西部造船会々報
第98回西部造船会例会(西部造船会々報 第98号)
選択された号の論文の23件中1~23を表示しています
  • 古林 義弘, 山田 一俊, 梅田 歳樹
    p. 1
    発行日: 1999年
    公開日: 2003/06/30
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    一昨年12月の地球温暖化防止京都会議では6種類の温室効果ガスを対象に、先進国全体で5.2%削減することが決定した。削減対象ガスの中にはオゾン破壊係数ゼロの代替フロンであるハイドロフルオロカーボン(HFC)も含まれており、ポストフロンとして地球にやさしい, 自然と共存できる, 自然の形で地球上に存在していた物質としての自然冷媒に注目が集まっている。そのなかの一つがプロパン, ブタン等を中心とした炭化水素である。本報ではハイドロカーボンを船舶の空調·冷凍システムの冷媒として用いた場合の実冷凍サイクルでの性能面および安全面についての検討を行い、フロン系冷媒との対比で相違点と特長を述べた。なお性能比較ではアンモニア冷媒についても併記した。
  • 中武 一明, 進藤 一夫, 有田 聡, 安東 潤, 片岡 克己, 吉武 朗
    p. 2
    発行日: 1999年
    公開日: 2003/06/30
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    船は建造時には、平水中の速力が保証されるが、運航者にとっては、実海域における船速がどのように低下するかなどを知る必要がある。波の中では、船は動揺しながら航走しており、運動による船体抵抗の増加が生じる。今回開発した計算法は、短波長規則波の仮定の上で、船体運動は無視して、船首での反射波による抵抗増加を考慮して、船体形状を正しく取り入れる形で船の推進性能の定式化を行うものである。この算定法を水線面形状と断面形状が異なる3隻の数式船型(長さ 150m)に適用して、船が馬力一定で短波長(波長船長比 0.2∼0.6)正面規則波中を航行する時の速力低下量などを明らかにする。
  • 中武 一明, 吉武 朗, 安東 潤, 片岡 克己
    p. 3
    発行日: 1999年
    公開日: 2003/06/30
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    波浪中を航走する船舶の船速低下については、現在までに多くの研究が行われてきたが、これは主に船体運動を伴う長波長域での問題を扱ったものであった。しかし、実海域で船舶が頻繁に遭遇する波長50m∼100mの波浪は大型船舶にとっては短波長域であり船体運動は殆ど起こらない。このような波長域での推進性能に関する研究例は少ない。本研究では、2隻の船長2.5mの小型の模型船を使用して、短波長正面規則波中でプロペラ面伴流計測、船の抵抗試験、荷重度変更法による自航試験を行った。その結果、規則波中で波長の増加と共に伴流率がわずかに減少する現象を捉えることができ、また推進効率がわずかに低下することが確認された。
  • その1 格子傾斜モアレトポグラフィによる波高分布の計測
    星野 邦弘, 山川 賢次, 湯川 和浩, 原 正一
    p. 4
    発行日: 1999年
    公開日: 2003/06/30
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    水槽試験における波高分布計測法として、傾斜モアレトポグラフィ法の適用を検討した。その結果、本手法は従来の水平設置型モアレトポグラフィ法と比べて水面の凸凹判定が可能となるだけに留まらず非常に高い測定精度を持つ計測手法であることが分かった。また、計測画像から画像処理による波高分布の測定までを1台のパーソナルコンピュータ上で行うシステムを構築した。
  • 貴島 勝郎, 名切 恭昭
    p. 5
    発行日: 1999年
    公開日: 2003/06/30
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    船舶の操縦運動を正確に推定するために最も重要なことは, 船体に働く流体力を如何に精度良く推定できるかと言う点にある。著者らは以前船の主要目のみで, その船体に働く流体力の表現を試みて一応の成果を得たが, 同じ主要目でも船尾形状が異なる船については的確に表現出来ない欠点がある。そこで, 15船種・48載荷状態の試験結果を再度検討し, 特に船尾形状のパラメータを考慮して新たに操縦流体力の近似式を構築し, この近似式を用いた旋回運動およびジグザグ運動のシミュレーション計算を行い模型実験結果と比較し, 近似式の有効性を示した。
