日本応用きのこ学会誌
Online ISSN : 2433-0957
Print ISSN : 1345-3424
5 巻, 2 号
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  • 岡村 徳光, 西川 優美, 奥田 展子, 大杉 匡弘
    原稿種別: 本文
    1997 年 5 巻 2 号 p. 81-85
    発行日: 1997/12/30
    公開日: 2018/04/12
    ジャーナル オープンアクセス
    パン製造中のガス発生に及ぼすマイクケホモジェネートの添加効果について検討した.マイタケを10%含むパンの体積と比容積は,標準のパンに比べて著しく減少した.マイタケの添加は,酵母に炭水化物を供給し,発酵を促進した.過剰なガスの発生により,結果としてマイタケを含んだ生地の陥没を生じた.平底試験管を用いた実験おいて,マイタケ1%と砂糖を通常の80%含む生地では,30℃で保温すると約4時間で最も膨れ上がり,その膨化の傾向は標準生地のものと類似した.
  • 北本 豊, 野上 友美, 荒井 喜江
    原稿種別: 本文
    1997 年 5 巻 2 号 p. 87-94
    発行日: 1997/12/30
    公開日: 2018/04/12
    ジャーナル オープンアクセス
    エノキタケの二核菌糸株とその交配親株である一核菌糸株の菌糸体のSODおよびPO活性を測定し,子実体白色性形質発現とSODおよびフェノールオキシダーゼの相対活性の相関について検討を行った.供試した多数のエノキタケ白色子実体形成株は純白系品種(MAおよびFY)を親株とするものが多く,在来着色種のJおよびRの交雑株の多くは着色子実体を形成した.このことから,子実体白色性形質が遺伝形質であることが示された.エノキタケの純白系品種の白さの主因は,菌体内の高いSOD活性の機能にあると推測された.また,子実体白色化は,着色反応系と還元反応系のバランス,即ち,PO/SOD活性比の低いものは白色,高いものは着色を示すことが推測された.一核親株のSOD活性と二核交雑株における酵素活性の相関により,一核親株と交雑株におけるSOD活性の発現に遺伝性があることが示された.一方,PO 活性については一核親株と交雑株の活性に明確な規則性のある関連は見いだせなかった.両酵素を電気泳動により分析したところ,SODは単一酵素構成であったが,PO酵素はアイソザイム構成であった.
  • 岡村 徳光, 谷 亜矢, 寒川 恵美, 梶田 知子, 吉見 昭一, 大杉 匡弘
    原稿種別: 本文
    1997 年 5 巻 2 号 p. 95-98
    発行日: 1997/12/30
    公開日: 2018/04/12
    ジャーナル オープンアクセス
    W0351は,京都府宝ヶ池で採取した野生ヒラタケで,生育が速く栽培が容易な食用菌である.この研究では,本菌の組織培養・純粋培養を行って子実体を発生させるとともに,効率のよい栽培法の確立を試みた.本菌の子実体形成は15℃,菌糸の生長は30℃が適温で,pH6〜10の範囲で良好な生育を示した.また,酒粕はW0351の人工栽培において,顕著な生育促進効果を示した.子実体発生操作10日後の収率は,ブナ,ふすま,酒粕を用いた培地で鋸屑培地重量の34.4%であった.
  • Renato G. Reyes, 江口 文陽, 飯島 倫明, 檜垣 宮都
    原稿種別: 本文
    1997 年 5 巻 2 号 p. 99-102
    発行日: 1997/12/30
    公開日: 2018/04/12
    ジャーナル オープンアクセス
    Collybia reinakeanaは,フイリッピンの山地に産するきのこで,原産地の住民の間では食用および薬用きのことして伝承されている.しかし,このきのこの人工栽培法は確立されていない.著者らは,C. reinakeanaの人工栽培技術の確立を目的として,子実体形成について検討を行った.また,栽培によって得られた子実体および継代培養菌糸体の形態学的特徴と菌糸体の生長に影響を及ぼす培地条件についても検討を行った.Collybia reinakeanaの菌糸体は,炭素源としてマルトース,窒素源としてロイシン,またリボフラビンとmyo-イノシトールを強化し,pH6.0に調整した半合成寒天培地上で良好に生長した.培養に好適な温度は30℃,相対湿度は70%以上であった.また,サトウキビの葉とバガスをコンポスト処理した培地で子実体が安定に形成された.
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