日本観光学会誌
Online ISSN : 2436-7133
Print ISSN : 1341-8270
30 巻
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  • 安村 克己
    1997 年 30 巻 p. 1-8
    発行日: 1997/05/31
    公開日: 2023/06/17
    ジャーナル オープンアクセス
    本稿の目的は, 大学観光教育の意味と本質を検討することにある。検討にあたって, 観光研究と観光教育が世界中で注目されるようになった社会背景を考察する。この考察によって, 観光研究と観光教育の現代的意義が明瞭となり, 大学観光教育の役割が浮き彫りにされるであろう。 現代観光の持続可能な発展は現代の趨勢であり, “職業としての観光”は時代の要請である。観光の発展には, それを支える”観光プロフェッション”の確立が観光教育の焦眉の急な課題となる。本稿は, 大学観光教育の本質を”観光プロフェッショナル”を育成する”職業教育”であると見なす。大学観光教育の当面の課題は, 観光研究の成果に基づいて, “観光プロフェッション”を確立することにあるだろう。
  • 大江 靖雄
    1997 年 30 巻 p. 9-17
    発行日: 1997/05/31
    公開日: 2023/06/17
    ジャーナル オープンアクセス
    本稿の目的は, 広島県中山間地域の民宿経営を対象として, 農家・非農家による経営の比較分析によって, 現状の活動とその特徴を分析し, 今後のグリーンツーリズムの担い手像を考察することにある。分析結果から, これらの農家民宿と, 非農家民宿とは規模の差が認められたものの, 農家独自の特色ある経営活動の特徴はみられなかった。これは, 冬期のスキー客に依存した副業的な経営であるため, 安定的な低位均衡状態にあることを示している。このため, 一気にグリーンツーリズムへの移行は困難と思われる。そこで, 今後のグリーンツーリズムの担い手像として, 新規就農者等を主とする専業型と兼業農家が中心となる兼業型のタイプを指摘し, その特徴と課題を検討した。
  • 梅村 匡史, 須賀 武郎, 森 雅人, 越塚 宗孝, 香川 眞, 米田 和史, 根橋 正一, 宍戸 学
    1997 年 30 巻 p. 18-28
    発行日: 1997/05/31
    公開日: 2023/06/17
    ジャーナル フリー
    本研究は, 研究蓄積のほとんどない情報と観光に関する事例研究の集積に主眼をおいている。長期的には観光情報の提供をインターネット上にのせ, その効果的な運用に資するためのデータ集積を目的としてる。 本研究によって得られた知見から, ①インターネットを運用する上での対費用効果の問題,情報の有用性や正確さと信頼性の問題, ③適正な情報量の問題, ④送受信上のテクニカルな問題などが未解決の問題であることが明らかになった。 インターネットの特色は, 多くの情報源がリンクされ, 蜘蛛の巣状に広がっていることに代表される。基本的には, この特色を最大限発揮できるような「インタラクティブな情報交換の場」を生成することが必要となる。情報通信インフラ整備や行政による無料接続サービスといったインターネットの利用環境が充実するようになれば, 観光情報の提供をマスメディアに全面的に頼っていた時代からパーソナルメディアに依存する時代になることが予想される。
  • 佐藤 喜子光
    1997 年 30 巻 p. 29-35
    発行日: 1997/05/31
    公開日: 2023/06/17
    ジャーナル オープンアクセス
    本研究は持続的観光に則した観光地域開発の展開上の考え方とその担い手のあり方を探ることを目的としている。考察の手順は, まず持続的観光の必然性と観光効果増殖維持の必要性を, 環境と観光行動の関係の変遷から整理し, 新しい段階の持続的観光のあり方を探る方向性を定めることから始め, 次に, 新しい段階の持続的観光を支える要件を観光主体と観光客体の両側面から検討し, 開発の方向性について観光主体側の要請と観光客体側のあり方の両方の側面から検討した。以上の検討結果を踏まえて, 観光主体が観光地域で一時的に生活するための異日常空間の構成要素を, 比喩的に生活必需要件の「衣」・「食」・「住」の3要素に分解し, それぞれの要素の開発上の視点について, 北海道と沖縄のケースを例示的に整理の上, 一般論として新しい持続的観光の担い手の育成について言及している。
