural Computer (DNC) (Graves et al., 2016)を用いて行動のすべての選択を学習によって行う人狼知能の開発を目指している。本論文では既存の人狼知能エージェントによる人狼ゲームのログを用いて学習し、エージェントの行動予測を試みた。評価結果として発話行動に関して、発話内容や発話の対象の66.8%を正しく予測することができた。一方でそれ以外の行動の予測精度はチャンスレベルにとどまった。

  • 汪 博豪, 大澤 博隆, 佐藤 健
    セッションID: 1H1-OS-13a-05
    発行日: 2018年
    公開日: 2018/07/30
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    我々人間は特定の人と情報を共有するため,言語の裏の意味を創り出し情報共有の手法を持っている.本研究は,上記の手法が,エージェント同士のコミュニケーションにおいて発生すると考え,人工知能やエージェントなどの様々な研究で用いられている人狼ゲームの3人バージョンを定義し,進化シミュレーションを用いてエージェントにおける情報を共有する手法を調べた.人狼ゲームにおける占い師の発話内容に裏の意味を持つと考えていた戦略を「不合理的」な戦略と呼び,村人が「不合理的」な戦略を用い,ゲームを勝利した場合は,上記の手法が発生したと考え,シミュレーションの結果分析を行った.その結果により,エージェントのコミュニケーションにおいて,上記の手法が発生することを確認できた.全エージェント進化させる条件で,エージェントにおいては人間と同じく,言語が進化する過程が発見できた.

  • 大槻 恭士
    セッションID: 1H2-OS-13b-01
    発行日: 2018年
    公開日: 2018/07/30
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    人狼知能プロジェクトでは,不完全情報コミュニケーションゲーム「人狼」を次なる人工知能の標準問題として提案しており,特に,人狼をプレイする人狼知能エージェントの実現を目指すための集合知的アプローチとして,2015年から毎年「人狼知能大会」を開催している.開催当初はルールベースのエージェントが主流であったが,直近の大会では事前に学習した単純ベイズモデルを用いて役職の推定を行うエージェントが優勝しており,今後はより精密な対戦相手モデルの構築が不可欠である.本稿では,人狼知能エージェントの発言生成モデルとしてトピックのn-gramモデルを用いることを検討するために,各役職について1-gramから4-gramまでのモデルを学習し,それらをperplexityで評価して考察した.その結果,2-gramモデルのperplexityは1-gramより大きく減少する一方で,3-gram以上での減少は緩やかであり,現在の人狼知能エージェントにおいて他者のモデルとしてトピックn-gramモデルを用いる場合,2-gramモデルを採用するのが妥当であるという結論を得た.

  • 木村 優里絵, 尾崎 知伸
    セッションID: 1H2-OS-13b-02
    発行日: 2018年
    公開日: 2018/07/30
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    不完全情報ゲームの一つである人狼ゲームでは,ゲーム中の会話から,他プレイヤの役職を推定することが重要となる.本論文では,役職推定の更なる精度向上を目的とし,複数のベクトル表現と多様な集計方法を用いて各プレイヤの発言をベクトル化する手法を提案する.また人狼BBSのログデータを対象に,種々の分類モデルを用いて提案手法を評価する.

  • 狩野 芳伸, 稲葉 通将
    セッションID: 1H2-OS-13b-03
    発行日: 2018年
    公開日: 2018/07/30
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    人狼ゲームは基本的に制約のない会話を通じてのみ行うゲームであり、対話システムに必要な要素を包含している。一方で人狼ゲームを題材にすることは、ゲームの勝敗という目的があるために状況を限定しつつ一歩一歩研究を進めうるという利点がある。本稿では、対話システムの発展に寄与する研究の切り口として、会話ゲーム「人狼」のプレイヤー自動化を試みる人狼知能大会における、自然言語を用いる部門の第一回大会開催とその結果について述べる。

