インターネットではウィルスや不正アクセスなどの脅威が顕在化しており,安心安全なネット環境を実現するために電子認証基盤(PKI)の構築が望まれている.一般にPKIでは,高いセキュリティレベルを確保するために,システム,運用,設備と多岐にわたる要素から構成されており,高コスト構造であると言われている.このため,特に大学などの教育機関においてその普及は十分ではない.本論文では,PKI運用の核であるポリシー(CP/CPS: Certificate Policy/Certification Practice Statement)に着目し,現在,国立情報学研究所において提案されているキャンパスPKIのCP/CPSをベースに,新たにLOAの概念を導入し,複数CP/CPS化の提案を行うものである.この結果,PKI導入レベルの選択肢の複数化が可能となり,キャンパスPKIの普及促進に寄与する.
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