人工知能学会全国大会論文集
Online ISSN : 2758-7347
第32回 (2018)
選択された号の論文の753件中251~300を表示しています
  • 土井 樹, 池上 高志
    セッションID: 2D3-OS-21b-01
    発行日: 2018年
    公開日: 2018/07/30
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    社会性集団とこれを構成する個体或いは局所個体集団の間に生じる現象に関する研究は古くから存在するが,個体の個性を考慮した上での両者の関係性は明らかにされてこなかった。 本発表では、これまで筆者が社会性昆虫のひとつであるセイヨウミツバチを通して上記の問題にアプローチするために行った解析結果を元に、新たにagent based modelを用いた社会性昆虫のシミュレーションを行った結果を発表予定である。

  • 西川 仁將, 岡 瑞起, 橋本 康弘, 池上 高志
    セッションID: 2D3-OS-21b-02
    発行日: 2018年
    公開日: 2018/07/30
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    多くのソーシャルネットワーキングサービスは,ユーザがタグと呼ばれる任意の文字列を付与することで投稿されるコンテンツを管理するソーシャルタギングシステムを採用している.ソーシャルタギングに用いられる語彙は多様であり,新しい語彙が生み出されるメカニズムについて様々な研究がなされている.サービス全体をみるとソーシャルタギングシステムの振る舞いは概ねYule-Simon過程で説明できる.しかしながら,個々のタグの累積出現回数に注目してみると,Yule-Simon過程が予測する値から逸脱するタグが存在して,Yule-Simon過程ではその逸脱の分布が指数関数的減衰を示す.しかし,実際のサービスからはYule-Simon過程では捉えきれない大きさの逸脱をもつタグが多く存在することがわかっている.そこで本研究では実データにおけるYule-Simon過程からの逸脱の大きさを確認し,Yule-Simon過程を拡張したモデル,FILOモデルを提案し比較した.結果として,FILOモデルは実データにより近い振る舞いを再現することができた.

  • 鈴木 麗璽, 有田 隆也
    セッションID: 2D3-OS-21b-03
    発行日: 2018年
    公開日: 2018/07/30
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    本論文は連続的な社会相互作用ダイナミクスの理解に対する次の3つのアプローチについて論ずる:1)社会空間を表現した二次元平面上を近傍とのゲーム論的状態と位置関係に応じて移動するsocial particle swarm(SPS)モデル,2)実時間で意思決定を行い利得を得る状況における動的な社会相互作用を理解するためのWeb実験フレームワーク,3)超多個体での3次元版SPSモデル.

  • 升森 敦士, 丸山 典宏, シナパヤ ラナ, 池上 高志
    セッションID: 2D3-OS-21b-04
    発行日: 2018年
    公開日: 2018/07/30
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    これまでの我々の研究から、身体化した神経ネットワークには、1) 刺激入力を避けるような神経活動を強化する、2) 刺激入力を誘発するような神経活動を抑制する、という二つ方法によって自律的に外部からの刺激入力を避けるように学習することが知られている。本研究では、培養神経細胞を用いた学習実験の結果、外部からの刺激入力を止めるような行動を学習することが難しい状況においては、徐々に入力ニューロンからの結合強度が抑制されるということが示唆された。このように今回、新たに第三の性質として、刺激入力を避けるような行動の学習が難しい場合には、その入力ニューロンからの結合を弱める、という方法があるということが分かった。これはあたかも、制御可能な刺激入力のある領域を自己、制御不可能な刺激が入る領域を非自己として、自律的に内と外の境界を規定しているとも捉えられる。本発表では主にこの新しい性質に注目して結果を示し議論を行う。

  • 将棋およびチェスにおける遊戯的人間(ホモ・ルーデンス)と遊戯的機械(ロボ・ルーデンス)の邂逅
    相馬 尚之
    セッションID: 2D4-01
    発行日: 2018年
    公開日: 2018/07/30
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    本論文は、人間と機械の関係を「遊び」から論じる。近年のチェスや将棋における人工知能の勝利は、人間の知能さえ機械が超越しうることを示しており、これらを受けて、『フランケンシュタイン』のように、創造主は被造物に乗り越えられ遂には破滅してしまうのではないかという恐怖が高まっている。だが18世紀末、機械は遊戯のための娯楽であった。機械は、産業革命の進展とともに見世物のための自動人形から実用機械へと姿を変え、生産性や実用性の尺度に基づく「ロボット」へと変節していったのである。そこで本論では、人間と機械の共存を模索する一つの道として、チェスや将棋を主題に「遊戯性」の観点から機械の系譜をたどることで、この盤上の世界でこそ遊戯的人間と、実用性のくびきを逃れた遊戯的機械の邂逅が果たされる可能性について検討したい。

  • 藤村 悠太朗, 金子 知適
    セッションID: 2D4-02
    発行日: 2018年
    公開日: 2018/07/30
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    リアルタイムで迅速な意思決定をする必要があるゲームに関する研究が注目されている. 強化学習の手法であるDeep Q-Network (DQN) という手法によって,Atari 2600のゲームの一部で人間より高いスコアを記録したが,Ms. Pacmanなどのゲームでは人間のプレイヤのスコアに達することができなかった. HRAは,Ms. Pacmanのような非常に大きな状態空間のゲームに対しても学習を可能にし,人間のプレイヤを上回るスコアを達成した. 本研究では,より難しい性質を持ったゲームにもHRAの手法を適用できるかを調査するため,HRAによる分割を用いた学習が適するゲーム環境をいくつか作成し,DQNとHRAで性能の比較と考察を行った. その結果,HRAはランダム方策での訓練と相性が良く,DQNよりも優れる学習効率と性能を発揮するが, ランダム方策で報酬を得ることが困難なゲーム環境においては,ε-greedy方策やDQNで学習を行ったときの行動を訓練例とするといった手法では,学習が困難であることを示した.

