日本サルコイドーシス/肉芽腫性疾患学会雑誌
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35 巻 , Suppl1 号
日本サルコイドーシス/肉芽腫性疾患学会雑誌
選択された号の論文の77件中1~50を表示しています
特別講演
  • 中邨 智之
    35 巻 (2015) Suppl1 号 p. 26
    公開日: 2016/04/07
    ジャーナル フリー
    組織の伸縮性(=弾性)を担っているのは弾性線維という細胞外マトリックスである。加齢に伴って弾性線維は劣化・断裂し、皮膚のたるみ、肺気腫、動脈中膜の硬化などさまざまな老化現象・老化関連疾患の直接原因となる。しかし弾性線維のターンオーバーは極めて遅く、その再生は困難とされてきた。弾性線維の形成には1ミクロフィブリル線維束の形成、2エラスチンのミクロフィブリル線維束上への沈着、3エラスチンどうしの架橋、というステップがあり、弾性線維の再生を目指すにはこれらのステップの分子機構を理解する必要がある。我々はそれぞれのステップに関与する分子を同定し、その生体内での役割を研究してきた。興味深いことに、弾性線維形成分子ごとに遺伝子欠損患者の症状、遺伝子欠損マウスの表現型に特徴があり、例えば2のステップに必須と考えられる Fibulin-5 または LTBP-4の遺伝子欠損は肺気腫、動脈中膜硬化、皮膚のたるみを来し、3のステップに関わる Fibulin-4 の遺伝子欠損は肺気腫に加えて動脈瘤を来し、1のステップに関わると考えられる LTBP-2 の遺伝子欠損は水晶体脱臼と高眼圧緑内障を来す。それぞれの弾性形成分子がどのような役割をもっており、それらの欠損がなぜ多臓器にわたる疾患を引き起こすのか、最近の研究でわかってきた分子メカニズムを論じたい。
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教育講演
  • ⻑井 苑子
    35 巻 (2015) Suppl1 号 p. 27
    公開日: 2016/04/07
    ジャーナル フリー
    サルコイドーシスの臨床経過には幅があり、自然寛解から、慢性化、難治化まである。難治化は、肺、心臓、眼、神経系、皮膚など全身の臓器のそれぞれに認められる。サルコイドーシス全体の中では頻度としては一割以下であるが、機能障害が重度で、治療薬も不十分であるために、特定疾患としての認識が十分に必要な疾患である。サルコイドーシスの予後不良因子として、これまであまり認識されてこなかった病態に肺高血圧がある。肺高血圧は、背景の疾患、病態により 5 つの分類がされているが、サルコイドーシスに併存する肺高血圧は 5 群に分類され、この群にはまれではあるが種々の病態を背景とする疾患が含まれている。サルコイドーシスにみられる肺高血圧は、肺の線維化による過程でおこるほか、リンパ節による血管の圧排、血管内の肉芽腫病変がらみでおこってくる場合、左心系の病変や肺静脈病変(PVOD など)による場合、PAH と類似の病態など多様な病態が可能性としてあげられる。肺高血圧の診断と、そでが起こる病態の鑑別が、重要なポイントとなる。PAH の標的治療として開発された肺血管拡張薬を安易に投与すると、病態によっては、肺のうっ血機転を増加して悪化することもあるためである。肺高血圧の診断には右心カテーテルは必須とされているが、実際の臨床では、どこまで心エコーが活用されて、加えて、どのような情報を総合的に用いて、診断してくかについても、中央診療所でのスクリーニングを経験なども含めて紹介してみたい。サルコイドーシスにみられる肺高血圧の診断と治療管理については、確立したガイドラインがあるわけではなく、症例の蓄積と詳細な検討に期待する必要がある。そのためにも、サルコイドーシスに併存する肺高血圧を実臨床の場でも意識して鑑別の遡上にあげておくことが必要である。本講演では、実際の症例の紹介や文献紹介を織り込みながら、サルコイドーシスに併存する肺高血圧の多様性と問題点を明らかにできればと考えている。
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千葉保之・本間日臣記念賞講演
  • 草野 研吾
    35 巻 (2015) Suppl1 号 p. 28
    公開日: 2016/04/07
    ジャーナル フリー
    サルコイドーシスは原因不明の非乾酪性の肉芽腫性疾患であり、組織の炎症と引き続いて生じる線維化 が疾患の主座である。これらの組織学的変化は、心臓にとってはいずれも催不整脈的に作用することか ら、致死的な不整脈発生にとって極めて重要な変化である。一方近年、不整脈への薬物・非薬物治療は 格段の進歩を遂げている。そこで、これらの内科的治療実態と新しい治療の効果について全国植込み型 除細動器認定施設を対象にアンケート調査を施行し最近の内科治療のトレンドと有効性・問題点を調査 した。さらに、房室ブロック・心室頻拍合併例の臨床的特徴について今まで単施設で行ってきた研究を 紹介する。1.全国実態調査 2008 年から2009 年にかけ43 施設から316例のアンケート結果を集め190 名の確定診断の症例を得た。 平均5.1年の follow期間で植込み型除細動器によって24 例(13%)の症例に除細動器作動が確認され救命 されていたが、8 例の突然死、4 例の心不全死を認めた。心機能の程度に応じて、心室細動/心室頻拍が 生じていることが明らかとなり、左室駆出率<35%は、2 次予防としてだけでなく、1 次予防としても心 室細動/心室頻拍の発生に関与していることが示唆された。カテーテルアブレーションは 20 例に施行さ れアブレーション困難例が多く存在することが明らかとなった。心室細動/心室頻拍に対する抗不整脈薬 の有効性に関してはアミオダロンの有用性が示された。2.房室ブロックに関する後ろ向き研究 ガリウム(Ga)シンチ陽性で表現される心臓サルコイドーシス活動期に房室ブロックの発生が多く (80%)、副腎皮質ホルモンの使用による Ga シンチの陰転化と平行して房室伝導性の回復が認められた (56%)が、副腎皮質ホルモン使用による心室性不整脈のエピソードに変化は認められなかった。心臓 サルコイドーシスの活動性が房室ブロックの発生に強く関連し、ステロイド治療への反応例が多く存在 すると考えられた。 また高度房室ブロック初発の心臓サルコイドーシス例を心室頻拍/心不全初発例と比較すると、心イベン ト全体では房室ブロック例の方が少なかったが、心室細動/持続性心室頻拍の発生だけをみると同等であ り、臨床的に高度房室ブロックのみの場合でも、ペースメーカよりも植込み型除細動器の選択を考慮す べきではないかと考察した。3.心室頻拍に関する後ろ向き研究 電気生理学的検査にて心室内の異常電位は左室のみならず右室にまで広範に存在すること、心室頻拍の 期限は異常電位の部位に一致したが、特に心室瘤の周囲に認められることが多いこと、加算平均心電図 では、より強い遅延電位が認められた。心機能低下例に有意に心室頻拍が多いことを考え合わせると、 障害心筋を介したリエントリーがその機序として考えられ、サルコイドーシスの活動期よりもむしろ線 維化を生じる慢性期(非活動期)に発生する可能性が高いことが示唆された。
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シンポジウム1
  • 四十坊 典晴, 山口 哲生
    35 巻 (2015) Suppl1 号 p. 30
    公開日: 2016/04/07
    ジャーナル フリー
    サルコイドーシスは組織学的に乾酪壊死を伴わない類上皮細胞肉芽腫が証明され、さらに他の原因の肉芽腫性疾患の除外ができてはじめて診断される疾患である。本邦では眼病変と心臓病変の頻度が高く、また、眼と心臓は組織学的証明が非常に難しい臓器である。本症は医療費の助成対象となる特定疾患であったため、助成の基準を明確にするためにも明確な「臨床診断群」の規定をつくることが必要であり、厚労省の診断基準が 1976 年に作成され、一部改訂されたものが 2014 年まで使用されていた(2006 年には学会の診断基準が改訂されたが、厚労省(特定疾患)の診断基準は変更されることがないまま使用されていた)。2015 年 1 月から新たに難病法が施行される時期に指定難病であるサルコイドーシスの診断基準の刷新する予定とし、日本サルコイドーシス/肉芽腫性疾患学会と厚労省のびまん性肺疾患に関する調査研究班(本間班⻑)とが合同で診断基準の再度の改訂を企画したのが 2013 年であり、重症度分類と合わせて、2015 年 1 月に新しい診断基準を確定することができた。本シンポジウムでは、新しい診断基準の包括診断基準の部分を解説し、新たに作成した重症度分類に関しても解説する。さらに、呼吸器、眼、心臓の領域から新しい診断基準を解説して頂く予定である。また、厚労省のびまん性肺疾患に関する調査研究班における「サルコイドーシス診療ガイドライン」作成に、日本サルコイドーシス/肉芽腫性疾患学会として全面的に協力する形で進行している。2016 年度までの完成を目指しており、その進行状況に関しても、全体像を解説した上で、呼吸器、眼、心臓の領域からも解説してもらう予定である。
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  • 宮﨑 英士
    35 巻 (2015) Suppl1 号 p. 31
    公開日: 2016/04/07
    ジャーナル フリー
  • 石原 麻美
    35 巻 (2015) Suppl1 号 p. 32
    公開日: 2016/04/07
    ジャーナル フリー
    霧視や視力低下などの眼症状は自覚しやすいため、眼科受診が契機となりサルコイドーシスの診断がつくことが最も多い。診断においては類上皮細胞肉芽腫を組織学的に証明することが基本であるが、眼内組織の生検は行わないことから、サルコイドーシスを強く疑わせるぶどう膜炎があっても、組織診断が得られない。また、肺やリンパ節の生検を望まない患者も多く、まずは、「サルコイドーシス診断基準」に則って全身検査をするわけであるが、新たな診断基準では全身反応を示す検査項目に「血清可溶性IL-2 受容体(s IL-2R)上昇」が加わった。血清 s IL-2R はサルコイドーシスの他、悪性リンパ腫や結核、膠原病、固形腫瘍などでも上昇することが知られている。眼科でサルコイドーシスと鑑別を要する疾患には、結核性ぶどう膜炎、ヘルペス性ぶどう膜炎、ベーチェット病、HTLV-1 関連ぶどう膜炎、ポスナー・シュロスマン症候群などの既知の原因のぶどう膜炎と、ぶどう膜炎と誤診されることの多い眼内悪性リンパ腫がある。我々は、ぶどう膜炎を有するサルコイドーシス患者において、血清 s IL-2R 測定が他の原因によるぶどう膜炎および眼内悪性リンパ腫から、サルコイドーシスを鑑別することができるのか否かを検討した。血清 s IL-2R の感度(72%)は血清 ACE より高く、特異度(91%)も高いことから、眼病変からサルコイドーシスを診断する際には、血清 s IL-2R は有用な血清マーカーであると考えられた。眼内悪性リンパ腫症例は BHL を呈さず、ACE 上昇もみられないため、これらの検査項目を組み合わせることで、サルコイドーシスとの鑑別は可能であると考えられた。診療ガイドラインについては、眼炎症学会の 5 人のメンバーで作成を進めている。サルコイドーシス眼病変の治療の基本は点眼治療(ステロイド点眼、散瞳剤点眼)であり、前眼部の炎症に加え、軽度の硝子体病変や眼底病変であれば点眼のみで経過をみる。一方、視機能障害をきたす重篤な病変がみられる場合や、局所治療で効果が不十分な場合には、経口ステロイド剤の投与を考慮する。懸濁ステロイド剤の後部テノン嚢下注射は、経口ステロイド剤投与とならび有効な治療法である。経口ステロイド剤の効果が十分に得られない場合は、他の薬物による治療や硝子体手術を考慮する。以上、ガイドライン案の詳細に関してご紹介する。
