バイオフィードバック研究
Online ISSN : 2432-3888
Print ISSN : 0386-1856
30 巻
選択された号の論文の8件中1~8を表示しています
  • 宮本 芳文
    原稿種別: 本文
    2004 年 30 巻 p. i-ii
    発行日: 2004/10/30
    公開日: 2017/05/23
    ジャーナル フリー
  • 瀬島 順一郎
    原稿種別: 本文
    2004 年 30 巻 p. 1-6
    発行日: 2004/10/30
    公開日: 2017/05/23
    ジャーナル フリー
    バイオフィードバック療法の創成期の基礎研究には自律反応のオペラント条件づけの研究があり,自発的自律反応に対して強化を与えることにより当該自律反応の生起頻度を変化させることができるかというものであった.バイオフィードバックは本来Skinner, B. F.の創始した行動分析と密接に関係したものである.強化という操作的に定義された概念をはなれ,フィードバックの機能と概念に着目すると,様々な分野でそれが援用されている.本稿では,行動分析における強化随伴性,交流分析のストローク,そしてBateson, G.の認識論におけるフィードバック・ループをとりあげ,それらの機能と概念の相違を考察した.その結果フィードバックはそれぞれの分野において重要な概念として位置づけられているものの,客観的情報としてのフィードバックと,それを個体がどのように受け止め,どのような結果を生じさせるのかという問題にたいする観点が異なっている.抽象化された概念あるいは情報と具体的な行動が生じている状況とは論理階型が異なっており,混同して論じてはならない問題であることがベイトソンによって示されている.フィードバックは行動変容に係わる研究にはなくてはならない機能をもっていると同時に認識論の理論的基礎を提供するものである.
  • Paul Lehrer, Evgeny Vaschillo
    原稿種別: Article
    2004 年 30 巻 p. 7-16
    発行日: 2004/10/30
    公開日: 2017/05/23
    ジャーナル フリー
    Heart rate variability biofeedback targets the baroreflex system, and thereby helps strengthen one of the body's important self-regulatory reflexes. When people try to increase heart rate variability, they inevitably slow their breathing to about 0.1 Hz, the first resonant frequency of the cardiovascular system. Resonance at that frequency appears to be caused by baroreflex activity. Breathing at this frequency produces very large oscillations in heart rate, entirely at the resonant frequency, and increase baroreflex gain. There is evidence that engaging in this training increases baroreflex gain, improves pulmonary function, improves clinical condition in asthma, and lowers 'blood pressure. The method also may have applications to anxiety, depression, and other disorders related to autonomic dysregulation.
  • 大田 哲生, 木村 彰男
    原稿種別: 本文
    2004 年 30 巻 p. 17-22
    発行日: 2004/10/30
    公開日: 2017/05/23
    ジャーナル フリー
    リハビリテーション医療の分野では,神経学的異常により運動機能に障害をもつ患者が多い.1960年代に筋電を視覚や聴覚にフィードバックすることで,その筋電の発火パターンの調節が可能であることが示された.その後,表面電極の開発も相まり運動機能障害患者に対する,筋電を用いたバイオフィードバック療法が行われるようになっている.脳卒中後などの片麻痺患者に対しては筋緊張の軽減や筋力増強,自動関節可動域の改善,さらには嚥下機能の改善などにバイオフィードバックは用いられている.また顔面神経麻痺などの末梢神経障害に対しても異常共同運動の改善のためにバイオフィードバックは用いられ,神経移植術後の機能改善目的にも利用されている.その他では書痙などの不随意運動軽減や排尿・排便障害時の括約筋のコントロール,また腰痛の緩和や靭帯再建術後の筋力増強など様々な用途で利用されている.最近では運動学習のためにバイオフィードバックを用いる方法も検討されてきている.以上のようにリハビリテーション医療の範躊ではバイオフィードバックは日常的にかなりの頻度で使用されており,バイオフィードバックを知らないリハビリ医はほとんどいないと考えられる.しかし医療界全体ではバイオフィードバックという言葉自体はそこそこの知名度はあると思われるが,実際に使用した経験のある者はそれ程多くないことが予想される.その原因としては機械を購入する手間やバイオフィードバックの効果に対する疑問など,いくつか挙げられるが,今回バイオフィードバック療法の,より具体的な施行方法を提示し,嚥下障害への応用など今後のバイオフィードバック療法の発展の可能性について検討した.
