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広瀬 俊亮, 神津 友武
セッションID: 1G4-GS-2c-04
発行日: 2021年
公開日: 2021/06/14
会議録・要旨集
フリー
本稿では線形回帰における変数選択問題を扱う.その簡便さから,線形回帰モデルは予測に用いられることが多い.線形回帰を用いる際には,モデルに使用する変数の組とそれらに対応する回帰係数を同時に最適化するという変数選択を実行することが重要となる.本稿では,我々が以前に提案したSICM(Sequential Information Criterion Minimization)アルゴリズムを用いて線形回帰の変数選択問題を解くことを考える.SICMは(L0ノルムを含む目的関数である)情報量基準を連続的に最小化してモデルの自由度を自動的に決定するアルゴリズムであり,これまでにロジスティック回帰及びその混合に対して適用された.本稿の目的は以下の二つである: (1) 線形回帰モデルの情報量基準を連続的に最小化することで変数選択を実行する手法を提案する; (2) その手法を用いて実験を実行し,Lasso(スパース推定による変数選択)と同等以上の精度で且つよりスパースな解が得られることを示す.
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竹中 幹, 浦野 昌一
セッションID: 1G4-GS-2c-05
発行日: 2021年
公開日: 2021/06/14
会議録・要旨集
フリー
近年、不規則に経済情勢が変化し、 多くの企業の情報がインターネットに飛び交う中、投資家はリスク回避のため様々な情報を元に企業を評価し、株の売買の意思決定をすることが必要となってきている。しかし、投資家がそれら全ての情報を評価することは困難である。そのため、現在、莫大な情報を正しく評価することが求められている。そこで本稿では、投資家の意思決定を手助けするために、ネットニュースなどの株価に関する企業の情報に自然言語処理を用いることで新たな入力変数を導入し、株価の「始値」「終値」「高値」「安値」とともに予測モデルに適用することを提案する。予測手法としては、重回帰モデルとニューラルネットワークを用いる。複数の個別企業銘柄の株価予測に提案法を適用し、シミュレーションにより提案法の有効性を比較検証することで高度な株価予測を目指す。
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山川 宏
セッションID: 1H2-GS-1a-01
発行日: 2021年
公開日: 2021/06/14
会議録・要旨集
フリー
人工知能が思考の幅を大きく広げ、科学的発見につながる創造能力を獲得するには、帰納的推論の枠組みである整列構造を自律的に発見できなければならない。本研究では、整列構造を支える3種類の関係を自動的に構築する方法を目指す。指定関係とその等価性は、計算処理によって様々な方法で構成できると仮定しうることが明らかになった。しかし、比較可能性についてはセンサの特性から得るしか無い。そこで、センサの比較可能性に合致するように様々な指定関係を組み合わせて、新たな整列構造を得る手段を検討した。すると、それは、対象を認識・操作しやすいモノとして扱う意味での「客体化」とみなせることがわかった。そして現在進呈している深層生成モデルの中で特にアテンション機能を備えたモデルは、整列構造に基づいて客体を学習する実現要件を満たしつつある。しかしながら新たな客体化を学習することは未だ難しさが残るようである。
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濱田 智明, 竹川 高志
セッションID: 1H2-GS-1a-02
発行日: 2021年
公開日: 2021/06/14
会議録・要旨集
フリー
近年,神経科学の分野では不確かな入力刺激に基づいて意思決定を行う際にベイズ更新が用いられているとしたBayesian brain仮説が提唱されている.また,行動経済学においてアンカリング効果は,事前に提示された数字によりのちの判断が影響を受ける現象として知られていたが,Turnerらによりベイズ更新で現象を説明できることが示された.その後,小沢らは,Turnerらの正規分布を仮定したモデルは,知識量が小さい場合については問題点があることを発見した.大きさ推定は正の実数を対象とするが正規分布だと分散が大きい際に非負の値を取ってしまう点,アンカの値により回答のばらつきに差が生じるという実験事実を説明できない点である.これを解消するために対数による前処理と正規分布を拡張した t 分布を組み合わせたモデルを提唱した.小沢らは,正の実数を取る大きさ推定に限定されたモデルだが,割合推定でもアンカリング効果は働く.本研究では,前処理を適切に変更することで一般のアンカリングモデルを説明できるという仮説に基づいて,割合推定の場合にロジット関数を前処理としたモデルが実験結果と合致するかどうかを検証した.
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横須賀 天臣, 池田 駿介, 布山 美慕, 西郷 甲矢人, 高橋 達二
セッションID: 1H2-GS-1a-03
発行日: 2021年
公開日: 2021/06/14
会議録・要旨集
フリー
類推は,人間の知的な活動を支える重要な認知過程である.比喩,創造性,アブダクション,転移学習など,イメージ間の構造的類似を見出す行為において幅広く役立つ.類推を基盤とした比喩理解のモデルとして不定自然変換理論(theory of indeterminate natural transformation, TINT)がある.TINTでは,あるイメージの意味を他のイメージへの連想関係の総体であると定義する.ある比喩の措定を意味の創造過程と捉え,被喩辞と喩辞に関わるイメージの連想関係を変化させることで,比喩理解過程を表現する.そのため,TINTはイメージ同士が連想関係で繋がれた連想ネットワークを必要とし,実行結果として連想ネットワークを書き換える.これまでにTINTは,最小限な形での計算論的実装と,ある単一の比喩理解過程に関するシミュレーションと実験的検証がなされている(池田 et al. 2021).しかし,連想ネットワークの動的変化についてはほとんど研究されていない.本研究では,比喩理解過程においてTINTが連想関係を書き換えることで連想ネットワークの大局的な性質がどのように変化していくのかを分析する.
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内海 佑麻, 福地 庸介, 木本 充彦, 今井 倫太
セッションID: 1H2-GS-1a-04
発行日: 2021年
公開日: 2021/06/14
会議録・要旨集
フリー
人・生物・ロボットといった主体 (Agent) がおこなっている情報処理を考える際,知能システムと外部世界との間のインターフェースとして知覚 (Perception) と行為 (Act, Action) は重要な意味をもつ.本研究のモチベーションは,主体が知覚するときに作動している適応的な情報処理の解明である.人がもつ知覚機能を正しく捉えるためには,感覚器官から受け取る刺激が意識表象へと符号化されるボトムアップ型の情報処理と,記憶・信念・文脈に基づいて刺激を解釈する目的志向のトップダウン型の情報処理を同時に考える必要がある.本研究では,ResNet50による画像識別タスクを例にとり,多義性・曖昧性をもつ視覚情報に対して人が判断を行う際の情報処理について基礎検討を行う.タスク実行時の信念分布がモデルの識別結果へトップダウンに浸入するプロセスについて考察し,Duck-Rabbit illusionにおける判断の反転現象の説明を試みる.