  • (その1 多数の横桁が配置された場合)
    加藤 瞭, 臼木 重忠, 李 旗, 古野 弘志
    p. 6
    発行日: 1999年
    公開日: 2003/06/30
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    タンク内に構造物が存在する場合のスロッシング現象では、構造物の背後に渦が発生し熱エネルギとして発散し、付加慣性力により流体の質量が見掛け上増加する。このため、タンク内流体固有周期は構造物が存在しない場合に対して長くなる。タンク内構造物が2次元的に配置されている場合は、境界要素法等を適用すると数値的に明らかにすることができる。しかし、本研究のように3次元的に構造物が配置されているタンクのスロッシング現象は、3次元的な数値解析により明らかにすることは可能であるが、設計初期段階では構造寸法、配置が未確定な場合が多いので、近似的、定性的に現象を把握する半理論的アプローチが必要である。以上の観点から、構造物の影響を考慮したタンク内流体運動を、田宮の方法を基本として拡張し実験との比較を試みた。
  • 前田 克弥, 斎藤 公男, 高石 敬史, 渡辺 健二
    p. 7
    発行日: 1999年
    公開日: 2003/06/30
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    船を一種の波浪計とみなすと, 原理的には船体運動から波スペクトルの推定ができ, 平均波周期や有義波高など波浪情報の把握が可能であることはよく知られている。しかし, 船が前進速度を持って追波中を航走する場合には, 出会い周波数は波周波数との対応が必ずしも一対一とはならないなど波スペクトルの推定は容易ではない。この問題については, 井関, 吉元, 平山らはそれぞれ別個にその解決法を提案し, 方向波スペクトルを求めている。本稿では, 非線形計画法を用いた方向波スペクトルの推定について検討している。すなわち, 方向分布関数を設計変数とし, 推定したクロススペクトルと計測値との差を目的関数として、 目的関数が最小となる設計変数を非線形計画法を用いて推定する方法である。解析に用いた計測値は, 著者らのうち高石, 渡辺らの模型試験で計測された波変位のデータである。また, ここでは簡単のために1)波の主方向が既知, 2)方向分布関数は波周波数に依存しない, ことを仮定している。速度と出会い角の主方向の組み合わせが(0.0, 0)と(0.84, 0)及び(0.84, 0)となる場合について解析したところ, ほぼ近い形状の方向分布関数を得ることができた。
  • 岩本 才次
    p. 8
    発行日: 1999年
    公開日: 2003/06/30
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    著者は今までに、学習型フィードフォワード制御方式を用いた船舶の多変数の操縦運動制御系の設計法を提案し、計算機シミュレーションと実船実験によってその設計法が実用上有効であることを示した。しかし、多変数システムでは複数の入力と出力が互いに干渉系を構成するため、フィードバックゲインの設定には多くの試行錯誤が必要で、学習型フィードフォワード制御系の中の逆システムは、計算が面倒でしかも制御系の構成が複雑であった。本論文は、このような不都合を解消するため、非干渉制御よってフィードバックゲインを合理的に決定し、逆システムを簡易な形で構築する方法を示し、制御系が有効に動作することを計算機シミュレーションによって確認したものである。
  • 百留 忠洋, 中村 昌彦, 小寺山 亘, 梶原 宏之, 倉田 喜生
    p. 9
    発行日: 1999年
    公開日: 2003/06/30
    会議録・要旨集 フリー
    近年、海底資源掘削のための洋上ステーション、海上工事で使用される台船等で浮体式海洋構造物の位置制御の技術が必要とされている。ライザー管を設置している浮体式海洋構造物は、風·潮流·波等の外乱下で一定位置を保持することが要求される。また、台船、試掘船などはある範囲内で精度よく位置を調節する必要がある。このような位置制御を行うためには、浮体にスラスター等の推進器を取り付け、それらを制御することによって位置を制御する方法が考えられる。この場合、洋上において、浮体が受ける力は、波·潮流·風による漂流力及び波による動揺に分けられる。このうち波浪外力による動揺は起振力が大きく、スラスター程度の推力では抑制することが困難である。したがって、スラスターが波周期の運動に反応するとエネルギーの無駄遣いになると考えられる。本論文では、H制御理論を用い波周波数領域に反応しないスラスターコントローラを設計し、浮体模型の位置制御の実験及びシミュレーション計算を行い性能を検討した。
