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大久保 賢治
セッションID: S01
発行日: 2005年
公開日: 2005/09/21
会議録・要旨集
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集水域に由来する各種環境問題を抽出し,その解明のために行われてきた長期にわたる実態調査,物理学あるいは生態学的な数値解析結果などを参照しながらダム貯水池の水理現象について紹介するとともに当該流域におけるダムの影響程度の評価について簡単に述べる.
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中本 信忠
セッションID: S02
発行日: 2005年
公開日: 2005/09/21
会議録・要旨集
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富栄養化は集水域の活動の結果で生じる。河川は無機化(浄化)現象や機能を持つが、湖沼は栄養塩を使って富栄養化する傾向が大きい。水の滞留時間と富栄養化現象とには、相関がある。下久保ダム湖での淡水赤潮、菅平ダム湖の富栄養化、諏訪湖での富栄養化について、具体例をあげながら紹介する。水質測定の問題点とその水を使うという点で何が問題かを考究する。
量と水質(水温、濁り、水道水源としての問題)。水道水源としての課題では、異臭味、ろ過閉塞、濁り。それらは、すべて薬品処理の急速ろ過処理での問題であった。生物処理の緩速ろ過処理なら問題ない。生物現象の良き理解者が水質問題を解決できる。
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谷田 一三
セッションID: S03
発行日: 2005年
公開日: 2005/09/21
会議録・要旨集
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ダムの建設によってダム湖という人工生態系ができるとともに、ダムの下流(流出流)の河川生態系にも大きな改変が起きる。人工的な流況改変、土砂供給量の減少、低水温水の放流などが主要なものだが、これらは下流河川の生態系に大きな影響を及ぼす。国内外の事例を紹介するとともに、今後の研究の方向性について考究する。
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杉本 隆成
セッションID: S04
発行日: 2005年
公開日: 2005/09/21
会議録・要旨集
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戦前から現在まで、発電や多目的用のダムが多くの河川に建設され、河川の濁りや水質、生態系に影響を与えてきた。それだけでなく、河口や周辺の海岸・沿岸海域に対する影響は10ないし数10年規模で顕在化きた。その主要なものは、砂泥の干潟域においては、ベントスの激減であり、開放型の海岸においては、海岸侵食である。これらの原因として、河口から海に流出する砂泥や、礫の量の減少は勿論であるが、粒径が小さくなったことが、質的・量的に大きく影響しているものと推測される。このことを、有明海の干潟域や熊野川河口周辺の砂礫海岸を例にして述べてみたい。
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山田 俊郎, 福原 晴夫, 井上 隆信, 中原 治, 伊豆田 猛, 須田 隆一, 高橋 正通, 小林 洋康, 高橋 昌臣, 佐瀬 裕之, 袴 ...
セッションID: OS01
発行日: 2005年
公開日: 2005/09/21
会議録・要旨集
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日本の、人為的な影響を受けにくいとされる5湖沼(倶多楽湖(北海道)、鎌北湖(埼玉県)、伊自良湖(岐阜県)、蟠竜湖(島根県)、鰻池(鹿児島県))における、過去20年間の水質調査結果を基に、pH、電気伝導度、アルカリ度についてトレンド解析を行った。酸性雨による河川・湖沼の水質の急激な変化は見られなかったが、伊自良湖流入河川、倶多楽湖近傍湧水のpHは年々低下する傾向が見られた。
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楊 宗興, 三宅 義則, 杉山 浩史, 木平 英一
セッションID: OS02
発行日: 2005年
公開日: 2005/09/21
会議録・要旨集
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大気沈着物による森林の「窒素飽和」という現象がわが国でも生じ始めている。その広域実態、森林集水域の窒素循環との関係、酸性化の徴候などについて紹介する。
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柴田 英昭
セッションID: OS03
発行日: 2005年
公開日: 2005/09/21
会議録・要旨集
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北海道北部の森林生態系において富栄養酸性雨である窒素沈着が流域の窒素収支に及ぼす影響を明らかにするための実験を行った。現時点で大気沈着の少ない森林流域における窒素保持機能について、土壌内での窒素代謝や河川への窒素溶脱の調査から考察する。