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  • 寺﨑 文生
    35 巻 (2015) Suppl1 号 p. 33
    公開日: 2016/04/07
    ジャーナル フリー
    サルコイドーシスの心臓病変(心臓サルコイドーシス)の診断は必ずしも容易ではなく、拡張型心筋症、慢性心筋炎、巨細胞性心筋炎などとの鑑別が困難で、剖検・心臓移植・左室形成術などにより得られた心筋サンプルの組織学的な検索で、初めて同症と診断されるケースもある。一方近年、18F-FDG PETや心臓 MRI、心エコー図など画像診断技術の目覚ましい進歩がある。医師の経験と症例の積み重ねなどで、より多くの患者で心臓サルコイドーシスが疑われ、診断されるようになった。2015 年 1 月から新たに難病法が施行され、指定難病であるサルコイドーシスについて、日本サルコイドーシス/肉芽腫性疾患学会と厚生労働省のびまん性肺疾患に関する調査研究班との合同で診断基準の見直しが行われた(資料 1)。この診断基準には、日本循環器学会により 2014 年から 2 年間の予定で作成作業が進められている「心臓サルコイドーシスの診療ガイドライン」で提言される「心臓病変の診断の手引き」の骨子が既に反映されている。心臓以外の臓器で、組織学的あるいは臨床的にサルコイドーシスと診断されている患者に、何等かの心症状がみられた場合には、心臓病変の存在を疑い検査を進める。心内膜心筋生検あるいは手術などによって心筋内に乾酪壊死を伴わない類上皮細胞肉芽腫が認められた場合には、心臓サルコイドーシス(サルコイドーシスの組織診断群)と診断される。組織学的な検査が施行されない場合や心筋にサルコイド肉芽腫が証明されない場合には、「心臓病変の臨床所見」について検索を行い、1) 主徴候 5 項目中 2 項目以上が陽性の場合、または 2) 主徴候 5 項目中 1 項目が陽性で、副徴候 3 項目中 2 項目以上が陽性の場合に心臓サルコイドーシス(臨床診断)と診断する。最も注意すべきは、この「心臓病変の診断の手引き」は、あくまで、「他の臓器でサルコイドーシスと診断されている場合」との条件付きである点である。心臓以外の臓器では、サルコイドーシスの臨床像が明らかでないが、心筋生検など組織学的に心臓サルコイドーシスと診断される症例、あるいは臨床的に心臓サルコイドーシスが強く疑われる症例が以前から報告されている。欧米の論文では、「isolated cardiac sarcoidosis」という表現が用いられており、従来邦訳として「孤発性心臓サルコイドーシス」が多く使用されてきた。日本循環器学会の「心臓サルコイドーシスの診療ガイドライン」では「心臓限局性サルコイドーシス」という用語が提唱される予定である。基本的には、原因の明らかではない心筋疾患において、臨床的に心臓限局性サルコイドーシスを見落とすことなく、しかも誤診することなく、早期に適切な治療を開始することが重要であり、同症の診断基準の作成にあたっては現時点で最も適切と考えられる要件を慎重に検討することが必要と考えられる。資料 1 厚生労働省ホームページ [平成 27 年 1 月 1 日施行の指定難病(新規)](http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000062437.html)
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  • ⻄山 和利
    35 巻 (2015) Suppl1 号 p. 34
    公開日: 2016/04/07
    ジャーナル フリー
    第 35 回日本サルコイドーシス/肉芽腫性サルコイドーシスにおいて「サルコイドーシスの新しい診断基準と診療ガイドラインをめぐって」と題するシンポジウムに招聘いただいた。その抄録を作成している時点では、神経内科の分野におけるサルコイドーシスの新しい診断基準やガイドラインは未だ最終確定はしていない。が、診療ガイドラインの策定に向けて神経班でも作業が急ピッチで進んでいる。神経内科医が遭遇するサルコイドーシスは神経および筋の病変であることがほとんどであるので、日本神経学会からの委嘱を受けた神経内科専門医5 名からなるガイドライン作成委員会にて新しい指針の構築を図っている。サルコイドーシスの神経・筋病変は、サルコイド病変の出現する部位により、中枢神経病変、末梢神経病変、筋病変と大別される。この新ガイドラインでは、中枢神経病変をさらに脳実質に病変の首座をおくもの(脳実質型)、髄膜を主として侵すもの(髄膜型)、脊髄に出現するもの(脊髄型)、に分けて検討した。これに末梢神経と筋を加えた 5 つの部門にわけて、2000 年から 2015 年 6 月までの文献を網羅的に検索しエビデンスを検討した。5 つの部門それぞれに価値のある文献を 15 前後を選別したが、エビデンスレベルは概して低く、結果としてほとんどのエビデンスレベルが 5 か 6 であった。これらエビデンスを基に各部門でのガイドラインを総説型で執筆し、1病態と症状,頻度について、2検査所見,確定診断法,鑑別診断について、3治療適応,治療方法,予後について、4代替治療法について、を取り纏めた。診断に関しては、生検が困難な神経病変では確定診断は容易ではなく、特に他臓器にサルコイド病変を有しない孤発性症例での診断は今後の発展が待たれる。治療としては、ステロイド療法が first line の治療であり、他臓器に比して予後不良、難治性であることの多い神経サルコイドーシスステロイドパルス療法を含めて早期からの積極的な治療が望ましい。また second line の治療法は免疫抑制剤であり、その他の治療としては TNF-α 阻害薬、サリドマイドなどの有効性を示す報告もあるが、エビデンスレベルは低い。総説型のガイドラインの他に、Clinical Question & Answer の形式のガイドラインの作成にも取り組んでいる。CQ1孤発性神経(含、筋)サルコイドーシスの診断は如何に実施すべきか?、CQ2神経サルコイドーシス(含、筋)の治療は他の臓器のサルコイドーシスと異なるのか?、という 2 つの CQ を設定し、これに対しての推奨を検討している。本シンポジウムでは、今回策定されたガイドラインのうち神経・筋に関する部分について解説する予定である。
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シンポジウム2
  • 冨岡 洋海
    35 巻 (2015) Suppl1 号 p. 35
    公開日: 2016/04/07
    ジャーナル フリー
    神戶市立医療センター⻄市⺠病院呼吸器内科膠原病は全身性結合組織の疾患であり、病因として自己免疫を含む何らかの免疫異常が想定されている。全身性疾患として認識されるべきサルコイドーシス(サ症)は、免疫異常という共通の病態からも膠原病との鑑別、また合併が問題となる。本講演では、まず、サ症と膠原病との鑑別について、次に、それらを踏まえたうえで、サ症の合併症としての膠原病について、review を行う。1) 膠原病との鑑別皮膚病変は確実な生検が行いやすいことからも、診断と経過をみるうえで重要な病変である。結節性紅斑は、欧米ではサ症の重要な初発症状の一つとされるが、Behcet 病や溶連菌感染症などでも認められ、サ症に特異的なものではない。サ症の関節病変は、急性・一過性型と持続性・慢性型とに分類される。BHL、結節性紅斑とともに関節炎を特徴とする Löfgren 症候群は、本邦ではまれであるが、サ症発見時症状として、関節症状は本邦でも 1.6%に認められている。関節炎合併サ症の検討では、中年女性が多く、急性発症で、両下肢の対称性関節炎が多い。筋サ症のうち、多発性筋炎/皮膚筋炎(PM/DM)との鑑別が問題となる急性・亜急性筋炎、慢性ミオパチーでは、筋肉内腫瘤は触知せず、左右対称性に四肢の近位筋優位、またはびまん性の筋力低下や筋萎縮を認める。血清クレアチンキナーゼ、アルドラーゼ高値も半数以上に認められ、筋電図や MRI などでも鑑別は困難な場合が多く、筋生検で非乾酪性類上皮肉芽腫を確認することが重要である。サ症においても、涙腺、唾液腺病変をそれぞれ 3%、6%に認め、シェーグレン症候群(SjS)同様、ドライアイ、ドライマウスを生じる場合がある。同様に、SjS にみられる耳下腺腫脹は、発熱、顔面神経麻痺、ブドウ膜炎と伴に、サ症の一亜型である Heerfordt 症候群の 4徴のひとつである。膠原病では、間質性肺炎、細・気管支病変、胸膜炎、肺高血圧症、肺血栓塞栓症、血管炎、リウマチ結節、肺門・縦隔リンパ節腫脹など多彩な肺病変を呈し、鑑別が問題となる。2) 膠原病との合併膠原病の中では、SjS との合併の報告が多い。一次性 SjS におけるサ症の合併頻度は 1〜2%とされるが、実際はより高いと考えられている。SjS の病変部では Th1 タイプのサイトカインが優勢で、サ症との免疫学的共通性も推測されている。合併例の検討では、SjS 先行例が多いこと、また、SjS に加え、関節リウマチ(RA)をはじめとするその他の膠原病や、甲状腺疾患、特発性血小板減少性紫斑病などの自己免疫性疾患との合併も多い。サ症患者が、対称性多発関節炎、特に手の小関節炎を呈する場合には、RAの合併について精査する必要がある。また、RA に対する抗 TNF 製剤治療中のサ症の発症にも注意が必要である。サ症と PM/DM との合併例の報告では、DM が比較的多く、また、日本人の報告が多い。強皮症、全身性エリテマトーデス/抗リン脂質抗体症候群とサ症との合併はまれとされている。
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  • 谷本 安, 片岡 幹男, 谷口 暁彦, 宮原 信明, 森 由弘, 谷本 光音
    35 巻 (2015) Suppl1 号 p. 36
    公開日: 2016/04/07
    ジャーナル フリー
