痛風と核酸代謝
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33 巻 , 1 号
痛風と核酸代謝
選択された号の論文の49件中1~49を表示しています
総説 1
総説 2
原著 1
  • 本郷 実, 日高 宏哉, 阪口 しげ子, 市川 元基, 池田 宇一, 田中 直樹, 鶴田 悟郎, 小池 健一
    2009 年 33 巻 1 号 p. 17-26
    発行日: 2009年
    公開日: 2015/04/01
    ジャーナル フリー
    【目的】近年,成人では高尿酸血症はインスリン抵抗性,動脈硬化,高血圧,心不全,心血管疾患発症などとの強い関連性が示唆されている.一方,小児では血清尿酸値と生活習慣病との関連を示す報告は少なく,心血管疾患発症,予後との関係は明らかにされていない.今回,一般中学生における高尿酸血症の頻度および高尿酸血症と生活習慣病との関連について検討した.
    【方法】対象は2005年4月から2007年6月の間に調査した長野県内3つの中学校に在籍する生徒600名(12.1〜15.0歳,男333名,女267名)で,研究計画を説明して生徒,保護者から同意書を得た後,学校健康診断の際に身長,体重,腹囲,血圧測定,血液生化学検査を実施した.
    【結果】1.高尿酸血症の頻度:男子の血清尿酸値は女子に比較して有意に高値を示し(5.50±1.09mg/dL vs 4.43±0.95mg/dL,p<0.001),無症候性高尿酸血症が男子32名(9.6%),女子2名(0.7%)にみられた.2.年齢別,男女別血清尿酸値:いずれの年齢でも男子が有意に高値を示し,年齢が上昇するに連れて男子では増加傾向が,女子では低下する傾向がみられた.3.高尿酸血症と生活習慣病の関連:高尿酸血症を呈した34名中,単独の異常を示したのは14名でいずれも男子であり,他の20名(59%)は肥満,高血圧,脂質異常症,空腹時高血糖などの生活習慣病を伴っていた.これら4項目の内2項目以上を合併するリスクを検討した結果,高尿酸血症を呈した男子は尿酸値が基準値を示した男子に比較して,オッズ比5.74(95%CI:2.16-15.26,p<0.01)を示した
    【考察】一般中学生,特に男子生徒において,血清尿酸値は生活習慣病の存在と密接な関連を有していることが明らかとなった.以上より,本研究結果は小児生活習慣病予防の教育プログラムの開発に有用と考えられる.
原著 2
  • 清水 徹, 今西 努, 松本 早苗
    2009 年 33 巻 1 号 p. 27-35
    発行日: 2009年
    公開日: 2015/04/01
    ジャーナル フリー
    男性痛風患者301例(16〜79歳:平均48.1歳)の初診時における尿酸動態と尿pH日内変動型および尿路結石歴から,高尿酸血症の持続が腎機能に及ぼす影響について検討した.対照には人間ドックを受診した一般男性5519例(23〜79歳:平均51.6歳)の検査値を用いた.痛風患者と一般男性の血清クレアチニン値(Scr)を10年ごとの年齢階層に分けて比較したところ,痛風男性のScrは20才代を除く年齢階層で一般男性より有意に高値を示し(p<0.05),かつ95%信頼区間にも重複は見られなかった.同様に,痛風男性と一般男性のクレアチニン・クリアランス値(Ccr)をそれぞれのScrから堀尾の式で推算して比較したが,痛風男性のCcrは20才代を除く年齢階層で一般男性に比して有意に低値を示し(p<0.05),かつ95%信頼区間も低値を示した.301例の痛風男性を尿pHの日内変動型により分類したところ,73例(24.3%)が終日酸性尿型(aA型)であった.aA型73例の血清尿酸値はaA型でない型( non-aA型) 228例に比して高く( 8.9 vs8.4mg/dl,p<0.01),Scrもnon-aA型群より有意に高値を示した(1.02 vs 0.96mg/dl,p<0.05).また,aA型群の尿路結石歴陽性率はnon-aA型群より1.8倍高率であった(23.3% vs 13.2%,p<0.05).301例中,尿路結石症の既往があったものは47例(15.6%)で,その内の17例がaA型であった.この17例のScrはnon-aA型の30例より有意に高値を示した(p<0.01).
