本研究の目的は、臨床看護師の倫理的感受性を測定する尺度を開発し、その信頼性と妥当性を明らかにすることである。文献等から臨床看護師が日常的に体験する倫理的問題100事例を抽出後、専門家会議と予備調査等を経て、28項目の試作版を作成した。この試作版を7施設1,911名の看護師を対象に無記名自記式で調査を実施した。有効回答率は63.1%であった。項目分析、探索的因子分析の結果、[尊厳の意識][専門職としての責務][患者への忠誠]の3因子19項目が抽出された。全19項目のクロンバックα信頼性係数は0.80であり、内的整合性が確認された。また構成概念妥当性を既知グループ技法で検討した結果、看護倫理研修を受講した看護師は、受講していない看護師よりも得点が有意に高かった。これらのことから本尺度の信頼性、妥当性が確認され、臨床看護師の倫理的感受性を測定する尺度として活用が可能であると考えられた。
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