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生田 卓司, 小林 洋康, 高橋 昌臣, 佐瀬 裕之, 戸塚 績
セッションID: OS04
発行日: 2005年
公開日: 2005/09/21
会議録・要旨集
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酸性汚染物質の陸水影響を調査するために、これまでのpHおよび電気伝導率の測定方法は、簡易型測定器を現地に持参して測定することが一般的であった。しかし三面川水系のような積雪が多い地域では、積雪のために現地での観測が困難であることから、冬季や春先のデータが得られないことが多かった。特に融雪期には、雪の中に蓄積されていた酸性汚染物質が河川に流出し、pHの急激な低下が起こるといわれており、融雪期のデータの取得は大きな課題であった。その変化を捉えた連続データの取得は、酸性汚染物質の水生生物への影響を評価する上で重要と考えられる。今回、市販の連続水質モニタリング装置を用いて、三面水系の水質を測定することにより、酸性汚染物質の渓流河川水に与える影響把握に応用可能かどうかを検討した。
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越川 昌美, 高松 武次郎, 野原 精一, 渡邊 未来, 佐竹 研一
セッションID: OS05
発行日: 2005年
公開日: 2005/09/21
会議録・要旨集
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土壌や陸水のAlは,Al
3+のほか各種の有機・無機錯体として存在し,その化学形態に応じて溶解度や毒性が変化する。そのため、Al形態に関する情報はAlの動態や生物影響を考えるうえで重要で、特に酸性化した環境の研究には不可欠である。日本では,植物根に与えるAl毒性の評価を目的とした土壌溶液の研究が数例存在するのみであり,渓流水などの研究はほとんど行われていない。我が国でも生態系の潜在的な酸性化が危惧されているので、土壌や渓流水中のAlの形態を早急に明らかにする必要がある。本研究では,新潟県三面川水系における渓流水中のAlの形態別分布と地質の関係を明らかにすることを目的とした。
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野原 精一, 佐竹 研一
セッションID: OS06
発行日: 2005年
公開日: 2005/09/21
会議録・要旨集
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新潟県を流れる三面川の流域において酸性化の影響の調査結果を述べる。特に、段階別酸中和能による渓流河川の評価を行う。サケ科魚類の生息と水質についての関連性に触れ、自然個体群のあり方について考察する。
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北村 章二, 生田 和正, 鈴木 幸成
セッションID: OS07
発行日: 2005年
公開日: 2005/09/21
会議録・要旨集
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イワナを始めとするサケ科魚類の行動生理に及ぼす酸性環境の急性影響を実験的に明らかにした。その結果、pH6台ですでに産卵行動や河川遡上行動が著しく抑制され、pH5台では免疫機能や配偶子形成に異常をきたし、pH4台になると浸透圧機能の低下から死に至るなど、酸性化の段階別に魚類への影響度合を評価することが可能となった。また、自然酸性河川におけるイワナの分布と河川水pHの関係を明らかにした。さらに、新潟県三面川上流域のイワナ生息域における水質を調査し、酸性雨による酸性化の危惧度を評価した。
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本間 航介, 福山 利範, 三浦 慎悟, 上野 直人, 関島 恒夫
セッションID: 1A01
発行日: 2005年
公開日: 2005/09/21
会議録・要旨集
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池田 啓, 内藤 和明, 大迫 義人
セッションID: 1A02
発行日: 2005年
公開日: 2005/09/21
会議録・要旨集
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日本ですでに絶滅したコウノトリを野生復帰させるため、彼らの生息環境である水辺の環境について、地理情報システムを用いることで現状を評価し、その結果をもとに環境修復している現況について報告する。
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~水質の経時変化~
小川 大輔, 権田 豊, 中田 誠, 川邉 洋
セッションID: 1A03
発行日: 2005年
公開日: 2005/09/21
会議録・要旨集