    以上の結果は,高尿酸血症が持続する状態は腎糸球体機能障害を進行させること,そして酸性尿の併存も腎障害や尿路結石の発生に関与していることを示している.著者らは,痛風における腎障害は,急性尿酸性腎症に類似した病態がネフロン単位に発生し,intrarenal hydronephrosisを来たすことにより発症すると推定している.
原著 3
  • 久保田 優
    2009 年 33 巻 1 号 p. 37-43
    発行日: 2009年
    公開日: 2015/04/01
    ジャーナル フリー
    小児科領域における高尿酸血症の系統的解析はきわめて少ない.そこで,本研究では単一施設の小児科の外来および入院患者を対象にして高尿酸血症の実態を検討した.最初に一定の基準で選んだ入院患者をもとに小児の尿酸値の基準値作成を試みた.全328名,6つの年齢群(1歳未満61名,1〜3歳75名,4〜6歳54名,7〜9歳46名,10〜12歳43名,13〜15歳49名)の間の比較で,尿酸値の平均は年齢に伴い有意の上昇傾向が見られた.一方,有意の性差は13〜15歳の群にのみ見られた.各年齢群において平均値の2標準偏差を超える値を高尿酸血症と定義した.高尿酸血症は全検体11,245の内,440検体(3.9%)に見られた.患者の重複を考慮すると総患者数は8,208名となり,そのうち264名(3.2%)が高尿酸血症を呈した.年齢別では,1〜3歳が108名と最も多く,ついで13歳以上45名であった.性別では,10〜12歳を除いて各年齢群とも男児に多い傾向が見られた.疾患別では,最多は胃腸炎で47名(17.8%),ついで呼吸器感染症37名(14.0%),重症心疾患15名.7%),肥満14名(5.3%),腎臓疾患12名(4.5%),気管支喘息発作11名(4.2%)の順であった.これら高尿酸血症を呈する疾患の多くは成人のそれらとほぼ同様であった.しかし,一部小児期に特有の疾患(川崎病,EBウイルス感染症)も見られた.今後これらの疾患が高尿酸血症を来す病態の解析が課題である.
原著 4
  • 加国 雅和, 大房 健, 安西 尚彦
    2009 年 33 巻 1 号 p. 45-49
    発行日: 2009年
    公開日: 2015/04/01
    ジャーナル フリー
    ヒト痛風発症の原因は肝尿酸酸化酵素(urate oxidase)欠損と腎尿酸再吸収機能による高尿酸血症と考えられている.著者らは,高尿酸血症モデル動物の候補としてヒト肝細胞キメラマウス(株式会社フェニックスバイオ)を見出し,血漿高尿酸値を示す個体の特徴を調査した.同社において生産されたヒト肝細胞キメラマウスのうち,ヒト肝細胞による予想置換率が70%を超えた動物から得られた血漿を利用して尿酸値を測定した.比較対照にはヒト肝細胞キメラマウスのホスト動物およびSCIDマウスの血漿を利用した.また,尿酸値を測定したキメラマウスのうち一部についてヒト肝細胞移植後の血液中のヒトアルブミン濃度推移(置換率の指標として利用)および体重推移を追跡調査した.SCIDマウスでの血漿尿酸値は1.0mg/dl前後を示した.ホスト動物の尿酸値は3.0mg/dl前後であり,また殆どのキメラマウスはホスト動物と同程度の尿酸値を示した.一方,一部のキメラマウスは7.0mg/dl以上の高尿酸値を示し,これらの個体では置換率70%のキメラマウスと比較して低体重と高ヒトアルブミン濃度が特徴であった.
第42回日本痛風・核酸代謝学会記録
一般演題
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