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浦上 大輔, 郡司 ペギオ幸夫
セッションID: 1H3-GS-1b-01
発行日: 2021年
公開日: 2021/06/14
会議録・要旨集
フリー
リザバーコンピューティングにおいて時系列データの記憶と分類を担うリザバーは、臨界的な性質を持つことが望ましいと考えられている。しかし、一般的にあるシステムにおいて臨界性を実現するためにはパラメータの微調整を必要とする。一方、我々が提案している非同期セルオートマトン(AT_ECA)はそのようなパラメータ調整を必要とせず、臨界的な時空間パターンを生成する。また、AT_ECAをリザバーとする学習システムは、高い学習能力を有することが明らかになっている。これらを踏まえて、本研究の目的はリザバーの状態を解析するための指標を提案して、AT_ECAの臨界性と学習能力の関係を明らかにすることである。まず初めに、初等セルオートマトン(ECA)をリザバーとした場合について、臨界的な時空間パターンを生成する特定の局所ルールの学習能力が高いことを示し、そのリザバーの状態の特徴を上記の指標によって明らかにする。次に、AT_ECAをリザバーとした場合について、多くの局所ルールで同じ特徴が認められることを示す。これらの結果より、AT_ECAの高い学習能力はその普遍的な臨界性に由来することが明らかになる。
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ガラムカリ 和, 杉山 麿人
セッションID: 1H3-GS-1b-02
発行日: 2021年
公開日: 2021/06/14
会議録・要旨集
フリー
本研究の目的は,非負テンソルをランク1テンソルで高速に近似することである.ランク1近似については多くの研究があるが,近似後のランク1のテンソルがフロベニウスノルムの意味で入力テンソルを最もよく近似することが保証される近似アルゴリズムは提案されていない.我々は,正テンソルを確率分布として捉えると,ランク1のテンソルが独立分布の積として表現できることを発見し,入力正テンソルに対応する確率分布から,独立な確率分布の積からなる部分空間への射影を考えることで,入力テンソルから出力テンソルへのKL情報量を最小化する正テンソルのランク1近似を凸問題として定式化した.更に,この射影の前後で,テンソルに対応する確率分布の一部のパラメータが変化しないことに注目し,最良ランク1テンソルの解析的な表示を得た.この公式を用いることで,既存手法よりも高速なランク1近似の実現が可能になった.また,独立分布の積からなる空間への射影は,平均場近似として広く考察されており,本発表でもテンソルのランク1近似と平均場近似のアナロジーを指摘する.
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森永 大貴, 福地 一斗, 佐久間 淳, 秋本 洋平
セッションID: 1H3-GS-1b-03
発行日: 2021年
公開日: 2021/06/14
会議録・要旨集
フリー
一般に,確率的な最適化アルゴリズムでは,決定的な数理最適化アルゴリズムのような,収束の理論的保証が困難であることが知られている.本研究では,連続値ブラックボックス最適化アルゴリズム(1+1)-Evolution Strategy (ES)の,一般の凸二次関数およびその単調増加変換上における収束速度に対して,理論的保証を与える.ここで収束速度とは,探索点と最適点までの距離の,各アルゴリズムステップにおける減少率である.主たる結果として,最悪収束速度が,ヘシアンの最小固有値と固有値の総和との比で表現されるオーダーであることが示される.これは,凸二次関数の一部における既知の結果の拡張と言える.加えて,一般に悪条件最適化問題の指標とされるヘシアンの条件数だけでなく,各独立変数に対する目的関数値の感度であるヘシアンの固有値の分布によっても,(1+1)-ESの収束速度が変化することを理論的に示唆する,初めての結果である.さらに,同関数クラスにおける最良収束速度が,探索空間の次元数の逆数で表現されるオーダーであることを示す.これは,凸二次関数の一部における既知の結果の,次元数における拡張と言える.
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雨宮 裕樹, 花田 研太, 杉本 謙二
セッションID: 1H3-GS-1b-04
発行日: 2021年
公開日: 2021/06/14
会議録・要旨集
フリー
一般化相互割当問題 (GMAP) は分散最適化問題の一種であり, ロボットタスク割当問題等, 実世界への応用が期待されている. GMAPはNP困難であり, 解の実行可能性判定ですらNP完全であるため, 実行可能解を得ることは容易ではない. 先行研究において, GMAPの実行可能解を求めるラグランジュ分解に基づいたヒューリスティックアルゴリズムが提案されている. このアルゴリズムでは, GMAPにおける従来の定式化をラグランジュ分解を用いて再定式化し, ラグランジュ乗数を各エージェントにおいて非同期に更新することで, 効率よく実行可能解を生成することができる. ラグランジュ乗数の更新にはステップサイズを調整するパラメータrが必要であり, これは得られる実行可能解の質に影響を与える. しかし, パラメータrは問題の規模に合わせて手動で設定する必要があり, 適切な値は自明ではない. 本研究では良質な実行可能解を得ることを目的とし,パラメータrを非同期かつ動的に調整する更新則を提案する. これにより, 問題例の種類や規模に適応するパラメータの更新を, 自動で行うことができるようになる. 提案手法はシミュレーションにより有効性を確認する.
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松原 崇, 青嶋 雄大, 石川 歩惟, 谷口 隆晴
セッションID: 1H3-GS-1b-05
発行日: 2021年
公開日: 2021/06/14
会議録・要旨集
フリー
機械学習による物理現象のモデル化は,シミュレーションの高速化や未知の現象の発見などに繋がることが期待されている.物理現象には何らかの保存則や散逸則といった物理法則が紐付いている.信頼できるシミュレーションには,機械学習がこれらの物理法則を離散時間において保証する必要がある.本研究ではいくつかの既知の物理法則を深層学習に実装するモデル化手法と,それらを離散時間で保証する自動離散微分というアルゴリズムを提案する.実験結果からも,提案手法がエネルギーの保存則・散逸則を丸め誤差の範囲で厳密に保ち,従来の数値積分を用いた手法よりも高い精度でシミュレーションができることを確認した.
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高島 浩司, 﨑山 朋子
セッションID: 1H4-GS-1c-01
発行日: 2021年
公開日: 2021/06/14
会議録・要旨集
フリー
ネットワークは,場所を表すノードと接続を表すリンクによって構成される.現実世界のネットワークのほとんどは,スケールフリーネットワークである.スケールフリーネットワークは構造が複雑であるため,構造を理解するにはネットワーク探索が必要不可欠である.ネットワーク探索の代表的なモデルとしてランダムウォークモデルがある.ランダムウォークモデルは同じノードに複数回アクセスする可能性がある.改善モデルとして,訪問済みノードを一時的に訪問不可にする自己回避モデルがある.しかし,自己回避モデルは,ハブノードにすぐ戻ることができない場合がある.自己回避モデルよりも探索効率が良い,自己自律モデルを本論文で新たに提案する.自己自律モデルは,戻るべきハブノードに再訪問可能である.さらに、ネットワークのクラスター性も考慮する.本論文では提案モデルを使い,スケールフリーネットワーク上の移動時間を求め,従来モデルよりも探索効率が良いことを明らかにすることを目的とする.結果として、提案モデルである自己自律モデルは従来モデルである自己回避モデルより平均経路長が短く,探索効率が良いといえる.