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近い将来、佐渡ではトキの放鳥が予定されており、それに向けてトキのための餌場やねぐら等の生息環境の整備を行う必要がある。現在、新潟県佐渡市の小佐渡東部にあるキセン城では、新潟大学トキ野生復帰プロジェクトの一環で放棄棚田の復元が行なわれている。本研究は2003年8月末に復元された放棄棚田群の中に試験地を設定し、耕期直後より、降雨・流量・水質等のモニタリングを実施しているものである。今回は、これまでの調査結果から明らかになったことを発表する。
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~両生類などトキのえさ生物の動態~
関谷 國男, 山平 寿智, 福原 晴夫, 石田 千晶, 小池 隆史, 養田 勝則, 金子 理恵, 上野 直人
セッションID: 1A04
発行日: 2005年
公開日: 2005/09/21
会議録・要旨集
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小佐渡地域の東部は、かつて日本の野生トキが最後まで棲息していた地域で、トキはこの山間部にある棚田を餌場としていた。放棄されてから数十年経過していたが、かつての棚田を復元しこの水環境における水生生物の動態を2003年から調べはじめた。野生で棲息していたトキの胃の内容物にはイモリ、カエルが多く含まれていたとの記録があり両生類を中心にモニタリングを始めた。佐渡島内に棲息する移入種(アズマヒキガエル、ウシガエル)以外の全6種(イモリ、クロサンショウウオ、ヤマアカガエル、ツチガエル、ニホンアマガエル、モリアオガエル)が復元棚田に生息することが確認され、2004年には繁殖の拡大が確認された。
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関島 恒夫, 田村 智恵子, 鈴木 孝子
セッションID: 1A05
発行日: 2005年
公開日: 2005/09/21
会議録・要旨集
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現在、環境省および新潟県は、数年後に控えた佐渡島でのトキの野生復帰定着に向け、その増殖計画を推進している。その一方、トキの生息に必要不可欠な採餌・営巣環境の整備は、地元農家やNPO等の活動が主体となり進められているものの、未だ広域的、組織的な取り組みにはいたっていない。我々は、不耕起農法や冬期湛水有機農法といった環境保全型農業の普及、あるいは放棄水田を調整水田に転用する試みを土台にした採餌環境整備計画の早期立案を目指し、複数のタイプに類型化された水田環境において、トキの餌動物を含むバイオマス評価と食物網の解析を実施している。本公演では、これらの取り組みを紹介するとともに、採餌環境整備を進めていく上での問題点についても言及したい。
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伊藤 亮司, 平泉 光一, 元永 佳孝
セッションID: 1A06
発行日: 2005年
公開日: 2005/09/21
会議録・要旨集
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トキをどのような生産の場に迎えるかという課題に関わって小佐渡地域の農業を展望する場合、いずれにせよ突きつけられる課題は、トキの生育環境と矛盾しない農業生産の展開であり、いわゆる環境保全型農業の展望をどのように描くかという点にある。本地域には、トキの野生復帰に配慮した様々な環境保全型農法の実践を試みる個人やグループが力強く育っており、それらの取り組みが大きく取り上げられている。しかしながらその反面、それらの動きは点や線であって、いまだ面的な取り組みあるいは地域全体のものになってはいない。本報告では、トキ野生復帰を控えた小佐渡地域における環境保全型農業の展開条件を地域農業の経営経済的側面から分析し、施策的課題および展望を考察する。
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三橋 弘宗
セッションID: 1A07
発行日: 2005年
公開日: 2005/09/21
会議録・要旨集
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由水 千景, 西村 洋子, Kim Chulgoo, 永田 俊
セッションID: 1A08
発行日: 2005年
公開日: 2005/09/21
会議録・要旨集
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本研究の対象水域である琵琶湖北湖では,近年,深水層での溶存酸素濃度の減少が指摘されているが,低酸素化の実態に関する情報は十分とは言い難いのが現状である.深水層での溶存酸素濃度の変化には様々な要因が複雑に絡み合って影響を及ぼしていると考えられ,琵琶湖深水層における酸素消費過程の実態や機構を明らかにしていく上では,水柱における酸素消費速度の測定が必要不可欠となる.本研究では,水柱での有機物分解(酸素呼吸)に伴う酸素消費の実態を明らかにすることを目的とし,高精度ウィンクラー法を用いて測定した酸素消費速度の季節変化を,深水層におけるバクテリア群集の生産と併せて報告する.
