金星探査機「あかつき」は2015年12月の軌道投入より現在まで, 既に10金星年以上の長きにわたり貴重な科学データをもたらしてくれました. この膨大なデータは惑星気象学を中心に数多くの研究者の手によって解析が進み, たくさんの科学成果が生まれています. 一方で, 世界的には2030年前後に金星を目指す探査計画が複数採択され, 我々日本の金星研究者内では「あかつき」に続く次期金星探査案を早急に具体化するべきだという気運が高まっています. こうした背景から本年, 将来の金星探査検討リサーチグループが設立されました. 本稿では, これまでのリサーチグループ内での議論から, ポスト「あかつき」探査において, 金星にどのような科学的意義が存在するのか, 実際にどういった形の探査提案があり得るかを交えつつ, その検討の一端を紹介します.
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