経営情報学会 全国研究発表大会要旨集
2008年秋季全国研究発表大会
選択された号の論文の130件中51~100を表示しています
  • 沢田 史子, 堀井 洋, 堀井 美里, 林 正浩, 吉田 武稔, 大薮 多可志
    セッションID: E2-1
    発行日: 2008年
    公開日: 2009/01/07
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    地域に現存する歴史資料は、地域固有の貴重な資源である。しかしながら、歴史資料は専門家以外が解読することが困難なため、その多くは観光資源として十分に活用されていない。本論文では、幕末に金沢の町人が記した「梅田日記」の観光資源化への取り組みを紹介する。これまでに、「梅田日記」を題材としたゆかりの地巡りと観光パッケージツアーを企画・実施した。パッケージツアーにおいて、参加者が事前に「梅田日記」に関する知識を獲得できるようツアー専用Webサイトを構築した。そのサイトの効果と課題を明らかにし、歴史文化観光における情報システムの役割を考察する。
  • 石巻ユビキタス観光情報センターシステムの場合
    栗山 規矩
    セッションID: E2-2
    発行日: 2008年
    公開日: 2009/01/07
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    石巻経済は経済のグローバル化、情報化、少子化のもとで、停滞している。情報化のもとで、デジタル格差が拡大している。人口の減少が予測される。石巻地域の持続的発展と活性化のための1つの方法は外部からの交流人口を増やすことである。しかし、石巻市の観光関連業者の主たる通信手段は電話とfaxである。交流人口を増やすためには、石巻観光協会のホームページを充実する必要がある。このために、観光情報を発掘、収集、創出、編集を地域SNSによって行い、観光協会のHPを常時更新するシステムとして、石巻ユビキタス観光情報センターシステムを作ることを試みている。本報告では、現状と課題を説明し、解決のための指針を見出したい。
  • 金 貞潤, 杉山 学
    セッションID: E2-3
    発行日: 2008年
    公開日: 2009/01/07
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     韓国では、2002年の大統領選挙時に前大統領である「盧武鉉(ノ・ムヒョ ン)」が選挙公約としていた「首都機能移転」が進められてきた。  本研究では、韓国の「首都機能移転案」を再評価することを目的とする。 具体的には選定された各移転候補地の評価点を推定し、データ包絡分析法 (Data Envelopment Analysis : DEA)を用いて総合評価を行った。
  • 知識構造マップの開発と適用
    松井 亮佑, 妹尾 大
    セッションID: E2-4
    発行日: 2008年
    公開日: 2009/01/07
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    21世紀を迎えて知識社会への移行が謳われる現在、政策や研究、ビジネスなどあらゆる状況で、様々な専門的知識だけでなく、社会とのかかわりから多様な価値観を含む知識基盤が必要とされている。しかし基盤となる知識の量はIT革新などの要因により急速に増加しており、膨大な知識を把握しきれていない状況が存在していることを鑑みると、知識基盤から必要な知識を取り出して利用するには、それらの効率的な共有化を行うための方法開発を行う必要がある。本研究では大規模文書群の一例として第1期~第3期科学技術基本計画を用い、その中の知識が表出化された「キーワード」を定量的に分析する方法論を確立し、知識や情報の構造化・視覚化を分析するツールの開発を行う。さらにそのツールを政策や研究、ビジネスなどの支援に用いることの可能性、問題を考察する。
  • イノベーションの受容性に着目して
    小豆川 裕子
    セッションID: E2-5
    発行日: 2008年
    公開日: 2009/01/07
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    グローバリゼーションやICTの進展の下、労働力減少時代に入り、企業においては、知識資産を獲得するだけでなく知識資産の共有・流通をいかに行うか、イノベーションを起こしながら企業価値向上に結びつけるかが重要課題となっている。本研究は、イノベーションの受容性、人・組織とのインタラクションに着目した「知識資産経営発展段階仮説」を提案する。そして2007年に日本における上場企業の社員対象に実施した調査に元に、組織パフォーマンス、個人の満足度等との関連分析を行い、今後の企業組織のあるべき姿を検討する。
  • 山本 卓史, 高橋 真吾
    セッションID: E2-6
    発行日: 2008年
    公開日: 2009/01/07
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    施設コスト圧縮を目的に,多くの組織でオフィスのフリーアドレス化が行われている.しかしフリーアドレス化以降,新人教育に失敗する事例が多発している.原因を探るべく米系大手システムインテグレータの社員に聞き取り調査を行い,同じ役割の先輩から新人へと伝えるべき各役割がどのナレッジを持つべきかの情報が,フリーアドレス化で伝承困難になっていることがわかった.新人は,自身がどのナレッジを学ぶ必要があるかを認知できず,成長困難に陥っている.そこで本稿では,プロジェクトベースで課題解決を試みるフリーアドレス導入組織を想定し,エージェントベースシミュレーションを利用した仮想的な実験を行う.まず,聞き取り調査で得た問題状況の再現を行い,各役割がどのナレッジを持つべきかの情報が新人育成に与える影響を分析する.そして,フリーアドレスオフィスでも伝承を促し,新人成長を促進すると期待されるOJT施策の有効性を検証する.
