外生菌根形成菌,マツタケ(Tricholoma matsutake)の栄養菌糸生育期における菌体外アミラーゼ活性について,マツタケ改変液体培地を用いて検討した.培養液中のアミラーゼ活性(α-アミラーゼおよびグルコアミラーゼ)は培養40日目頃から上昇し,培養終期(80日目)に最も高い値を示した.α-アミラーゼは両菌株ともグルコアミラーゼ活性より高い値を示した.大麦(5種),トウモロコシ,サツマイモ,ジャガイモの精製デンプンを基質として,培養60日目の培養液と酵素反応させたところ,大麦の「うるち種」では対照として用いたジャガイモデンプンの約2倍のアミラーゼ活性を示した.また,各種のイモ類を培地に添加し,マツタケ菌糸を培養した結果,ジャガイモおよびヤマノイモ(ナガイモ)で約4.8〜6.0倍の栄養菌糸生育の促進が観察され,その際のアミラーゼ活性も,イモ類無添加の対照区に比較して,1.9〜2.6倍高い値を示し,菌糸生育とアミラーゼ活性の間に正の相関が認められた.
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