菌株のハナサナギクケ(MH19910,MH19912,MH19915)を用いて,その栽培工程で,CO_2濃度の違い(1,4,9ml/L)によるシンネマ形成への影響を調べた.PDA培地で培養した時の菌糸生長は,MH19910は9ml/Lで抑制され,MH19912は各濃度で影響がなく,MH19915は4ml/Lでやや促進された.一方,栽培用培地を用いて各CO_2濃度で培養した時の発生生育への影響は,MH19915は,栄養菌糸の生長量と比例して収量の増減を示したが,MH19910は,培養中の栄養菌糸の生長が抑制されたにもかかわらず収量が増加する傾向が見られた.発生及び生育工程に対する各CO_2濃度の影響は,収量,発生本数,分岐率は各菌株とも炭酸ガス濃度の上昇に比例して減少した.しかし,分生子柄束の生長は3菌株とも異なった挙動を示し,MH19910のみはCO_2濃度の上昇に比例して徒長した.
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