  • 内木 哲也
    セッションID: F2-1
    発行日: 2008年
    公開日: 2009/01/07
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    情報システムには、その技術システムの機能性や可用性を越えて、人間組織内の制度やその運用、組織文化との整合性やその醸成、さらには個々の組織構成員の意識形成までもが幅広く関連している。そのため、情報システムのデザインでは、機能メカニズムである情報処理システムとそれを取り巻くこれらの関連事項との調和が求められ、活性的な情報システムではこれらの調和が常に図られているといえる。本報告では、情報システムが活性的に稼働するための要因について理論的に分類すると共に、情報システムの利用現場における参与観察に基づいて、それらの要因相互の動的な関係性についても考察し、活性的な情報システムを維持する方策について述べる。
  • 予備調査結果報告
    永吉 実武
    セッションID: F2-2
    発行日: 2008年
    公開日: 2009/01/07
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    本研究では、企業における情報システムに対する不満足要因を調査・分析することにより、その不満足の解消のための着眼点を抽出することを目的とする。本稿では、そのために企業における情報システムに対する不満足の要因を「不整合」にあるとの仮説のもと、どのような「不整合」が不満足をもたらしているかについて調査を行い、有効な研究が可能であるかについて予備的研究を実施した。この結果、「不整合」に着目した調査により、有意義な研究に対する可能性があることがわかった。
  • 大塚 修彬
    セッションID: F2-3
    発行日: 2008年
    公開日: 2009/01/07
    会議録・要旨集 フリー
    日本の多数の製造業では多階層の生産計画を立て、それらの間の調整に多くの労力を費やしている。その結果、なかなか需要同期生産、変種変量生産への対応が出来ない状況を招いている。例外としてトヨタ生産システム(TPS)に代表される自動車産業では公表されていないが生産ローリング計画で解決しているように見える。  NPO法人 技術データ管理支援協会では、生産ローリング計画が実行できる道具を整備してきた。それら道具を使ってどのように生産ローリング計画が実行され、それにより製造業ではどのような企業変容が期待できるかを報告する。
  • 小川 正史, 内田 幸夫
    セッションID: F2-4
    発行日: 2008年
    公開日: 2009/01/07
    会議録・要旨集 フリー
    現在、中国産原材料の食料品について、消費者の不安が広がっている。我々はこれまで、公共事業事後評価のITソリューションの研究を行ってきたが、これと同じ論理を用い、食品に関する消費者の不安を解消して、生産輸入業者への対応を促す方法として、ITソリューションを検討した。一般消費者や商品分析専門家を巻き込んだWebサイトを用いることにより、消費者の信頼を取り戻すことができると考えられる。Webサイトの構成には、セマンティックウェブの考え方を取り入れ、利用するマイクロフォーマットの提案も行う。
  • 手島 歩三
    セッションID: F2-5
    発行日: 2008年
    公開日: 2009/01/07
    会議録・要旨集 フリー
    情報システム構想(情報システム・アーキテクチャ)を企画するために概念データモデルを設計するとき、設計者の振るまいがモデルの質と情報システム構築の難易度に大きな影響を及ぼす。本稿では概念データモデル設計者の心得について、提言する。
  • インフラ設備とその利用からみたユニバーサルサービスと情報格差
    室 勝弘
    セッションID: G2-1
    発行日: 2008年
    公開日: 2009/01/07
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    電気通信の進展は、現在の固定電話を国民生活上不可欠な生活必需品化し、法律でユニバーサルサービスとして取り扱われてきた。近年は、インターネットの普及と共に携帯電話やブロードバンドの利用が生活必需品として普及しつつある。しかし、携帯電話は不感地帯、ブロードバンドは未整備地域が散在している。従って、インフラ設備へのアクセスの有無によって情報格差を生ずる。そこで情報格差の現実を捉え地域活動への影響を推測し、情報格差を圧縮する対応策を検討する。それを踏まえ、政策提言へ結び付けることを目的とする。
  • 岸川 善紀, 嶋崎 真仁
    セッションID: G2-2
    発行日: 2008年
    公開日: 2009/01/07
    会議録・要旨集 フリー
    本研究は主要業務や契約先産業の状況から情報産業の地域特性を論じるものである。 国内の情報産業は大半が大都市圏に集中している。それに対して地方圏の情報産業の規模は小さい。このため、都市と地方の間には情報産業の業務内容や取引状況に差異があると考えられる。地方が情報産業の振興を考える場合、大都市圏と同じ政策は規模の違いなどの理由で実施が困難である。よって、地域の独自性を考慮した施策を検討しなければならない。そのためには、情報産業の地域特性の違いを見極める必要がある。 そこで情報産業の地域差について整理し、パターンニングすることを試みる。情報産業の主要取引先および主要業務について公開データを用いて都道府県別の状況を比較する。