    サルコイドーシスと悪性腫瘍の関連については、1974 年に Brincker らが指摘して以来、多くの報告がなされたが、いまだ結論を得るにいたっていない。サルコイドーシスと悪性腫瘍の合併には以下の 3 つの場合が考えられる。まず第 1 にサルコイドーシスに悪性腫瘍が新規発症する場合、第 2 に悪性腫瘍患者にサルコイドーシスが発症する場合、第 3 に両者が同時に発症する場合がある。その他、悪性腫瘍患者に非乾酪性類上皮細胞肉芽腫がサルコイドーシスとしての全身症状や徴候なしに認められる場合、サルコイド反応と呼ばれ診断には注意を要するが、鑑別困難な場合も多い。本邦におけるサルコイドーシス患者の合併症については、1991 年の第 8 回サルコイドーシス全国実態調査をもとにした立花の報告があり、それによると悪性腫瘍の合併例が最も多いとされ、肺癌、胃癌、乳癌、大腸癌などの固形癌や悪性リンパ腫、白血病などの血液悪性腫瘍などがある。また、本邦におけるサルコイドーシスと悪性腫瘍の関連についての最も大規模な調査研究は山口らの 1984 年の全国実態調査である。3 年間の経過追跡が行われた 1,411 例を対象に 3 年間で悪性腫瘍により死亡したのは 6 例で、肺癌 3 例、子宮癌 2 例、白血病 1 例であった。このうち、肺癌の標準化死亡率が有意に高率であったと報告されている。サルコイドーシスと悪性腫瘍の関連をみるため、サルコイドーシスと診断され、岡山大学病院外来で 6 カ月以上経過を観察している 486 例(男性 212 例、女性 274 例)の解析を行った。サルコイドーシス発症年齢は平均 46 歳、平均追跡年数は 11.1 年であり、486 例の観察年数は 5,392 人年であった。26 例(男性12 例、女性 14 例)に 15 種類、計 34 個の悪性腫瘍の発生が認められた。種類として多かったのは、肺癌 8 例、胃癌 3 例、大腸癌 3 例、皮膚癌 3 例、子宮癌 3 例などであった。5 例は二重癌、1 例は三重癌であった。悪性腫瘍を発生したサルコイドーシスの発症年齢は 53 歳と対照群の 45 歳に比して有意に高齢であり、悪性腫瘍発症時の平均年齢は 67 歳であった。観察人年法による標準化罹患比は、悪性腫瘍全体では 0.8 倍と上昇はみられなかったが、喉頭癌、皮膚癌では各々8.3 倍、4.7 倍と有意に高値であった。肺癌については 8 例と症例数としては最も多かったが、標準化罹患比は 1.6 倍であり、有意差は認められなかった。サルコイドーシスを診療していく上で、いくつかの悪性腫瘍はサルコイドーシスと関連している可能性があり、慎重な対応が必要である。
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  • 金澤 伸雄
    35 巻 (2015) Suppl1 号 p. 37
    公開日: 2016/04/07
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    小児のサルコイドーシスは珍しいが、特に 4 歳以下の乳幼児期に発症する一群は、学童期以後に検診で両側肺門部リンパ節腫脹が見つかって診断される通常のサルコイドーシスと異なり、皮膚・関節・眼の症状を 3 主徴とすることが以前から知られ、若年性(juvenile)、学童期前(preschool)あるいは若年発症(early-onset)サルコイドーシスと呼ばれていた。一方、1985 年に Edward B. Blau が家族性の肉芽腫性皮膚炎・関節炎・ブドウ膜炎の症例を若年発症サルコイドーシスとは異なる新しい遺伝性疾患 として報告したことから、ブラウ症候群という疾患概念が生まれた。2001 年に 16 番染色体上の NOD2 (CARD15, NLRC2 ともいう)遺伝子がクローン病の疾患感受性遺伝子として見いだされたのを契機に、 両疾患ともに NOD2 遺伝子の機能獲得型ヘテロ変異に起因する同一疾患であることが判明した(Miceli-Richard et al, 2001, Kanazawa et al, 2005)。NOD2 は単球系細胞内で細菌細胞壁ペプチドグリカン成分を認識して NF-κB を活性化するパターン認識受容体であることから、ブラウ症候群は、細菌感染がなくても恒常的に NF-κB などの炎症応答シグナルが活性化し、肉芽腫が形成される「自己炎症疾患」と考えられる。ただ、適切なモデルがなく、肉芽腫形成に至る具体的なメカニズムや臓器特異性などはまだよく分かっていない。自己炎症疾患(autoinflammatory diseases)は、獲得免疫系の異常による自己免疫疾患(autoimmune diseases)に対して、炎症−自然免疫系の制御不能による新しい疾患概念として 1999 年に Kastner と O’Shea によって提唱されたものであるが、”self ”としての「自己」ではなく、”automatic”あるいは ”autonomous”と考えた方が理解しやすい。その代表であるクリオピリン関連周期熱症候群(CAPS) においては、NOD2 と同じく NOD 様受容体(NLR)に属するクリオピリンをコードする NLRP3 遺伝子の機能獲得型変異によって、インフラマソームと呼ばれる分子複合体が「自動的に」活性化し IL-1βが異常分泌される。本疾患は遺伝性自己炎症疾患の中でもっともよく病態の解明が進み、抗 IL-1β 療法が著効することから臨床的にも重要であるが、自己炎症疾患にはそのほかにも臨床的・病態的に多彩な疾患が含まれ、遺伝子解析技術の進歩により年々その数を増やし続けている。今回難病法の改正に伴い、平成 27 年 1 月より CAPS、TNF 受容体関連周期熱症候群(TRAPS)、ブラウ症候群、さらに 7 月より高 IgD 症候群、無菌性関節炎・壊疽性膿皮症・痤瘡(PAPA)症候群と中條−⻄村症候群が新たに指定難病となったことで、一般の医師や患者にとってより身近な存在になった。本講演においては、特異な肉芽腫形成性自己炎症疾患であるブラウ症候群/若年発症サルコイドーシスを中心に、代表的な遺伝性自己炎症疾患について紹介し、サルコイドーシスの病態を理解する一助としたい。
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  • 宮崎 泰成
    35 巻 (2015) Suppl1 号 p. 38
    公開日: 2016/04/07
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    サルコイドーシス(以下サ症)は、多臓器に原因不明の肉芽腫性病変を呈する疾患である。従って、その診断においては組織学的診断と鑑別診断が重要である。肺はサ症の臓器病変として頻度が高いこと、健康診断システムが進んでいる日本では胸部レントゲン検査で発見される機会が多いこと、さらに気管支鏡検査で組織学検査や気管支肺胞洗浄検査を行うことが可能であること、より肺病変にて診断されることが多い。肺の組織学的検査で肉芽腫性病変を認めた場合には表1にあげる疾患を除外する必要がある。過敏性肺炎と慢性ベリリウム肺は、吸入性の抗原あるいは粉塵が肺内で反応して肉芽腫を形成するので基本的に気道に沿って病変が存在する。過敏性肺炎とサ症の合併が疑われる症例報告がある。抗酸菌症(結核、非定型抗酸菌症)や真菌感染症(ヒストプラズマ症、ブラストミセス症、ニューモシスティス肺炎)は、肺に肉芽腫を形成するので、培養検査や特殊染色が必要となる。血管炎関連疾患や免疫再構築症候群では、臨床経過が類似することがあり、急性サルコイドーシスとの鑑別が問題となる。気管支中心性肉芽腫症や肺ランゲルハンス細胞組織球症では、詳細な組織学的検討が必要となり、原発性免疫不全症では特異な免疫反応に伴う肉芽腫との鑑別が難しいことがある。両肺門リンパ節腫大(bilateral hilar lymphadenopathy: BHL)を呈する様な典型的なサ症との鑑別は、病歴、画像所見、検査所見などから容易に鑑別可能なことが多いが、肺病変を呈するサ症や急性のサ症では、これらの疾患との鑑別が難しい。各疾患について実際の症例を提示しながら概説する。表1 サ症と鑑別が必要な肺肉芽腫性疾患● 過敏性肺炎● じん肺(慢性ベリリウム肺)● 感染症(抗酸菌、細菌、真菌、原虫、ウイルス)● 薬剤性肺炎(Drug-induced hypersensitivity)● 異物型肉芽腫(Foreign body granulomatosis)● 血管炎関連:多発性血管炎性肉芽腫症(Wegener 肉芽腫症)、好酸球性多発血管炎性肉芽腫症(Churg-Strauss 症候群)、肺リンパ腫様肉芽腫症(Pulmonary lymphomatoid granulomatosis)● 気管支中心性肉芽腫症(Bronchocentric granulomatosis)● 肺ランゲルハンス細胞組織球症(Pulmonary Langerhans cell histiocytosis)● 原発性免疫不全症(Primary immunodeficiencies)● 免疫再構築症候群(Immune reconstitution inflammatory syndrome: IRIS)
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  • 伊崎 誠一
    35 巻 (2015) Suppl1 号 p. 39
    公開日: 2016/04/07
    ジャーナル フリー
    深在性真菌症, 抗酸菌感染症, 寄生虫症などでみられる慢性肉芽腫性炎症は,一般的な液性免疫や細胞性免疫により殺菌・消化・排除できない病原性微生物に対し, 活性化したマクロファージ系細胞が持続的に取り囲む生体防御反応と理解できる. これら病原性微生物に対する難治性疾患に加え, 皮膚では生体に内在する物質が抗原性を獲得して慢性肉芽腫性炎症を引き起こす疾患群がよく知られている.変性結合織成分に対する慢性肉芽腫性炎症には, 1)環状肉芽腫 (GA), 2)環状弾性線維融解性巨細胞肉芽腫 (AEGCG), 3)リポイド類壊死 (NL), 4)リウマトイド結節 (RN)がある. それぞれ結合織はムチン変性,弾性線維障害, リポイド変性, およびフィブリノイド変性を示す. 結合織障害を生じる基盤には, それぞれ, 糖尿病による微小循環障害, 紫外線障害, 糖尿病および静脈環流異常による組織障害, 関節リウマチに伴う血流障害・結合織障害が想定されている. いずれの場合も活性化したマクロファージ系細胞が周囲の結合織の間隙を浸潤してくるため, 病理組織学的に柵状肉芽腫の形態をとるが, サイトカイン分析からはサルコイド肉芽腫に近い性質を示す.持続性リンパ浮腫に続発して慢性肉芽腫性炎症が惹起されることがあり, 肉芽腫性口唇炎, 肉芽腫性舌炎, 肉芽腫性眼瞼炎, 肉芽腫性外陰炎などとして現れ, 臨床的には難治性の疾患である. 口唇腫脹, 皺襞舌, 顔面神経麻痺を三主徴とする Melkersson-Rosenthal 症候群もその一型と考えられる. この場合何が抗原性異物となるかはいまだ不明であるが, 完成された病変部の生検組織像はサルコイド肉芽腫と鑑別しがたい.かつてアレルギー性結核疹として分類されていた疾患の中にも, 現在は結核との関係が疑問視され, 別の機転により慢性肉芽腫性炎症が惹起されていると考えられる疾患がある. バザン硬結性紅斑では他の臓器に結核が証明される場合もあるが, これが認められない場合も多い. また, 顔面播種状粟粒性狼瘡(LMDF) は現在結核との関係が否定的で, 肉芽腫性酒さ, すなわち酒さの一型として理解され, 毛嚢脂腺系異物に対する類上皮細胞肉芽腫と考えられている. 典型的なものでは毛嚢周囲に明瞭な類結核型の類上皮細胞肉芽腫がみられるが, 時に顔面の結節型/小結節型のサルコイド肉芽腫との鑑別の対象となる.これらはいずれもサルコイドーシスの発症機構を理解するためにも, また鑑別診断のためにも重要な疾患群である.