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和田 拓真, 高橋 達二
セッションID: 1H4-GS-1c-02
発行日: 2021年
公開日: 2021/06/14
会議録・要旨集
フリー
人間は未知のタスクを解くときであっても,別の領域で培った知識や経験を活用して目の前の多種多様なタスクを効率的に解くことができる.一方,未知の環境中で報酬を手掛かりに方策を学習する強化学習は,別の環境に対する知識を持ち合わせていないため,経験を活かした効率的な探索ができず,多くの試行錯誤を必要とする.このような点を解決する手段として,別の領域で学習した知識を新たな領域に適応させること,すなわち転移学習がある.本研究は,転移の一つのあり方として,類推という認知機能に注目する.類推のモデルの一つに,布山,西郷らによって提案された不定自然変換理論(theory of indeterminate natural transformation,TINT)がある.これは,圏論でいう自明な関手をずらす自然変換を探索することで適切な関手を構築するアルゴリズムである.強化学習にTINTを用いることで,別のタスクで学習した経験と,学習中のタスクの経験の間に対応(関手)を見つけること,すなわち転移による情報取得を活用することで,未知の環境でもより効率的な探索を行うことを目指す.
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竹内 頼人, 田村 直之, 番原 睦則
セッションID: 1H4-GS-1c-03
発行日: 2021年
公開日: 2021/06/14
会議録・要旨集
フリー
車両装備仕様とは,簡単に言うと,自動車のカタログに記載されているモデル/グレードと装備の組合せのことである.多目的車両装備仕様問題は,与えられたモデル/グレードの個数,装備タイプの集合,装備オプションの集合などから,装備および燃費に関する制約を満たしつつ,予想販売台数の最大化や装備オプション数の最小化など,トレードオフの関係にある複数の目的関数のもとで最適な車両装備仕様を求める問題である.本発表では,CAFE 方式と呼ばれる燃費制約に基づく多目的車両装備仕様問題(多目的 CAFE 問題)に対して,解集合プログラミングを用いてパレート最適解を列挙する方法について述べる.提案手法は,可変性モデルで表現された問題インスタンスを ASP のファクト形式に変換した後,それらファクトと多目的CAFE 問題を解くための ASP 符号化と結合し,高速 ASP システムを用いて解を求める.企業から提供されたベンチマーク問題を用いた実行実験の結果,小規模な問題についてパレート最適解を全列挙することができた.
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山本 正也, 武藤 敦子, 森山 甲一, 松井 藤五郎, 犬塚 信博
セッションID: 1H4-GS-1c-04
発行日: 2021年
公開日: 2021/06/14
会議録・要旨集
フリー
近年、地震など大規模な災害の発生が多く見られ、避難計画問題は非常に重要な課題となっている。また、大規模な災害が発生した際にどこに避難すればよいのかがわからない住民が多いことが、東日本大震災で明らかになり、災害が発生したときの避難所はどこかを、確認しておくことが大切になってきている。そのため、現在、避難所の割り当ては重要な課題となっている。岡田らは、人の滞在履歴データを用いて、整数計画法により避難所割り当てを行う手法を提案した。しかしながら、本手法には、避難経路の交差を考慮できておらず、避難経路が交差する場合、交差している箇所で混乱が生じる可能性がある。そこで、本研究では、避難所割り当て問題を建物・避難所・交差点をノード、経路をエッジとしたネットワークで表し、そのネットワークが、建物と避難所毎に分割できるかどうかを判定することで、避難経路が交差しない避難所割り当てを求める手法を提案する。名古屋工業大学の実際の建物を対象に評価実験を行った結果、従来手法では避難経路が交差する可能性があったが、提案手法では避難経路の交差を回避する割り当てが求めることができた。
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梅村 恭司, 小原 佑斗, 吉田 光男
セッションID: 1H4-GS-1c-05
発行日: 2021年
公開日: 2021/06/14
会議録・要旨集
フリー
同時確率を最大化する文字列の分割を求める問題がある。本稿では、それを求める高速な方法を求めることを目的とする。確率を計算する文字列の順番を工夫し、文字列の確率を推定する場合に、その直前に求めた文字列に一文字加えるケースでは、つかの文字だけの処理を行えば良いことを利用して、文字列の長さに依存しない計算時間で確率(または頻度)を求めることができ、それによて通常の方法に比べて、計算のオーダーが向上することがわり、実際に高速に動作することが確認できた。
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山本 京佳, 山西 良典, 松下 光範
セッションID: 1I2-GS-4a-01
発行日: 2021年
公開日: 2021/06/14
会議録・要旨集
フリー
大学のカリキュラム構成は自由度が高いため,学生は自身の学びたい専門分野と講義で学ぶことができる知識のつながりを把握しながら,選択するべき講義を決定する必要がある.しかし,専門的な学問についての知識が少ない学生にとって,講義シラバスから専門分野と講義で扱われる知識のつながりを把握することは容易ではない.そこで,専門分野を見据えた講義選択を支援することを目的にし,その一端として専門分野と講義で扱う知識の関係性を明らかにすることを試みた.提案手法では半教師あり非負値行列因子分解を用いて,研究室と講義の知識の共通因子を顕在化させ,研究室で扱う知識の講義での占有率,講義で扱う知識の研究室での占有率を分析した.研究室ごとに,算出した講義の知識の占有率を検証したところ,専門分野と講義で扱う知識の関係性の妥当な結果が得られたと示唆された.
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三浦 崇寛, 浅谷 公威, 坂田 一郎
セッションID: 1I2-GS-4a-02
発行日: 2021年
公開日: 2021/06/14
会議録・要旨集
フリー
学術論文の投稿数が近年爆発的に増加する中で,研究者が先行研究を体系的に理解するためには関連分野の中で被引用数の高い論文を理解することが有効な戦略となっている.一方で分野の概念を覆すような新たな知見は,分野の流行とは異なり過去の研究を再評価するような研究により発見されることが知られている.本研究ではScopusに収録されている全文献の引用情報から,計量書誌学上で議論されている,長い睡眠の後に引用を獲得するようなった論文であるSleeping Beautyとその発見のきっかけとなった論文であるPrinceを大規模に取得する手法を提案する.提案法は従来手法と比べて過去のSleeping BeautyとPrinceのペアを網羅的に取得することを可能にした.加えて抽出したペアを用いて非連続な発見の構造的特徴を分析した結果,Sleeping BeautyとPrinceを同時に引用するStoryteller論文が非連続な発見を伝播させる力が強いこと,及び非連続な発見が引用当時分野間を繋ぐような発見であり,その後に分野融合をもたらしやすいことを明らかにした.