  • 森 菜都未, 宇津呂 武仁
    セッションID: 2D4-03
    発行日: 2018年
    公開日: 2018/07/30
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    本論文では,人間プレイヤーが囲碁の手を学ぶことを支援するソフトウェアの開発を目的とする.特に本論文では,囲碁における各手の解説を生成するタスクに着目する.具体的には,囲碁の解説には様々な「囲碁用語」と呼ばれる描写表現が含まれており,囲碁の盤上の石の配置からそれらの描写表現を生成する手法を提案する.本論文では,この描写表現生成タスクに対して分類器学習手法を適用する.さらに,本論文では,手の描写表現を生成するための分類器の素性に関して,先行研究における,盤上の石の配置の位置関係に着目した素性に加え,囲碁の手が時系列データであることを考慮する時間素性を提案し,その有効性を示す.さらに,本論文では,各描写表現に対して二値分類を行い,描写表現ごとの最良の結果を得るために必要な最適な素性の組み合わせを示す. 発表希望日・・・順位1:6月5日(火)午後、順位2:6月5日(火)午前、順位3:6月6日(水)午前、順位4:6月6日(水)午後

  • 鶴田 穣士, 岡 夏樹, 田中 一晶
    セッションID: 2D4-04
    発行日: 2018年
    公開日: 2018/07/30
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    音楽を用いたコミュニケーション手段として,ジャムセッションというものがある.それを人間と機械の間でも可能としたものがジャムセッションシステムであり,今まで多く研究がなされてきた.ジャムセッションではボーカルがスキャットと呼ばれる歌唱法を用いることがある.本稿では,ユーザの演奏に対してシステムが初音ミクを用いてスキャットを返すという形態のジャムセッションシステムを提案する.また,この提案システムでは,ジャムセッションを通してユーザが好むスキャットの言葉を強化学習することを目指した.提案システムの実装を行い,ユーザが好むスキャットの言葉の学習を確かめた.

  • 山本 周典, 長谷川 拓, 森 直樹, 松本 啓之亮
    セッションID: 2D4-05
    発行日: 2018年
    公開日: 2018/07/30
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    本研究では適応度景観を学習し近似的に評価関数を推定する surrogate model を応用した対話型進化型計算 (Interactive Evolutionary Computation: IEC) による対話型音楽自動生成システムを提案する.本システムでは音の高さおよび長さの概念を反映した木構造によって楽曲を表現した.また,Genetic Programming (GP) の拡張手法である Genetic Programming with Multi-Layered Population Structure (MLPS-GP) を音楽の探索アルゴリズムとして用いた.更に,既存の楽曲データから音楽的特徴を抽出,学習し,個体に対する近似評価をする評価モデルを surrogate model として導入した.評価モデルの学習に当たっては Variational Autoencoder (VAE) を用い,楽曲学習時に生成される潜在空間に着目しつつ IEC と組み合わせることで,定量的かつユーザの嗜好を反映した音楽の自動生成を提案する.

  • 松吉 俊, 内海 彰
    セッションID: 2E2-01
    発行日: 2018年
    公開日: 2018/07/30
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    メタファー写像と後編集を利用した物語自動生成のフレームワークを提案する。このフレームワークは、以下の手順からなる。1. メタファー写像データベースの構築、2. 複数シミュレーターによる状態遷移列の生成、3. メタファー写像を利用した言語化、4. 後編集、5.アーカイブ化。本提案手法の主な特長は次の通りである。内部表現を一切利用しないことが選択可能、モジュールごとの評価が比較的容易、不適切な表現が出力されないように事前に制御可能、物語文章を逐次生成する場合、読者からの質問に回答可能であり、読者からの要望に応えて物語の現状を途中改変可能。

  • 木村 遼, 夏目 和子, 佐藤 理史, 松崎 拓也
    セッションID: 2E2-02
    発行日: 2018年
    公開日: 2018/07/30
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    本稿では多様な発話文を生成する機構について述べる.この発話文生成機構の中核をなすのは,発話表現文型辞書である.この辞書には,発話で用いられる表現文型を1000以上収録している.表現文型には,その文型から感じられる話し方の特徴を表すベクトル(話し方の特徴ベクトル)を付与している.また,表現文型を74種類の発話意図に分類している.この機構は,発話内容・発話意図・話し方の特徴ベクトルの3つの入力から発話文を生成する.

  • 日暮 立, 小林 隼人, 村尾 一真, 増山 毅司
    セッションID: 2E2-03
    発行日: 2018年
    公開日: 2018/07/30
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    本研究では, Yahoo!知恵袋において, ユーザーが投稿した質問文の見出しを適切に配信するために, ランク学習に基づいた見出し生成手法を提案する. 国立情報学研究所から提供されているデータを使用し, クラウドソーシングを利用して教師データを作成した. ランク学習による見出し生成の結果, 従来法に比べて有効な見出し生成が行われた.