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シンポジウム3
  • 木曽 啓祐
    35 巻 (2015) Suppl1 号 p. 40
    公開日: 2016/04/07
    ジャーナル フリー
  • 矢崎 善一, 小口 和浩, 織内 昇, 池田 宇一
    35 巻 (2015) Suppl1 号 p. 41
    公開日: 2016/04/07
    ジャーナル フリー
    2012 年4月より 18F-fluorodeoxyglucose (FDG) positron emission tomography (PET)が心臓サルコイドーシス(以下心サ症)に保険適応となり、有用性と問題点が明らかになりつつある。FDG-PET は以前から用いられてきたガリウムより感度が高いといわれており、心サ症の早期診断に有用と考えられる。問題点としては正常な心筋細胞にも糖代謝が存在するため、生理的集積を完全に除外できないこと。一般にガリウムは心筋に集積した場合は活動性の炎症が存在すると判断されるが、FDG が心筋に集積した場合は、それが活動性炎症をあらわしているのか生理的集積をあらわしているのか迷う場合もある。もう一つの問題点は異常所見が報告者により様々で統一されていない点である。心筋局所の集積を定量化して standardized uptake value(SUV)を求める報告、心筋血流のトレーサーである 13N-NH3(アンモニア)PET やタリウムなどの SPECT を同時に施行し血流低下部位への 18F-FDG の集積を陽性とする報告、FDG の集積のパターンで局所的集積あるいはびまん性軽度集積の中の局所的集積(focal ondiffuse)を陽性とする報告など様々である。このような問題点を解決するために、2013 年 7 月に日本心臓核医学会から「心サルコイドーシスに対する FDG-PET 検査の手引き」が出された。この中では、生理的集積を抑制するために、絶食時間は 12 時間以上(現在では 18 時間以上)、前日の食事は低タンパク食(5g 未満)とするなどが盛り込まれており、異常所見の指針も提示されている。このような状況下で FDG PET を行っても実臨床の場では、臨床経過と PET の所見が乖離することはしばしばあり判断に迷うことがある。本シンポジウムでは循環器内科医として日常臨床の場で FDG PET を用いた経験よりその有用性と問題点を述べたい。
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  • 酒井 文和
    35 巻 (2015) Suppl1 号 p. 42
    公開日: 2016/04/07
    ジャーナル フリー
    画像所見が、診断ないし鑑別診断で有用な臓器は、全身のリンパ節病変、中枢神経系病変、胸郭内病変、心臓病変、腹部臓器、筋肉などである。サルコイドージスの画像所見は、病理学的な特徴と各臓器リンパ装置に分布などの組織構築の相違により、種々の画像診断所見を示すことになる。サルコイドージスの病変は、0.2mm までの非乾酪性肉芽腫からなる結節病変やこれに続く線維化病変である。1リンパ節病変;リンパ節腫大は、頸部や胸部、腹部などでみられるが、胸郭内リンパ節の腫大が最も高頻度にみられる。病変の周辺における浸出病変に乏しい病理組織所見を反映して癒合傾向に乏しい多発リンパ節腫大を示す。頻度は低いがリンパ節に種々のパターンの石灰化を示しうる。2肺病変;肺のリンパ装置は、気管支血管束沿いの広義間質に豊富に存在しているので、肺実質病変は、血管の輪郭に付着する小粒状陰影としてみられることが多い。小葉中心性ではなく、静脈路や小葉間隔壁、胸膜沿いにも病変がみられるのが、気道散布病変との鑑別点である。小粒状陰影が集簇すると塊状陰影を呈し塊状陰影の周囲には気管支血管束沿いの小粒状陰影が付着した形態をとり、galaxy sign と呼ばれサルコイドージスやリンパ増殖性疾患に特徴的所見である。サルコイドージスに伴う肺の線維化は、両側上葉外側より優位に気管支血管束に沿って起きることが多いが、様々な非典型的パターンを示す。3心筋病変;近年の MRI の進歩により、心臓サルコイドージスの診断に対する MRI の有用性が確立しつつある。心臓のリンパ管は、心内膜下と心室の外面に多く分布し、ことに心室筋の外面に豊富なリンパ管網を形成している。これらの病変の分布は心筋サルコイドージス病変の好発部位に一致する。心筋サルコイドージスの線維化巣が、反転回復法による造影 MRI の遅延造影相での造影効果を示す領域として描出される。4脳神経領域;脳神経領域においては、サルコイド結節は造影効果を示す小結節陰影が、実質内(intraaxial)あるいは髄膜病変などの extraaxial lesion として認められる。時に腫瘍との鑑別が困難な例がある。その他に画像診断が役立ちうる臓器は、筋肉や骨病変などである。5FDGPET は、サルコイドージス病変に高度の集積を示すことから、サルコイドージス病変の診断に有用である。心筋病変 の診断においては、心筋は正常でグルコースをエネルギー源として利用しているために、心筋の生理的な FDG 集積を抑制する必要があり、検査前の絶食、検査前の食事内容(低炭水化物食、高脂肪食)ヘパリン前投与(血中遊離脂肪酸上昇による糖代謝抑制)などが必要である。このようにサルコイドーシスの画像診断においては、その病理組織学的特徴、対象臓器におけるリンパ装置の分布、各種検査法の原理に基づく特性などを理解しておく必要がある。
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  • 武村 ⺠子
    35 巻 (2015) Suppl1 号 p. 43
    公開日: 2016/04/07
    ジャーナル フリー
    サルコイドーシス(サ症)の診断において非壊死性類上皮細胞肉芽腫(以下肉芽腫)の存在は組織診断群として重要であるが、非壊死性肉芽腫はサ症以外でも多くの疾患で認められる。本シンポジウムでは主に肺におけるサ症類似の肉芽腫を示す疾患の鑑別、サ症と他疾患との合併の判断について述べる。1.類上皮細胞肉芽腫がみられる疾患の鑑別1)サ症でみられる肉芽腫は平均 200μm 大の境界明瞭で、主に気管支・血管束、胸膜、小葉間隔壁など広義間質のリンパ管に沿って分布し、血管侵襲も高頻度である。この肉芽腫の分布の特異性は経気道吸入による過敏性肺炎(HP)、抗酸菌症の肉芽腫分布との大きな差になる。しかし非定型抗酸菌症との鑑別は容易ではない場合がある。また融合性肉芽腫では壊死を伴うことは稀ではない。P.acnes モノクローナル抗体では VATS で 74%に肉芽腫内に陽性顆粒が認められる。2)HP の肉芽腫はサ症よりも小さく、疎で、肺実質では通気路に沿っての分布が特徴的であるが、まれに血管壁や胸膜に肉芽腫がみられる。いっぽうサ症でも HP に類似の肉芽腫が見られる例がある。3)壊死性サルコイド肉芽腫症(NSG)と多発血管炎性肉芽腫症(GPA)における肉芽腫の鑑別:NSGでは凝固壊死を伴う肉芽腫と著明な血管侵襲がみられる。P.acnes 抗体で肉芽腫内は陽性になる。GPAでは好中球壊死を伴う palisading granuloma が特徴であるが、ときに NSG との鑑別が困難な肉芽腫を見ることがある。4)サルコイド反応:類上皮細胞が主体で、低倍率ではあたかもサ症の像を示す悪性リンパ腫がある。肉芽腫内外に異型リンパ球を見出すことが重要である。MALTomaや末梢性Tリンパ腫などでみられる。2.サルコイドーシスと他疾患の合併例の診断1)膠原病:関節リウマチやシェーグレン症候群の肺において肉芽腫とともにリンパ濾胞過形成、細気管支炎、間質性肺炎がみられる。2)リンパ増殖性疾患:サ症とリンパ増殖性疾患との合併がある。3)間質性肺炎:肺サ症に併存する慢性線維性間質性肺炎については、サ症に由るものか、特発性か常に議論になるところである。肉芽腫に由来する線維化は気管支、血管束など広義間質の線維化を確認することが重要であるが、実際例では判断の難しい場合があり、症例を提示して問題点を明らかにしたい。
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  • 半田 知宏, ⻑井 苑子
    35 巻 (2015) Suppl1 号 p. 44
    公開日: 2016/04/07
    ジャーナル フリー
    診療における血液マーカーの役割には、1.診断補助 2.疾患活動性評価 3.予後の推定などがある。サルコイドーシスの血液マーカーとして代表的なものに血清 ACE、可溶性 IL-2 レセプターがあり、血清ACE は類上皮細胞肉芽腫病変部から異所性に産生遊離される。可溶性 IL-2 レセプターは、一般に T 細胞の活性化の指標であるが、サルコイドーシスではその由来は単球と肺胞マクロファージであるとする報告がある。2015 年にサルコイドーシスの診断基準が改訂され、特徴的な検査所見項目として血清 ACE 上昇は血清ACE 上昇または血清リゾチーム上昇 に変更され、新たに血清可溶性 IL-2 レセプター上昇が加えられた。診断マーカーの有用性は鑑別の対象となる疾患によって異なるが、悪性リンパ腫や近年注目を集めている IgG4 関連疾患では血清可溶性 IL-2 レセプターが上昇するため、これらの疾患とサルコイドーシスの鑑別における可溶性 IL-2 レセプター有用性は低いと考えられる。一方で、サルコイドーシスの肺病変の進行を予測する上では血清 ACE よりも可溶性 IL-2 レセプターの有用性が高い可能性がある。本発表では、日常診療で測定されることが多い血清 ACE と可溶性 IL-2 レセプターに焦点を当て、サルコイドーシスの診断、病勢評価、予後予測におけるこれらの血液マーカーの有用性を再評価したい。
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ランチョンセミナー
  • 松本 智成
    35 巻 (2015) Suppl1 号 p. 46
    公開日: 2016/04/07
    ジャーナル フリー
    生物学的製剤投与時のイスコチン投与にて日本における生物学的製剤投与中の結核発症は減少したかに思われていたが、我々の調査ではその発生者数並びに結核死は減少していなかった。さらに我々が行った日本国内でadalimumab(ヒュミラ)によって発症した結核患者解析では、肺外結核合併がない肺結核のみの症例では重篤な後遺症並びに死亡例はなかった。しかしながら死亡例は粟粒結核を主とする肺外結核例でみられており、診断・治療の遅れではなくおそらくparadoxical responseと推定される要因によって死亡していた。生物学的製剤使用時のParadoxical reresponseは、生物学的製剤中止による生菌死菌を問わない結核菌体成分に対する免疫反応の増強であるので生物学的製剤の急な中止が症状の増悪を招く。したがって、我々は生物学的製剤投与中に結核発症した場合には生物学的製剤を中止せずに結核治療を行う法が経過が良好であり菌陰性化期間も短縮できることを示し今後の治療のオプションの1つとなることが期待される。
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  • 神戶 直智
    35 巻 (2015) Suppl1 号 p. 47
    公開日: 2016/04/07
    ジャーナル フリー