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-京都大学定期観測データの予備的解析結果から-
永田 俊
セッションID: 1A09
発行日: 2005年
公開日: 2005/09/21
会議録・要旨集
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京都大学理学部附属大津臨湖実験所の琵琶湖定期観測は、森主一所長(当時)らの発案により1965年に開始された。大津臨湖実験所の廃止(1991年)後は、京都大学生態学研究センターに引き継がれ、今日にいたっている。このたび、1965年から2000年の間に取得されたデータのうち、水温、pH、透明度、溶存酸素濃度、クロロフィル濃度についての電子化が完了した。データベースは、生態学研究センターのホームページ上で公開されている(www.ecology.kyoto-u.ac.jp)。本講演では、北湖の水深約70mの定点(Ie)で得られた、水温と溶存酸素濃度のデータを解析した予備的結果を報告したい。
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安積 寿幸, 後藤 直成, 三田村 緒佐武
セッションID: 1A10
発行日: 2005年
公開日: 2005/09/21
会議録・要旨集
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琵琶湖流入河川水中のケイ素濃度に対する琵琶湖水中のケイ素濃度は約10分の1と報告されており、琵琶湖水中でケイ素の除去が起こっていると推測される。本研究では、琵琶湖において、ケイ素の除去がどの程度起こっているかを調べる基礎研究として、各態ケイ素濃度の分布を調査した。
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~とくにサイズの視点から~
紀平 征希, 後藤 直成, 三田村 緒佐武
セッションID: 1A11
発行日: 2005年
公開日: 2005/09/21
会議録・要旨集
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琵琶湖北湖において懸濁態リンを化学的分画し,その季節変動を見た。特に懸濁物のサイズに注目した。化学的分画は酸抽出と熱抽出を行い,それぞれの無機態リン,有機態リンを測定した。その結果,全懸濁態リンに占める割合をみてみると,小さいサイズでは酸抽出有機態リンと熱抽出有機態リンの割合が高かった。一方,大きいサイズでは酸抽出無機態リンと熱抽出無機態リンの割合が高かった。季節変動において,小さいサイズではほとんど一定で変動は見られなかった。大きいサイズにおいて,熱抽出有機態リンが全懸濁態リンの変化に最も関与していた。
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田中 恭見, 赤塚 徹志, 後藤 直成, 三田村 緒佐武
セッションID: 1A12
発行日: 2005年
公開日: 2005/09/21
会議録・要旨集
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琵琶湖におけるN
2Oの発生を知るために、年間の鉛直分布を追うとともに、湖沼のN
2O生成の主要因である脱窒活性についての測定を行い、琵琶湖でのN
2O発生への影響を見た。
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赤塚 徹志, 後藤 直成, 三田村 緒佐武
セッションID: 1A13
発行日: 2005年
公開日: 2005/09/21
会議録・要旨集
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本研究は,琵琶湖沿岸域の湿地帯における脱窒が堆積物の乾燥の度合いにより受ける影響を評価することを目的に行なった。野外調査では,脱窒は,冠水環境において強い硝酸塩制限にあり,干出環境において堆積物の乾燥の度合いにより,その活性は様々に変動した。室内実験では,堆積物は冠水により硝酸イオンへの依存性が強まり,干出により硝酸イオンへの依存性が弱まる傾向が見られた。これらの結果から,琵琶湖沿岸域の湿地帯における脱窒活性は,堆積物の乾燥の度合いに強く影響されていることが明らかになった。
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丸尾 雅啓, 土井 絵美, 井上 裕貴, 土井 崇史, 小畑 元
セッションID: 1A14
発行日: 2005年
公開日: 2005/09/21
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琵琶湖水中の懸濁態金属(孔径0.2μmのフィルターで捕集)のうち、Al、Fe、Ti、Mgといった、地殻起源と考えられる金属は互いに高い相関をしめすが、溶存態とされている画分でも、Al、Feは高い相関を示す。これは、地殻起源の粒子のうちコロイド様のものが多く存在し、溶存態に加算されているためと考えられる。口径0.05μmのフィルターを用い、溶存態からコロイド分画を取り出して分析したところ、これもAl、Feが高い相関を示した。地殻起源の金属にコロイド態として存在する部分が相当量あり、鉄については溶存態の40%近くが0.2から0.05μmのサイズに含まれていることが明らかになった。