  • 廣松 毅, 小林 稔, 坪根 直毅, 栗田 学
    セッションID: G2-3
    発行日: 2008年
    公開日: 2009/01/07
    会議録・要旨集 フリー
    IT産業はサービス産業の色彩を濃くしてきており、その中核を担う情報サービス企業の戦略に変化が求められている。しかしながら、従来の戦略からどのように方向転換すればよいかの明確な知見はなく、本研究の目的はこれを得ることにある。本研究では、我が国の情報サービス産業の経営成果と業績格差の変遷を概観し、その変化の原因を提供するサービス、人的資源の観点から分析した。その結果、2000年度以降、業績格差は大きくなってきているものの効率性の差が縮まってきていることが示唆された。
  • 浅井 俊克, 八巻 直一
    セッションID: G2-4
    発行日: 2008年
    公開日: 2009/01/07
    会議録・要旨集 フリー
    情報技術の普及と共に、組織マネジメントは大きく変化するはずである。しかし、周囲を見まわし、そうした実感には乏しい。一方で日本の国力の相対的な低下が顕著になってきた。日本社会は情報化の進展に追随できない組織特性を持っているのではないか。  企業に入ってくる情報は増え続け、組織は情報処理能力を高めなければならない。より現場に近いところで、状況の変化に対応した判断が求められる。情報の共有と意思決定の分散化(権限委譲)である。しかし、日本には歴史的に形成された階層序列意識があり、障害となっているのではないだろうか。 21世紀型経営モデル構築に向けて、システム・ダイナミックスにより、課題を明らかにすることを提案する。
  • ベトナムおよびネパールの事例から
    松下 倫子
    セッションID: G2-5
    発行日: 2008年
    公開日: 2009/01/07
    会議録・要旨集 フリー
    開発途上国における経済開発のステップは,かつては,電力開発や水源開発などから始めるのが主流であった.しかし,インターネットを始めとする世界規模のIT化の波は,経済弱小国にも押し寄せており,自国内でのIT産業起業の動きは活発である.しかし,開発途上国でIT産業を起業し,成功させるためには,いくつかの環境要因が存在する.本稿では,成功したベトナムの事例と,現時点では必ずしも成功には至っていないネパールの事例をもとに,開発途上国における情報産業振興モデルを考察する.
  • 価値基準に基づく整合モデル
    工藤 周平, 安田 一彦
    セッションID: G2-6
    発行日: 2008年
    公開日: 2009/01/07
    会議録・要旨集 フリー
    本研究では事業とITの整合に関する新しい概念モデルを提案する。事業とITの整合にTreacy and Wiersema(1995)の価値基準(value discipline)のフレームワークを導入し、新しい整合モデルと具体的内容を示す。まず、本研究で提案する新たな戦略的整合モデル(BITAモデル:Business-IT Alignmentモデル)を示す。さらに、Treacy and Wiersemaの3つの価値基準について説明を行い、事業戦略(business strategy)、IT戦略(IT strategy)、業務システム(operation system)、情報システム(information system)の4つの領域それぞれにおける基本的なタイプを先行研究に基づいて導出する。BITAモデルでは、事業とITの整合は企業が選択する価値基準によって主導されることが想定されている。
  • IT投資の実証データに基づく考察
    平野 雅章
    セッションID: H2-1
    発行日: 2008年
    公開日: 2009/01/07
    会議録・要旨集 フリー
    システム的世界観は1950-70年代に重要であり、組織への応用も多かったが、今日我々の組織理解においてその影響を見ることは容易ではない。本稿は、実証データの分析を通じ、特にシステム性(創発性)の測定によって、システム的世界観が組織研究にとって有効であることを示す。
  • 杉本 等, 相原 憲一, ダス アンジャン クマール
    セッションID: H2-2
    発行日: 2008年
    公開日: 2009/01/07
    会議録・要旨集 フリー
    近年,若年労働人口の減少傾向から,とくに中小企業において,技術者不足が指摘されている.その解決方法の一つとして,外国人技術者の雇用を促進することが挙げられる.本稿では,中小企業における技術者不足を解決するための事業モデルを提案し,実験的な検証を行う.本モデルは,技術者の海外雇用を促進すること,即戦力となる外国人技術者教育の提案およびオープンソースソフトウェアを利用した遠隔トレーニングを用いたコストの削減などを中心とした事業モデルである.本モデルによって,即戦力の外国人技術者を中小企業が雇用できるようになり,技術者不足を解消することで,地域産業の活性化に貢献する.