  • 中村 昌彦, 小寺山 亘, 横引 貴史
    p. 10
    発行日: 1999年
    公開日: 2003/06/30
    会議録・要旨集 フリー
    曳航体の潜航深度及び姿勢の制御を行う場合、運動に対する曳航ケーブルの影響が非常に大きく、曳航体と曳航ケーブルのダイナミックスを同時に考慮したコントローラーの設計が望ましいと考えられる。本研究では曳航張力の潜航深度に対する変化に注目し、深度に応じて曳航点における曳航張力の水平·垂直方向成分の変化率が変化するとして端点モデルを構築し、H制御により各端点モデルを同時安定化することで深度及び縦揺れコントローラーの設計を行った。これにより大きな深度変更時の安定性が保証され、コントローラーの次数も大きく減少させることが出来る。実海域実験を行った結果、広範囲の深度領域において精度の良い深度·縦傾斜制御が可能であることがわかった。
  • (第1報 ロボットの構築と水槽実験)
    長嶋 豊, ジャマール タリク ミアン, 石松 隆和, 溝上 孝章
    p. 11
    発行日: 1999年
    公開日: 2003/06/30
    会議録・要旨集 フリー
    本研究では軽量、コンパクトな無索式海中ロボットシステムの開発を目指している。主推進器1個で前後方向だけでなく, 上下, 左右の任意方向に力及びモーメントを発生することができる可変ベクトル推進器を、ラジコンヘリコプタの可変翼機構を用いて容易にコンパクト, 軽量なものが実現できることに着目した。可変ベクトル推進器に使用したDCサーボモータのパルス幅変調装置をFPGAを使用して製作を行った。海中ロボットの制御システムの小型化に加えて, 開発の効率化, 保守性の向上, 省エネルギー化を図るために複数の汎用ワンチップマイコンを用いてシステムの機能モジュール化を行い,並列分散制御方式を採用した。超音波を用いた指令により制御可能な無索式海中ロボットシステムを実現した。
  • その2 2L.BHDを有する大型タンカーの場合
    李 旗, 古野 弘志, 加藤 瞭, 臼木 重忠
    p. 12
    発行日: 1999年
    公開日: 2003/06/30
    会議録・要旨集 フリー
    本研究は、2L.BHDを有する大型タンカーに対して構造初期計画システムの構築を行ったものである。船殻構造設計では、各船級協会規則に従いながら、横強度部材については有限要素法を用いた数値解析を行うことが通常である。しかし、構造を規定する諸パラメータの現実的に可能な組み合せの中から、最も合理的な組み合せを見つけ出すためには、計算時間の短縮は絶対条件となる。このような観点から有限要素法のような大規模な数値構造解析に代えて、材料力学に基づく簡易計算をベースにパラメトリックな計算を行い、船殻重量とトータルコストを見積もり、パラメータの最適組み合せを見出す方法の構築は重要である。本研究はこのような視点で、最適構造初期計画システムの構築を行ったものである。
  • 北村 充, 信川 寿
    p. 13
    発行日: 1999年
    公開日: 2003/06/30
    会議録・要旨集 フリー
    動的問題においては, 有限要素法により得られる変位や加速度の分布と同様に, 事後誤差分布もタイムステップの進行と共に変化する。有限要素解析と並行して, 事後誤差ノルムを予測し, その大きさにしたがったメッシュ更新を行うことにより, 動的有限要素解析の精度向上を検討した。動的有限要素解析と並行して事後誤差評価を行い, 最も高い事後誤差を有するブロックを選定したが, 誤差が高いと考えられる加速度ピークを有するポイントとよい一致が得られた。また, 高い事後誤差ノルムを有するブロックを細分割することにより, メッシュ更新を行ったが, 少ない自由度数でも高い精度を有する有限要素解析を実現できることが示された。
  • 濱田 邦裕, 山本 大輔, 土田 広
    p. 14
    発行日: 1999年
    公開日: 2003/06/30
    会議録・要旨集 フリー
    概念設計は製品の主要な方向性を決定する重要な設計ステージであり, 設計者の自由な発想の下, 多重多様な設計対象が取り扱われる。本研究では, 概念設計における多様な設計対象を表現することが可能な, 柔軟な製品モデルについて検討している。具体的には, 設計者が情報間の関係を組み合わせることによって, 目的に応じた自由な構造の製品モデルを生成する手法を提案している。このために, 情報間の関係に着目して造船の概念設計を整理することにより, 構成関係, 属性値生成関係, および配置関係を定義し, これらの関係の基本構成を明らかにしている。更に実際にプロトタイプシステムを構築することにより, 本研究の概念の有効性を示している。