  • 鈴木 惇
    セッションID: 2E2-04
    発行日: 2018年
    公開日: 2018/07/30
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    本研究は、主に Web 上で投稿されている、台本形式小説 (SS: ショートストーリーもしくはサイドストーリーの略とされる) を自動生成することを目的とする。 本研究は既存のニューラル対話モデルを各話者の特徴を考慮して拡張する。提案モデルである three-step unified LSTM interlocution producer (TULIP) は発話符号化LSTM, 文脈更新 LSTM 発話復号化 LSTM の三つのLSTMの結合によりなっている。本研究では提案モデルに Web 上 の台本形式小説を学習させ、直接既存の小説を加工することなく一から小説を生成した。本研究では、質的、量的の双方の観点から出力した小説を評価し、提案するLSTMベースの手法が自然な日本語列を生成することを確認した。さらに、既存の定量評価手法の問題点についても指摘した。

  • 成田 雅彦, 松日楽 信人, 土屋 陽介, 加藤 由花, 村川 賀彦
    セッションID: 2E3-NFC-1a-01
    発行日: 2018年
    公開日: 2018/07/30
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    本テーマの目的は,AI系の研究者等ロボットの非専門家がロボットサービスの開発・利用に参入できるクラウドベース統合基盤の構築推進である.本プロジェクトは2013年6月に提案以来、本統合基盤の整備と活用を進め、昨年度の審査を経てめでたく「卒業」となり、今回で最終年の5年完了となる。本発表では,本プロジェクトを振り返り、得られた成果を、今後の展開のためにコンセプトとして提案する。

  • 松尾 徳朗, 柳本 豪一, 成田 雅彦, 福田 直樹, 藤田 桂英, 橋本 喜代太, 岩本 英和
    セッションID: 2E3-NFC-1a-02
    発行日: 2018年
    公開日: 2018/07/30
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    本稿では,コンベンションにおける合意形成の一つであるネットワーキングを分析することを目的とした,無線タグを用いた参加者行動センサリングに関する実験環境および実験で得られたデータを用いた行動の再現の可視化に関して紹介する.

  • 辰野 恭市, 大櫃 秀治, 吉野 勝美
    セッションID: 2E3-NFC-1a-03
    発行日: 2018年
    公開日: 2018/07/30
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    インターネットを利用した遠隔訪問ロボットを開発している。独居高齢者宅や介護センターでデモし、評価したところ、ロボットに可動部があると安全であるかどうか不安であると言う意見があった。そこで、大型TVを用いて、可動部を無くしたシステムを開発した。TV内で人が動く。大型TVを用いることで、そこに人が居るという臨場感を出そうとした。楽しい演出を考えて、再度デモをする。

  • 青柳 翔大, 平田 和暉, 高谷 智哉, 下川原(佐藤) 英理, 山口 亨
    セッションID: 2E3-NFC-1a-04
    発行日: 2018年
    公開日: 2018/07/30
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    近年,世界各国で高齢化が進んでおり,特に日本国内の高齢化は深刻である.一人暮らしの高齢者の問題として,家でのコミュニケーションの頻度の低いことがあげられ,それはうつ傾向を引き起こす原因となる.そこで,高齢者を対象とした対話ロボットの実験が先行研究として行われた.現在の問題として,ロボットが今の季節の状況にそぐわない発話,“時節にそぐわない発話”をしてしまうということがある.そこで,本研究ではロボットが時節にそぐわない発話をした際にリカバリーを入れることで会話の流れを戻し,ユーザから正しい時節情報を得るような手法を検討した.ロボットの時節にそぐわない発話に対するユーザの返答,ロボットのリアスキングに対するユーザの返答にはそれぞれ特徴が見られた.また対話の中でユーザから正しい時節情報を取得することができた.

  • 土屋 陽介, 内山 純, 平社 和也, 竹島 大智, 関田 理花, 張 進男, 近藤 嘉男, 成田 雅彦
    セッションID: 2E3-NFC-1a-05
    発行日: 2018年
    公開日: 2018/07/30
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    近年,日本国内において,育児にストレスを抱える親が増えている.これは産業形態の変化に伴う核家族化や,単独世帯の増加,地域コミュニティの変化により,育児中の親が周りに頼れないことが原因と考えられている.そこで我々は,子育て環境の心理的負担の軽減を目的に,ロボットおよびロボットサービスのプロトタイプを開発した.これにより,子育て中の親が笑顔溢れる子育て環境を構築することを目指す.本論文では,本ロボットのコンセプト,システム構成,デモンストレーションの結果について報告する.

  • 坂田 夏樹, 木下 裕香, 加藤 由花
    セッションID: 2E4-NFC-1b-01
    発行日: 2018年
    公開日: 2018/07/30
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    人・ロボット共存社会の実現に向け,ロボットと人との衝突回避が重要な研究課題になっている.本稿では,環境内に設置したセンサにより収集される人の移動履歴を基に,未来の人の移動軌跡を系列データとして予測する手法により,この問題の解決を目指す.具体的には,系列データを予測する機械学習アルゴリズムの1つであるSequence to Sequenceモデルを利用し,移動軌跡を適切な系列データに変換することで,未来の移動軌跡の予測を実現する.

  • 平田 和暉, 下川原 英理, 高谷 智哉, 山口 亨
    セッションID: 2E4-NFC-1b-02
    発行日: 2018年
    公開日: 2018/07/30
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    近年,対話システムの研究は盛んに行われている. 先行研究としてクラウドベースの音声対話システムを開発した.先行研究で開発した対話システムの課題の一つとして,ロボットが時節情報を考慮して発話することができないことが挙げあられる.この問題を解決するために,ロボットの応答文に時節情報が含まれているかどうかを自動的に判別するシステムを考える.提案手法として2つの分類手法を用いた.1つは単語パターンマッチングによるシンプルな分類である.2つ目はMLP(Multi-Layer Perceptron)を用いた分類である.結果,MLPを用いた分類手法が単語パターンマッチングよりも有用であった.