  • 前田 恭孝, 伊藤 健之
    セッションID: H2-3
    発行日: 2008年
    公開日: 2009/01/07
    会議録・要旨集 フリー
    現場の活力がなくなり、企業の生産性が低下していると指摘する識者が増えている。その原因は、この10年のビジネス改革後のフォローが不充分で、組織の人間的な要素が痛められたことにある。本発表では、その解決アプローチの例としてCDGMを紹介し、あわせて、「関係性重視のマネジメント」について考察する。
  • 三宅 賢治
    セッションID: H2-4
    発行日: 2008年
    公開日: 2009/01/07
    会議録・要旨集 フリー
     携帯電話,パソコンなどはライフサイクルが短く半導体メーカーには短納期を求めている.半導体メーカーは莫大な投資をできるだけ早く回収するように歩留まりの垂直立ち上げ,製造装置の高稼働率,Work In Process(WIP)低減,サイクルタイム改善,高品質などが必要である.これらの要求を解決するITとして各社半導体製造工場はComputer Integrated Manufacturing (CIM)システムを導入している.本稿では大手台湾ファンダリーや大手米国半導体工場の導入事例調査により最先端半導体製造工場に必要なCIMシステムのキーコンポーネントを提案し,高収益工場経営を可能とするCIMシステム構築におけるIT投資の全体最適化について考察する.
  • 雲居 玄道, 石田 崇, 後藤 正幸, 平澤 茂一
    セッションID: H2-5
    発行日: 2008年
    公開日: 2009/01/07
    会議録・要旨集 フリー
     近年,インターネットの普及によって,デジタル文書の著作権侵害が深刻な問題となっている.この問題の1 つに,著作物を著作権所有者の許可なく要約し,これを公開することがあげられる.本研究では,著作権の保護対象となる著作物のうち,新聞記事を対象とする.新聞記事から要約された,デジタル文書を発見する手法において,部分的に類似する記事が数多く存在する社説が,精度を下げることが知られている.このため,社説から作成された要約文を特定する手法を提案する.新聞記事とそれを元に人手で要約されたデジタル文書を用いて評価実験を行い,提案システムの有効性を示す.
  • 病院の経過と職員の面接調査を通して
    岩満 裕子, 杉野 周
    セッションID: H2-6
    発行日: 2008年
    公開日: 2009/01/07
    会議録・要旨集 フリー
    病院はプロフェショナル組織であり、この様な組織においてのマネジメントは、同職種による統制と各個人への権限委譲であり、自己裁量の拡大を図ることが管理していく上で重要であると言われている。しかし、それだけでは管理できない状況があり、今、病院組織のマネジメントで重要なことは何なのかを病院組織の医師を中心とする職員に面接調査を行い、専門職組織では、納得し行動できる情報環境が重要であることが示唆された。これは、ドラッカーの未来型組織、病院やオーケストラなどの専門職組織経営の分析から学ぶ必要があると述べ、そこから導き出された必要条件と一致していた。
  • 折戸 洋子
    セッションID: I2-1
    発行日: 2008年
    公開日: 2009/01/07
    会議録・要旨集 フリー
    日本における情報システム部門は、1950年代から現在に至るまで、企業内外にわたる様々な変化に対応するために変遷を続け、多様な機能を提供することが期待されてきた。しかし現在、情報システム部門の提供する機能は、アウトソーシングのように、外部から調達されることも珍しくない。本稿では、1950年代から現在までの情報システム部門の役割変遷を概観した上で、現在の情報システム部門に期待される役割と課題について検討する。
  • 歌代 豊
    セッションID: I2-2
    発行日: 2008年
    公開日: 2009/01/07
    会議録・要旨集 フリー
    情報システムが企業の中で利用されるようになり約半世紀が過ぎた。 当初,効率化を目的とした利用が主であったが,その後戦略実現,組織力強化な どさまざまな面で経営に貢献してきた。本稿ではその歴史的変遷を検討する。
  • 大井 正浩, 小沢 行正
    セッションID: I2-3
    発行日: 2008年
    公開日: 2009/01/07
    会議録・要旨集 フリー
    三菱銀行の情報システムの発展過程を、経営の視点から捕らえて発表する。当初は手書き元帳、算盤の手作業代替、省力化から始まり、業務の総合化、経営情報の高度化へ進む過程を明らかにし、その効果を検証する。
  • 根本 忠明
    セッションID: A3-1
    発行日: 2008年
    公開日: 2009/01/07
    会議録・要旨集 フリー
