バイオフィードバックのこれまでの発展と現状を概括し,今後のバイオフィードバックの歩むべき姿を論じた.まずバイオフィードバックの歴史を,Millerの動物実験に触発された黎明期から始まって,その後のさまざまな医療応用,そして臨床以外への応用について,その進展を概観した.また,それと軌跡をともにしてきた日米の学会の歴史を展望するとともに,バイオフィードバックの理論やバイオフィードバック機器の発展についてもふれた.そしてわが国におけるバイオフィードバックの現状として,日常生活への応用も含めて大きな潜在的有用性が認められていながらも普及が進んでいない状況を指摘し,その問題点を探った.それをもとに,バイオフィードバックの未来の姿を求めて切り拓くべき道筋を,脳機能研究との提携,機器開発環境の整備,教育・資格制度の整備,異分野協調手法の確立,学会の活性化など点から展望した.
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