    本学会で扱うサルコイドーシスに代表される肉芽腫性疾患に見られる皮膚病変は,基本的にはかゆみなどの自覚症状に乏しい皮疹であるが,通常,皮膚を侵す炎症性疾患の多くはかゆみを伴い,またかゆみの存在が患者を苦しめる。かゆみを伴う皮膚疾患に対して我々が日常診療で取りうる対応は,抗ヒスタミン薬に代表される内服薬と外用薬に大別される。湿疹病変に対しては外用薬が治療の主体となるが,外用指導が治療効果を大きく作用し,また抗ヒスタミン薬が効果を十分にあげるためにも適切な外用薬の使用が前提となる。一方,蕁麻疹に対しては,抗ヒスタミン薬の内服が第1選択となるが,その際には目の前の患者さんが示す臨床症状を,特発性の蕁麻疹と皮疹を誘発できるタイプの蕁麻疹とに分けて考える必要がある。かゆみを伴う皮膚疾患を診る上で考慮すべき,皮膚科医が提案する抗ヒスタミン薬のポジショニングについて紹介したい。
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モーニングセミナー
  • 岡本 祐之
    35 巻 (2015) Suppl1 号 p. 48
    公開日: 2016/04/07
    ジャーナル フリー
    サルコイドーシスの皮膚病変は多彩であり、福代の分類による四大病型とその他の皮膚病型をみても数多くの症状があることが理解される。さらに、分類に当てはまらない非典型的皮疹も時に経験される。サルコイドーシスの診断には組織学的所見が重要であり、皮膚は生検しやすい臓器であることから、的確に皮膚病変を発見し病理検査を行えるように、典型的皮膚病変を理解し、小さな病変を見逃さないことが肝要である。皮膚科に直接来院するサルコイドーシス患者の主訴は整容的問題であることから、顔面にみられる皮疹や広範囲に生じた皮疹であることが多い。そのため、顔面に好発する結節型病変や局面型病変、あるいは体幹、四肢に多発する局面型病変や苔癬様皮疹などが代表的病変である。また、皮下にあって病気の性格が把握しにくい皮下型病変も、皮膚生検で肉芽腫が観察され、その後の全身検索でサルコイドーシスと診断される症例としてよく経験される。一方、皮膚科以外でサルコイドーシスと診断され紹介を受ける症例では、患者自身が皮膚病変に気づいていないことが多く、目立った症状よりも、むしろ小さな病変や気にかけていない身体部位に発症する病変の方が多い。そのため、サルコイドーシスの皮膚病変の診断には、より丁寧な皮膚科診察が求められる。皮膚病変の治療は副腎皮質ホルモン薬やタクロリムスの外用治療をまず行う。近年、ジェネリック医薬品の普及により、主成分が同一の外用薬が盛んに使用され推奨されている。しかし、内服薬と異なり外用薬は主成分のみならず基剤も治療効果に重要であるが、先発医薬品とジェネリック医薬品では基剤が異なるために、副腎皮質ホルモン薬やタクロリムスの基剤中の濃度が異なっていることが報告されている。そのため、同一主成分の外用薬でも同じ臨床効果を得られないことがある。また、行うことに賛否両論はあるが、主成分の副作用を軽減したりコンプライアンスを高めるために、抗炎症外用薬と保湿剤とを混合することがある。しかし、ジェネリック医薬品では、両薬剤を混合することによって主成分の安定性や皮膚透過性がどのように影響されるかについてのデータはほとんどないのが現状である。サルコイドーシス患者の皮膚病変に対してジェネリック外用薬を用いる場合、以上のことを認識して治療効果を評価すべきである。本セミナーでは、サルコイドーシスの皮膚病変と治療の主体である外用治療の基本について述べたい。
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Young Investigator’s Award 選考演題
  • 永井 利幸, 永野 伸卓, 菅野 康夫, 相庭 武司, 神崎 秀明, 草野 研吾, 野口 輝夫, 安田 聡, 小川 久雄, 安⻫ 俊久
    35 巻 (2015) Suppl1 号 p. 50-1
    公開日: 2016/04/07
    ジャーナル フリー
    心臓サルコイドーシスにおいて、ステロイド治療は標準的治療として確立しているが、ステロイド治療の途中中止あるいは適切な中止時期に関して検討した報告は皆無である。今回我々は過去 30 年間に当院で心臓サルコイドーシスと確定診断(日本サルコイド ーシス/肉芽腫性疾患学会 2006 年診断基準)され、ステロイド 治療を導入された連続 70 例を後ろ向きに解析した。 観察期間内(9.8 ± 5.7 年)の検討で、12 例が臨床的あるいは画像 的活動性の改善を理由にステロイド治療が途中中止され、途中中 止群のステロイド治療期間は 3.4 ± 3.6 年であった。途中中止群、 継続群の 2 群間で年齢、性別、左室駆出率、ガリウムシンチ所見、 FDG-PET 所見、心不全既往、心室性不整脈既往、そしてステロ イド用量に関しても有意差を認めなかった。途中中止群のうち、5 例が心臓死の転帰をとり、継続群と比較して死亡率は有意に高値 であった(42% vs. 16%, P=0.047)。さらに、途中中止群は継続 群 と 比 較 し て 観 察 期 間 内 に 著 し く 左 室 駆 出 率 が 低 下 し た (-23.1 ± 31.5 % vs. 8.4 ± 31.8 % , P=0.019)。 結論として、心臓サルコイドーシスの⻑期管理において、臨床的 あるいは画像的に一時的な改善が認められたとしても、ステロイ ド治療の途中中止には慎重を期すべきである。
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  • 石戶 みづほ, 石原 麻美, 木村 育子, 澁谷 悦子, 水木 信久
    35 巻 (2015) Suppl1 号 p. 50-2
    公開日: 2016/04/07
    ジャーナル フリー
    【目的】今回、サルコイドーシス(サ症)診断基準の全身検査項 目に、血清可溶性 IL-2 受容体(s IL-2R)が加わった。血清 s IL-2R はサ症の他、悪性リンパ腫や膠原病、結核などでも上昇すること が知られている。我々は、ぶどう膜炎患者における血清 s IL-2R 測定が、サ症鑑別・診断に有用か否かを検討した。 【対象・方法】2014 年 8 月から 2015 年 5 月までに当院眼科外来 を受診し、確定診断がついたサ症 43 例、眼内悪性リンパ腫 10 例、 サ症以外の原因の明らかなぶどう膜炎 48 例について、ERISA 法 にて血清 s IL-2R を測定した。 【結果】血清 s IL-2R (Cut-Off 値:534U/ml)はサ症では 31 例 (72.1%、平均値:913.7 U/ml)、眼内悪性リンパ腫では 2 例(20%、 平均値:521 U/ml)、サ症以外のぶどう膜炎では 3 例(6.3%)に上 昇が見られた。サ症における血清 s IL-2R の感度は 72.1%、特異 度は 91.4%であった。 【結論】眼内悪性リンパ腫との鑑別を考慮に入れる必要はあるが、 血清 s IL-2R 測定は、サ症に伴うぶどう膜炎を鑑別・診断するた めに有用であると考えられた。
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  • 中島 健三郎, 中島 育太郎, 中須賀 公亮, ⻑山 友美, 木村 義隆, 丸山 将広, 三嶋 剛, 鎌倉 令, 和田 暢, 石橋 耕平, ...
    35 巻 (2015) Suppl1 号 p. 50-3
    公開日: 2016/04/07
    ジャーナル フリー
    背景:心サルコイドーシスは時に致死性の心室性不整脈を呈する ことがあるが、ステロイド治療開始後の炎症の再燃と心室性不整 脈の関連は未だわかってはいない。 方法:心サルコイドーシスと診断され、LVEF<50%でステロイド 治療を開始した当センターでの連続 121 名の患者を対象とし、炎 症の再燃と心室性不整脈発生の関連性を後ろ向きに検討した。エ ンドポイントは持続性心室頻拍、心室細動、突然死と定義した。 検査の選択は臨床医に委ねられ、6-12 ヶ月ごとの FDG-PET も しくはガリウムシンチグラムによって心筋の炎症状態を評価した。 結果:ステロイド治療開始からの平均観察期間は 1418 日で、約 30%の心サルコイドーシス患者に炎症の再燃を認めた。炎症の再 燃群は非再燃群と比較して心室性不整脈イベントが有意に高かっ た(p=0.0001)。さらに興味深いことに心室性不整脈の種類を検討 してみると、心室細動では炎症の再燃を有意に多く認めた (p<0.01)。 結論:心機能低下を呈した心サルコイドーシス患者での炎症の再 燃は心室性不整脈の高いリスクである。
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  • 蒲生 俊一, 玉田 勉, 村松 聡士, 村上 康司, 奈良 正之, 杉村 宏一郎, 杉浦 久敏, 一ノ瀬 正和
    35 巻 (2015) Suppl1 号 p. 50-4
    公開日: 2016/04/07
    ジャーナル フリー
    【背景】サルコイドーシス(サ症)の心病変は予後規定因子の一 つで、非循環器内科医も早期発見に努める事が重要である。【目的】 心病変を疑う端緒となった検査所見や診断確定法、治療や予後の 検討。【方法】2000 年から 2014 年に当科外来初診、サ症と診断 された 218 例中、サ症診断後心病変が判明した 14 例を A 群、サ 症診断前に心病変があった 12 例を B 群、心病変の無い 192 例を C 群とし臨床的特徴を検討した。【結果】平均年齢は A、B、C 群 で其々50.1、52.4、48.3 歳、女性の割合は 79%、58%、63%。無 症候性は A 群の 12 例(85.7%)で、心エコー異常 4 例(中隔基 部菲薄化 3 例、壁運動異常 1 例)、心電図異常 7 例(PVC Lown II以上 3 例、多源性 PVC 1 例、CRBBB 2 例、QT 延⻑ 1 例)、 全身 PET 1 例。前年度も軽微な異常を認めたのは、PVC 3 例、 iCRBBB2 例であった。治療は全身ステロイド導入 22 例(A 群: B 群で 13 例:9 例)、PMI7 例(4 例:3 例)、ICD2 例(0 例:2 例)、CRTD2 例(1 例:1 例)、抗不整脈薬 2 例(0 例:2 例)。心 サ症の死亡例は A 群 0 例、B 群 1 例(8.3%)。【考察】サ症を管理 する非循環器内科医による定期的心臓スクリーニング検査の重要 性が改めて認識されると共に、心サ症の予後改善に寄与している 可能性が考えられた。
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  • 猪又 崇志, 今野 哲, 鈴木 雅, ⻄村 正治
    35 巻 (2015) Suppl1 号 p. 51-1
    公開日: 2016/04/07
    ジャーナル フリー
    【背景】慢性肉芽腫性感染症である肺非結核性抗酸菌(NTM)症は, ⻑期にわたり病変が安定した症例がある一方で,急速に進行し加 療を余儀なくされる症例までその臨床経過は多様である.しかし, 肺 NTM 症の臨床経過を規定する因子は明らかではない. 【目的】肺 NTM 症における気管支肺胞洗浄(BAL)所見とその臨 床経過との関連を検討する. 【方法】2000 年 4 月より 2014 年 3 月までに,北海道大学病院に て BAL 検査が施行され肺 NTM 症と診断された 37 例において, BAL 液中の細胞分画,CD4/CD8 比及び各種サイトカイン濃度を 健常者(N=22)と比較検討した.また,BAL 施行前後 1 年間の自覚 症状・画像所見の変化に基づき,全患者を安定群(N=20)及び悪 化群(N=17)に分類し,比較検討をおこなった. 【結果】肺 NTM 症では健常者と比較し,好中球,リンパ球分画 は有意に高く,CD4/CD8 比の上昇を認めた(p<0.05).悪化群は安 定群と比較し,有意に好中球数の増加を認めた(p<0.05).また, 悪化群は安定群と比較し,有意に IL-6, IL-8 の上昇を認め,一方 IFN-γ, IL-17A, IL-22 は有意に低下していた. 【結語】肺 NTM 症において,感染局所における好中球優位の免 疫反応は,病変の悪化と関連していた.
