米国式カツオ・マグロまき網操業においては,魚群行動を予測し,短時間で魚群を包囲しなければならず,また,まき網の長さ(鶴洋丸では1350m)も決まっているため,自船の速力と舵角に対応する旋回圏の大きさや,旋回所要時間を把握しておく必要がある。著者らは,米国式カツオ・マグロまき網操業装備を擬し,単船操業ができる長崎大学水産学部漁業練習船鶴洋丸の旋回圏の測定を GPSを用いて行った。その結果, 3種類の各速力,各舵角での左右旋回時の旋回圏の大きさを測定できた。鶴洋丸においては,速力と舵角によって旋回所要時間に差はあるものの,舵角15度以上であれば,ほぼ網の長さに対応する直径の範囲内で旋回することが可能であった。
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