  • 村田 亘, 大沢 英一
    セッションID: 1J1-01
    発行日: 2018年
    公開日: 2018/07/30
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    自然言語処理の基本タスクの1つに語義曖昧性解消がある.これは,文中の多義語の語義を識別するタスクである.我々は,Wikipediaのハイパーリンク構造を利用し,記事をノード,リンクをエッジとする大規模ネットワークと捉えた.さらに,語義と類似性の高い記事を選定することで,語義の定義文の拡張を行った.語義曖昧性解消の実験では,記事の選定に失敗し,正解率が低い語義がみられた.そこで本研究では,定量的に選定された記事の有用性の評価を行うことで,正解率が向上すると考えている.私たちは,ネットワーク特徴量に着目し,ネットワーク構造の解析を行った.検証した結果,特にモジュラリティQの値が正解率に影響していることがわかった.

  • 漆原 理乃, 小林 一郎
    セッションID: 1J1-02
    発行日: 2018年
    公開日: 2018/07/30
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    近年,監視カメラによる不審者の挙動の把握や高齢者の見守り,スポーツの実況中継など,人の動作を言葉によって報告する技術の必要性が高まっており,深層学習を用いた画像や動画像の言語化に関する研究が盛んに行われている.しかし,画像や動画特徴量から直接文章を生成する手法が多く,人間が実際に画像や動画像を見て認識するような事象,特に人の動作について正しく捉えて言語化する手法はほとんどない.そのため,本研究では,深層学習を用いて,動画像中の人の姿勢と物体を正しく捉えた説明文生成に取り組む.具体的には,動画像のフレームごとに人の姿勢情報を抽出し時系列情報として,動作を表す単語を選択する処理と,フレームごとに物体を検出する処理を合わせ,それぞれの処理において得られた結果から動画像説明文生成を行う.

  • 佐藤 紗都, 伍井 啓恭, 奥村 学
    セッションID: 1J1-03
    発行日: 2018年
    公開日: 2018/07/30
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    本研究では、製品マニュアル文から関連する質問回答対を自動的に生成するシステムを開発するための第一歩として、マニュアル文から質問文を自動的に生成する方法を提示する。 約1400文のデータセットを用いた実験の結果、生成された文章と人手で作成された質問文とを比較することにより、BLEUスコア62.11を得た。

  • 村山 友理, 小林 一郎, 森田 武史, 中野 有紀子, 山口 高平
    セッションID: 1J1-04
    発行日: 2018年
    公開日: 2018/07/30
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    現在,Linked Open Data (LOD) として様々な分野の膨大な知識がデータとして Web 上に公開されている.これらの大量の知識を自然言語処理システムの中に組み込むことができれば,自然言語理解における背景知識として利用可能になると考えられる。このことから、本研究では,自然言語文から抽出した情報に知識のリレーションを紐づけることに重点を置いた手法の提案を行う.また,提案手法を評価する具体的な実験として,ロボットが喫茶店でお客さんから注文をとる場面を想定している。

  • 笠松 美歩, 上原 宏, 宇津呂 武仁, 齋藤 有
    セッションID: 1J1-05
    発行日: 2018年
    公開日: 2018/07/30
    会議録・要旨集 フリー

    本論文では,絵本に対する子どもの認知発達的反応が描写された絵本レビューに対してテキストマイニング技術を適用し,絵本に対する子どもの認知発達的反応事例を網羅的に収集した.特に,典型的な5種類の反応の事例に対して,反応の詳細および絵本の特徴に基づき,合計13種類の下位分類を設定することができた.さらに,以上の結果と,既存の発達心理学文献における知見との間の比較分析を行った結果,発達心理学文献での報告事例の規模・種類とも上回る子どもの認知発達的事例を収集・類型化できることが分かった. 発表希望日・・・順位1:6月5日(火)午後、順位2:6月5日(火)午前、順位3:6月6日(水)午前、順位4:6月6日(水)午後

  • 横井 祥, 小林 颯介, 福水 健次, 乾 健太郎
    セッションID: 1J2-01
    発行日: 2018年
    公開日: 2018/07/30
    会議録・要旨集 フリー