    日本政府は2003年に観光立国を宣言し、外国人観光客の積極的誘致の政策を打ち出したが、彼らを受け入れる金融インフラの整備は大きく遅れている。特に、訪日外国人の所有するクレジットカード(海外発行カード)が、わが国の銀行ATMの多く(ゆうちょ銀行とセブン銀行を除く)で利用できない。 本研究は、都市銀行をはじめ民間銀行が背を向けてきている事情について、これまでの歴史的経緯の各段階での諸問題を明らかにし、この問題への対策を論じよう とするものである。
  • 宮曽根 隆, 巽 直樹, 阿部 純
    セッションID: A3-2
    発行日: 2008年
    公開日: 2009/01/07
    会議録・要旨集 フリー
    本研究では,日本の電力会社のCSR活動について,M.ポーターの枠組みを使って,経営戦略論的な分析を試みる。電力各社のCSR報告書に記載された活動を分析すると,温暖化防止に寄与することが利益増につながるなど,ポーターの言う「戦略的CSR」に該当すると思われる活動に力を入れていることがわかる。その意味で,一定の戦略性があると評価できる。しかし,それはコストダウンの方策が結果としてCSR的になっている場合も多い。今後は,長期的に競争優位を獲得するという視点からの活動(たとえば,新エネルギー開発)に改めて取り組むことが検討されるべきであろう。
  • デジタルカメラ産業のカシオ計算機の事例
    山崎 喜代宏
    セッションID: A3-3
    発行日: 2008年
    公開日: 2009/01/07
    会議録・要旨集 フリー
    本報告は、デジカメ産業のカシオの事例をもとに、中核技術を保有しない企業が競争優位を構築する論理を構築する。デジカメ産業のカシオ計算機は、撮像素子技術や光学系技術といった中核技術を保有しないにもかかわらず、EX-S1では薄型軽量化したこと、EX-Z1000では1000万画素CCDの採用などして成功した。これができた背後には、2つの論理がある。ひとつは、最適な調達方法から選べる「選択広範性」と、デバイスや供給元間を低コストで変更できる「切替容易性」という経済的優位性である。もうひとつは、中核技術が実現する機能での差別化が困難であるため、競争要因を創出するためのチャンスを探し、アイディアを考えるという「探索・思索の活性化」と、中核技術を持たないという不利な状況のなかでも高い目標を持つことで、現在の状況を打破しようとして生まれる「組織的な緊張」という組織的優位性である。
  • 金 載龍, 神岡 太郎, 八幡 和彦
    セッションID: A3-4
    発行日: 2008年
    公開日: 2009/01/07
    会議録・要旨集 フリー
    近年、外部の知識やソースを利用してイノベーションを起こそうとするオープンイノベーションの考え方が注目されている。特にインターネットを通して一般の人々から知識やアイデアを求めるクラウドソーシング(Crowdsourcing)が、ビジネスモデルや業務プロセスにその手法が応用されつつある。本研究では、クラウドソーシングのためのウェブサイトを分析し、企業がクラウドから求める情報の形態に着目し分類すること試みる。さらにこの分類に基づき、バリュー・チェーンの視点からこの手法の戦略的活用について述べる。
  • 吉田 武稔
    セッションID: B3-1
    発行日: 2008年
    公開日: 2009/01/07
    会議録・要旨集 フリー
    組織的知識創造プロセスにおける形式知を、正当化と正当性の観点から考察する。正当化は各組織成員が知識を創造する際にある個人的なものである。正当性は各々が創造した知識を統合し、組織的に展開する際にある。組織成員らは理解し共有している規範をもとに、そのような統合された結果の正当性を検証する。そして彼らはいろいろな段階で形式知を表出する。このように正当化と正当性を区別することにより、個人的な知識から組織的な形式知へと変換される過程を説明できる。
  • 向日 恒喜
    セッションID: B3-2
    発行日: 2008年
    公開日: 2009/01/07
    会議録・要旨集 フリー
    本研究では、企業における従業員の知識提供動機が、対面及び電子コミュニケーションと知識創造プロセスに与える影響について、企業従業員へのアンケート調査で得られたデータを用いて分析する。ネットリサーチ業者を通して、企業に勤務している1700人から得られたデータを分析した結果、1) 内発的な動機は対面/電子コミュニケーションを促進するのに対し、外発的な動機は電子のみを促進すること、及び 2) 内発的な動機は知識創造を促進するのに対し、外発的な動機は知識創造を促進しないことが明らかにされた。
  • 宮下 雄次, 中山 正喜, 皆川 隆志, 大沢 智, 栗原 健一, 牧野 英昭, 小黒 威男, 小山 実, 岸 智美, 米内山 彩, 福西 ...