  • 松日楽 信人, 池田 貴政, 下山 未来, 岡野 憲, 成田 雅彦, 土屋 陽介, 加藤 由花
    セッションID: 2E4-NFC-1b-03
    発行日: 2018年
    公開日: 2018/07/30
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    共通ロボットソフトウエアを利用したロボットサービスシステムを開発した。提案する共通RTユニットはセンサRTC、サービスRTC、ロボット制御RTCの3つからなる。共通RTユニットを、受付ロボットに応用し、歩行情報による属性に基づく応答制御、施設内の人検出による応答制御、位置情報によるクルージングガイド応用に適用できることを示した。今後、共通ユニットを利用し新しいロボットサービスの開発に適用する。

  • 韓 炳材, 春日 孝秀, 塩川 隼人, 川口 輝太, 宇津呂 武仁, 河田 容英
    セッションID: 2F1-01
    発行日: 2018年
    公開日: 2018/07/30
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    本論文では,中国語のウェブ上で学術用語を解説するページ群を対象として,それらのページ群における用語解説の分かり易さを自動評定する手法を提案する.ウェブページの分かり易さ評定を,分かり易い用語解説ウェブページが満たすべき6個の個別因子へ分解する.理工系学術分野を対象とし,学術用語を検索クエリとする検索上位ウェブページを収集し,各ページに対し人手により個別因子の評定及び全体評定を行い,参照用データの作成を行う. 本論文では,特に,ウェブページのHTML構造上の特徴量を利用した人手作成規則により,用語解説ウェブページの分かり易さが評定可能であることを示す. 発表希望日・・・順位1:6月5日(火)午後、順位2:6月5日(火)午前、順位3:6月6日(水)午前、順位4:6月6日(水)午後

  • 野澤 一真, 望月 典樹, 増山 岳人, 中村 壮亮
    セッションID: 2F1-02
    発行日: 2018年
    公開日: 2018/07/30
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    本研究では個人の語彙の可視化に向けて、単語の理解有無の推定を行った。我々は、理解している単語や理解していない単語がそれぞれ特定の単語概念に集中しているとの仮説を立てている。そこで、階層型ニューラルネットワークとword2vecを用いて単語の理解有無を推定する手法を提案し、約96[%]超える正解率での理解有無の推定に成功した.これらの結果から、仮説の妥当性及びライフログ解析による単語の理解有無の推定が可能であることが示された.

  • 安藤 力哉, 大囿 忠親, 新谷 虎松
    セッションID: 2F1-03
    発行日: 2018年
    公開日: 2018/07/30
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    週報等の報告書が蓄積される一方,これらの有効活用のための技術開発が不十分であり,再利用が容易ではないという問題がある.例えば,本研究では週報管理システムおよび研究活動支援システムにより,学生は,過去の週報や研究活動を閲覧可能である.これらのシステムを用いて,現在の学生が過去の学生の週報を参考にすることは有益であると考えるが,そのための支援が不十分である.本研究では,週報の再利用における煩雑さを軽減するために,週報管理システムを拡張した.具体的には,1)研究業績からの週報検索機能,2)研究活動の可視化機能,3)年間週報編集・編纂機能,の3点を実現することで,週報の再利用を支援することを目指した.

  • 小林 潤平, 川嶋 稔夫
    セッションID: 2F1-04
    発行日: 2018年
    公開日: 2018/07/30
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    本研究では,段落先頭から順にセンテンス単位で文字を退色させていく表示方式を提案し,文章の要旨把握にあたえる影響を検証した.提案方式では,段落先頭センテンスに対する再認率が向上するとともに,要旨把握問題の正答率が有意に向上することがわかった.部分的退色によって段落先頭センテンスへの注意を促し,より正確な要旨把握をもたらした可能性が推察された.

  • 齊藤 拓己, 岡 瑞起, 加藤 和彦
    セッションID: 2F1-05
    発行日: 2018年
    公開日: 2018/07/30
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    近年、衣服通販サービスや衣服推薦サービスの発達によって、衣服の画像や文書データが容易に収集可能となった。最近では、機械学習や深層学習でそれらのデータを学習することで様々なモデルが提案されている。さらに、色彩理論も様々提案され、色の組み合わせがファッションに大きく影響することも示されている。 本研究では、衣服コーディネート画像を入力することで衣服の色を推薦するシステムを提案する。本システムは二つのモデルによって構築される。一つ目は、画像を衣服ごとに領域分割するパーシングモデル、二つ目は色彩調和論に基づいて衣服の色の組み合わせを評価する調和評価モデルである。

  • 村田 藍子
    セッションID: 2F2-OS-4a-02
    発行日: 2018年
    公開日: 2018/07/30
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    喜びや悲しみといった個人の心的状態は様々な形で周囲の他者から影響を受ける.こうしたプロセスは情動伝染と呼ばれる.従来の情動伝染の研究の多くは, 他者の情動反応を刺激とした際にそれに対する観察者の情動反応を計測するというプローチによって, 情動伝染の受け手の側のプロセスについて注目してきた. しかし, 現実のコミュニケーション場面では, 人々は他者の情動反応から影響を受ける「受け手」となると同時に他者の情動反応に影響を及ぼす「送り手」ともなるため, 双方向的に影響を与え合う可能性が想定される. そこで本研究では二人の人が相互に反応を参照することができる対面状況における双方向的な情動伝染について検討した. 具体的には, 二者に同時に軽度の痛みを誘発する刺激を提示し, その際の自律神経系の生理反応を計測した. その結果, 他者との相互作用が刺激に対する情動反応を増幅させること(情動反応の増幅),相互作用を繰り返すことで次第に二者の情動反応が似通ってくること(情動反応の収束)が確認された.