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大久保 卓也
セッションID: 1A15
発行日: 2005年
公開日: 2005/09/21
会議録・要旨集
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琵琶湖内湖の一つである神上沼(面積約6ha)で窒素、リンの物質収支を把握するため詳細な調査を実施した。その結果、調査期間(1年4ヶ月)を通しての除去率は、全窒素で17%、全リンで57%であった。この除去率は、これまで調査したきた他の内湖、ため池(エカイ沼、大門池)における値に比べると高く、その原因として流入水の窒素、リン濃度が養魚場排水の影響で高いことが考えられた。
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多川 栞, 工藤 勲, 平 陽介, 菜畑 優樹, 傳法 隆, 上田 宏
セッションID: 1A16
発行日: 2005年
公開日: 2005/09/21
会議録・要旨集
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洞爺湖ではリンが非常に少ないため、植物プランクトンやバクテリアの生産が制限されています。メソコスム実験はリンを添加することにより植物プランクトンを増加させ、その後の物質循環を明らかにすることを目的に行ないました。実験は約200m
3の2基のメソコスムを洞爺湖に設置し、2003年夏に約1か月間行ないました。その結果、リン添加後、植物プランクトンは初期の10から20倍に増加し、リン酸塩、硝酸塩は涸渇しました。今回は植物プランクトンのサイズによる増殖過程の違いや、その沈降への影響、栄養塩や溶存・粒状有機物、堆積物など含む生元素の物質収支についての内容です。
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鹿野 秀一, 菊地 永祐
セッションID: 1A17
発行日: 2005年
公開日: 2005/09/21
会議録・要旨集
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火口湖の潟沼は、湖底からの地熱の供給のために成層期の表水層と深水層の温度差が小さい。そのため気温の低下により一時的な全循環が起こりやすい。熱フラックスについてのボックスモデルを用いて、この全循環の過程をシミュレートし、要因の解析を行った。
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大森 浩二, 宮坂 仁, 伊藤 明, 奥田 昇, 大西 秀次郎
セッションID: 1A18
発行日: 2005年
公開日: 2005/09/21
会議録・要旨集
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貯水池の適正管理に関する生態系モデルによる解析を行った。
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相崎 守弘, 市川 哲也, 竹下 幹夫
セッションID: 1A19
発行日: 2005年
公開日: 2005/09/21
会議録・要旨集
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中海干拓事業は終了したが、干拓堤防や水門の取り扱いが議論されている。ここでは、干拓工事以前の地形での中海水質のシミュレーション解析を行い、干拓工事により改変された地形の影響を解析した。その結果、干拓工事前では境水道および本庄工区付近で混合が起こり、中海の底層塩分は現在よりかなり低く、貧酸素化する水域も狭まることが明らかになった。
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石川 靖, 五十嵐 聖貴, 高野 敬志, 三上 英敏, 日野 修次, 大平 啓朗, 柴田 英昭, 吉岡 崇仁
セッションID: 3A20
発行日: 2005年
公開日: 2005/09/21
会議録・要旨集
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流域環境の質と環境意識の関係を解明する目的で、2002年より研究プロジェクトを始めた。本研究の対象は北海道北部に位置する朱鞠内湖とした。当湖は、発電を目的としたダム湖であり、その集水域の大部分は演習林であり、人為活動も少ない事から、完成後の水質環境はこれまで大きく変化していないと考えられる。また、その運用目的から湖内が調査された事例は少ない。 2002年に年4回の水質調査を行なったところ、夏期に次のような特徴的な結果を得た。湖水中の栄養塩は枯渇する傾向であった。クロロフィル-a濃度は、湖内と沿岸域の地点で大きな差があった。細菌数は、他の富栄養湖と比して1×10