    セッションID: B3-3
    発行日: 2008年
    公開日: 2009/01/07
    会議録・要旨集 フリー
    企業における知識伝播のための場の設定についてコンジョイント分析により分析
  • 松平 好人, 藤波 努
    セッションID: B3-4
    発行日: 2008年
    公開日: 2009/01/07
    会議録・要旨集 フリー
    本稿では、自動車製造業の生産改善活動を知識創造のプロセスと捉え、共同化において知識創造を促進する実体を明らかにする。分析のために、知識創造理論に一、二、三人称的視点を加えた方法を用いる。この視点を入れることで、従来の知識創造理論では捉えられない知識創造を行う行為主体の主観的側面を捉えることができる。
  • 新井 健, 難波 和明
    セッションID: C3-1
    発行日: 2008年
    公開日: 2009/01/07
    会議録・要旨集 フリー
    インターネット利用の普及に伴い、購買意思決定の際に、商品を販売する企業が直接発信する商品情報よりも、商品を先行購入したユーザーがインターネット上に投稿する、商品についての評価情報の方を、消費者は重視してきているという仮説について実験により検討した。 購買意思決定において、インターネットで公表される商品の評価情報が、その他の商品情報に比べてどの程度重視されるのかについて、大学生を被験者とした実験的なアンケート調査を実施し、AHPとコンジョイント分析を応用して分析した。 商品情報として「人気ランキング・ユーザー満足度」と他の情報(価格、機能、メーカー、デザイン)を考慮し、さらに、対象商品が異なると、重視する情報も異なるのではないかと考えて、身近で性能の違いが判りやすい商品「デジタルカメラ」と、実際に現地に行き宿泊しなければ良し悪しが判りにくい「海外ホテル」の2つを対象商品として、結果を比較した。
  • -国内自動車メーカーのセダンを事例に-
    富田 大介, 三川 健太, 後藤 正幸, 増井 忠幸
    セッションID: C3-2
    発行日: 2008年
    公開日: 2009/01/07
    会議録・要旨集 フリー
    価格プレミアムを多く付加することが可能なプレミアムブランドの構築は,メーカーの利益拡大に大変有効である.しかし,そのためには消費者に提供すべきベネフィットを正しく把握し,戦略的なブランド構築に結びつける必要がある.これに関して著者は,製品に関するブランドイメージを価格に転嫁したものを価格プレミアムと定義し,国内自動車市場を事例として,webサイトのユーザーコメントに着目し,価格プレミアムに影響を与える要因の構造化手法を提案した.本研究では従来の研究を更に拡張し,価格プレミアムに対する各ベネフィットの重要性を明らかにすることで,詳細な顧客の価値体系を把握することを目的とする.評価webサイト上に大量に存在する自由記述コメントの分析に対してテキストマイニングの手法を適用し,単語出現頻度・係り受け分析などを用いることで,価格プレミアムとユーザーが感じるベネフィットの関係モデルの構築方法を提案する.
  • 須山 憲之, 生田目 崇
    セッションID: C3-3
    発行日: 2008年
    公開日: 2009/01/07
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    消費財市場においては,顧客の反復購買が利益の元となる.したがって,当該ブランドがどのように顧客からロイヤルティを獲得できるかがかぎとなる.ブランド力の強化は価格競争を回避することができ,ブランドの利益を守る源泉となる.本発表では,ブランド・スイッチとブランド・ロイヤルティに関する分析モデルを示し,あるスーパーマーケットのID付POSデータを用いた分析結果より競合ブランド間の関係について考察する.そのために守口(2003)を元として,ロイヤルティとスイッチングを把握するモデルを示す.さらに,RFM分析のフレームワークを考慮して,ブランド・ロイヤルティの醸成に関して考察する.
  • 石岡 賢, 安田 一彦
    セッションID: C3-4
    発行日: 2008年
    公開日: 2009/01/07
    会議録・要旨集 フリー
    これまで企業は製品の性能や機能を顧客に適合させることを主な目的として製品開発を行い、商品の販売量拡大を目指して来た。顧客満足を目的としたこのような性能や機能の充実は多くの製品において重要なことである。しかし、近年の市場では全ての製品においてこの様な開発コンセプトが適合する訳ではない。製品によっては、さらなる性能や機能の改良や差別化は大きな難題となっている。つまり、企業に必要不可欠な持続可能な製品開発や経営活動を支えるためには、製品の基本的な性能や機能とは別の部分による差別化や改良を模索することが求められている。本研究では、製品の概念を大きく捉えて考察することによって、持続的な製品開発を可能にするための基礎となる概念モデルを構築する。さらに、今後どのような製品開発が可能であり、求められているのか、について考察をおこなう。これらの結果により持続可能な製品開発マネジメントが可能となる。
  • 根来 龍之, 足代 訓史
    セッションID: D3-1
    発行日: 2008年
    公開日: 2009/01/07
    会議録・要旨集 フリー
    本稿は,因果連鎖の網の目構造論の立場(根来, 2008)から,意図せざる結果の類型化とそれへの対処について考えることを目的とする.意図せざる結果に関する議論は,基本的にはいかなる行為も,意図した結果のみならず,多かれ少なかれ意図せざる結果をも産むという問題認識に立っている.本稿では,行為者が自らの置かれている因果連鎖環境をどこまで読みきれているかどうかによって,意図せざる結果を5つのパターンに類型化する.類型化によって意図せざる結果の議論を網羅的に理解するとともに,避けることのできない宿命にある意図せざる結果への一定の対処方法として,因果連鎖の読みのパターンを広げることを提案する.
