樹木医学研究
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6 巻, 1 号
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口絵
巻頭言
論文
  • 塩原 貴浩, 濱野 周泰, 濱谷 稔夫
    2002 年 6 巻 1 号 p. 3-12
    発行日: 2002/03/31
    公開日: 2020/09/16
    ジャーナル フリー
    1996~'98の3年間に全国の樹木医によって調査,診断あるいは処置された大型樹木のカルテから1,041枚を抽出し,これらに記述されている衰退現象を,材質腐朽,物理的損傷および衰弱の三つの症状に分類し,後の二つをさらにいくつかに細分した上で,それぞれの本数,発生率,生育立地および原因と樹体の大きさ(100 cm刻みの幹周階)との関係を調べた.その結果,次の傾向が明らかになった.(1)材質腐朽と物理的損傷の発生率は幹周が大きくなるほど増加し,衰弱の発生率は幹周が大きくなるほど減少する.(2)材質腐朽は幹に多く見られ,かつどの幹周階でも80%以上の高率を示す.物理的損傷は枝に多く発生し,小さいものでは強剪定の害,大型のものでは気象害が多くなるが,根系踏み荒らしの害はどの大きさでも認められる.衰弱は枝・葉に多く,土壌環境の劣悪化によるものが病虫害より多い.また,資料数の多いイチョウ,スギ,ケヤキ,クスノキ,ソメイヨシノの5種を種別に検討したところ,独特の衰退の傾向や特徴を示すものもあった.
  • 小林 享夫, 高橋 幸吉
    2002 年 6 巻 1 号 p. 13-20
    発行日: 2002/03/31
    公開日: 2020/09/16
    ジャーナル フリー
    関東地方の茨城・埼玉・千葉の各県において1997年以降ナツツバキに未記録の斑点性病害の発生が見られ,特に2000年にはヒメシャラも含めて激しい発生と落葉被害が起こった.病斑は褐色小円斑から拡大し,周囲は紅色に呈色し,間もなく落葉する.病斑裏面が白色微粉状の分生子柄と分生子塊に覆われる.菌叢磨砕液または分生子浮遊液の噴霧によりナツツバキ,ヒメシャラとも無傷葉に多数の病斑を形成,分生子の形成と落葉が起きた.Stewartia属では未記録の病気であり,病徴から紅斑病と命名した.病原菌は新種と思われ,Ramularia属の概念に定説はないが,とりあえずRamulana sp.として,解明を待って記載したい.
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