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西田 由佳, 金 秀明, 倉島 健, 戸田 浩之
セッションID: 1I2-GS-4a-03
発行日: 2021年
公開日: 2021/06/14
会議録・要旨集
フリー
人間がある選択肢に直面した際、より良い生活に繋がる選択肢をいかに発見するかという問題は、より豊かな生活を目指す上で重要な研究課題である。先行研究では、ユーザに対して最適な行動の選択肢を推奨するシステムを目指し、人間の興味の方向性と行動の選択肢の類似度であるsocial welfareの予測技術を開発しており、人間の興味の時間変化を考慮した技術が提案されている。そこでは興味の時間変化を決める要因として、過去の行動によって興味が高まる効果、及び、飽きが生じて興味が薄れる効果が考慮されているが、ユーザ毎にその両効果の大小関係は固定されていた。そのため、人間が類似行動を繰り返す際、初めは興味を深めるが、次第に飽きて興味が薄れていくという過渡的な興味の変化を表現することができない、という問題があった。より時宜を得た行動の選択肢を推奨するためには、この過渡的な興味の変化を考慮した予測技術が必要である。そこで本研究では、人間の興味の要因である二つの効果の大小関係が変化するモデルを提案する。そして、実データを用いてsocial welfareの予測を行い、先行研究よりも高い予測精度を達成できることを示す。
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栗本 真太郎, 中山 功太, 藤田 智也, 馬場 雪乃
セッションID: 1I2-GS-4a-04
発行日: 2021年
公開日: 2021/06/14
会議録・要旨集
フリー
一対比較は人々の嗜好を推定するため広く活用されている.しかし,一対比較によって表明される嗜好が正確であるとは限らない.人間が行う評価は,認知バイアスによって歪むことが知られている.一対比較においては,一対比較を実施する順番が影響すると考えられる.我々はまず,被験者実験により,一対比較において評価順の影響があることを確認した.その結果を踏まえ,評価順の影響を軽減し真の嗜好を推定することを目的として,評価順の影響を明示的に考慮したモデルを提案する.クラウドソーシングを用いて収集したデータに提案手法を適用し,特にアイテム数が多く,学習データ数が少ない場合に,提案モデルが実際の一対比較選択結果を精度良く予測できることを確認した.
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梛木 佑真, 岡本 一志
セッションID: 1I2-GS-4a-05
発行日: 2021年
公開日: 2021/06/14
会議録・要旨集
フリー
本研究では,セッションデータに対してItem2Vecを使ったアイテム分散表現を導入する推薦システムを提案する.提案システムはアイテム分散表現を使うことでセッションとユーザの分散表現をリアルタイムに学習する.さらに,推薦要求時にセッションデータに特化したユーザの分散表現(リアルタイムユーザ表現)を単純な計算方法によりリアルタイムに構築する.これによりユーザの行動と嗜好のリアルタイムな追跡を図り,推薦精度の向上を目指す.また,推薦アイテム探索のため,リアルタイムユーザ表現のみを考慮するNN型探索と,類似ユーザ表現も併せて考慮するCF型探索を提案する.実験結果として,提案システムがベースラインシステムより精度・多様性・新規性がバランスよく優れていることを明らかにしている.また,CF型探索の方がNN型探索より精度・多様性・新規性の全てが優れる傾向にあることを確認している.
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二之宮 大聖, 鳥海 不二夫, 西口 真央
セッションID: 1I3-GS-4b-01
発行日: 2021年
公開日: 2021/06/14
会議録・要旨集
フリー
近年,CtoCと呼ばれる個人間で取引を行う形態の市場が拡大し注目を集めている.CtoCマーケットを活性化するため,既存の研究では販売者の離脱予測や信頼の研究,購入者の購買意欲の分析が主に行われており,販売者の活性化の傾向についての研究は少ない.本研究の目的は,販売者と他の販売者の関係が,販売者の売上の変化に与える影響を調べることである.手法として,販売者をノードとしたネットワークを作成した後コミュニティ抽出を行い,コミュニティごとに販売者の売上変化と特徴量の関係を分析した.その結果,人気販売者が隣接するユーザーに与える影響はコミュニティごとに異なり,活性化を促進する場合と抑制する場合があることがわかった.
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戸田 穂乃香, 藤村 滋, 中平 篤, 嵯峨田 淳
セッションID: 1I3-GS-4b-02
発行日: 2021年
公開日: 2021/06/14
会議録・要旨集
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自分の所属している集団に対して当事者意識を向上させるという目的で、集団内での個人が持つ影響力を可視化することで、個人の集団への影響に対する気付きを与える。それにより集団の一員であることを意識することで仲間意識が生まれ、よりよい関係を築くことが予想される。SNSの特性を考慮して定量化を計った。本研究ではtwitterを用い、特定のトピックに興味のある集団を一つの集団とし、個人のインタラクションに基づいて影響力の可視化を試みたのでその考察について報告する。
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山本 亮太, 岡本 一志
セッションID: 1I3-GS-4b-03
発行日: 2021年
公開日: 2021/06/14
会議録・要旨集
フリー
専門家による協調的な共同作業を要するクラウドソーシングにおいては,クラウドワーカの協調性を考慮したチームにより要求されるタスクを遂行する必要がある.本研究では,クラウドソーシングにおいて複雑で大規模なプロジェクトを効率的に遂行できる組織を自動形成するシステムを開発する.開発システムでは,過去の共同作業の経験に基づいてワーカ同士の協調性を表すソーシャルネットワークを生成する.さらに,予算やスキルによる制約条件の中で協調性が最適化されたチームを形成するアルゴリズムを貪欲法に基づいて開発する.GitHub上の33983個のリポジトリおよび169627人のユーザのデータを収集し,リポジトリでの利用プログラミング言語やコントリビューション情報からワーカのソーシャルネットワークやスキル等を算出する.スキルや予算要件が設定された仮想プロジェクトによるシミュレーション実験を行い,提案システムの特性を観察する.特に,提案するチーム形成アルゴリズムは,協調性を考慮しないアルゴリズムと比較して,各スキル要件に対して形成されたチームのうち,予算が最小となるチームの協調性が約96%高くなることを確認している.
