道路貨物輸送産業 (営業トラック) における規制緩和の経済効果については, いくつかの先行研究で, 荷主に対する一定の効果 (余剰の増大) が導かれている.しかしながら, これら経済効果の要因に関しては, 十分な検討が行われていない.そこで本稿では, 規制緩和の影響を荷主・営業トラック事業者・その労働者の3者に分けて分析を行い, 荷主余剰増加分の大半は, 営業トラック事業者の利益と労働者余剰の減少分の転移によるもので, 規制緩和による社会的経済厚生の純改善効果は, ほとんどないことを示した.
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