樹木医学研究
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25 巻, 4 号
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論文
  • 坂上 大翼
    2021 年 25 巻 4 号 p. 125-135
    発行日: 2021/10/31
    公開日: 2023/04/19
    ジャーナル フリー

    ‘ソメイヨシノ’ の簡便な増殖手法を実証的に明示することを目的として,インドール酪酸を用いた枝挿しにおける好適な挿付時期・育成環境・用土について検討した.夏季の緑枝挿しの活着率が高く,中でも密閉挿しとミスト挿しの発根率が高い傾向にあった.一方で,夏季の密閉挿しでは発根後の枯死率が高い傾向が認められ,挿付時期や密閉期間によって癒傷組織形成,発根,活着および発根後の枯死の割合が大きく異なった.結果として,梅雨後期に採穂・挿付を行って30日間程度の密閉を行うことにより,採穂母樹の平均で発根率58.3や85.6%,活着率54.2や72.2%の成績を得た.落葉期の熟枝挿しでは癒傷組織の形成に止まるものが多かったが,温床挿しにより発根が促進される可能性が示された.卓越した用土は認められなかった.挿付条件の最適化に向けて,挿付後の育成期間中の温度・光環境が発根およびその後の活着に及ぼす影響について,挿穂の生理の観点から詳細な検討が必要である.

速報
シリーズ:木や森に関わる鳥害獣を考える
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