    コロケーション獲得や対話応答選択など,言語表現の間の関連の強さのモデル化は自然言語処理における基本的タスクである.デファクトの共起尺度である自己相互情報量(PMI)は疎なデータに適用すると大きな学習時間が必要となる.本講演では,PMIが「相互情報量へのペア(x,y)の貢献度」と捉えられることと対応付け,新しい共起尺度であるPointwise HSIC(PHSIC)を「カーネル法に基づく依存性尺度HSICへのペア(x,y)の貢献度」として提案する.PHSICは句や文などの疎な言語表現に適用でき,しかも行列計算に基づく高速な推定が可能である.実験では,PHSICを対話の応答文選択タスクに適用し,学習速度が既存尺度に比べ約100倍高速で,かつデータ数が少ないときにも予測精度の劣化が少ないことを示す.

  • 今村 優斗, 西垣 貴央, 小野田 崇
    セッションID: 1J2-02
    発行日: 2018年
    公開日: 2018/07/30
    会議録・要旨集 フリー

    適合フィードバックを対話的分類学習と捉え、分類学習アルゴリズムの1つであるサポートベクターマシン:SVM(Support Vector Machines)を適用する方法が提案されている。ベクトル空間モデルによる文書検索では、文書ベクトルはデータベース上の文書に含まれる語彙の数だけの属性を持つため、探索空間が非常に大きくなってしまうことがある。このとき、検索に無意味な属性の存在により、検索性能が下がるという現象が生じる。しかし、SVMに基づく適合フィードバックにおける探索空縮小効果についての研究は十分に行われてきていない。そこで本論文では、ランダムに属性を選択する手順・提示文書中に使用されている属性のみを用いる手順を計8つ用意し、実験を行った。その結果、ランダムに属性を選択する手順では適合フィードバックの性能は下がってしまうが、提示文書に含まれている属性を用いる手順では、適合フィードバックの性能が向上することが確認できた。これにより、分類に有効な属性を選択していくことで、SVMに基づく適合フィードバックの性能を向上させることが可能だと示すことができた。

  • 是枝 祐太, 黒土 健三, 柳瀬 利彦, 柳井 孝介, 間瀬 久雄, 佐藤 美沙
    セッションID: 1J2-03
    発行日: 2018年
    公開日: 2018/07/30
    会議録・要旨集 フリー

    効率的に重要度の高い情報を集め,経営活動における意思決定を支援するために,ユーザのフィードバックから,特定のユーザ群が重要と考える情報をランキングできる手法を開発した.本研究では,ドメイン知識へ依存することなく意味情報の抽出とランキングをend-to-endで学習できる深層学習を用いることとし、データが大量に必要であるという深層学習の欠点を補うために事前学習を用いることを提案する.交差検証に基づく定量的な実験において,非深層学習のベースラインを上回った.実験の妥当性を評価するためにA/Bテストを行った.提案手法は過半数の試行において,最も良いと評価され,経営活動のための重要文キュレーションにおいて提案手法が有効であることが示唆された.

  • 河田 尚孝, 磯崎 秀樹, 菊井 玄一郎
    セッションID: 1J2-04
    発行日: 2018年
    公開日: 2018/07/30
    会議録・要旨集 フリー

    パラメータの最適化は、統計的機械翻訳のパフォーマンスを向上させるために不可欠です。 MERTは標準的な目的関数としてBLEUを使用する最適化ツールです。 しかし、日本語と英語のように語順が非常に異なる言語間の翻訳では、BLEUは人間の判断との相関が非常に低いです。 したがって、BLEUの代わりにRIBESのような人手相関の高い評価関数を最適化プロセスの目的関数として使用する方がよい。 本稿では、MERTの目的関数として用いたRIBESの効果を調べ、SMTが原文とは大きく異なる語順を決定する際に、RIBESがBLEUよりも優れていることを見出した。

  • 槫松 理樹
    セッションID: 1J2-05
    発行日: 2018年
    公開日: 2018/07/30
    会議録・要旨集 フリー

    本稿では,特許公報処理支援を行うために,特許公報で述べられている,解決しようとする課題とその手段の候補を,ラフセット理論を用いて推定する手法を提案する.本手法では,専門家により事前に分類された特許公報の要約文における語句の出現情報をもとに構築した文書語句行列からラフセット理論で決定ルールを抽出する.この決定ルールを用いて未分類特許公報の分類を推定する.現在,専門家の協力のもと評価実験を行っており,その結果に基づく評価,抽出されたルールの検証,評価結果の分析に基づく推定方法の改善などが今後の課題である.