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植田 涼介, 竹内 孝, 鹿島 久嗣
セッションID: 1I3-GS-4b-04
発行日: 2021年
公開日: 2021/06/14
会議録・要旨集
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クラウドソーシングは、教師あり学習で用いる正しいクラスラベルが付与されたデータセットを安価かつ大量の人的資源から効率的に取得する手段として広く使用されている。しかし、クラウドソーシングで高品質の結果を得るためには、作業を行うのが人間であることに起因した様々なばらつきや偏りへの対処が課題となる。例えば、個々の能力ややる気のばらつきによって起きる誤りの影響を抑えるために、複数のワーカーの回答を統合することで、結果の品質を向上する試みがなされている。一方、本研究では、ワーカーが作業対象のタスクを選択する際の偏りに着目する。ワーカーは置かれた状況や嗜好の違いなどに基づき、取り組むタスクの選択に偏りが生じ、これは結果の品質に影響を及ぼす可能性がある。本研究では、因果推論等で用いられる観測バイアス除去の手法を用いてワーカーのタスク選択バイアスを取り除くことで、回答統合によって得られるクラスラベルの精度の向上を図る。人工データと実データを用いた実験によって、バイアスの存在を検証するとともに、一定の条件のもとで提案手法が回答統合の精度を向上させることを確認した。
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池﨑 利太, 竹内 孝, 鹿島 久嗣
セッションID: 1I3-GS-4b-05
発行日: 2021年
公開日: 2021/06/14
会議録・要旨集
フリー
AI技術の著しい発展によって現実世界の様々な意思決定問題のサポートが可能となってきているが、問題が曖昧であったり、利用できるデータが少ないようなオープンクエスチョンに対する対応は限定的である。一方、インターネットを介して多くの人に協力を呼び掛けることによって、集合知を利用して問題解決を図る方法も広く用いられているが、その信頼性には不安がある。複雑化するAIシステムによる判断の信頼性を高めるために、AIの判断を人間に解釈可能にするための研究が盛んに行われているが、ここでもやはり不特定多数の集合知による判断の根拠を求める解釈の問題が生じる。本研究では、合理的な意思決定を助ける手法として用いられる階層分析法(AHP)に着目し、回答と判断基準の収集ならびにその評価をクラウドソーシングを用いて行う枠組みによって、この問題を解決することを図る
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井原 史渡, 岸本 大輝, 栗原 聡
セッションID: 1I4-GS-4c-01
発行日: 2021年
公開日: 2021/06/14
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日本をはじめほとんどの国や地域での新型コロナウイルスによる感染が確認されている.そのような状況下で,人々の意識や行動意欲を分析することは大変重要である.そこで本研究では,Twitter上の変化を多角的に分析した.その結果,第1波から第3波に進むにしたがって,Twitter上の投稿頻度やリツイート量の低下など,人々の関心が徐々に薄れていることがわかった.また,感染拡大時期と比較したところ,ツイート傾向に内容的な差異があることを確認できた.
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吉田 光男
セッションID: 1I4-GS-4c-02
発行日: 2021年
公開日: 2021/06/14
会議録・要旨集
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学術論文のオープンアクセスが普及し,研究者以外も論文にアクセスする機会が増えている.COVID-19流行下においては,研究成果効果の即時性の観点から,関連する論文が多数プレプリントサーバで公開され,それらのプレプリント論文に関するツイートも数多くなされている.本研究では,COVID-19流行下におけるTwitterのプレプリントサーバーへの言及について,arXiv,bioRxiv,medRxivの3つのサイトに焦点を当て,予備的な分析を行う.分析の結果,arXivに関する多くの言及の多くがボットであるものの,他のサーバはボットが少ない傾向があった.また,medRxivは他のサーバよりも多くのユーザに言及されており,裾野の広さが示唆された.
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磯谷 光毅, 大沢 英一
セッションID: 1I4-GS-4c-03
発行日: 2021年
公開日: 2021/06/14
会議録・要旨集
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近年SNSが広く利用されている中,誹謗中傷の様な攻撃的な投稿がなされる場合があり問題となっている.そこで誹謗中傷などの攻撃的な投稿についてその特性を理解した上で効果的な対策を考案することが必要である.本研究では意見が二分されるようなテーマについての誹謗中傷などの攻撃的な投稿の,発生や収束といったダイナミクスを的確に表現することができるモデルを構築しその特性について分析することを目的とする.モデルには各ユーザについて中立,賛成,賛成かつ攻撃的,反対,反対かつ攻撃的の5つの状態を定義し状態遷移に周辺ユーザの影響を考慮するよう設定した.DTWにより実際のTwitterにおける攻撃的状態にあるユーザとモデルでの攻撃的状態のユーザの推移についての時系列の距離を測った結果,提案モデルは賛成かつ攻撃的について4.493,反対かつ攻撃的について7.443であり各状態をランダムで遷移した場合の132.2,170.0と比較し類似度が高いモデルを構築することが可能であった.また攻撃的なユーザの,同意見周辺ユーザへの影響を抑えると攻撃的状態ユーザ総数の割合の累計が減少することが示された.
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瀬川 友香, 浅谷 公威, 坂田 一郎
セッションID: 1I4-GS-4c-04
発行日: 2021年
公開日: 2021/06/14
会議録・要旨集
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ソーシャルメディアの急速な普及により,社会的相互作用が大きく進歩した一方で,誹謗中傷などの攻撃的な言動が問題視されている.誹謗中傷によって精神的な病気や自殺に追い込む事例もあり,社会において攻撃的な言動のメカニズムの解明や検出は重要である. ソーシャルメディア上の攻撃のテキストベースの分析は,文章の短さや曖昧さから攻撃を特徴付けることは困難となっている.この問題を解消するために攻撃に関わるユーザーベースの分析も行われているが,その結果は多種多様であり一定の知見は得られていない. そこで本研究では,ユーザーの性質とネットワーク上の関係から攻撃をいくつかに類型化し,その特徴を明らかにすることを目的とし,日本語Twitterのサンプリングデータから,sentence-BERTを用いて抽出した攻撃ツイートを分析した. 攻撃はユーザー同士のネットワークが近いところで起こるパターンが多いことや,ネットワーク上の遠いユーザーに攻撃を行なっているユーザーは普段からネガティブな投稿を多く行なっている傾向があることを明らかにした.また,集団攻撃を行うユーザーは普段から繋がっている傾向が高いことが示唆された.
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武田 太一, 濱崎 雅弘
セッションID: 1I4-GS-4c-05
発行日: 2021年
公開日: 2021/06/14
会議録・要旨集
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バーチャルユーチューバー (VTuber) と呼ばれる,動画投稿者を模したバーチャルキャラクターの活動が盛んになっている. 2020 年 11 月現在 VTuber の数は 13000 人を超えており, その活動はタレントやクリエータなど多くの分野で注目を集めている. しかし, VTuber はそのキャラクターや投稿動画のトピックの組み合わせにより, 活動の実態を把握することが難しい. そこで本稿では VTuber の探索を支援するシステムを提案する. このシステムは, VTuber を検索する機能と, VTuber の情報を表示するページからなる. 検索機能では, VTuber をその名前と活動内容を表すキーワードのどちらかで検索できる. VTuber ページでは, キーワードや関連する VTuber の情報を用いて, VTuber を探索することができる. このシステムによって, VTuber を能動的に探索し, VTuber の理解を深めることが可能になった.
