樹木医学研究
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5 巻, 1 号
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口絵
論文
  • 小野寺 有子, 坂上 大翼, 松下 範久, 鈴木 和夫
    2001 年5 巻1 号 p. 1-11
    発行日: 2001/03/31
    公開日: 2020/09/15
    ジャーナル フリー
    高齢大型となった巨樹・老木が都市域でどのような生理的・外観的特性を示すかを明らかにする目的で,東京都区部に生育するイチョウ,ケヤキ,クスノキ,ユリノキおよびスダジイの胸高周囲長3 m以上の巨木と1 m以下の中径木を供試木として,水分生理状態,葉の養分濃度,クロロフィル量,クロロフィル蛍光,樹幹表面温度,フェノロジーの計測観察を行った.どの樹種でも,巨木の方が中径木より水分生理状態が悪く,カリウム,マグネシウム濃度が低く,クロロフィル量が少なかった.SPAD値は,スダジイを除く4樹種で巨木の方が中径木より低かった.クロロフィル蛍光には,巨木と中径木で差は認められなかった.巨木と中径木の樹幹表面温度の日変動を比べたところ,巨木の樹幹表面温度が高い傾向が認められた.また,どの樹種でも巨木の黄葉,黄葉終了,落葉が早く,黄葉-落葉期間が長いという傾向が認められた.開芽・展葉の傾向は樹種により異なっていた.巨木は中径木とは明らかに異なる生理状態やフェノロジーを示すといえる.
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