被覆ロールは, 工業的に広く用いられており, 製品の品質や生産性と密接に関係する重要な装置である. 本報告の目的は, このような被覆ロールの挙動を解析する方法を, 提案することである. まずはじめにロール長さ方向に垂直な断面内の二次元加圧現象取扱い, 荷重と被覆層の圧縮量との関係および接触幅と圧縮量との関係を表す数式表現を, 理論的および実験的に導く. これらの数式表現は, 簡潔であるとともに, 被覆ロールの因子を陽表的に含むという特徴を備えている. つぎにこれらの数式表現を用いて, 先に報告した被覆ロールの長さ方向の加圧現象を取扱う一次元的解析方法の拡張を行う. また実際の被覆ロールに対して解析を行い, この拡張された一次元的解析方法が, 被覆ロールの加圧現象の三次元的取扱いに対する一つの接近法であることを示す.
抄録全体を表示