  • 佐藤 尚, 白木 善史, 守谷 健弘
    セッションID: 2F2-OS-4a-03
    発行日: 2018年
    公開日: 2018/07/30
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    Well-Being(WB)とは、ヒトが個人や社会性の中で自律的に生き生きとしている心的状態を指し、人と人のつながりの関係性の範囲の視点から整理されることが多い。本研究はその中で群集という範囲の関係性に着目し、そのWBな状態を測定し、見える化や技術による介入を行おうとする試みである。可視光通信技術を応用することで生理状態(呼吸、脳波)を多人数から同時に測定し、コンサートなどで群集全体が盛り上がったときの生理状態の特徴を捉える試み、群集の状態を視覚的なフィードバックによって見える化する試みについて紹介する。

  • 髙野 諒, 長谷川 智, 梅内 祐太, 辰巳 嵩豊, 髙玉 圭樹, 志牟田 亨, 家邉 徹, 松本 英雄
    セッションID: 2F2-OS-4a-04
    発行日: 2018年
    公開日: 2018/07/30
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    本論文は,睡眠とストレスについてのデータから被験者の身体的・精神的な健康状態を日常的に把握し,これらの被験者の健康状態を良好な状態を保つための方策を提示するシステムを構築するために,その基礎となる睡眠とストレスの関係性を明らかにすることを目的としている.この目的のために,被験者のサーカディアンリズムを「夜中に測定された睡眠段階」と「日中に測定されたストレスの大きさ」という測定時間帯の異なる2つのデータを結びつけるための新たな指標として焦点を当て,これら3種類のデータ(睡眠段階・ストレスの大きさ・サーカディアンリズム)の間の関係を明らかにするための分析方法を提案した.この観点からの分析方法の有効性を確認するため,15日間の被験者実験を実施した.測定結果から,睡眠段階,ストレス度,サーカディアンリズムパターンの良し悪しについての指標を算出し,これら3つの指標を包括的に分析することにより,以下のような知見が得られた.(1)これらの3つの指標は,同様の傾向,もしくは真逆の傾向で推移しており互いに影響を及ぼしていること.(2)それらの傾向は,被験者によって書かれた日誌の内容と一致していること.

  • 鈴木 航太, 鈴木 達也, 嶋田 総太郎, 橘 篤導, 小野 弓絵
    セッションID: 2F2-OS-4a-05
    発行日: 2018年
    公開日: 2018/07/30
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    近赤外分光法(fNIRS)は被験者が日常生活に近い動作や軽い運動をしているときにもその脳活動を計測できるという利点があり,リハビリテーションや認知課題施行時の認知負荷を定量的に評価する手段として期待されている。しかし現在fNIRSの信号解析手法は一定化しておらず、認知負荷の指標値としてベースラインに対する最大振幅(MAX)、積算振幅(AUC)、一般化線形モデル解析により求められる血流動態応答関数の係数(beta値)など様々な指標が存在する。そこで我々は、マルチタスクの運動認知課題を用いて、課題を行うために必要な認知負荷の量を最もよく示すfNIRS信号の指標を検討した。fNIRSの酸素化ヘモグロビン濃度変化波形において、AUCとbeta値はMaxに比べて認知負荷を反映する行動指標に適した値を取り、これらの2つの指標が運動認知課題において、脳活動の強度を評価するのに適した尺度であることを示唆している。

  • 日和 悟, 廣安 知之
    セッションID: 2F3-OS-4b-01
    発行日: 2018年
    公開日: 2018/07/30
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    Well-beingを促進するためには、自身のwell-beingの状態を認識することが重要である。 そのためには、well-beingを定量化し、視覚化する必要がある。本研究では、心理的well-beingの定量化に焦点を当て、fMRIやfNIRSなどの脳機能イメージング技術に基づいてこれを実現することを検討する。本稿では、特定の認知状態にある際の脳活動パターン(メタ状態)を抽出する方法を提案する。メタ状態は脳機能ネットワークとしてモデル化され、進化的計算によりその特徴的な構造が決定される。 提案手法の有効性を確認するため、心理的well-beingを改善するとされる瞑想を行っている際のfMRIデータに本手法を適用した。 実験結果から、提案方法により決定された瞑想のメタ状態に対して、被験者の実際の脳活動状態との類似度を計算することで、被験者がどの程度瞑想できているかを定量化できる可能性が明らかになった。この結果は、提案手法がwell-beingの定量化に貢献できることを示唆した。

  • 谷岡 健資, 日和 悟, 廣安 知之, 宿久 洋
    セッションID: 2F3-OS-4b-02
    発行日: 2018年
    公開日: 2018/07/30
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    本報告では,2つのクラスに対応する相関行列が与えられた際に,2つの相関行列の差が顕著である部分を検知し,差が顕著であるような部分の解釈が容易となるような結果を出力する多変量解析法を提案する.具体的には,相関行列の差が大きい箇所をクラスタリングによって絞り込み,低ランクな相関行列の差を用いて推定することで容易に解釈が可能となる結果を出力する方法を提案する.本手法の特徴は相関行列の差の内積を用いることで,相関行列の差のみからでは検知が困難であるクラスタリング構造を検知することができる点にある.

  • 川島 一朔, 髙橋 徹, 藤野 正寛, 熊野 宏昭
    セッションID: 2F3-OS-4b-03
    発行日: 2018年
    公開日: 2018/07/30
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    Mindfulness-Based Intervention (MBI) と呼ばれる、マインドフルネスを涵養するための瞑想といったトレーニン技法やそれらを主軸としたグループセッションが、Mind-Wandering (MW) の柔軟性を高め、Well-beingに貢献すると考えられている。MWの柔軟性とは、MWから素早く注意を切り替える能力を意味する。MBIによる効果を検討する上で、柔軟性を言語報告で測定することはできない。なぜなら、自身のMWに気がつく練習を行うMBIは、MWについての自己報告におけるバイアスに影響を及ぼす可能性があるためである。MWの柔軟性を測定するための、言語報告に依存しない方法が求められる。そこで我々は、近年発表された、MWの強度を1秒間隔の脳波と機械学習で推定する手法を用いた。これにより、14分間の瞑想中のMWの変動を観察した。続いてそれを4つの意識フェーズに分類し、被験者報告から分類の妥当性を一部確認した。最後に、MWに陥っている意識フェーズから集中している意識フェーズへ復帰するのにかかる時間を、MWの柔軟性の指標として算出し、瞑想経験量と相関することを示した。