8を超える高密度であった。
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藤田 裕子, 大塚 泰介
セッションID: 3A21
発行日: 2005年
公開日: 2005/09/21
会議録・要旨集
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ラオスでは焼畑にかわる定住型で生産性の高い稲作の場として水田の重要性が増している。ラオス北部のベン川流域において6つの水田の藻類群集について調査した。これらの水田では農薬、化学肥料、農業機械などは用いられていない。培養法によって得られたラン藻や緑藻の量は10
5_から_10
6CFU g
-1 soilで、これまでに熱帯アジアおよび日本の水田から報告された藻類量の範囲にあった。一方、直接計数によって得られた珪藻量をみると、多いところでも10
3_から_10
4 cells g
-1 soilでほとんど珪藻が見られなかった水田もあった。
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吉川 俊一
セッションID: 3A22
発行日: 2005年
公開日: 2005/09/21
会議録・要旨集
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落合 照雄
セッションID: 3A23
発行日: 2005年
公開日: 2005/09/21
会議録・要旨集
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岡田 久子, 渡辺 泰徳
セッションID: 3A24
発行日: 2005年
公開日: 2005/09/21
会議録・要旨集
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浅い河川は様々なサイズの岩盤や礫などで河床が構成されている。この河床基質上にはさまざまな付着藻類が分布しており、河川生態系の一次生産者として重要な役割を担っている。付着藻類のなかでも糸状緑藻
Cladophora glomerataは速い流れにパッチ状に生育し、浅い河川に特徴的なものとして興味深い。また、
C. glomerataは付着藻類の中でも大型であるため、下流への汚濁負荷の原因となり、その分布を知ることは重要である。本研究では、礫サイズと
C. glomerataの分布の関係を調べようとしている。東京都の多摩川本川、特に中流域において
C. glomertataの分布を調査し、礫サイズとの関係で考察した。またさまざまなサイズの乾いた礫を河川中に設置し、礫サイズと
C. glomerataの発達の関係を調べた。
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藤野 毅, 浅枝 隆, 緒方 直博
セッションID: 3A25
発行日: 2005年
公開日: 2005/09/21
会議録・要旨集
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河道が比較的安定した木津川の砂州に広がるツルヨシ
Phragmites japonica群落について、地上部と地下部のバイオマス、リター、土壌有機物等を採取した。これまで航空写真等による調査から、洪水が生じない期間は、ツルヨシのバイオマスやリターは増加する傾向にあることが確認できた。リターの蓄積量は、洪水が生じて以降、明瞭に経過年数に対し加速度的に増加していることが考えられる。この理由は、流出後、多少残った地下茎によって新しく群落が形成され始め、地上の葉茎を形成、転流によって地下茎の生長を繰り返し、年を追うごとに、地上部および地下部のバイオマスが増加する。こうしたサイクルによって、河道の安定化とともに砂州の固定化が促進されていると考えられる。
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中嶋 崇志, Aung Nanda, 藤野 毅, 浅枝 隆
セッションID: 3A26
発行日: 2005年
公開日: 2005/09/21
会議録・要旨集
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森林河川上流のリーフリターの堆積・輸送特性に関する情報として、現地実験により減衰係数を得ることが一般的であったが、そもそも詳細なメカニズムは十分明らかにされていない。そこで本研究では、様々な形状を有する複雑な河床構造下でのリターの堆積メカニズムを整理することを目的に、平常時の森林河川において詳細なリター分布を調査した。次に、瀬に堆積するリターの定量化を試みた。調査は、163mの区域において、1m×1mのコドラートを設け、コドラート内の平均水深、礫幅や高さ、および礫間距離などを調査し、これを60地点測定した。これらの結果を用いて、それぞれの項目別にリターの堆積の傾向を表現し、さらにこれらを組み合わせて堆積量を見積もった。