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  • ⻄村 眞樹, 山口 悦郎, 田中 博之, 髙橋 歩, 横江 徳仁, 浅井 信博, 松原 彩子, 小坂 顕司, 岡島 巖, 久保 昭仁
    35 巻 (2015) Suppl1 号 p. 51-2
    公開日: 2016/04/07
    ジャーナル フリー
    背景:Cathepsin S (CTSS)は以前我々がサルコイドーシス肺胞マクロファージで強発現されている RNA の網羅的検索から見出し た血清マーカーである。これまで既存のマーカーと比較し、感度 が有意に優れていることを報告した。今回は臨床経過との関連に ついて検討した。 方法:対象は 40 名のサルコイドーシス患者で、約 1 年以上の間 隔で罹患臓器数の増減により経過を判定した。Wilcoxon 符号付き 順位検定で、2 回の変化を検定した。 結果:不変例(n=9)では CTSS 濃度も有意な変化がなく、自然改善 例(n=19)では有意に低下し、副腎皮質ステロイドの全身投与例 (n=7)でも有意に低下した。一方悪化例(n=5)では有意に上昇した。 ACE は自然改善例で CTSS 同様の変化を示したが、悪化例では必 ずしも病勢を反映しなかった。リゾチームは今回の対象では自然 改善例および悪化例ともに有意な変化を示さなかった。 考案:サルコイドーシスの血清マーカーはそれぞれやや独自の変 化を示し、今後詳細にそれぞれの意義を検討する必要がある。
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一般演題:口演1
  • 原田 潤, 中島 武之, 平 真理子, 金澤 伸雄
    35 巻 (2015) Suppl1 号 p. 54-1
    公開日: 2016/04/07
    ジャーナル フリー
    症例は 3 歳 5 ヶ月男児。生後 8 ヶ月より四肢を中心に発疹が出現 し、1 歳時に前医を受診した。下肢の皮膚生検にて肉芽腫性疾患 を疑われたが確定診断に到らなかった。皮膚の乾燥による瘙痒を 伴っていたためステロイド軟膏外用が行われていたが、皮疹は消 退せず、転居に伴い当院を紹介受診した。初診時には四肢全周性 に地図状の褐色斑を認め、斑状の皮疹内に暗褐色で浸潤を触れる 粟粒大の丘疹を多数混じ、苔癬病変を形成していた。なお、今ま でに関節症状や眼症状を認めず、家系内に同症は無かった。組織 学的には真皮内にリンパ球浸潤に乏しい類上皮細胞主体の肉芽腫 を認め、NOD2 遺伝子検査で 1147G>A (E383K) 変異を認めたた め、若年性サルコイドーシスと診断した。若年性サルコイドーシ スは皮膚炎・関節炎・ぶどう膜炎を 3 主徴とする全身性肉芽腫性 疾患であり、NOD2 遺伝子の機能獲得型変異が原因とされている。 本邦ではこれまで文献的に約 30 例の報告があるが、1147G>A 変 異の報告はない。本疾患は皮膚、関節、眼症状という順番で発症 する事が多く、本症例でも関節炎や視力機能低下の予防のために 今後の定期的な観察が重要である。
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  • 杉野 圭史, 仲村 泰彦, 後町 杏子, 奈良 和彦, 本間 栄
    35 巻 (2015) Suppl1 号 p. 54-2
    公開日: 2016/04/07
    ジャーナル フリー
  • 川端 宏樹, 中⻄ 正典, 北市 正則
    35 巻 (2015) Suppl1 号 p. 54-3
    公開日: 2016/04/07
    ジャーナル フリー
    症例は 33 歳、女性。4 か月前に第 1 子を出産していた。1 か月前 から発熱・咳嗽が続いていたため、紹介医を受診した。胸部レン トゲンで異常陰影を指摘され、当科紹介となった。胸部 CT では 両肺にびまん性にランダムな分布を示す小結節影が無数に認めら れた。T-SPOT 陽性であり結核治療歴もなかったことから、活動 性結核を疑い気管支鏡検査を施行した。経気管支肺生検では、乾 酪壊死を伴わない類上皮肉芽腫が認められたが、培養及び TB-PCR が陰性であったため、結核感染は証明できなかった。ま た、血清中の ACE や S-IL2R が高値であり、サルコイドーシスの 診断基準を満たしていたため、結核症との鑑別が困難であった。 後日、後腹膜膿瘍や右関節滑膜など複数の臓器で結核菌培養陽性、 TB-PCR 陽性が判明し、結核症と診断して抗結核治療を開始した。 今回の症例は、結核症でありながら、血清中の ACE 高値や S-IL2R 高値などが認められ、また組織像もサルコイドーシスと類似して いた。サルコイドーシスの病態を考える上で興味深い症例と考え られたため、文献的考察を交えて報告する。
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  • 後藤 恵, 小山 旅人, 藤岡 秀康, 片山 徹二, 天野 優子, 石橋 正人, 木村 有希, 藪内 健一, 麻生 泰弘, 軸丸 美香, 花 ...
    35 巻 (2015) Suppl1 号 p. 54-4
    公開日: 2016/04/07
    ジャーナル フリー
    【目的】当施設で経験した神経サルコイドーシスの臨床症状、髄 液所見、治療法および効果を検討する。 【方法】2003 年から 2014 年の間に神経サルコイドーシスと診断 し、中枢神経もしくは末梢神経に病変を認めた症例について、病 型、髄液所見、治療法、治療効果、予後に関して検討した。 【結果】症例は 18 例、平均年齢 54.8±18.3 歳であった。2006 年 の診断基準で病型分類すると、実質内肉芽腫性病変は 6 例、髄膜 病変 3 例、脳神経麻痺 4 例、脊髄神経麻痺 5 例であった。また、 definite 群は 2 例、probable 群は 9 例、possible 群は 4 例、除外 例は 2 例であった。神経生検を 6 例に施行し、2 例で肉芽腫を確 認した。髄液所見は蛋白が平均 76.1±55.6 mg/dl、細胞数は平均 9.0±13.2/μl、糖は平均 53.8±17.9 mg/dl であった。 治療は 17 例でステロイド治療が選択され、全例で有効であった。 1 例は頭蓋内腫瘍との鑑別が困難であり、手術が選択された。退 院時の治療は全例 PSL 内服であり、1 例で MTX が追加された。 観察期間中に 4 例再燃し、髄膜病変 1 例、脳神経麻痺 1 例、脊髄 神経麻痺 1 例であった。 【結論】神経サルコイドーシスは臨床診断が困難であり、治療は ステロイドが有効であった。4 例再燃したが、比較的予後良好で あった。
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  • 荻野 俊平, ⻑井 苑子, 半田 知宏, 谷澤 公伸, 池添 浩平, 泉 孝英
    35 巻 (2015) Suppl1 号 p. 55-1
    公開日: 2016/04/07
    ジャーナル フリー
    当所を受診した腫瘤型筋肉サルコイドーシス 12 症例の臨床的特 徴について検討した。腫瘤型筋肉サルコイドーシス患者はサルコ イドーシス患者全体の約 2.2%に認められ、発症年齢・性別は 50 歳代の女性に多く、受診理由は下腿筋肉内に腫瘤を触知して受診 する症例が最も多かった。症状経過は、筋力低下や筋肉萎縮を呈 する症例はなく、無治療経過観察でも筋炎型筋肉サルコイドーシ スに移行した症例はなかった。ステロイド治療を行った症例では 腫瘤は縮小または消失するが、ステロイドを減量すると再燃する 傾向があった。 腫瘤型筋肉サルコイドーシスの確定診断には筋肉生検が必要であ るが、筋肉 MRI 検査による画像検査でで “three stripes sign” や “dark star sign” と形容される特徴的な所見を呈することが知ら れており、診断的価値は高い。 今回われわれは腫瘤型筋肉サルコイドーシスに対して筋肉エコー 検査を行い、全例において MRI 同様に特徴的な所見を認めた。簡 便、安価で診断や経過観察に有力な検査となりうることが示唆さ れたので報告する。
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  • 甲斐田 豊二, 小板橋 俊美, 鍋田 健, 石井 俊輔, 前川 恵美, 猪又 孝元, 阿古 潤哉
    35 巻 (2015) Suppl1 号 p. 55-2
    公開日: 2016/04/07
    ジャーナル フリー
    【背景】心サルコイドーシス(心サ症)は予後不良であり、早期 診断が望まれる。しかし、心サ症の診断は特殊かつ困難であり、 非心病変サルコイドーシス(非心サ症)に罹患中であっても、心病 変の早期検出は難しい。 【方法と結果】当院で心サ症と確定診断された連続 43 例の、心サ 症診断までの経緯を後方視的に解析した。心症状や検査異常で循 環器内科を初診し、心病変からサルコイドーシスの診断に至った のは 22 例であった。一方、非心サ症の経過観察中に心病変の合併 が検出されたのは 21 例であり、そのうち 14 例は重篤な心症状(心 不全 9 例、房室ブロック 6 例、心室頻拍 1 例)が診断のきっかけ となった。この 14 例では心サ症診断時、全例に心エコー図検査で 機能的器質的異常を、10 例で心電図異常を認めていた。残りの 7 例は、非心サ症のサルコイドーシス診断時、または経過中の定期 的な心精査で異常が検出され(心エコー図異常 5 例、心電図異常 6 例)、心症状が出現する前の比較的早期に確定診断に至っていた。 【結語】非心サ症において、心電図、心エコー図による定期的な 心精査が、心病変の早期検出に有用である可能性が示唆された。
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一般演題:口演2
  • 鈴木 邦裕, 濵田 直樹, 有村 雅子, 三雲 大功, 緒方 彩子, 水田 佑一, 原田 英治, 中⻄ 洋一
    35 巻 (2015) Suppl1 号 p. 56-1
    公開日: 2016/04/07
    ジャーナル フリー
    背景・目的:サルコイドーシスを含む呼吸器疾患精査中に、非結 核性抗酸菌が検出された場合には、コンタミネーション、保菌も しくは活動性の感染を判断する必要がある。サルコイドーシスと 非結核性抗酸菌症の合併の報告としては、1994 年の立花らの全国 調査があり、サルコイドーシス 878 例のうち 4 例に非結核性抗酸 菌症の合併があったとされている。両疾患の合併の頻度はさほど 高くはないが、画像所見上も粒状影、結節などが類似することが あり、病理所見上もともに類上皮細胞性肉芽腫を形成するため、 両者は時として鑑別を要する。両疾患の合併症例の臨床像を調べ るため、当院における過去 10 年の症例を検討した。方法:当院に て 2006 年から 2015 年の 10 年間に気管支鏡検査が施行されたサ ルコイドーシス 104 例の気管支洗浄液もしくは喀痰中の非結核性 抗酸菌について解析した。結果:104 例中 15 例から非結核性抗酸 菌が検出された。非結核性抗酸菌症の診断基準を満たすものは 8 例であった。菌種は Mycobacterium avium 4 例、Mycobacterium gordonae 1 例、菌種が同定されないものが 10 例であった。両者 の合併症例は、男女比 2:13、年齢 38 歳〜86 歳であった。臨床 所見、画像所見の検討を加えて報告する。
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  • 山口 哲生, 田中 健介, 鈴木 美佳, 河野 千代子, 山田 嘉仁, 有田 英子, 花岡 一雄
    35 巻 (2015) Suppl1 号 p. 56-2
    公開日: 2016/04/07
    ジャーナル フリー