  • 三輪 晃暉, 𠮷川 大弘, 古橋 武, 寳珠山 稔, 牧野 多恵子, 柳川 まどか, 鈴木 裕介, 梅垣 宏行, 葛谷 雅文
    セッションID: 2F3-OS-4b-04
    発行日: 2018年
    公開日: 2018/07/30
    会議録・要旨集 フリー

    P300は,オドボール課題などを被験者に課した際に,刺激付与後約300ms付近に観測される脳波の陽性成分である.P300頂点潜時は,課題の難易度,年齢,教育歴やMMSE(Mini Mental State Examination)スコアと関係があるとの報告がなされている.P300頂点潜時を計測することでMMSEスコアを推定できれば,認知症の兆候を捉えられると期待される.しかし,MMSEスコアとP300頂点潜時等との関係式はこれまで同定されてなかった.本研究では,名古屋大学医学部附属病院老年内科に通院している患者を対象に,オドボール課題による脳波計測実験を行い,MMSEスコアとP300頂点潜時,課題の難易度,教育歴との回帰式を同定した.この回帰式におけるMMSEスコア推定誤差の標準偏差推定量は1.61であり, 95%信頼区間は±3.15であった.

  • 中島 嘉樹, 辻川 剛範, 大西 祥史
    セッションID: 2F3-OS-4b-05
    発行日: 2018年
    公開日: 2018/07/30
    会議録・要旨集 フリー

    本論文では、全期間及び短期間双方の生体信号の使用による長期ストレスレベル認識精度の向上を提案する。我々が提案する方法では、長期ストレスの指標として広く用いられるPSS(Perceived Stress Scale)を用いるが、PSSは、短期間に起こる強いストレス経験に影響されることが知られている。我々はこうした特徴に着目してより高い精度でPSSスコアを推定するシステムを実現する為、生体信号特徴量を計算する時間単位について、PSSスコアが対象とする一か月間単位だけでなく、それよりも短い一週間単位でも設定して新しいコンセプトの特徴量を開発し、この効果を検証する為の実験を行った。実験では、33名の勤務者の一か月間分の生体信号データ(EDA(Electrodermal Activity) ,ST(Skin Temperature)、加速度)を用いた。実験の結果、新しい特徴量を加えることで、回帰分析の結果得られたPSSスコアと真のPSSスコアの相関係数が0.66から0.72に向上した。

  • オントロジー工学に基づく機序解釈支援に向けて
    山縣 友紀, 五十嵐 芳暢, 中津 則之, 堀本 勝久, 福井 一彦, 植沢 芳広, 山田 弘
    セッションID: 2F4-01
    発行日: 2018年
    公開日: 2018/07/30
    会議録・要旨集 フリー

    薬剤性肝障害は医薬品開発中止の主要因となっているが,肝毒性の発現機序(メカニズム)は複雑でありその全体像の把握は困難とされている.本研究では,オントロジー工学理論に基づき,機序の本質を捉えた肝毒性知識の体系化と記述枠組みのモデル化を行う.さらに,応用として創薬における安全性評価への適用について検討する.

  • 中川 嵩教, 吉岡 真治
    セッションID: 2F4-02
    発行日: 2018年
    公開日: 2018/07/30
    会議録・要旨集 フリー

    Wikipediaは世界最大のインターネット百科事典であり、様々な形で知識源として活用する方法が検討されている。具体的には、各記事に関する属性情報(所在地、生年月日、所属…)などを記述したインフォボックスから属性情報を抽出するDBpediaの研究や、カテゴリの情報を用いて、様々な単語間の類似性を計算する方法や、オントロジーの構築に役立てるYAGO2や、日本語Wikipediaオントロジーの研究などが存在する。また、我々は、これまでに、このカテゴリの性質に関する分析を行っており、これらの研究の中で、Wikipediaのカテゴリの持つ特殊性を指摘し、その特殊性を考慮した利用方法が必要であることを提案してきた。 本研究では、これまでの研究踏まえて、Wikipediaのカテゴリ階層を概念階層として扱う場合の問題点を、具体例を示しながら指摘するとともに、その問題点を解消するための、知識工学的観点からのWikipediaカテゴリの再整理を行う方法を提案する。

  • 市瀬 龍太郎, Kertkeidkachorn Natthawut, 趙 麗花
    セッションID: 2F4-03
    発行日: 2018年
    公開日: 2018/07/30
    会議録・要旨集 フリー

    近年,知識グラフは質疑応答など様々なAIタスクで利用されている.しかし,精密な知識グラフを作るためには,未だに様々な課題が残されている.本論文では,3つの課題について考察を行い,それらの課題を解決するためのプラットフォームとして,4つのモジュールからなる統合知識基盤アーキテクチャを提案する.

  • 両角 貴弘, 大囿 忠親, 新谷 虎松
    セッションID: 2F4-04
    発行日: 2018年
    公開日: 2018/07/30
    会議録・要旨集 フリー

    スポーツなどのスキルの習得に関して,練習者に対して熟達者のような指導が可能なシステムの実現が望まれている.本研究では,弓道を題材として,練習者に対する指導を可能とするシステムの実現を目指している.本稿では,弓道において基本となる型である射法八節を,システムが認識するために必要なデータの収集について述べる.また,射法八節習得支援システムの試作について述べる.弓道には段位が存在するため,初段以上を取得している者を熟達者として扱い,射法八節におけるフォーム(射形)の骨格情報を収集した.射形を評価する際に,重点的に評価したい節が撮影した動画において,どの部分であるかを把握するのは手間である.そこで,基本の型における各節の自動認識は有益である.本研究では,射法八節を認識するためのデータセットを作成するために,1)射法八節の映像・骨格情報の収集,2)骨格情報の評価・可視化,および3)映像上における各動作に対するタグ付けの3点を行った.また,射形評価を支援する射法八節習得支援システムの試作を行った.