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大槻 恭士
セッションID: 1J2-GS-10d-01
発行日: 2021年
公開日: 2021/06/14
会議録・要旨集
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人狼ゲームにおいて,ゲーム内では知ることができない情報を利用して推理を行うことを「メタ推理」と呼ぶ.例えば,プレイヤーの人狼ゲーム熟練度を利用して推理を行うことなどは「人物メタ」と呼ばれている.メタ推理は好ましくない行為と考えられているようであるが,人狼知能プロジェクトが開催する人狼知能大会では,固定メンバーの村での100ゲームを単位として対戦を行い,その100ゲーム内でメタ推理を行うことが前提となっており,近年の上位入賞チームではゲームをまたいだメタ推理を採用している場合が多い.本稿では,エージェントの発話パターンがチームの特徴を表すという仮定のもとで,ニューラルネットワークを用いた役職推定における特徴量に発話パターン情報を付加し,役職推定能力の向上を確認したので報告する.さらに,この特徴量を用いた人狼知能エージェントで直近の人狼知能国際大会に参加し,好成績を上げたことについても報告する.
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渡邊 駿介, 一ノ瀬 元喜
セッションID: 1J2-GS-10d-02
発行日: 2021年
公開日: 2021/06/14
会議録・要旨集
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バスケットボールは5つのポジションに分かれており,かつては各ポジションの役割が明確であった.しかし,時代の流れとともに,各ポジションの役割が曖昧となり,同じポジションでもプレイスタイルが異なる選手が存在するようになってきたとされる.本研究では,2000-01から2019-20シーズンまでの過去20シーズンでプレイした6600名のプレイヤーを,プレイデータのMapperによる視覚化により,プレイスタイルで分類することを目的とする.また,視覚化結果をネットワークで表現して分析を行い,各シーズンにおいてプレイヤー間のプレイスタイルがどれくらい異なっているかを定量化し,過去20シーズンの数値を比較する.分析の結果,NBAプレイヤーを11個のプレイスタイルで分類することができた.さらには,時代とともにプレイヤーのプレイスタイルの差異が大きくなっていることを明らかにした.
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美嶋 勇太朗, 和田 真弥
セッションID: 1J2-GS-10d-03
発行日: 2021年
公開日: 2021/06/14
会議録・要旨集
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近年、位置情報や交通情報をはじめとした時空間データセットの普及・活用が進むとともに、時空間的依存関係を捉えることのできる分析手法の需要が高まり、多くの新しい手法が提案されている。しかしこれら先行研究の課題点として、「モーダルAがBに影響を与え、さらにBがCに影響を与える」といった複合的な依存関係を持つマルチモーダルなデータを適切に取り込めていないという問題がある。このような背景から、複合的な相互依存関係を持つマルチモーダルデータを取り扱う手法が求められる。本稿ではその手法を模索するための初期検証として、日本の大気汚染物質のモニタリングデータおよび天気データを用いて、いくつかの既存手法について大気汚染物質濃度の予測性能検証を行った上で、複合的な依存関係を持つマルチモーダルデータを取り扱うために既存手法に簡易的な拡張を加え、人の動きを表す新しいモーダルデータを加えた際に予測性能がどう変化するか検証を行った。結果の考察として、モーダル間の複合的な依存関係を捉える際には、天気データのようなモーダル間の依存関係を動的に変化させる情報を適切にエンコーディングする必要があるという結論が得られた。
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沖永 友広, 中野 謙, 林 雄介, 平嶋 宗
セッションID: 1J2-GS-10d-04
発行日: 2021年
公開日: 2021/06/14
会議録・要旨集
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論理構造を表現するものとして,Toulminモデルが知られている.そのうち「根拠」,「理由付け」,「主張」の三要素で構成したものを三角ロジックモデルという.このモデルを用いた三角ロジック組み立て演習システムが開発され,論理的思考力を促進することが示唆されている.しかし,組み立てた論理の妥当性を検討する活動はしてこなかったため,批判的思考までも支援しているとは言い難い.本研究では,批判的思考を支援することを目標として,三角ロジックによる形式的誤謬を三角ロジックに取り入れることを目指す.また,三角ロジックにおける理由付けで用いられる命題が形式的誤謬ルールに一致することとして形式的誤謬を同定することを目指す.学習課題としては,他者の論理構造の再構成課題として三角ロジックを組み立てさせた上で,その三角ロジックが形式的誤謬に属するかどうかを判断させ,形式的誤謬と判断した場合には,どの命題がどの形式的誤謬ルールに当てはまっているかを判断させることになる.この課題は他者の論理構造の妥当性を,自身の論理構造を振り返りながら検討することになり,批判的思考の促進になると期待できる.
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小柳 祐輔, 富永 桂
セッションID: 1J2-GS-10d-05
発行日: 2021年
公開日: 2021/06/14
会議録・要旨集
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感染症治療において起炎菌の迅速且つ正確な菌種同定は抗菌薬適正使用のために重要である。数値同定法は、起炎菌について複数の生化学性状を試験し、各項目の陽性/陰性を積み上げる。この試験結果と既知菌株を試験して得られた各菌種の反応陽性率をマトリクス化したデータベースとを比較し、計算した尤度から菌種を推定する。多くの臨床検査室では、生化学性状に基づいた自動菌種同定装置が使用されている。当社が開発した「RAISUS S4」はその一つで、生化学性状を蛍光値として経時的に測定し、数値同定法により菌種を決定する。この蛍光値をより有効に活用し、迅速且つ正確な試験方法の確立を目的に検討を実施した。蛍光値を入力、菌種名を出力としたニューラルネットワークモデルの菌種同定精度を検証した結果、グラム陰性桿菌・グラム陽性球菌ともに培養2時間で高い正解率を示した。本法は表現型に基づいて菌種を分類する従来の方法を踏襲しており、さらに時系列データを扱うことも可能であるため、臨床検査室で有効な検査法となる可能性が示唆された。
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鈴木 彰人, 辻 晶弘, 田代 雄介, 須田 真太郎, 鈴木 徳馬
セッションID: 1J3-GS-10e-01
発行日: 2021年
公開日: 2021/06/14
会議録・要旨集
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本研究では、あるイベントに対するニュースが各国に波及していくことを想定し、グラフニューラルネットワーク(GNN)を用いて各国の将来時点におけるイベントニュース件数増減の予測を行う。イベントによって波及するであろう国が異なるため、過去のニュースの情報から構築した、ニュース分散表現をモデルインプットに用いることで、イベント種別毎に異なる波及経路を実現し、より定性感にあったモデルの構築を目指す。グラフアテンションネットワーク(GAT)を用いて、波及したニュースに対する各国のアテンションの大きさを見ることで、予測と同時に他国からの影響(=波及の大きさ)を解釈したい。分析の結果、GNNを用いて他国の情報を追加することで、自国ニュースのみで件数増減を予測した場合と比較して予測精度が向上することが分かり、本手法の有効性を確認することができた。またGATのアテンション(波及の大きさ)に関しても、特定のイベントに対して定性感と整合した結果が得られた。
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岸本 大輝, 井原 史渡, 栗原 聡
セッションID: 1J3-GS-10e-02
発行日: 2021年
公開日: 2021/06/14
会議録・要旨集
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本研究では,新型コロナウイルスの感染状況下におけるテレビ報道の特徴と感染者数の増減に対する報道変容を明らかにすることを目的として,日本国内のテレビ報道番組の分析を行った.まず,コロナ関連の報道時間と視聴率の変化,報道内容の変化,コロナ関連報道の優先度などを分析することで,テレビ報道の特徴を明らかにした.そして,第一波,第二波,第三波の感染者数の増減に応じて,テレビ報道番組がどのように変化したかを分析した.その結果,第一波以降はテレビメディアや視聴者の関心が大きく変化していることが明らかになった.