  • サイエンスTQMの戦略的展開
    瀧本 啓貴, 屋比丘 雄大, 山路 学, 天坂 格郎
    セッションID: D3-2
    発行日: 2008年
    公開日: 2009/01/07
    会議録・要旨集 フリー
    現今、日本の製造業は“戦略的品質経営”のグローバルな展開のために“世界同一品質,同時立ち上げ”が経営課題となっている。このような企業経営の環境下で,“グローバル生産成功の鍵”は“QCD同時達成”である。中でも、グローバル企業を目指す製造メーカは、長期的視点でサプライヤーと協創(協調と競争)が必要である。そこで本研究では、論者らは提案しその有益性が論証されている“品質経営の新原理―Science TQM”の戦略的展開を通して、先進企業の例を通して本研究の有効性を検証する。
  • 市原 彩, 長島 ミリアン, 平野 雅章
    セッションID: D3-3
    発行日: 2008年
    公開日: 2009/01/07
    会議録・要旨集 フリー
    1947年から1949にかけて国内で誕生した日本人は第一次ベビーブームに属する。約800万の赤ちゃんがこの時期に生まれ、多くの人達が2007年に退職していく。この時代の人達は日本国内の経済成長や先端技術能力を担っている。戦後の経済発展により、多くの退職者がたくさんの余暇自由に利用できる貯金を利用できる為,観光業界においても大きな経済発展の可能性を考えると考えられる。
  • 難波 正憲
    セッションID: D3-4
    発行日: 2008年
    公開日: 2009/01/07
    会議録・要旨集 フリー
    日本の電子機器産業のシステム完成品分野において、日本企業によるイノベーションの収益享受の期間が短縮化する傾向が現れている。従来、技術経営の議論では、イノベーションの川上にマネジメントの焦点があったが、イノベーションの成果を持続させる戦略が極めて重要な課題となっている。 本稿では、日本企業のイノベーションによる価値創造と価値獲得を統合する概念として、「イノベーションの完結化」と定義し、戦略的コントロール・ポイント構築の視点から、「イノベーションの完結化」の条件を探る。
  • 経営技術の新原理 New JITの戦略的展開
    三原 亮介, 宇山 弘記, 山路 学, 天坂 格郎
    セッションID: E3-1
    発行日: 2008年
    公開日: 2009/01/07
    会議録・要旨集 フリー
    顧客嗜好を的確に捉えた高品質製品の開発には、商品企画部門だけでなく、設計・品質保証・CAE・実機実験・生産部門も視点を共有し、プロジェクトを進めることが重要である。そこで本研究では、”QCD同時達成”を実現させる為に経営技術の新原理New JITを戦略的に展開した新設計開発モデル High Intelligent Development Design Model “HIDD”を提案し、先進企業でその有効性を検証する。
  • 山下 裕丈
    セッションID: E3-2
    発行日: 2008年
    公開日: 2009/01/07
    会議録・要旨集 フリー
    本研究は,複数主体間で情報の受け渡しが行われる,間接事務作業の分析及び改善方法関する新しい手法を提案する.間接事務作業は,その作業内容の多様性と属人性から分析や改善が大変難しい.そのため多くは,情報システムなどのツール導入による手段先行型の改善が主体となっている.本研究では,手段先行型ではなく,目的指向型での改善手法を提示することを目的として,間接事務作業の業務分析及び改善フレームワークを提案する.本フレームワークでは,間接事務作業の「はじめの状態」と「おわりの状態」に着目し,その情報項目の変遷を表記できる「情報項目変化表」という図表を使って,業務の問題点や改善案を検討する具体的手法を提示する.提案したフレームワークの有効性を証明するため,道路工事情報の提供業務のケースの分析結果を示す.