  • 平岡 誉史, 山西 良典, 西原 陽子
    セッションID: 1J3-01
    発行日: 2018年
    公開日: 2018/07/30
    会議録・要旨集 フリー

    本稿では,コミックのコマの重要度を推定する手法を提案する.提案手法はPage-Rankのアイデアを応用したものであり,コマ同士のリンク関係を用いてコマの重要度を推定する.コマ同士のリンク関係はキャラクターの画像情報や台詞情報などのコマ中に含まれるメタデータをもとに構築される。各コマの重要度はコマのリンク数によって求められる。実際のコミックに対して提案手法を適応し,どのようなコマが高い重要度を持つと推定されるのか検証を行った.また実験結果より提案手法の有用性を検討した.

  • 朴 柄宣, 居林 香奈枝, 松下 光範
    セッションID: 1J3-02
    発行日: 2018年
    公開日: 2018/07/30
    会議録・要旨集 フリー

    本研究では,キャラクタの性格に基づいたコミック検索支援システムの実現の端緒として,エゴグラムを用いたキャラクタ性格分類を試みる.現状のコミック検索システムでは,コミックの内容情報に基づいた検索が困難である.そこで,Web 上のリソースから抽出したデータを用いて,エゴグラムに基づくキャラクタの性格分析手法をについて提案する.提案手法では,性格を表す語にエゴグラムの自我状態を基底とするベクトルを付与し,そのベクトルの値によって,キャラクタの性格を分類する.実験により,本手法のキャラクタ分類精度は 55.0% を示した.

  • 福田 清人, 森 直樹, 松本 啓之亮
    セッションID: 1J3-03
    発行日: 2018年
    公開日: 2018/07/30
    会議録・要旨集 フリー

    近年, 計算機の爆発的な発展を背景として, 深層学習 (Deep Learning) に代表される人工知能技術が大きく成長してきた.その中で小説や漫画, 絵本のような物語を計算機によって自動生成する試みや, 人が物語を創作する際の創作支援を計算機にさせる試みが大きな注目を集めている.物語とは人の感性に基づく創作物であり, ストーリーと表現媒体という 2 つの要素に分解できる.本研究では言語のみの単一表現で生成されている小説を解析対象とする. 物語の解析に関する研究は数多く報告されている. しかしながら, これらの研究では単語やオノマトペの使用頻度といった物語の表層的な特徴のみを用いており, 文の意味のような深層特徴を用いていないことが問題点として挙げられる. 以上の点を背景として, 本研究では文の意味を考慮した小説の解析方法について述べる.具体的には, LSTM および Autoencoder を用いて生成した文の分散表現を基礎として, そこからいくつかの特徴を生成して小説におけるストーリーの展開を解析する手法を述べる.

  • Da LI, Rafal RZEPKA, Kenji ARAKI
    セッションID: 1J3-04
    発行日: 2018年
    公開日: 2018/07/30
    会議録・要旨集 フリー

    In this paper, we introduce our preliminary analysis of emoticons used on Weibo, Chinese microblog. By performing a polarity annotation with a new humorous type added, we have confirmed that 23 emoticons can be considered more as humorous than positive or negative. We also discussed some possible related problems which might occur during any social media sentiment analysis performed on Chinese language. We believe that combining machine learning, sentiment lexicons and paralinguistic elements as emoticons can be expected to achieve better performance in the future.