  • 白土 健
    1997 年 30 巻 p. 36-45
    発行日: 1997/05/31
    公開日: 2023/06/17
    ジャーナル オープンアクセス
    2020年には, 日本の総人口に占める約65歳以上の者が25%を超えるという発表がなされて久しい。最近は, このような人口構成の変化による高齢者の増加と障害者の社会参加の機会の増大により, 彼らが利用しやすい施設を拡充することが必要であると考えられ, 公共施設や都市施設を中心に身体障害者や老人に優しい街づくり, 使いやすい施設が全国で作られている。特にサービス産業の中核である旅客運送業者や宿泊サービス提供業者はノーマライゼーションの法令や施策に適合するように施設の拡充に重点を置いているが, 単にハード面だけでなく各業種の特性を踏まえ, 人のサービスを中心としたソフト面の充実が急務であることと, 我々国民が産業界により福祉的視点を身に付けさせる事と共に, 福祉政策を充実させることが必要である。
  • 中鉢 令兒
    1997 年 30 巻 p. 46-56
    発行日: 1997/05/31
    公開日: 2023/06/17
    ジャーナル オープンアクセス
    この研究は, 観光行動と観光地の景観の関係を明確にすることによって, 観光地再生に寄与することを目的にしている。本論では, 各観光地を想起する代表的観光箇所の景観と, 景観の集積としての観光地における観光行動に着目し, その関係を明確にした。観光地を, 景観を地と図の概念で分析し, 絵葉書の要因面積分析と, 輪郭線分析によって明確にした。景観の象徴的部分図確保は, 主として景観の輪郭線形成に寄与する開放性と, 周辺環境の同質相似性によって形成される点を指摘した。観光行動による, 景観と行動の関係性を, 観光地のビデオ記録によって明らかにした。景観における行為の頻度について, 象徴性の形態に対応して比較分析した。象徴的部分図と補助的部分図の総合的観光地と, 中心を持ち象徴的部分図が多くを占める観光地では, 前者の多様な観光行 為に対し, 後者では, 限定的観光行為である点が明確になった。こうした点を路まえ, 観光地の適切な組み合わせと, それを整備する必要性がある。また観光対策として, 役割分担とリンク性を配 慮した, 行政単位にとらわれない観光地整備が求められよう。
  • 服部 勝人
    1997 年 30 巻 p. 57-65
    発行日: 1997/05/31
    公開日: 2023/06/17
    ジャーナル オープンアクセス
    本論は観光を経営の視点から考察し, 多くの研究領域と密接に関係しながらも依然として不確定な位置づけにある「観光研究領域」への一考察を提示することを目的とする。さらに, 観光事業における経営を「ホスピタリティ」という要素を中心に展開する過程として, 「ホスピタリティ・マネジメントの循環過程」という仕組みを基礎に, 観光事業の組織 ( 営利, 非営利を問わず ) におけるホスピタリティの循環の一環として解説する。また, 観光事業という組織経営が複合化, 融合化を繰り返す現代組織の近未来像を現出させる領域であることから, いくつかの観光事業あるいは観光そのものの概念を再度検討し, 未来型組織形態に不可欠なホスピタリティ・マネジメントの必要性に論及するものである。
  • Hiroyoshi KOZU
    1997 年 30 巻 p. 66-70
    発行日: 1997/05/31
    公開日: 2023/06/17
    ジャーナル オープンアクセス
  • 浦 達雄
    1997 年 30 巻 p. 71-76
    発行日: 1997/05/31
    公開日: 2023/06/17
    ジャーナル オープンアクセス
  • 熊谷 明子
    1997 年 30 巻 p. 77-81
    発行日: 1997/05/31
    公開日: 2023/06/17
    ジャーナル オープンアクセス
  • 吉岡 秀輝
    1997 年 30 巻 p. 82-83
    発行日: 1997/05/31
    公開日: 2023/06/17
    ジャーナル オープンアクセス
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