金星探査機「あかつき」によって金星大気力学の研究が進んだ一方で, 大気・雲化学過程や雲層内での太陽放射加熱による鉛直温度構造は完全には解明されていません. これらを解く鍵となるのは, 雲頂高度で特徴的な模様を作る原因ともなっている未知の紫外線吸収物質です. 現在我々は, 地球の成層圏から広い波長域と高い空間分解能の観測を可能とする新たなプラットフォームとして大気球望遠鏡FUJINの開発を進めています「あかつき」と来たる10年で予定されているNASA・ESAによる大型金星探査を繋ぎ, 未知紫外線吸収物質の同定を目指した取り組みとして, FUJINによる金星の紫外分光観測の計画を紹介します.
抄録全体を表示