カイワレの成長に及ぼす静磁場の印加と音波による加振の効果を,形態変化と無機イオンの含有量の変化から調べた.
静磁場を印加すると,茎丈の伸長,生重量,水分含有量いずれでも増加が見られたが,乾燥重量には有意な変化が見られなかった.一方,無機イオン含有量では,特にK
+の増加が著しいことから,K
+による細胞への水の吸収が伸長を促進していると考えられる.つまり,磁場は,カイワレの根からのK
+や水分の吸収を増進させていることがわかる.
音波の印加では,生重量,乾燥重量,水分含有量はカイワレ全体ではなく,葉では増加,茎では減少と不均一な効果を示した.しかし,茎と葉における乾燥重量の総和では,乾燥重量に有意な増減は見られなかった.無機イオンの含有量では,Ca
2+, Mg
2+の含有量は茎と葉で減少しているが,一方,K
+の含有量は増加し成長増進をもたらしていることがわかる.
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