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田村 博, 齋藤 由実子, 大橋 禎恵, 神野 憲一, 小宮 隆子, 栗原 伸義, 福田 訓眞
セッションID: 3A27
発行日: 2005年
公開日: 2005/09/21
会議録・要旨集
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湯の湖のコカナダモの生長に関して現地調査と栽培試験を行った。湯の湖北部における現地調査の結果、コカナダモ等の沈水植物の草丈は、4月には30cmに満たないが、高い草丈の範囲は徐々に増大し、11月末には50cm以上となる区域も確認された。栽培試験の結果、コカナダモの一日あたり生長量は18.8℃から24.2℃の範囲で極大となり、その平均は1.4cmであった。
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一瀬 諭, 若林 徹哉, 藤原 直樹, 辻 元宏, 岡本 高弘, 加賀爪 敏明
セッションID: 3A28
発行日: 2005年
公開日: 2005/09/21
会議録・要旨集
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琵琶湖では,流れ藻となって湖岸に漂着しやすい種類はクロモやホザキノフサモ等であり,今回の分解実験結果から,窒素類はセンニンモが多く放出し,リン類はクロモやホザキノフサモが多く放出することが明らかとなった.また,漂着した流れ藻は分解によって短期間に多量の栄養塩類を湖中に放出することも明らかになった.今後は,流れ藻の種類別全体量の把握や,その除去政策のための追加調査を実施する必要があると考えている.
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-生物毒性試験による農薬影響評価-
北條 敏彦, 古川 雅也, 宮崎 さとえ, 朴 虎東
セッションID: 3A29
発行日: 2005年
公開日: 2005/09/21
会議録・要旨集
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宮崎 さとえ, 北條 敏彦, 朴 虎東
セッションID: 3A30
発行日: 2005年
公開日: 2005/09/21
会議録・要旨集
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本研究は長野県飯山市の水田地帯を流れる広井川を研究地点とし、農薬が付着微生物群集の生産力に与える影響を評価する事を目的とした。広井川No.2で2003年6, 8月に付着微生物群集の生産力(NCP・CR)の測定を行った。付着微生物群集のNCPは6月で64 mgC m
-2 h
-1 、8月上旬で 105 mgC m
-2 h
-1であり、CRはそれぞれ74, 18 mgC m
-2 h
-1であった。広井川流域では6月に除草剤、8月には航空防除によって殺虫剤DEPと殺菌剤トリシクラゾールが散布される。6月は除草剤により付着微生物群集内の付着藻類の光合成が阻害されNCPが減少し、8月では殺虫剤・殺菌剤によって付着微生物群集内のバクテリアや原生動物等の呼吸が抑えられCRが減少した。付着微生物群集の生産力の測定は農薬の影響を評価する良い手法になる事が本研究によって実証された。
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宮原 裕一, 角田 紗代子
セッションID: 3A31
発行日: 2005年
公開日: 2005/09/21
会議録・要旨集
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長野県諏訪湖において、その湖水と流入河川水について、高頻度で農薬のモニタリングを行った。その結果、農薬の使用時期を反映し、水中から水田農薬が検出された。また、大規模河川に比べ湖水中濃度が高い農薬もあり、水田から高濃度の農薬が流出し、小規模河川を通じ湖へ流入していることが示唆された。また、農薬が検出された河川水について、
D.magnaの遊泳阻害試験を行ったところ、遊泳阻害が観察されたが、その農薬濃度からは説明できず、別の要因が存在すると考えられた。
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石原 悟, 堀尾 剛, 石坂 真澄, 小原 裕三, 大津 和久, 横山 淳史, 遠藤 正造
セッションID: 3A32
発行日: 2005年
公開日: 2005/09/21
会議録・要旨集
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花里 孝幸, 廣川 春香
セッションID: 3A33
発行日: 2005年
公開日: 2005/09/21
会議録・要旨集
