アクリル酸とアクリル酸アルキルコテロマーの多鎖型界面活性剤 (xR
mA-yAA, x, y及びmはそれぞれアルキル鎖の数, 親水基の数及びアルキル鎖長を意味する) を連鎖移動剤に2-アミノエタンチオール塩酸塩を用いて, アクリル酸とアクリル酸
n-ヘキシル, 2-エチルヘキシル及び
n-ドデシルのコテロメリゼーションにより合成し, 界面化学的性質について検討した。xR
6A-yAA, xR
8A-yAA及びxR
12A-yAA水溶液の表面張力は, それぞれ28~32, 27~30及び38~45mN m
-1であった。臨界ミセル濃度 (cmc) は, アルキル鎖数及び鎖長の増加に伴って減少した。300ppmのCa
2+存在下では, 2.9R
6A-2.3AA, 2.8R
8A-2.5AA及び2.7R
12A-2.9AAは, それぞれ24, 28及び33mN m
-1の表面張力であった。短いアルキル鎖を有する2.9R
6A-2.3AAは高い泡沫安定性を示したが, 分岐鎖を有する2.8R
8A-2.5AAは低い安定性を示した。xR
6A-yAA, xR
8A-yAA及びxR
12A-yAA水溶液とトルエンとの界面張力は, それぞれ, 11~13, 8~12及び10~15mN m
-1であり, cmcは一般の界面活性剤ドデカン酸ナトリウムに比べて1/3~1/4となった。トルエンの乳化は, コテロマー水溶液と振り混ぜることによって形成し, 特に2~3本のアルキル鎖を有するコテロマーに高い安定な水中油滴型のエマルションが認められた。
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