  • 朴 成鉉, 香川 洸二, 安澤 幸隆
    p. 15
    発行日: 1999年
    公開日: 2003/06/30
    会議録・要旨集 フリー
    動的最適設計問題は設計変数と構造物の挙動に関する制約条件の下で目的関数を満足する設計変数および挙動変数を決定することであるが, 一般に大型で複雑な構造物の動特性の変更の問題では, 変更したい動特性の数よりも変更パラメータの数が多いので, 計算反復回数や計算時間が大変長くなることが多かった。本研究では, 動特性の数よりも変更パラメータの数が多い場合にも容易に最適化を行うために, 感度解析法と最適構造変更法を用いた多段階最適化手法を船体構造の最適設計に適用する。船体構造を構成する矩形防撓板を解析モデルとして, 防撓板の動特性を変更し, 重量を軽減するような最適設計に多段階最適化手法を適用することによって, その有効性を検討する。
  • 豊田 和隆, 安澤 幸隆, 有薗 善智, 香川 洸二
    p. 16
    発行日: 1999年
    公開日: 2003/06/30
    会議録・要旨集 フリー
    海中構造物は、海水による静水圧などの影響を常に受けるという過酷な状況下におかれているため、陸上構造物よりも高度な技術が必要とされている。そこで本研究では、海中構造物は必ず静水圧を受けることから、軸対称シェルの面内力が構造物が振動した場合にどのような影響を与えるかを明らかにした。本研究では, まず静的面内力を考慮した軸対称シェルの振動解析のための定式化を行い、面内力により見かけ上変化する剛性マトリクスを導いている。さらに3種類の軸対称シェルについて計算を行い、従来得られている結果と比較し、その妥当性を示している。
  • 藤井 一申, 鎌田 岳, 萩森 保彦, 内村 秀之
    p. 17
    発行日: 1999年
    公開日: 2003/06/30
    会議録・要旨集 フリー
    ケミカルタンカーに使用されているステンレスクラッド鋼板は船殻強度部材として板厚方向に厳しい応力を受けている。よってステンレスクラッド鋼板界面の強度及び破壊靱性を確保する事がケミカルタンカーの構造的健全性にとって重要である。そこで実際の設計条件から船殻強度部材として使用されるステンレスクラッド鋼板界面の具体的な要求破壊靱性値を求め、次に破壊靱性値とせん断強さとの実験的相関より要求せん断強さを求めた。又許容欠陥に対するJISの規定に関して破壊靱性に立脚した評価も行なった。
  • サムドロ , 藤本 由紀夫
    p. 18
    発行日: 1999年
    公開日: 2003/06/30
    会議録・要旨集 フリー
    Although the welding technology in Indonesia have been improved recently through the experiences of several shipbuilding projects, the welding quality is still below the level of international average. The rate of weld defect is still quite high. From the view points of safety of ships and crews, seaworthiness, protection of ocean environment and also competitiveness in ship production market, welding quality is one of the imperative requirements imposed on Indonesian shipbuilding industry. This paper discusses the present situation of welding quality in Indonesian shipyards, especially in the medium capacity shipyards, and the effective elements to improve the quality based on the welding inspections carried out for Caraka Jaya semi-container ships.