  • 蔡 超, 白松 俊
    セッションID: 1J3-05
    発行日: 2018年
    公開日: 2018/07/30
    会議録・要旨集 フリー

    近年、ウェブ議論システムやウェブアンケートの利用が頻繁になっている。そのため、特定の話題に興味を持つ議論参加者やアンケート被験者を、SNS上で発見したいというニーズが増加している。本研究では、ユーザ数の多いTwitterを対象として、特定の話題に興味を持つユーザを発見する手法を試作する。具体的には、あるキーワード群でTwitter検索をするとbotアカウントやスパムアカウントが多く出力されてしまう問題を解決するため、非個人ユーザフィルタリング手法を提案する。訓練データの作成時には、キーワードでの検索とハッシュタグでの検索という2回の検索結果を用い、個人ユーザと非個人ユーザのバランスを調整した。これを用いてSVMによる個人・非個人の分類モデルを学習し、F値0.93を達成した。

  • 佐藤 剣太, 牧 良樹, 中村 聡史
    セッションID: 1K1-OS-2a-01
    発行日: 2018年
    公開日: 2018/07/30
    会議録・要旨集 フリー

    コミックの読者に作品への興味をもってもらうため,Web上にコミックのシーンを広告として表示することが行われている.しかし,現状では読者の興味を引くページを手作業によって選定しており,どの読者にも同一の提示がなされるため,十分に読書意欲を増進しているとはいえない.我々は以前の研究で,コミックを途中まで読み進めた読者に対して未読ページを提示することで読書意欲が増幅されることが明らかにした.しかし,その際に構築したデータセットのページに関する分析が行われていなかったため,実際にどのようなページを推薦すれば読者の意欲を増進できるかが不明な状態であった.そこで本研究では,推薦されたページの分布度合いやページの内容に関する傾向について分析を行う.また,評価実験の人数を増加することにより,より正確な分析を行った.その結果,推薦箇所が同じところに集中する作品と大きく分散する作品が存在することがわかった.また,推薦されたページは2ページにわたる大きなコマを持つことや,セリフの量が少なくなる傾向にあることが分かった.

  • 迎山 和司
    セッションID: 1K1-OS-2a-02
    発行日: 2018年
    公開日: 2018/07/30
    会議録・要旨集 フリー

    本研究では,人工知能によって4コマ漫画を分析し,得られた特徴情報からルールを設定して2コマ漫画を生成した.4コマ漫画は4つのコマで構成され,一つのコマは登場人物・背景・セリフ・オノマトペ・漫符の要素で構成される.興味深い点はコマの形は同じなのにコマをバラバラに分解されても読者は元に戻すことができることだ. これは、コマ同士に関連する何かがあることを意味する.そこで,このような接続ルールを見つけ,選択されたパネルを組み合わせて新しい物語を自律的に生成した実験を行った.分析と試行の結果,セリフと登場人物のルールを発見し,2コマまでは破綻のない物語を生成できた.したがって,基礎的ではあるが,あらゆる漫画を抽象化して共通要素から新しい物語を作るという本手法の有効性は示せたと考える.今後は4コマ漫画にのみならずストーリー漫画でも要素を抽出して同様の手法で試したい.

  • 安田 雪
    セッションID: 1K1-OS-2a-03
    発行日: 2018年
    公開日: 2018/07/30
    会議録・要旨集 フリー

    国民的漫画とされるほどのヒット作品『ONE PIECE』の会話テキストとストーリーにおける人間関係を事例とし、他世代、多様な人々に共感と感動を呼ぶ会話とシナリオのあり方を分析することで、共感を呼び、人に信頼される”AI会話”のためのる基礎理論と作業仮説を提案する。

  • YANG KAI, 中村 剛士, 加納 政芳, 山田 晃嗣
    セッションID: 1K1-OS-2a-04
    発行日: 2018年
    公開日: 2018/07/30
    会議録・要旨集 フリー

    日本のコミックにはオノマトペがよく現れる.また,新しいオノマトペは日々創造され,コミックに登場している.当然ながら,造語された新しいオノマトペは日本語辞書では見つけることができない.そのため,中国語を母国語とする人にとっては,その新しいオノマトペの意味や印象を理解することは難しい.そこで,本稿では,日本語オノマトペから中国語オノマトペへの機械翻訳を提案する.提案する翻訳システムは音象徴性仮説に基づくものである.この翻訳システムは現在構築中である.本稿では,システムの構成要素について述べ,それらの実現可能性について議論する.