  • 宗平 順己
    セッションID: E3-3
    発行日: 2008年
    公開日: 2009/01/07
    会議録・要旨集 フリー
    SOA設計のためには、ビジネスモデリングからのトップダウンアプローチが必要とされているが、BPMNベースのBPM製品はワークフローからのSOA設計をするため、真のトップダウンアプローチができない。そこで筆者らの提案するUMLベースのビジネスモデリング手法を拡張し、サービス定義までできるようにした。本論では、その概要を紹介するとともに、このトライアルを通じて、ビジネスモデリング、SOA設計にあたって新たに発見された課題とその解決方向性について説明する。
  • 遠城 秀和, 田名部 元成, 飯島 淳一
    セッションID: E3-4
    発行日: 2008年
    公開日: 2009/01/07
    会議録・要旨集 フリー
    情報モデルの明確かつ理解しやすい記述方法としてクラス図等の図表現がある。しかし、大規模企業システムの巨大な情報モデルを一枚の図で表現するのは物理的に困難がある。このため、部分的な情報モデルを多数用いた設計が進められている。情報モデルが複数の部分情報モデルで表現されると、作成者の判断などのばらつきにより部分情報モデル間に矛盾が発生し、部分情報モデル間の整合性を保つ手法が必要となる。そこで、本報告ではクラス図の意味を考察し、代数的構造(クラス図代数)を明らかにする。更に、クラス図代数に基づく複数クラス図間の整合性判定手法を考察する。
  • 横田 明紀, 安田 一彦
    セッションID: F3-1
    発行日: 2008年
    公開日: 2009/01/07
    会議録・要旨集 フリー
    1990年代後半より,多くの企業で従来からの作り込みによる情報システムではなくパッケージを用いた情報システム構築が広く行われている。これら導入された情報システムはシステム稼働後の運用段階で多様なシステムの保守が必要となる。ソフトウェアの保守に関する研究の1つに4つのステージからなるSMLC(Software Maintenance Life Cycle)モデルがある。しかしながら,これらステージを移行させる引き金(トリガー)となる要因については明確にされていない。本研究は代表的なパッケージ・ベースでの情報システムである統合業務(ERP: Enterprise Resource Planning)システムを中心に,保守作業の考察からERPシステム運用段階においてライフサイクルのステージを移行する要因を明らかにする。
  • 小倉 博行, 坂本 勝
    セッションID: F3-2
    発行日: 2008年
    公開日: 2009/01/07
    会議録・要旨集 フリー
    近年の不確定要素を持ちながら大規模・複雑化する情報システムの開発・運用に関して、利用者、供給者などのステークホルダー間で、創発的な合意がまだ得られていない重要問題は、利用者と供給者とで確認し合意することが望ましいシステム基盤に関わる非機能要求について、「要求項目」と「グレード(要求項目の実現レベルの差を示す)」の二つを「見える化」することである。本稿では、信頼でき安全安心な情報システムの理論と実践の先行研究を踏まえ、システム基盤の非機能要件に関する「要求項目」の品質特性の定義と「グレード」の属性定量化と複雑系設計モデルの構築を試みる。さらに、このモデルに基づいた、ディペンダビリティ(信頼性、可用性、安全性、完全性、保守性)とセキュリティ(守秘性、完全性、可用性)の属性を融合した6パターンの高信頼情報システム非機能要件グレード表を提案する。
  • 赤松 広一, 有馬 昌宏, 丹野 和明, 橋本 泰忠, 冨士野 裕之, 星川 中, ファンケオ スパーニー
    セッションID: F3-3
    発行日: 2008年
    公開日: 2009/01/07
    会議録・要旨集 フリー
    経営企画,理財,人事総務,情報システムの各部門から構成される企業の本社機能部門は,グループ経営時代を迎えて,その変革・強化が重要課題とされているにもかかわらず,根本的な構造変革実現にまでは至っていないのが現状である.本研究では,2008年に実施したグループ経営企業を対象とするアンケート調査結果から,機能部門に求められている変革とそれを主導するCxOの役割について,CEOの視点からの期待と課題を整理し,機能部門変革に向けて情報システムならびにCIOの果たす役割について検討する.
  • 岩永 寛史, 渡邊 慶和, 南野 謙一
    セッションID: F3-4
    発行日: 2008年
    公開日: 2009/01/07
    会議録・要旨集 フリー
    近年、スキー場では利用者数の減少が進んでいる。それを受け、特に大規模なリゾート型のスキー場では、利用者の獲得競争が激しくなる事が予想される。そこで、スキー場内での従業員間の情報共有が、サービスの向上に繋がり、他との差別化になると考えた。しかし大規模なスキー場は、関連部門の多さによって情報の共有が難しく、各部門や索道会社が独立して営業を行っているケースもある。 本研究では、有識者の意見を踏まえ、国内外のスキー場での情報共有の現状について調査する。また、スキー場関係者にインタビューを行い、効果的な情報共有を行う為には、どのような要件があるのかを調査し、明らかにしていく。
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