  • 山田 隆弘
    セッションID: 2F4-05
    発行日: 2018年
    公開日: 2018/07/30
    会議録・要旨集 フリー

    人間の持っている知識を機械的に処理できるようにするための技術としてKnowledge GraphやLinked Data 等が注目を集めている。これらの方法は、知識の内容に依存せずに知識を表現する技術であるが、それだけでは知識の共有のためには不十分である。なぜならば、一つの知識をKnowledge Graphとして表現する方法には複数のものがあり得るからである。これは、作成元の異なるKnowledge Graphを組み合わせて一つの大きなKnowledge Graphとするような場合、必ずしもうまく組み合わせられないことを意味する。このような状況では、知識の共有や再利用は達成されない。知識の共有を進めるためには、知識の内容に応じて知識をどのように表現するかという基準を作り、同一の基準を適用して様々な知識をグラフ化する必要がある。本稿では、そのための基礎として、モノとコトの概念に基づいて知識内容を表現するためのモデルを提案する。

  • 松尾 凌輔, 来住 航也, 堀 浩一, 矢入 健久
    セッションID: 2G1-01
    発行日: 2018年
    公開日: 2018/07/30
    会議録・要旨集 フリー

    近年,UAVの技術が急速に発展し,様々な分野で応用されている.その応用の一つとして,電波発信源を身に着けているターゲットの位置を推定する問題がある.電波発信源の位置推定問題は,ワイヤレスセンサーネットワークの文脈で多くの研究がなされており,最近では,UAVによる電波発信源の位置推定問題に応用した研究も出てきている.ここでは,それらの研究の中でも,UAVでのターゲットの位置推定に利用可能な手法を選び,それらの手法をシミュレーションを通して比較し,計算コストや精度,飛行経路および飛行領域の影響などについての検討を行った.

  • 水地 良明, 稲邑 哲也
    セッションID: 2G1-02
    発行日: 2018年
    公開日: 2018/07/30
    会議録・要旨集 フリー

    ロボットの知能獲得において,身体的・社会的な対話経験を観測,蓄積する重要性が高まっている.近年,ヘッドマウントディスプレイ(HMD)やハンドトラッキングが可能なコントローラなどのVRデバイスの発展により,VR環境における被験者の実演を通して日常生活行動を低コストで容易に観測,蓄積することが可能となっている.しかしながら,VR環境で行動する際に被験者が得る感覚フィードバックは,実環境と比べて差異があるため,両環境における人間の挙動の不整合が懸念される.没入型VRを活用して人間の挙動を観測したデータに基づいて実環境での人間支援システムを構築するためには,両環境における人間の挙動の差異を明らかにすることが重要である.特に影響が懸念される要因の一つはHMDによる視野の制約であるが,VR環境での日常生活行動における空間認知や物体操作への影響は従来研究で明らかになっていない.本研究では,単純な物体操作タスクにおける達成時間の比較により,実環境と没入型VR環境における視野の制約が日常生活行動へ与える影響について検証する.

  • 嶋津 章仁, 日永田 智絵, 長井 隆行, 中村 友昭, 武田 祐樹, 原 豪紀, 中川 修, 前田 強
    セッションID: 2G1-03
    発行日: 2018年
    公開日: 2018/07/30
    会議録・要旨集 フリー

    近年,様々なサービスロボットが普及し始めている.プレゼンテーションロボットもその一つである.プレゼンテーションにおいてジェスチャは情報伝達効果の向上手段として非常に大きな役割を担っている.一方,直接の情報伝達を目的としていないながらも,発表者の熱意や意思を無意識のうちに表現した動きはプレゼンテーションの成功や相手への印象に影響を与える.そのためプレゼンテーションロボットにもそのような動きを行うことが求められるが,それらの動きを手動で設定することは容易ではない.そこで本研究では,音声韻律情報と動きの関係性を系列変換モデルを用いて学習させ,韻律情報から適切なモーションを直接生成する手法を提案する.さらに,単語の意味を強調する動きを合成することで,より表現力の高い動きを生成することを目指す.

  • 坂戸 達陽, 稲邑 哲也
    セッションID: 2G1-04
    発行日: 2018年
    公開日: 2018/07/30
    会議録・要旨集 フリー

    身体動作の意味(ラベル)をシステムが認識するためには膨大なデータとラベルのセットが必要であるため,能動学習の枠組みを用いてシステムがユーザに動作のラベルを質問する事を考える.動作が行われた文脈を考慮する事により,効率的かつユーザに負担のかからない能動学習方法を実現することを目的とする.本稿では,使用する道具,動作が行われた場所を文脈と位置づけ,VRを用いて同じ身体動作パターンに対して異なる文脈で動作するアバターを用いながらラベルの能動学習を行う方法を検討する.質問の際に用いる文脈の選択方策,Open/Close questionの選択基準,ラベル推定手法の3点について,それぞれの方法を組み合わせた能動学習を行い,評価実験の結果,文脈の選択方法としてはmargin samplingを用い,質問の初期はopen,後期はclose questionを行い,naive Bayesを用いたラベル推定方法を行う組み合わせが最も効率的であることを示した.