  • 矢島 浩, 山本 元道, 石川 忠, 小関 敏彦, 福井 努, 平下 俊行, 藤後 宏之
    p. 19
    発行日: 1999年
    公開日: 2003/06/30
    会議録・要旨集 フリー
    本報では, 表層超細粒鋼板表層部および中央部から採取した別々の誌験片による, 人工海水中での腐食ピットならびに腐食疲労亀裂の発生·進展挙動を, 観察·検討·考察し, 超細粒組織である表層部では, 従来のTMCP鋼板に近い組織の中央部に比べて, 腐食疲労亀裂が発生しにくいことが定量的に明らかになった。すなわち, 繰返し応力範囲36∼37kgf/mm2では, 表層部の腐食疲労亀裂発生寿命(Nc)は, 中央部のNcの約48倍長寿命であると推察された。
  • 斉 葵, 矢島 浩, 山本 元道, 福井 努, 藤井 一申
    p. 20
    発行日: 1999年
    公開日: 2003/06/30
    会議録・要旨集 フリー
    先に, 日本海事協会(NK)鋼船規則の船体用鋼板使用区分に関して種々検討し, 限界板厚における許容亀裂長さに, かなりのばらつきがあることを明らかにした。また, 各グレードの船体用鋼板に対する, 限界板厚に対応した, 船体最低使用温度−50℃までの許容亀裂長さが合理的な設定値を満足するような, 板厚80mmまでの, 船体用鋼板使用区分を提案した。引き続き, 本報は, 1996年の国際船級協会(IACS)による船体構造部材の分類により, NK規則での設計条件に対応する作用応力を設定して, 船体最低使用温度−50℃までの, 船体用鋼板使用区分を検討·作成したものである。
  • —溶接部の高温強度と溶融亜鉛脆化特性—
    鈴木 清, 粟飯原 周二, 市川 和利, 矢島 浩, 篠崎 賢二, 山本 元道
    p. 21
    発行日: 1999年
    公開日: 2003/06/30
    会議録・要旨集 フリー
    本報では, 溶融亜鉛めっき槽に着目し, 現状における槽の使用状況の調査と, 槽の事故解析を行った。さらに, 槽の建造期間の短縮と建造費の低減を目的として, 現在実績のある被覆アーク溶接法に替わる溶接方法について, 高温強度と耐溶融亜鉛脆化感受性の観点から検討した。その結果次のことが明らかになった。(1) 溶接材料F3を用いた半自動ガスシールドアーク溶接法が, 被覆アーク溶接法に替わる, めっき槽製作時の溶接材料および溶接方法として適用可能であると考えられる。(2) 溶融亜鉛脆化感受性は, 材料の化学成分に依存し, 特に, C+Si+Mn量の増加とともに高くなる傾向が認められた。
  • —避難安全システムへの適用—
    福地 信義, 篠田 岳思, 小野 隆弘
    p. 22
    発行日: 1999年
    公開日: 2003/06/30
    会議録・要旨集 フリー
    本研究では、人的過誤には, システム設計の不完全さ, 計装系の欠陥に誘起されて発生するものもあり, 緊急時の反応行動や情報処理過程をも考慮した誤判断や誤操作の起こり難い対策が不可欠である。ただ、安全性の確保には経済的負担を伴い、これには人命の価値観が関与して難しい判断が伴うが、何らかの負担の限度を定める必要がある。このため、本研究では, 海上安全に係わる機能システムの設計時にその安全性に関する構造分析を行い, 事故災害の推移構造を考えて事故が生起する確率をある程度の精度で推定して、これにより改善すべき事象を抽出して, その対策の効果を予め予測する手法を提案した。この方法を避難安全システムに適用して、その有用性を確かめることにより、安全システムにおけるリスク解析法を確立した。
  • 篠田 岳思, 福地 信義, 山内 淳一
    p. 23
    発行日: 1999年
    公開日: 2003/06/30
    会議録・要旨集 フリー
    機能計画には, 配置計画問題, 数量的計画問題などがあるが, 配置計画はいわゆる悪定義問題であり, 人の問題に対する認知の度合いによりその解が異なるため, 多くの人が納得する解を得るためには, 種々の配置問題に対して高い適合性のある配置支援アルゴリズムを確立して機能計画に反映する必要がある。本研究では, 経験の少ない設計者でも, 経験則に基づいたり, 人や作業の流れを解析することにより, 配置設計が可能となるアルゴリズムの確立を目的とする。このために施設間の機能を考慮した関係の度合いを表す親近度を定義し, SUMTによる最適配置手法を用いて最適原配置を得る手法を提案する。さらに, この手法の妥当性の確認のため, コンテナターミナルとマリーナの施設配置問題に適用する。
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