植物環境工学
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31 巻, 4 号
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連載記事
Academic Salon
論文
  • 中井 勇介, 渡辺 慎一
    2019 年 31 巻 4 号 p. 203-209
    発行日: 2019年
    公開日: 2019/12/01
    ジャーナル フリー

    スプラウト類は水と弱光で栽培可能なことから,人工光型植物工場での栽培に適合する可能性が高い.そこで本研究では,商業的にスプラウトとして生産されていない作物種からダッタンソバ‘満点きらり’を選定し,種子への吸水処理(水温,時間)がスプラウト生産に重要となる発芽やダッタンソバスプラウトの成長に与える影響を調査した.その結果,未吸水処理区(対照)と比較して20 ℃~25 ℃の水道水で種子を3時間~24時間吸水処理することで,斉一発芽係数,平均発芽日数,下胚軸長,新鮮重が向上した.さらに,下胚軸長の分散が縮小された.一方で,最終発芽率や乾物重には影響はみられなかった.以上の結果から,人工光型植物工場においてダッタンソバスプラウトを生産する際は,20 ℃~25 ℃の水道水で種子を3時間~24時間吸水処理することで,栽培期間の短縮や発芽の斉一性の向上が望めると考えられる.

  • 中島 拓, 後藤 丹十郎
    2019 年 31 巻 4 号 p. 210-215
    発行日: 2019年
    公開日: 2019/12/01
    ジャーナル フリー

    9月中旬および10月中旬出荷作型における間欠冷蔵処理および短日処理がエラチオール・ベゴニア‘ネティア’の生育および開花に及ぼす影響を比較した.間欠冷蔵処理は10 ℃冷蔵処理を4日間行った後,温室内管理を3日もしくは4日行う処理を4回繰り返す方法とした.短日処理は15時から19時15分のシェードを14日間行う方法とした.目的とする開花期を9月中旬と10月中旬とし,間欠冷蔵処理を開花期の約2か月半前,短日処理を約1か月半前に開始したところ,両処理とも目的の時期に開花させることができた.間欠冷蔵処理区と短日処理区の草丈比および株張り比は,9月中旬開花作型でそれぞれ1.55および2.32と1.94および2.70,10月開花作型でそれぞれ2.07および2.81と2.55および2.90であり,両作型とも間欠冷蔵を行うと草姿のバランスが改善され,品質の向上に繋がった.これらのことから,間欠冷蔵処理を用いることで,開花期の調節を行いつつ,高品質な鉢物生産が可能であると考えられた.

短報
  • 石黒 紘規, 仁田坂 英二, 大谷 基泰
    2019 年 31 巻 4 号 p. 216-222
    発行日: 2019年
    公開日: 2019/12/01
    ジャーナル フリー

    マルバアサガオ(Ipomoea purpurea)の葉肉プロトプラストの単離と培養条件を検討した.無菌播種後約10日目の実生を供試した.1 % (w/v)Cellulase Onozuka R-10と0.3 % (w/v)Pectolyase Y-23を含む酵素液を用いたところ供試した3系統の葉身からの平均プロトプラスト収量は葉片1 g新鮮重当たり6.3 × 106 - 9.2 × 106 個であった.単離した葉肉プロトプラストの密度を1.0 × 105 個 ml-1に調整した後改変LS液体培地中で培養したところ,2-3日後には第一細胞分裂が開始された.2,4-Dとkinetinを含む培地で約26 %のプロトプラストが分裂した.その後,コロニーや小カルスが形成された.プロトプラスト由来カルスを再分化培地に移植したところ,不定根が再分化した.

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