本研究では,頚椎椎弓形成術後の運動,知覚機能および心理面の経時的変化を検討することを目的とした.対象は,頚椎椎弓形成術を行った15例で,10秒テスト,握力,触覚閾値および日本整形外科学会頚部脊髄症評価質問票(JOACMEQ)を術前,再来時,退院時で検討した.その結果,運動機能は,10秒テストが早期に改善し,握力は改善が遅れる傾向を示した.知覚機能は,退院時から再来時にかけて改善を認めた.また,JOACMEQは,上肢機能とQuality of life(QOL)のみ再来時で改善を認め,他のドメインの改善は時間を要することが示唆された.