河床堆積物の下流方向への細粒化の成因について,流送砂礫の破砕・摩耗作用が支配的要因だという説(破砕・磨耗説)と流水による砂礫の選択運搬作用が支配的要因だという説(選択運搬説)の2つの対立する要因がある.河床堆積物の下流方向への細粒化について,小学生,中学生,大学生,および小学校教員がどのように理解しているのか調査した.その結果,小学生および中学生においては,8割を越える児童・生徒が破砕・摩耗説をその第一要因として認識していることが明らかとなった.また,小学校教員では,57.1%の教員が破砕・摩耗説を第一要因に挙げる一方,36.7%の教員が選択運搬説を認識していることが明らかとなった.また教師と児童に第一要因についての認識のズレが生じていることが判明した.
走向データから手軽にローズダイアグラムを作成・表示するためのWebアプリケーションを開発し,「Webで地学」のホームページの一コンテンツとして公開を行っている. WebブラウザからCSVファイルをアップロードするだけでローズダイアグラムを作成可能なため,特定のOSやプラットフォームなどの利用者側の端末環境等の制約が少ないことが特徴として挙げられる.これにより,野外実習の最後のまとめや,調査中にリアルタイムに傾向を把握することなども可能である.
生痕化石Ophiomorpha とその形成生物の候補であるニホンスナモグリを教材として使用し,それらを観察することでOphiomorpha を形成した古生物の行動を推定する授業を開発した.授業実践の結果,8名中5名の生徒がOphiomorpha の形成生物の回転行動を推定することができた.また,Ophiomorpha とニホンスナモグリの組み合わせに限らず,生痕化石の形態,現生生物の行動,現生生物の生痕の形態の3つを教材として利用することで生痕形成生物の行動を推定する授業になりうると考えられる.
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