  • 澤田 幸展, 村上 絵里子, 荒 利絵, 岡田 智栄子, 山谷 美雪, 田中 豪一
    原稿種別: 本文
    2004 年 30 巻 p. 23-29
    発行日: 2004/10/30
    公開日: 2017/05/23
    ジャーナル フリー
    ラベンダー・アロマセラピーがいかなる条件で鎮静効果を有するのか,いっそう理解すべく,局所麻酔下で手術を受ける患者において,その効果が調べられた.心臓血管系および自己報告式の測度が,手術直前(PRE)および開始後約10分の時点(DUR)で,25名の入院患者から得られた.13名の実験群患者には,DUR時にラベンダーの香りをしみ込ませた枕が用いられたのに対し,12名の対照群患者には,普通の枕が用いられた.収縮期並びに拡張期血圧,および,心拍数は,実験群の患者の方が対照群の患者よりも,PREとDURいずれの期間においても,値が低かった.両群とも,収縮期並びに拡張期血圧はPREからDUR期間へと低下した.心拍数は,両期間のあいだで変化を認めなかった.賦活-脱賦活形容詞チェック・リストにおける「緊張」と「鎮静」は,期待された通りの対照を示した.すなわち,「緊張」はPREからDUR期間へと低下し,「鎮静」はその反対であった.血圧変化に関する血行力学的機序の視点を,自己報告データで補足したところ,ラベンダー・アロマセラピーの鎮静効果は,少なくとも本研究においては実証されなかった.
  • 寺井 堅祐, 梅沢 章男
    原稿種別: 本文
    2004 年 30 巻 p. 31-37
    発行日: 2004/10/30
    公開日: 2017/05/23
    ジャーナル フリー
    呼気終末CO_2分圧(PetCO_2)は非侵襲的に,かつ持続的に呼吸機能の総体を評価できることから,応用生理心理学の研究でよく利用される指標である.しかし,PetCO_2とリラクセーションの関係についての先行研究にはかなりの錯綜が認められる.具体的には,PetCO_2上昇はリラクセーションを反映するという報告がある一方で,PetCO_2上昇をストレス反応とする知見も提出されている.そこで本研究は,PetCO_2とリラクセーションの関係を明らかにすることを目的とした.健常な被験者12名が,ベースライン測定(BL)20min,呼吸セルフコントロール課題60min,後安静測定(PO)5minからなる実験に参加した.呼吸セルフコントロール課題では,PetCO_2と呼吸数のバイオフィードックを利用して,PetCO_2を上昇させる課題(INC)と下降させる課題(DEC)をそれぞれ30min実施した.その結果,次のような結果が得られた. (1)すべての被験者がDECにおいてPetCO_2の下降に成功した.(2)半数の被験者がINCでPetCO_2を下降させたため,BLからの有意なPetCO_2上昇が得られなかった.(3)PetCO_2下降は上昇と比較して容易なことから,12名中7名の被験者がINCに比べDECで,よりリラックスしたと報告した.これは初心者を対象としたPetCO_2セルフコントロールが,過呼吸方向に呼吸を変化させてしまう危険性があることを示唆している.以上の結果は,PetCO_2バイオフィードバックは汎用性のあるリラクセーション技法というよりは,過呼吸症状を呈する対象者に限定した治療技法であることを示している.
  • 本間 修, 斎藤 正男
    原稿種別: 本文
    2004 年 30 巻 p. 39-45
    発行日: 2004/10/30
    公開日: 2017/05/23
    ジャーナル フリー
    バイオフィードバック(BF)を含め,自己と他の状態を推定し,制御しようとする場合,本人がどの程度自分の行動に確信があるかを推定することは,基本的に重要な問題である.BF訓練時にときおり偽りの情報を返すことによって,確信の程度を推定できるのではないかと考えた.披訓練者は,自分の制御に充分確信があるときには,偽りの情報により少しくらい揺さぶられても自分の制御方法を変えることはない.しかし,制御方法に確信がないときには,わずかに揺さぶられるだけで他の方法に移行すると予想される.このような考えを単純な確率モデルで表現し,本人の状態を推定する方法を提案する.確率モデルは,本人が正しい制御信号を生成する確率(人間側の確率)と,BF訓練機器が情報呈示する確率(機械側の確率)によって表現される.この2つの確率から,制御に本当に成功する確率が求まる.提案する確率モデルの妥当性を検証するために筋電図のBF実験を行った.制御対象は尺側手根屈筋とし,筋力を最大随意収縮時の10〜20%の範囲に制御する課題とした.訓練試行ごとに機器は成功・不成功を知らせるが,この情報呈示は意図的に偽りの情報が呈示される.まず偽りのフィードバックを含まない状態でBF訓練を行い,その後正直な情報呈示が行われる確率を80%に設定し,BF訓練前と訓練後の結果を比較した.1試行20セットのBF訓練を3回行った結果,提案したモデルと実験は定性的に合致した.BF前では制御に対する確信の程度は低く,BF訓練後には偽フィードバック情報に影響を受けるものの訓練を続けることで徐々に制御に確信をもつ結果を得た.
  • 稲森 義雄
    原稿種別: 本文
    2004 年 30 巻 p. 55-
    発行日: 2004/10/30
    公開日: 2017/05/23
    ジャーナル フリー
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