  • 朱 成敏, 武田 英明, 竹崎 あかね, 吉田 智一
    セッションID: 2G2-OS-10b-01
    発行日: 2018年
    公開日: 2018/07/30
    会議録・要旨集 フリー

    本稿では農業データの連携・統合のためにナレッジ グラフを用いた標準語彙の管理を提案する.ナレッジグラフに よる標準語彙の管理は用語の多様性が多く見られ,またそれが 一貫性のある語彙管理の妨げとなる農業分野の語彙が持つ特徴を補完することができる.また,農業 ICT システムの運用に おいて機械可読性を向上するデータ形式を提供することがで き,農業 ICT システム間の円滑な連携を可能とする.

  • 小林 一樹, 中村 俊輝
    セッションID: 2G2-OS-10b-02
    発行日: 2018年
    公開日: 2018/07/30
    会議録・要旨集 フリー

    本研究では,定点観測画像から果樹の生長把握を容易に行うアプリケーションを実現するために,深層学習を用いたリンゴ果実サイズの自動抽出と,その情報を用いた統計的情報の提示および,生長曲線の生成を行うアプリケーションを開発した.リンゴ果実の検出精度はF値72.4であり,果実の生長を把握する上で実用的な値だと考えらえる.

  • 竹崎 あかね, 朱 成敏, 武田 英明, 吉田 智一
    セッションID: 2G2-OS-10b-03
    発行日: 2018年
    公開日: 2018/07/30
    会議録・要旨集 フリー

    農業ITシステム間のデータ連携促進のため,農作物を定義する農作物語彙体系;CVOを構築し公開した.CVOでは,農作物は標準和名,学名,よみ,別名で表現される.CVOに含まれる農作物の多くは植物学的分類に基づいた栽培植物名であるが,一部は利用部位,用途等で修飾された栽培植物名である.また,CVO農作物語彙は農薬情報,食品成分情報,品種情報,学術情報等の語彙との対応関係に基づきリンクで連携されており,CVOを基盤とした関連語彙の相互連携が実現した

  • 下林 史弥, 小林 一樹, 香川 景一郎, 郭 威, 平藤 雅之, 谷田 純
    セッションID: 2G2-OS-10b-04
    発行日: 2018年
    公開日: 2018/07/30
    会議録・要旨集 フリー

    本研究では、軽量で小型なマルチスペクトルカメラTOMBOの農業への応用を提案する。農業分野では、マルチスペクトルカメラを搭載したドローンが作物の生育予測に使用される。 複数波長の画像から得られるNDVIやNDREといった生育指数は作物の状態を推定するのに有用である。しかし,現在農業に使用されているマルチスペクトルカメラは,大型のドローンへの搭載を前提としており,カメラのさらなる小型化が望まれている.TOMBOは小型・軽量かつカスタマイズ性にも優れており,ドローン搭載におけるメリットが大きい.TOMBOのフィールドモニタリングへの応用に向けて,既存の農業用マルチスペクトルカメラとの比較を通して検討を行う.

  • 佐藤 拓弥, 味藤 未冴来, 川岸 卓司, 水谷 孝一, 善甫 啓一, 若槻 尚斗, 竹前 喜洋, 西藤 岳彦
    セッションID: 2G3-OS-10c-01
    発行日: 2018年
    公開日: 2018/07/30
    会議録・要旨集 フリー

    豚呼吸器感染症は発見と対策の遅れが養豚農家に大きな経済的損失をもたらす。豚呼吸器感染症に罹患した豚は、探餌及び飲水行動の頻度が変化するので発症した豚の早期発見のために作業者による豚の行動観察が行われている。しかし、人が常時観察することは重労働であるため、ビデオカメラを用いる自動的な行動監視が労力軽減のために有効である。そこで、著者らは感染をコントロールした環境下で収録した動画像を用いて豚の探餌及び飲水行動の判別の実験を行ったところ、豚の尾部が餌場に接触した場合に探餌行動と誤判定するため豚の前後の識別が必要だとわかった。そこで本稿では、動画像から抽出した豚画像から頭部領域、尾部領域を自動抽出して分類するための特徴量の検討と分類精度を検証した。特徴量として豚の頭部または尾部が写るように一定の大きさの正方形で抽出した画像中の豚の面積と輪郭線に着目した。線形分類器による分類と交差検定を行った結果、正解率96.7%で分類された。頭部と尾部の画像では輪郭に基づく特徴量が異なる傾向にあった。よって、頭部と尾部の分類には輪郭に基づく特徴量の寄与が大きいと考えられる。

  • Single Shot MultiBox Detectorの導入
    大村 和暉, 八幡 壮, 小澤 誠一, 大川 剛直, 村上 則幸, 辻 博之
    セッションID: 2G3-OS-10c-02
    発行日: 2018年
    公開日: 2018/07/30
    会議録・要旨集 フリー

    近年の国内農業では,人口減少・高齢化による農業従事者の減少が問題になっている.それに伴って技術・知識が継承されなくなることが懸念されており,生産力向上のために熟練者のノウハウを継承させることが課題となっている.その解決策として,農業にICTを導入した「スマート農業」が注目を浴びている.スマート農業は,農作物や生育環境の情報をセンサーやカメラなどから取得し,そのデータをもとに適切な栽培条件を自動で制御することで,収量の増加と農作業の効率化・自動化を目的としている.これにより,熟練者のノウハウを引き継がずとも効率的な生産が可能となる.スマート農業では,花や子実の検出データは収量と密接に関係しており,生育情報として非常に有用である.そこで本論文では,農作物として大豆を対象とし,屋外圃場で得られた画像からそれらを検知するシステムを提案する.今後動画に対しても適用可能なシステムを目指していくため,高速な認識が可能であるSingle Shot MultiBox Detectorを使用した.これにより,速度を保ちながらの部位検出が可能になった.

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