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石田 展雅, 豊田 正史, 梅本 和俊, 商 海川, 是津 耕司
セッションID: 1J3-GS-10e-03
発行日: 2021年
公開日: 2021/06/14
会議録・要旨集
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感染拡大が続く新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の流行制御と経済活動を両立するために,集中的に感染が発生している地区に対象を限定した介入政策が求められている.しかし,多くの陽性者について感染経路の特定が出来ておらず,感染源となっている場所を特定することは難しい.専門家による人手調査の負荷を軽減するために,本研究では,携帯電話人口統計データと市区町村単位の陽性者数時系列を用いて,感染源となっている可能性がある場所,すなわち感染リスク地区を抽出する手法を提案する.提案手法は,感染リスク地区の人口の増減が新規陽性者数の増減に反映される,及び人口変動と感染症の実効再生産数の変動の関係が近似的に線形である,という2つの仮定の下で,人口変動と実効再生産数の相関が大きいメッシュを感染リスク地区として抽出する.実際の時系列には非線形な摂動が含まれるため,単純な相関係数の代わりに,動的時間伸縮法に基づく方法で相関を求める.東京都渋谷区を対象にした実験の結果,夜の繁華街の人口と区の実効再生産数の相関が大きいことが確認された.
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三戸 大輝, 浅谷 公威, 坂田 一郎
セッションID: 1J3-GS-10e-04
発行日: 2021年
公開日: 2021/06/14
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学術文献の数は近年指数関数的に増加している。これに伴って情報価値の高い学術文献抽出のための指標の重要性は向上しており、被引用数が一般的な指標として用いられている他、学術文献の革新性を引用ネットワークより指標化した指標が提案されている。一方で、公害問題や宇宙開発などの複雑な社会的課題に対する貢献により、分野横断性の高い学術文献への注目度は特に向上しているが、この分野横断性の評価は難しく、情報価値の高い分野横断的な論文群の抽出は困難となっている。 本研究ではScopusの学術文献データより引用ネットワークを構築し分野間の距離を定量化することで、被引用における分野横断性を考慮した学術文献の革新性評価指標を提案する。この指標より、分野を超えて影響を与えた論文群の抽出を行なった他、研究組織において人数の変化がその研究の分野横断性に影響を与えうることを明らかにした。
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坪田 匡史, 神津 友武
セッションID: 1J3-GS-10e-05
発行日: 2021年
公開日: 2021/06/14
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PICO (Population, Intervention, Comparison, Outcome) は、臨床試験や臨床研究のデザインを定義するための一般的なフレームワークである。したがって、論文からのPICO情報の抽出は各試験・研究の詳細を把握するうえで重要であり、近年、機械学習手法による自動化が試みられている。PICO情報抽出モデルは、各文章中に含まれるPICO情報をトークンレベルで抽出するタスクによって訓練されることが多く、これまでに、BERTをベースにしたモデルが最も高精度であると報告されている。 他方、PICO情報は、例えばP情報を表すトークン列中にI情報が含まれる等、互いにオーバーラップするケースがあるものの、オーバーラップしたPICO情報を同時に抽出するためのモデルはこれまで報告されていない。そこで本研究では、nested entity抽出モデルの一種である多層LSTMモデル(Pyramid)をPICO情報抽出へ適用する。本稿では、当該モデルがBERTモデルと同程度の精度でPICO情報を抽出できることを確認する。
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市川 淳, 喜古 泰一, 秋吉 政徳
セッションID: 1J4-GS-9a-01
発行日: 2021年
公開日: 2021/06/14
会議録・要旨集
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同期運動によって結びつきが強化され,相手に対してポジティブな印象を抱き,関連する行動が引き出されると考えられている.本研究では,人同士で確認されているそのような知見に基づき,擬人化エージェントとの同期運動がエージェントと行う身体活動の印象や行動に与える影響について実験的に検討した.我々は,リハビリテーションやトレーニングの場面を想定し,参加者にメトロノームの音に合わせて擬人化エージェントと起立・着席運動を行わせる課題を実施した.その際,先行研究 (市川・鍾・喜古・秋吉, 2021) の主な検討事項を考慮し,Kinect を用いて擬人化エージェントが人の運動を認識して動くように実装した.結果,同期条件では非同期条件に比べて,身体活動における擬人化エージェントの積極的な利用に関してポジティブな印象を抱くことが示された.本発表では,実験結果を社会応用と関連づけて議論する予定である.
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津村 賢宏, 山田 誠二
セッションID: 1J4-GS-9a-02
発行日: 2021年
公開日: 2021/06/14
会議録・要旨集
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人間とエージェントの関係を良好にする方法として,人間からエージェントに対して共感を抱いてもらうことが考えられる.共感することで,人間はエージェントに対して積極的で親切な行動をとり,エージェントを受け入れやすくなる.本研究では,人間から共感を引き出す擬人化エージェントを実現するために,エージェントから人間に対する自己開示に注目し,エージェントの自己開示が人間の共感を促進する可能性と共感の促進に効果的な自己開示を実験的に調査した.我々は2つの仮説を立て,オンライン環境下で,人間がエージェントに対して高い共感を抱くための条件を分析し議論を行う.本実験は3要因混合計画であり,要因は外見と自己開示と動画視聴前後の共感値の 2 × 3 × 2 の12条件である.参加者に12項目のアンケートを2つのタスク終了後に行ってもらい,人間のエージェントに対する共感の促進を分析した.実験結果として,外見要因に主効果はなく,シナリオに対して関連性が高い自己開示が人間の共感を促進した.また関連性が低い自己開示と自己開示がない場合は共感を抑制した.そして,この結果は我々の仮説を支持する結果となった.