  • 藤野 紗耶, 森 直樹, 松本 啓之亮
    セッションID: 1K1-OS-2a-05
    発行日: 2018年
    公開日: 2018/07/30
    会議録・要旨集 フリー

    近年,マンガを工学的に解析しようと試みるコミック工学が機械学習の急速な発展を背景として注目されている.本研究では,4 コマ漫画に着目し,4 コマ漫画の順序構造の理解に深層畳み込みニューラルネットワーク(Deep Convolutional Neural Network: DCNN)を適用した.今回,4 コマの理解のために3 分岐型 DCNN モデルを提案する.この 3 分岐型 DCNN のハイパーパラメータは進化型深層学習(evolutionary deep learning: evoDL)によって獲得する.実際の 4 コマ漫画の画像データを用いた数値実験によって,提案手法の有効性を示した.

  • 古川 健次, 仲田 晋
    セッションID: 1K2-OS-2b-02
    発行日: 2018年
    公開日: 2018/07/30
    会議録・要旨集 フリー

    日本のアニメ作品ではコスト削減やクオリティ向上などの理由から, 3次元コンピュータグラフィックス(3DCG)を用いることが多くなってきている. しかし,日本の作画アニメは独自の動きをするため,3Dキャラクタで動きを再現するのは難しい. 特に3Dキャラクタの髪で,作画アニメの髪の動きを再現するには,物理演算などの手法は違和感が出て使えない. 本研究の目的は,作画アニメの髪の動きを,3Dキャラクタの髪で自動生成できるようにすることである. 本研究では,作画アニメで髪をなびかせるときに使われている代表的な手法をモデル化し, 3Dキャラクタで髪のモーションを自動生成できるようにした.

  • 保住 純, 松尾 豊
    セッションID: 1K2-OS-2b-03
    発行日: 2018年
    公開日: 2018/07/30
    会議録・要旨集 フリー

    本研究では深層敵対的生成ネットワークを用いたマンガイラスト(1コマ分に相当する画像)の自動生成を試みる.近年,深層学習を用いて自動的に画像を生成する研究が数多く行われてきたが,その際に用いられるモデルの一つに敵対的生成モデルがあり,高品質な画像を生成するための様々な手法が提案されてきた.ただし,これら研究の多くが検証に用いるデータセットは情報量が多い写真画像を対象としたものとなっているため,主にモノクロの線画によって構成され,かつ様々なシーンが描画されるマンガイラストに対してはこれらが適切とは言えない可能性がある.一方で,イラストを敵対的生成ネットワーク(GAN)によって自動生成する研究や,マンガを対象として人工知能を用いる研究も従来より数多く行われているが,マンガイラストを直接生成しようとする試みは,あまり行われていなかった.そこで,本研究では深層敵対的生成ネットワークを用いたマンガイラストの自動生成実験を,使用する層の数や損失関数を変更することで複数回行い,その結果を考察する.本研究にて得られる示唆は,人工知能によるマンガの自動生成を研究していく上で有益なものになると考えられる.

  • 坪田 亘記, 小川 徹, 山崎 俊彦, 相澤 清晴
    セッションID: 1K2-OS-2b-04
    発行日: 2018年
    公開日: 2018/07/30
    会議録・要旨集 フリー

    本研究では個別の漫画でのキャラクターの分類を目的とする.キャラクターの顔とコマのバウンディングボックスが与えられているという条件で,深層距離学習によって個別の漫画への適応した特徴量を作成してクラスタリングを行う手法を提案する.深層距離学習に必要な正ペアと負ペアを,漫画特有の性質である同じキャラクターは近くのページやコマに登場しやすく,同一のコマに現れるキャラクターはほぼ異なるという性質を考慮して推測する.個別の漫画に適応したことによりクラスタリングが改善した.

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