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ミジンコの個体群変動を実験室内で起こし、増殖期、ピーク期、衰退期に殺虫剤カルバリルを投与してその影響を調べた。ピーク期に殺虫剤が投与された時に最も大きく個体群が減少し、また回復が遅れた。このことから、殺虫剤に対する個体群の感受性は、個体群の趨勢によって異なり、ピーク期が最も殺虫剤の毒性影響を受けやすい時期であることがわかった。これには、個体群の変動に伴って変動した餌条件が関わっていたものと考えられた。
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張 光玄, 坂本 正樹, 花里 孝幸
セッションID: 3A34
発行日: 2005年
公開日: 2005/09/21
会議録・要旨集
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メソコスムに異なった捕食者密度と持つ動物プランクトン群集をつくり、そこに殺虫剤を投与して、殺虫剤に対する動物プランクトン群集の反応を群集レベルで解析した。
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-コガタシマトビケラの試験生物化の試み-
大津 和久, 横山 淳史, 石原 悟, 小原 裕三, 堀尾 剛, 遠藤 正造
セッションID: 3A35
発行日: 2005年
公開日: 2005/09/21
会議録・要旨集
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日本の河川に生息する水生生物から文献等の情報を元に試験生物として適切な生物を検討した結果、シマトビケラ類を試験生物として選定した。代表種であるコガタシマトビケラ
Cheumatopsyche brevilineata (IWATA)幼虫を茨城県内の用水路から採集し、基本的な殺虫剤感受性を検定するとともに、試験生物化を目指し室内での飼育条件を検討した。飼育条件を検討した結果、幼虫を室内で気温・水温20℃、明期14時間、魚用粉末飼料を給餌し、絶えず給気し、飼育水を撹拌することで、室内での飼育・羽化が可能となった。さらに、飼育容器内での交尾、産卵、孵化を確認し、数世代の累代飼育が可能であった。
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稲生 圭哉
セッションID: 3A36
発行日: 2005年
公開日: 2005/09/21
会議録・要旨集
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朴 虎東, 宮崎 さとえ, 北条 敏彦
セッションID: 3A37
発行日: 2005年
公開日: 2005/09/21
会議録・要旨集
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城戸 大作, 知北 和久
セッションID: 1B01
発行日: 2005年
公開日: 2005/09/21
会議録・要旨集
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夏期の氷河表面から生じる融解水は、多量の土砂と共に流出する。このとき,氷河内と氷河底にある流出経路の季節変化によって,流出特性自身も変化する.アラスカ・ガルカナ氷河におけるこれまでの観測から、その年の気象条件に依存して、流量と土砂流出量の両方が急激に増大する“イベント”現象が起こることがわかった。この現象の原因として、雨水と融解水の氷体内貯留が氷河底水圧を上昇させ、これにより堆積物を含む氷河底貯水槽の破壊が起きたため、と推測される。ここでは、観測で得られた流量と土砂流出量の時系列に対しタンクモデルを適用し,その再現を試みた.このとき,氷河底貯水槽の破壊に対するタンクを別個に設けることで,再現性が高められた。
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知北 和久
セッションID: 1B02
発行日: 2005年
公開日: 2005/09/21
会議録・要旨集
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小氷期以後にヒマラヤ氷河の末端に現れた池沼は、その後の氷河の後退・縮小に伴って現在まで拡大を続けている。1960年代からは湖を支えているエンドモレーンが決壊し、平均して3年に1度ヒマラヤのどこかで決壊洪水が発生している。この発表では、1995年から2002年の間に観測された3つの氷河湖の観測結果を通して、湖水流動系の観点からその拡大機構について議論する。また、三湖での風系は共通しているにもかかわらず、吹送流の動きは三湖で全く異なっていた。これについては、3次元数値実験によって、湖の下流にあるエンド・モレーンの地形が湖面上風分布へ大きく影響することを示す。
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