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中村 圭佑, 山本 泰生, 西村 雅史, 青木 崇浩, 塩野 由紀, 中野 貴行, 山本 亮治
セッションID: 1J4-GS-9a-03
発行日: 2021年
公開日: 2021/06/14
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多くの製造現場においてデジタル化が推し進められる今日,現場に根付くリアルデータを活かす要素技術が求められている.本研究では,汎用的な姿勢推定モデルを用いて,動画データから組立作業の一連の工程を同定する問題に取り組む.人の手が介在する組立作業においては,熟練度や工程に応じて作業時間の変動が生じる.本研究では,この時間的変動を作業偏差と呼び,姿勢推定による作業同定を介したケーススタディを通して,作業者・工程毎の作業偏差を定量化することを試みる.4つの工程からなる簡易的作業の同定問題では,識別精度は約85%以上であり,4工程を正確に同定できることを確認した.他方,作業工程数を15に増やした場合,一部の工程で同定できないものが存在した.作業偏差を定量化するケーススタディでは,人手による同定結果と機械学習モデルによる同定結果の2つをそれぞれ用いて評価を行った.作業時間に関わる問い合わせ文を用意し,人手とモデルそれぞれでクエリ結果を比較した.
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福島 誠, 北原 隆幸, 江下 就介, 福原 寛重
セッションID: 1J4-GS-9a-04
発行日: 2021年
公開日: 2021/06/14
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デザイナーによって生み出される表現物は、美的に整っているだけではなく、機能的な意味を果たすことが必要とされる。色彩はデザインにおいて機能的にも美的にも重要な役割を果たす一つの要素である。よってデザインにおける配色では、色と結びついている情報を把握することが、機能的な意味を果す表現物を創り出す為に有用となると考えられる。本研究では、人が色から連想する様々なカテゴリーに渡る言語表現や形状を明らかにし、デザインに利用することを目的とし、色と単語や形状との結びつきについて、1万人以上の対象者から選択肢回答形式のアンケートによりデータを収集した。多変量解析により、このデータから複数の異なる意味カテゴリーに渡る単語、形状、色の結びつきを2次元マップとして表現し、その位相構造を示すことができた。これを利用して、複数の色の組み合わせについての言語表現をword2vecのベクトル和によって生成する手法を提案し、デザイン支援における有用性を議論する。
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植野 晶, 渕本 壱真, 植野 真臣
セッションID: 1J4-GS-9a-05
発行日: 2021年
公開日: 2021/06/14
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近年,異なる項目から構成されるが,同一精度で測定可能な「等質テスト」の必要性が高まっている.しかしながら等質テスト構成において項目露出の偏りがしばしば生じる.この問題により,項目とテストの信頼性が失われることが知られている.そのため項目露出の頻度は一様に分布していることが望ましい.これを実現するために本研究では項目露出を考慮した整数計画法による等質テスト構成を提案する.本提案手法ではテスト構成時に多く露出している項目をアイテムバンクから除外することで,項目露出の偏りを考慮し改善した.提案手法の有効性をシミュレーションと実データを用いた実験により示した.
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Shota MIYOSHI, Yuji NOZAKI, Maki SAKAMOTO
セッションID: 1N2-IS-5a-01
発行日: 2021年
公開日: 2021/06/14
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Infographics convey information in attractive and effective way by transforming and combining various types of data, such as texts and pictures. Today infographics are often created using computer software. However, these tools generally require a user proficient skill and deep understanding upon operation. In this paper, we propose a user-friendly assistance system for creating infographics by using natural language as its input. Infographics created by this system contain numerical expressions and icons based on important numbers and nouns that included in the given texts. In addition, considering that the same information can bring different feelings to people by changing a writing style of texts (such as pessimistic/optimistic) and numerical expressions, our system provides a function to select a base color of infographics as "positive" or "negative". To evaluate our method, we conducted a questionnaire survey comparing infographics of different colors that assumed to affect an impression of information. As the results of analysis, it was found that the color-controlled infographics are much more efficient to enhance the impression in the intended direction than comparative images without color control.
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Yuhei OGA, Kosei SODA, Kazuki TANAKA, Takehito UTSURO, Yasuhide KAWADA
セッションID: 1N2-IS-5a-02
発行日: 2021年
公開日: 2021/06/14
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In last few years, the Internet and Web contents have become remarkable tools for studying. However, most search engines that can find Web contents applicable for studying are not beginner friendly. Learners must manually compare several pages on the search engine to find beginner friendly Web contents. Visual intelligibility in Web page layout and beginner friendly Web page texts are the requirements of Web contents for beginners. In this paper, we develop a dataset of Web pages explaining academic concepts, to which we manually annotate their knowledge amount and learning level. This paper especially focuses on math and science academic fields such as statistics, calculus, linear algebra, mechanics, electromagnetics, chemistry, programming, and IT. In those academic fields, we collect major Web sites explaining academic concepts and manually annotate their knowledge amount and learning level to Web pages of those sites. Finally, we analyze the knowledge amount and learning level of each of those collected major Web sites.
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Keita SHIMADA, Shinji CHIBA, Yusuke YOKOTA, Yasushi NARUSE, Ikuko Eguc ...
セッションID: 1N2-IS-5a-03
発行日: 2021年
公開日: 2021/06/14
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The purpose of this study is to develop a quantitative measurement method for humans' concentration on learning using an image sensor.This paper investigated the correlation between the concentration obtained by EEG measurement and the body motion obtained by the image sensor. The brain workload calculated from the EEG measurement results was used to measure the degree of learning concentration. The auditory steady-state response (ASSR) was used to estimate the workload. Two Kinects as the image sensor were used for the body motion measurement, and one was placed in front of the subject (Master) and the other was on the left hand side (Sub). Eleven healthy Japanese people participated in the experiment. The correlation between the calculated workload and the body motion information was investigated for two learning tasks. As a result, we succeeded in statistically showing the body parts that have a huge relation to the degree of learning concentration. In the future, we aim to develop algorithms and implement software application that can quantify the degree of learning concentration using only one Kinect.
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Kristiina JOKINEN, Keiko HOMMA, Yoshio MATSUMOTO, Ken FUKUDA
セッションID: 1N2-IS-5a-04
発行日: 2021年
公開日: 2021/06/14
会議録・要旨集
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This paper describes work in the EU-Japan collaboration project e-VITA in the context of Active and Healthy Ageing. The goal of the project is to prototype Virtual coaches to sustain older adults’ well-being in smart environments, develop standards and norms for interoperability, and conduct a proof-of-concept study to assess user-acceptance in real-life environments. We will focus especially on the interaction aspects enabling the users to conduct dialogue interaction with the Virtual Coach and the integration of various system components into a federated AI platform which supports the development of the Virtual Coach.
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