    背景・目的:サルコイドーシスを含む呼吸器疾患精査中に、非結 核性抗酸菌が検出された場合には、コンタミネーション、保菌も しくは活動性の感染を判断する必要がある。サルコイドーシスと 非結核性抗酸菌症の合併の報告としては、1994 年の立花らの全国 調査があり、サルコイドーシス 878 例のうち 4 例に非結核性抗酸 菌症の合併があったとされている。両疾患の合併の頻度はさほど 高くはないが、画像所見上も粒状影、結節などが類似することが あり、病理所見上もともに類上皮細胞性肉芽腫を形成するため、 両者は時として鑑別を要する。両疾患の合併症例の臨床像を調べ るため、当院における過去 10 年の症例を検討した。方法:当院に て 2006 年から 2015 年の 10 年間に気管支鏡検査が施行されたサ ルコイドーシス 104 例の気管支洗浄液もしくは喀痰中の非結核性 抗酸菌について解析した。結果:104 例中 15 例から非結核性抗酸 菌が検出された。非結核性抗酸菌症の診断基準を満たすものは 8 例であった。菌種は Mycobacterium avium 4 例、Mycobacterium gordonae 1 例、菌種が同定されないものが 10 例であった。両者 の合併症例は、男女比 2:13、年齢 38 歳〜86 歳であった。臨床 所見、画像所見の検討を加えて報告する。
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  • 武村 ⺠子, 立花 暉夫, 岩井 和郎
    35 巻 (2015) Suppl1 号 p. 56-3
    公開日: 2016/04/07
    ジャーナル フリー
    【背景・目的】剖検輯報による我が国のサルコイドーシス(サ症) 剖検例の検討は岩井他(1953〜89 年)、立花他(1990~99 年)の報 告がある。今回 2012 年までの剖検例の実態を明らかにする。 【方法】1990 年から 2012 年の 23 年間の剖検輯報からサ症が主・ 副診断名として記載されている例を検討し、これまでの報告と比 較した。 【結果】剖検数は経年的に減少しており、サ症 718 例(男 289 例、 女 429 例)のうち生前サ症の診断は 301 例、剖検時平均年齢は 1990 年 58.8 歳から 2012 年 72.8 歳と高齢化が顕著で 80 歳台 90 例, 90 歳以上 13 例であった。主要な侵襲臓器は心サ症 180 例、 肺サ症 128 例のうち肺線維症合併は 37 例にみられた。多重癌を 含む悪性腫瘍は 221 例(肺癌>胃・大腸癌>血液・リンパ系)。合 併症による死亡 351 例(49%)の内訳は悪性腫瘍 143 例、心血管 障害 86 例、感染症 45 例で、合併症による死亡が増加傾向にある。 90 歳以上の 13 例の死因はサ症 5 例, 悪性腫瘍 2 例、感染症 4 例、 心血管障害 2 例であった。 【考察と結論】サ症剖検例において顕著な高齢化とともに合併症 の増加が確認された。
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  • 末木 博彦, 北川 真希, 北見 由季, 渡辺 秀晃
    35 巻 (2015) Suppl1 号 p. 56-4
    公開日: 2016/04/07
    ジャーナル フリー
    末梢血単球は classical monocytes (CD14+ CD16-), intermediate monocytes (CD14+ CD16+), non-classical monocytes(CD14dim, CD16+)に分類される。 サルコイドーシスでは末梢血中に intermediate monocytes が増 加するが, 皮膚病変における検討はない。サルコイドーシス, 顔面 播種状粟粒性狼瘡, 環状肉芽腫の各5例の生検皮膚組織を対象と した。抗CD14抗体, 抗CD16抗体を用いた免疫染色, CD14/CD16, CD16/CD56, CD16/CD68, CD16/CD11c, CD16/Factor XIIIa の 蛍光抗体二重染色を施行。いずれの疾患でも肉芽腫内では CD14+ CD16+, CD14- CD16+ 細胞が主体であったが, CD14+ CD16- 細胞 も肉芽腫辺縁部を中心に混在していた。肉芽腫内には CD16+ C56+ 細胞, CD16+ Factor XIIIa+ 細胞はなかった。CD16+ 細胞の大多数 は CD68+ であった。CD16- CD11c+ 細胞は肉芽腫の中央部にみら れ,CD16+ CD11c- 細胞と混在していた。
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  • 安東 優, 向井 豊, 松本 祐二, 宮崎 幸太郎, 松本 紘幸, 小野 朋子, 宇佐川 佑子, 河野 利恵, 竹野 祐紀子, 山末 まり, ...
    35 巻 (2015) Suppl1 号 p. 57-1
    公開日: 2016/04/07
    ジャーナル フリー
    【背景】近年、IL-10 は、Mycobacterium や Propionibacterium acnes を用いた実験的肉芽種実験において肉芽腫形成を抑制する 作用があることが明らかとなった。しかし、サルコイドーシス(サ 症)における IL-10 の機能については明らかではない。【目的】末 梢血単核球(PBMC)の IFN-γ、IL-10 の遺伝子発現を調べ、疾患活 動性との関連について検討した。【対象と方法】健常ボランティア (HV)7例、サ症 29 例。末梢血から PBMC を取り出し培養後に mRNA を抽出し PCR による半定量を行った。3-6 ヵ月の経過で 疾患活動性マーカーが高いものは Chronic active 群、疾患活動性 マーカーが正常範囲内のものを Stable 群、画像の改善と疾患活動 性マーカーの低下がみられるものを Improve 群とした。【結果】 サ症では HV と比較して IFN-γ の発現亢進がみられた。Chronic active 群では HV と比較して IFN-γ 発現が亢進し、Improve 群 では IL-10 発現の亢進がみられた。【結論】PBMC の IFN-γ、 IL-10 の発現は、予後を予測する因子となる可能性がある。
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  • 植田 郁子, 谷村 裕嗣, 大澤 学, 岩阪 浩志, 大江 秀一, 山﨑 文和, 水野 可魚, 岡本 祐之
    35 巻 (2015) Suppl1 号 p. 57-2
    公開日: 2016/04/07
    ジャーナル フリー
    サルコイドーシス患者 37 人と健常人 21 人の血清中 BAFF 値を ELISA で測定した。血清中 BAFF 値はサルコイドーシス患者で 有意に上昇し、BAFF 値が上昇している群は正常群と比較して皮 膚と眼病変の頻度が有意に高かった。さらに、血清 BAFF 値は血 清中アンギオテンシン変換酵素、リゾチーム、IFN-γ 値と相関が みられた。皮膚組織での BAFF の発現を免疫染色で検討したとこ ろ、類上皮細胞に BAFF の発現がみられた。そこで類上皮細胞の 前駆細胞と考えられている単球が BAFF を産生するかどうかにつ いて検討した。単離した単球を IFN-γ を添加した培地で培養する ことにより、単球上に膜型の BAFF の発現および可溶型 BAFF の 分泌が誘導された。BAFF 産生亢進による B 細胞のサブセットの 異常の有無をフローサイトメトリーで測定したところ、患者末梢 血ではナイーブ B 細胞の増加とメモリーB 細胞および形質細胞芽 球の減少がみられた。核抗抗体は 26 人中 7 人(55%)で陽性であっ た。本研究により血清 BAFF 値はサルコイドーシス患者の病勢を 予測するマーカーとして有用であり、BAFF 値上昇がその病因と 関連する可能性が示唆された。
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一般演題:口演3
  • 土田 哲人, 髙田 明典, 大沼 義人, ⻑谷川 徹, 遠藤 利昭, 安藤 利昭
    35 巻 (2015) Suppl1 号 p. 58-1
    公開日: 2016/04/07
    ジャーナル フリー
    心サ症に対するステロイド有用性について、治療後⻑期経過にお ける再燃を検討した報告は少ない。そこで 2003 年より心サ症と 確定診断され、プレドニゾロン治療後 5 年以上(最⻑ 12 年、平 均 7.4 年)観察し得た連続 21 例を対象に再燃例の特徴について retrospective に検討した。死亡例はステロイド不応例および再燃 例の各 1 例でいずれも心不全死であった。7 例(33%)に再燃を 認め、内訳(重複あり)は左室機能低下 4 例、心室性不整脈 3 例、 および完全房室ブロック再発 1 例であった。その時期は治療後 1-6 年(平均 3.0 ± 1.8 SD 年)と幅広い期間に認められた。多くの症 例では再燃時急激な BNP の再上昇を認めた。再燃例はいずれも プレドニゾロン単独治療例あり投与量が維持量として 10-2.5 mg (平均 7.5 mg)治療下であった。一方メトトレキサート(MTX) 併用した 7 例においては再燃例を認めなかった。以上の結果より、 再燃例は⻑期観察中プレドニゾロン 10 mg 以下で多く⻑期間を経 て起こる例もあることが示された。また BNP は再燃時のマーカ ーとなる可能性、MTX 併用例では再燃例が少ない可能性が示唆さ れた。
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  • 淀川 顕司, 清野 精彦, 吾妻 安良太, 清水 渉
    35 巻 (2015) Suppl1 号 p. 58-2
    公開日: 2016/04/07
    ジャーナル フリー
    背景:心臓サルコイドーシスは、診断がつき次第ステロイド治療 の適応となる。ステロイド投与後にしばしば糖尿病を発症する(ス テロイド糖尿病)が、その頻度やリスク因子については検討され ていない。 目的:心臓サルコイドーシス患者におけるステロイド導入後に糖 尿病を発症する頻度・およびリスク因子について検討。 方法:1996 年から 2015 年の間に日本医科大学付属病院・付属千 葉北総病院でステロイドを導入した心臓サルコイドーシス患者 51 例。ステロイドは初期投与 Prednisolone 30mg / 日、1 か月間 施行し以降漸減し維持量(5-10mg)とした。導入前に糖尿病と診 断されていた 5 例を除外し 46 例(男性 13 例、平均年齢 58+/­14 歳)で後ろ向きに検討。 結果:18 例(39.1%)でステロイド導入後に糖尿病を発症した。 多変量解析の結果、年齢のみが独立した糖尿病発症の危険因子(オ ッズ比 1.08、95%信頼区間 1.01-1.16、p=0.03)でああった。 結論:心臓サルコイドーシスに対するステロイド導入後に糖尿病 を発症する頻度は高く、特に高齢者では注意が必要である。
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  • 伊藤 隆英, 野木 信平, 木澤 隼, 嶋本 新作, 宗宮 浩一, 星賀 正明, 寺崎 文生, 石坂 信和
    35 巻 (2015) Suppl1 号 p. 58-3
    公開日: 2016/04/07
    ジャーナル フリー
    【症例 1】69 歳女性。2011 年 11 月肺門リンパ節腫脹を指摘され、 2012 年 2 月リンパ節生検で非乾酪性肉芽腫を認めた。2012 年 9 月、心エコーで心筋壁厚増大および駆出率低下を認め、同年 11 月ステロイド治療導入目的で入院した。PSL 開始 1 年半で左室収 縮能、心筋壁厚ともに正常化した。【症例 2】58 歳女性。2007 年 完全房室ブロックに対しペースメーカ植込み術を受けている。 2010 年心室中隔の菲薄化を、2011 年リンパ節生検で非乾酪性肉 芽腫を指摘された。2014 年 11 月頃より全身倦怠感と呼吸困難感 が出現、心エコーで心膜液貯留および心筋壁厚増大が認められ精 査加療のため入院した。PET-CT において FDG の取込みが亢進 していたため、ただちにステロイド治療(PSL)を開始した。治 療開始 2 ヶ月で心不全症状の改善とともに心膜液消失、肥大退縮 が認められた。心サルコイドーシスでは心室中隔の菲薄化所見が 特徴的であるが、ことに、急性期に心筋肥大や収縮能障害などの 非特異的変化がみられることがある。今回の症例に関して若干の 文献的考察をまじえて報告する。
