本研究では,キャリア自律とキャリア焦燥感喚起状況について性別および年代別の特徴を検討し,それぞれの関連性を検討した。就業者1,200名を対象としたインターネット調査によって,キャリア自律心理(「職業的自己イメージの明確さ」「主体的キャリア形成意欲」「キャリアの自己責任自覚」),キャリア自律行動(「職場環境変化への適応行動」「キャリア開発行動」「ネットワーク行動」「主体的仕事行動」),キャリア焦燥感喚起状況(「キャリア探索の停滞」「所属組織からの低い評価」「友人・知人のキャリアとの上方比較」「ワークライフバランスの欠如」)を測定した。相関分析の結果,おもに,(1)すべての群において「主体的キャリア形成意欲」は「友人・知人のキャリアとの上方比較」と正の相関があること,(2)20 代と30 代の女性において「職業的自己イメージの明確さ」は「キャリア探索の停滞」と負の相関があること,(3)40代において「主体的キャリア形成意欲」は「キャリア探索の停滞」と正の相関があることが示された。
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