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  • 小板橋 俊美, 猪又 孝元, 甲斐田 豊二, 鍋田 健, 石井 俊輔, 前川 恵美, 阿古 潤哉
    35 巻 (2015) Suppl1 号 p. 58-4
    公開日: 2016/04/07
    ジャーナル フリー
    【背景】心病変は予後規定因子であり、心サルコイドーシス(CS) では診断と同時にステロイド治療が開始されることが多く、自然 経過は明らかでない。 【方法と結果】当院で CS と診断され、かつステロイド治療が施 行されなかった期間を観察しえた 6 症例の経過を解析した。12 例で、自然寛解を示唆する炎症活動性指標とリンクした左室壁運 動異常の変動を認めた。24 例で器質的機能的異常の進行を認め た。そのうち初診時に炎症活動性が高く著明な壁肥厚を認めた 1 例では 3 年の経過で劇的な壁厚の菲薄化と収縮能の低下を認めた (図)。32 例で心臓手術前後の短期間で器質的機能的異常の進行 を認めた。 【結語】CS の治療は、心臓の異常に基づく心病態への治療と、サ ルコイドーシスの炎症活動性へのステロイド治療に大別される。 後者において、心病変でも自然寛解と再燃を繰り返すとすれば、 炎症活動性がない時にはステロイド治療は不要となる。一方、炎 症活動性の強い時には劇的な器質的機能的変化をきたし得る。ま た、手術侵襲は CS の病態を悪化させる可能性もありステロイド 導入時期は慎重に検討すべきである。CS の自然歴の解明は、適切 なステロイド治療の確立に貢献し得る。初診時 3 年後
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  • 山内 洋平, 神﨑 裕美子, 森田 英晃, 伊藤 隆英, 星賀 正明, 寺﨑 文生, 石坂 信和, 玄 武司, 諏訪 道博, 木野 昌也
    35 巻 (2015) Suppl1 号 p. 59
    公開日: 2016/04/07
    ジャーナル フリー
    40 代の男性。頻発する心室性不整脈の精査目的で受診。心エコー 図で、左室収縮能低下、心室中隔基部および下壁基部の菲薄化と 局所的壁運動低下を認めた。心臓 MRI 検査では、左室前壁から中 隔基部、下壁基部にかけてガドリニウム遅延造影を認めた。 18F-FDG PET 検査では、左室前側壁に focal on diffuse type の 集積亢進を認め、全身の他の臓器に異常集積を認めなかった。冠 動脈造影検査で冠動脈に有意狭窄を認めず。心内膜心筋生検では 類上皮細胞肉芽腫の所見は認められず、間質にリンパ球が散見さ れた。 表在リンパ節の腫脹や BHL を認めず、眼科的、皮膚科的、呼吸 器内科的に、サルコイドーシスを疑う臨床所見は認めていない。 血液検査では、ACE および可溶性 IL-2 受容体は正常範囲であっ た。臨床的には心臓限局性サルコイドーシスが強く示唆される症 例と考えられるが組織学的証明が得られず、確定診断に難渋する 症例である。
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一般演題:口演4
  • 三浦 貴子, 山本 俊幸
    35 巻 (2015) Suppl1 号 p. 60-1
    公開日: 2016/04/07
    ジャーナル フリー
    サルコイドーシスにおいて皮膚症状を呈する症例は約 25-30%程 度とされており、出現頻度の比較的高い症状の一つである。皮膚 の病理組織検査はサルコイドーシスの診断の有用な検査であり、 また侵襲が少ないため当科では他科からのコンサルテーションを 含め積極的に行っている。加えて皮膚症状から合併症の傾向を予 測することが可能であるため、サルコイドーシスにおける皮膚症 状の評価は重要な位置を占めると考えられる。今回、我々は当教 室で 2000〜2015 年 4 月までの過去 15 年間で皮膚生検が施行でき たサルコイドーシス患者についてまとめ、皮膚症状の病型、部位、 臓器合併症の有無、ACE 値、皮膚病理組織における免疫染色を行 い検討した。当科で経験したサルコイドーシス患者は 48 例で、男 性 9 例、女性 39 例で女性に多い傾向にあった。年齢は 27〜83 歳 で平均年齢は 57 歳であった。部位別では顔面や下肢が多く、皮膚 サルコイドの皮疹型では結節型が最多で、他に稀な型として乾癬 様皮疹や魚鱗癬様皮疹、結節性紅斑様皮疹を呈した症例も数例見 られた。これらの臨床的検討について述べる。
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  • 中村 維文, 仲田 かおり, 高橋 尚子, 大野 健太郎, 池田 哲哉, 豆鞘 伸昭, 冨岡 洋海, 勝山 栄治
    35 巻 (2015) Suppl1 号 p. 60-2
    公開日: 2016/04/07
    ジャーナル フリー
    皮膚生検が診断に有用であったサルコイドーシス症例を呈示する。 症例 1 は 54 歳、女性、飛蚊症を主訴に当院紹介。両眼にぶどう 膜炎があり、胸部 CT にて縦隔肺門リンパ節腫大、肺小結節性陰 影を認めた。ACE 60.2 U/L。後頚部、右肩、左膝に淡紅色粟粒大 丘疹が集簇する局面、左手掌には紅色結節があり、後頸部からの 皮膚生検にて類上皮細胞肉芽腫を認めた。症例 2 は 69 歳、女性、 左胸背部痛を主訴に近医を受診、胸部異常陰影を指摘され、当院 紹介。ACE 32.4 U/L、胸部 CT で縦隔肺門リンパ節腫大、肺野多 発結節影を認めた。右第 4 指 PIP 関節部皮膚に淡紅色結節があり、 同部の皮膚生検にて類上皮細胞肉芽腫を認めた。症例 3 は 77 歳、 女性、2,3 年前から顔面に無症候性の角化性紅斑を認め、1 年前か ら左腕にも同様の皮疹出現。近医でのステロイド剤の外用は無効 で、当院紹介受診。左腕、前額部から側頭部、耳介にかけて融合 傾向と一部に中央治癒傾向を示す類円形角化性紅斑を認め、特に 左側頭部では融合し大きな紅色角化性局面を呈していた。側頭部 からの皮膚生検にて類上皮細胞肉芽腫を認めた。ACE 23.9 U/L で、皮膚以外の病変は認めなかった。
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  • 原 真理子, 土井 直孝, 古川 福実, 金澤 伸雄
    35 巻 (2015) Suppl1 号 p. 60-3
    公開日: 2016/04/07
    ジャーナル フリー
    49 歳女性.2013 年 8 月頃より腹部に軽度の痒みを伴う環状の皮 疹が出現した.近医皮膚科で処方されたステロイド外用剤を外用 するも,徐々に遠心性に拡大し皮疹の数も増加してきたため, 2014 年 5 月に当科を受診した.当科初診時,腹部から両腰部にか けて,やや堤防状に隆起し浸潤を触れる,⻑径 数 cm から 10cm を超える大小の環状紅色皮疹を複数認めた.環状皮疹の内側はや や萎縮性で淡い色素沈着を伴った.前医での皮膚生検では膠原線 維の増生と多核巨細胞を伴うリンパ球,好酸球の集簇性浸潤を散 在性に認めたが,壊死やムチン沈着は認めなかった.サルコイド ーシスが疑われたが,血液検査や全身検索では高脂血症のほかに は特に異常を認めなかった.一部の巨細胞にアステロイド小体を 認め,エラスチカ・ワンギーソン染色にて黑染する断裂した弾性 線維の貪食像を多数認めたため,annular elastolytic giant cell granuloma(AEGCG)と診断した.トラニラストの内服を追加 したところ皮疹の拡大はやや軽快したが, 2015 年 1 月頃より再 度増大傾向にある.ステロイド局所注射は有効だが、萎縮を残し た.AEGCG は露光部に生じることが特徴とされるが,本邦では 体幹など非露光部に生じたものが多く報告されている.
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  • 福本 毅, 国定 充, 岡 昌宏, 錦織 千佳子
    35 巻 (2015) Suppl1 号 p. 60-4
    公開日: 2016/04/07
    ジャーナル フリー
    64 歳女性。初診の 1 年 3 ヶ月前に腹部に紅色の皮疹が出現し、数 件の皮膚科で治療を受けたが効果がなかったため当科を紹介され た。初診時、右腹部および両大腿内側に鶏卵大までの、浸潤を伴 う環状ないしは半環状の軽度隆起した淡紫紅色斑が散在性に多発 していた。腹部の皮疹は、伸展性皮膚線条を避けて存在していた。 妊娠線条を含めて生検を行ったところ、皮疹部では真皮上層から 中層にかけて、膠原線維間に多くの多核巨細胞、少数の組織球、 リンパ球からなる炎症細胞浸潤がみられた。巨細胞内には断片化 された弾性線維が見出された。妊娠線条部分では、これらの炎症 細胞浸潤はみられず、また、弾性線維は断片化、狭細化していた。 皮疹は環状弾性線維融解性巨細胞肉芽腫と診断した。弾性線維が 著明に減少した伸展性皮膚線条部を避けて皮疹を生じた今回の症 例は、 環状弾性線維融解性巨細胞肉芽腫において弾性線維が発症 に重要な役割を果たすことを示すと考えた
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  • 福本 毅, 三木 康子, 正木 太郎, 福永 淳, 岡 昌宏, 皿山 泰子, 伊藤 智雄, 錦織 千佳子
    35 巻 (2015) Suppl1 号 p. 61
    公開日: 2016/04/07
    ジャーナル フリー
    71 歳女性。初診の 8 ヶ月前に右大腿に瘙痒を伴う皮疹が出現し、 近医皮膚科でステロイド外用剤による治療を受けたが、皮疹は軽 快せず隆起してきた。初診の 2 ヶ月前に神戶労災病院皮膚科に紹 介され生検を受けたが、診断に至らなかった。同皮膚科でステロ イド局注やタクロリムス外用治療を行うも皮疹の拡大が続いたた め、精査加療目的で当科を紹介された。初診時、右大腿内側に 20 × 12 cm の範囲に粟粒大までの淡紫紅色斑が密集して多発し、そ の中に 6.5 × 3.5 cm の紫紅色局面形成がみられた。病理組織学的 所見では、真皮全層にリンパ球、組織球、形質細胞、巨細胞など からなる密な細膨浸潤があり、emperipolesis を認めた。組織球細 胞は S-100 陽性、CD68 陽性、CD1a 陰性であった。リンパ節を 含めた他臓器病変を伴わず、皮膚 Rosai-Dorfman disease と診断 した。
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一般演題:ポスター発表1-1
  • 橘 和延, 新井 徹, 杉本 親寿, 北市 正則, 審良 正則, 林 清二, 井上 義一
    35 巻 (2015) Suppl1 号 p. 64-1
    公開日: 2016/04/07
    ジャーナル フリー
    【目的】サルコイドーシスの肺病変は上肺野優位の分布が多いが、 時に下肺野優位の分布を認める。下肺野優位群は肺機能低下をき たし予後不良であると仮説を立て検証を行った。【対象】2004 年 4 月から2014 年3 月までに当院で気管支鏡によりサルコイドーシ スの診断をうけた 108 例。【結果】下肺野優位の分布を示した 11 例と非下肺野優位分布の 97 例を比較した。年齢 (71 歳 vs 56 歳, p = 0.0005)、KL-6 (1046 U/mL vs 342 U/mL, p < 0.0001), SP-D (193 ng/mL vs 45.1 ng/mL, p < 0.0001)において下肺野優位群で 有意に高値であった。診断時の肺機能では%FVC (96.0% vs 103%, p = 0.022), %DLco (63.2% vs 87.6%, p = 0.013)ともに下肺野優位 群で有意に低下がみられた。下肺野優位群は年間の FVC の低下量 は有意に大きく(112 mL vs 0 mL, p = 0.0033)、全生存期間は有意 に低かった(p < 0.0001)。【結論】下肺野優位のサルコイドーシス は肺機能低下をきたし予後不良である。
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